社会科には、どうしても「暗記教科」というイメージがつきまといます。その原因の一つは、「教科書教える」という意識が根強く残っていることにあると思います。

 教科書に答えが書かれているのであれば、それを教えることもあると思いますが、そもそも社会科の教科書に書かれていることは、答えとは限りません。

 例えば、教科書に○○県○○市の浄水場のしくみが掲載されていたとしても、それは、自分たちの地域の浄水場ではありません。それを自分たちの事例に置き換えて考えることに意味があります。ですから、「教科書をすべて教えないといけない」と考える必要はありません。

 では、「教科書教える」には、どうしたらいいのでしょうか。

 社会科の教科書は、「本文」と「資料」から成り立っています。社会科の授業でよく見かけるのが、「○ページにこう書いてあるから~です。」と本文を根拠にして発言する場面です。

 社会科は、グラフ、地図、年表、写真、関係図などの社会科特有の「資料」を基に考える教科です。教科書の本文を根拠に考える展開に終始したとすれば、それは、社会科という名の国語になってしまう可能性があります。

 教科書の本文は資料を使った授業の「展開例」です。料理に例えるなら、教科書の資料は「食材」で、本文は調理法、すなわち「レシピ」です。

 教科書の「資料」と「本文」を線でつないでみましょう。そうすると、「この資料からこのような発言を引き出せばいいのだな。」と授業展開をイメージすることができます。

 その上で、教科書の資料だけをスキャンしたりコピーしたりして提示できれば、資料を基に考える社会科らしい授業が展開できると思います。

 つまり、「教科書で教える」とは
 ① 教科書の「資料」を基に考えさせる
 ② 教科書の「本文」(展開例)を参考にする
 と考えればいいのではないでしょうか。

教科書で教える