「見方・考え方」とは、追究する際の「視点や方法」です。社会科においては、時間(変化、推移等)、空間(分布、つながり等)、相互関係(協力、連携等)などが、着目する視点として挙げられています。
 
 文科省の調査官は、これらの視点を「足し算」で考えて欲しいと説明しています。

 例えば、第4学年の飲料水の学習。学習指導要領解説には、次のように示されています。

(2) 人々の健康や生活環境を支える事業について,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア  次のような知識及び技能を身に付けること。
 (ア) 飲料水,電気,ガスを供給する事業は,安全で安定的に供給できるよう進めらていることや,地域の人々の健康な生活の維持と向上に役立っていることを理解すること。

つまり、「飲料水」と「健康」を結び付けることがゴールです。

 よく行われるのが、水源林から各家庭の蛇口までの水の流れを図にまとめる学習です。これは、「空間」に着目した活動です。この活動を通して、飲料水は、多くの人たちの協力や連携によって送られてきているという「相互関係」に気付かせることができます。

 しかし、それだけでは本単元のゴール「健康」に意識は向きません。

 そこで、昔の飲み水のしくみと比較させます。大雨が降ると、井戸や川の水が濁ってきれいな水が得られなかった時代と比較することで、現在は、きれいな水が安定して供給され、私たちの健康が守られているという「意味」にたどり着きます。これは、「空間」「相互関係」の視点に「時間」の視点を足し算したことによって得られた深まりです。

 なお、この「昔と比べる」という時間的な見方は、他の学習にも活用できます。例えばゴミ処理のしくみ。かつての「埋める」「自分の家で燃やす」「勝手に捨てる」などと比べれば、現在の処理システムの衛生面がクローズアップされ、「生活環境の向上」に役立っていることに気付くはずです。

 いずれにしても、学習指導要領で、どんな知識を身に付けさせることがゴールなのかを確認した上で、子どもたちが社会的な見方・考え方を働かせることができるように仕掛けることが大切です。

見方・考え方の足し算