「容疑者Xの献身」オリジナル・サウンドトラック 2008年度・東宝・128分 ■原作:東野圭吾 ■監督:西谷弘 ■出演:福山雅治/芝咲コウ/堤真一/松雪泰子/北村一輝/渡辺いっけい/真矢みき/ダンカン |
実に面白い。
ドラマ版のような軽いタッチの作品かと思っていたら、映画のほうは重厚で、実に面白かった。
大学教授となり、若々しくハンサムな湯川教授と対照的な高校数学教師の石神。
「愛」については全くの非論理的な思考の持ち主である湯川教授が、大学時代の友人石神と親しく酒を酌み交わすシーンは人間味溢れていて、新鮮だった。
隣に越してきた母娘。彼女たちの宿命が悲しすぎる。
あれ以外の選択が、果たしてあったのだろうか・・・。
石神が仕組んだアリバイが、終盤には驚くべき方向へと向かっていく。
天才と言われた頭脳を持ちあわせていながら、湯川とは真逆の、落ちぶれた人生を歩むこととなってしまった石神の運命に胸が詰まり、涙が溢れた。
演ずる堤真一が、素晴しかった。
ドラマ版では約束の、『ひらめけばどこでも計算』シーンは無かった。
この作品にはそれが無くてよかったかも。
ドラマとは一線を画した作品となっていて、見ごたえ十分だった。
容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7) 東野 圭吾 by G-Tools |
だとしたら、その計算は見事に当たったと言えそうですね。