解雇予告手当支払通知書 従業員を解雇する際、30日前の予告を行わない場合には解雇予告手当の支払い必要となりますが「解雇予告手当支払通知書」はそうしたケースに交付する書類となります。解雇予告を行わず、即時解雇を行う際には、解雇の通告と同時に解雇予告手当支払通知書を交付し、解雇予告手当の支払を行うこととなります。
□重要度:★★★
□官公庁への届出:不要
□法定保存期間:3年間(後々のトラブル発生を想定すれば、できるだけ長く保存することが望ましい)

[ダウンロード]
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[ワンポイントアドバイス]
 解雇予告手当は、労働の対象となる賃金ではないため、労働基準法第24条に定める通貨払、直接払の原則は適用されませんが、賃金に準じて通貨で支払うよう取り計るべきものとされています(昭和23年8月18日 基発第2520号)。即時解雇の場合における30日の平均賃金の支払時期は、解雇の申渡しと同時に支払うものとされていますが、その支払いについては、通常の賃金その他の債務の支払われるのと同様に労働者が受け取りうる状態(郵送により労働者宛に送るか、法務局に供託するなど)であれば、労働者が受領を拒否しても本条違反の問題は生じません。

 また予告日数は、平均賃金を支払った日数分だけ短縮することが可能(例えば10日分の平均賃金を支払って20日後に解雇する)です。解雇予告における予告手当の支払いは、使用者への罰則(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)によって強制されています。もしこの予告手当の未払いがある場合、裁判所は労働者の請求によって、未払いの解雇予告手当と同一額の賦課金の支払いを命ずることができるとされています。

 最後に念のためですが、この解雇予告の制度は労働基準法で解雇を行う際のプロセスを定めたものに過ぎません。解雇予告手当を支払えば、無条件に解雇できるということではありませんので、ご注意ください。

[根拠条文]
労働基準法第20条(解雇の予告)
 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、この限りでない。
2  前項の予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。
3  前条第2項の規定は、第1項但書の場合にこれを準用する。

労働基準法第119条
 次の各号の一に該当する者は、これを6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
1.第3条、第4条、第7条、第16条、第17条、第18条第1項、第19条、第20条、第22条第?項、第32条、第34条、第35条、第36条第1項ただし書、第37条、第39条、第61条、第62条、第64条の三から第67条まで、第72条、第75条から第77条まで、第79条、第80条、第94条第22項、第96条又は第104条第2項の規定に違反した者
2.第33条第2項、第96条の2第2項又は第96条の3第1項の規定による命令に違反した者
3.第40条の規定に基づいて発する厚生労働省令に違反した者
4.第70条の規定に基づいて発する厚生労働省令(第62条又は第64条の3の規定に係る部分に限る。)に違反した者

労働基準法第114条(付加金の支払)
裁判所は、第20条、第26条若しくは第37条の規定に違反した使用者又は第39条第6項の規定による賃金を支払わなかつた使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。ただし、この請求は、違反のあつた時から2年以内にしなければならない。

[関連通達]
昭和23年3月17日 基発第464号
 法第20条による解雇の予告にかわる30日分以上の平均賃金は解雇の申渡しと同時に支払うべきものである

昭和63年3月14日 基発第150号
 予告手当は解雇申渡と同時に支払わなければならない(昭和23年3月17日 基発第464号)が、現実に労働者が受取り得る状態に置かれておればよく、解雇の申渡しをなすと同時に解雇予告手当を提供し、受領を拒んだ場合には、これを法務局に供託できることはいうまでもない。

[参考判例]
細谷服装事件(昭35年3月11日 最高裁(2小)判)
 使用者が労基法20条所定の予告期間をおかず、または予告手当の支払いをしないで労働者に解雇の通知をした場合、その通知は即時解雇としては効力を生じないが、使用者が即時解雇に固執しないかぎり、通知後同条所定の30日の期間を経過するか、または通知の後に同条所定の予告手当の支払いをしたときは、そのいずれかのときから解雇の効力を生ずるものと解すべきである。

(福間みゆき)

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