●原発自体の現状はあまり変わっていないようだ。とにかく粘るしかないという状況だったんだから、これは1つの朗報ではある。

●各地の環境放射能水準調査結果は殆ど動かなくなった。これは原発からの継続的な放出が減り、既に降下してしまった放射線源の影響の方がずっと大きくなったためで、ヨウ素131(半減期8日)がほぼ減衰してしまって、半減期の長いセシウム134(同2年)や137(同30年)の影響が大きくなったためである。134と137の比はほぼ1:1である。

降下物も殆ど検出されることはなくなった。たまにあっても、3〜4月に比べると非常に小さい。
 また、水道からの検出もほぼなくなった。

●心配されたプルトニウムやストロンチウムの汚染は、陸上では今のところ、限定的である。プルトニウムに関してはチェルノブイリでも降下の大きかったのは30km圏内であり、今回はずっと狭いというのは予想されていたが、それ以上に検出値は小さい。かろうじて原発サイト内で検出されたものが今回の事故由来のプルトニウムだと断定できる程度で、その他の地域での検出は既存のプルトニウム(原爆実験由来)のものと区別が難しい程度でしかない。
 ストロンチウムは、チェルノブイリではセシウムの1割程度の比で検出されたが、今回の事故では陸上では1%未満に留まっている。3機とも炉心溶融を起こし格納容器が破損している割には意外というしかない。ストロンチウムの沸点は1300度ぐらい。多量に見つかっているテルルの沸点(1000度ぐらい?)に近いんだけど、僅かな差が意味しているものを考えると、ひょっとすると、炉心溶融は部分的だったのかも知れない。
 あるいは、ストロンチウムはセシウムに比べて土壌への浸透が早いことが分かっている。雨の多い日本では、これまでの知見よりもさらに浸透が早かった可能性がある。是非、土壌を1mぐらいまで調べて、ストロンチウムの垂直分布を調べ、セシウムに対する放出比をちゃんと決定してほしいものだ。ストロンチウムの検出は時間が掛かるだけに、放出比を明確にして、危険度把握の一助にしたい。

●原発自体の問題は別とすれば、問題としては、降下物の多かった地域の除染、食品の汚染、海洋への汚染、そして、汚泥や焼却などの2次汚染の4点が挙げられる。4点について、既にツイッターに書いたことを別稿でぼちぼちまとめます。