在日外国人支援事業で医療電話相談を担当している廣野です。
母子事業や医療相談でもご縁があるネパールに、この春休みに行ってまいりました。初めて訪れた28年前はゆったりと穏やかだった町並みが、インド製のバイクと車であふれかえっていたのには驚きました。


シェアの外国人医療電話相談と前職で経験した相談対応との違い
さて、私が外国人医療電話相談の担当になってから約1年がたちます。私は前職でも在日外国人(主に難民や難民申請者)からの相談に対応する仕事をしていましたが、シェアに寄せられる相談は医療関連に特化したもので、前職で得た知識だけでは対応しきれないことも少なくありません。ケースひとつひとつから学ぶ毎日です。

シェアの外国人医療電話相談は、月・水・金の週3日間、専用電話で受けています。昨年の2016年は142ケースの相談に対し、300回以上の電話対応を行っています。シェアの相談の特徴は、外国人から直接相談が寄せられることもありますが、多くは外国人患者に関わる医療従事者からの相談です。主な内容は通訳派遣の問合せ、出身国の医療事情、在留資格やそれに伴う社会保障についてなどです。

前職では、外国人当事者からの相談が主で、電話や対面相談の両方のスタイルで直接相談対応をしてきました。一方で、シェアの相談は、当事者である外国人の直接的な支援者は、シェアに相談を寄せる“相談者”で、例えば医療従事者、ということになります。シェアは、“相談者”を通して、間接的に当事者である外国人患者をサポートする、というスタイルになります。このような、前職との経験の違いから、当事者と直接的な関わりが無いまま相談に対応するのは戸惑うことがあります。

相談電話
廣野が相談を受けている様子


“間接的支援”で感じる限界と葛藤
シェアに寄せられる相談の中には、外国人患者が抱える疾患に対する特定の治療について、出身国での事情に関する問合せも少なくありません。国内外の関係者から情報を集め、結果として、出身国では、日本で受けられるレベルの治療は経済的に恵まれた一部の人しか受けられない、という状況があります。一方で、日本では、その外国人患者が不安定な在留資格で、健康保険加入が現在できていても長期的に継続可能かが不明な場合、日本で治療を開始したとしても、将来多額の自己負担で生活を大きく圧迫することが見込まれる、というようなケースがあります。帰国、在留のどちらを選択しても厳しい現実が待ち受け、難しい選択を当事者は迫られることになります。
このような相談の場合も、外国人当事者の直接的な支援者は“相談者”である医療従事者です。できる限り、アドバイス等を行いますが、外国人患者である“当事者”の最終的な決断を後日知ることができることもあれば、できないこともあります。特にこうしたケースでは、会うことの無い当事者に、思いをめぐらせる事があります。
当事者にはどのような形で情報が伝わったのだろう、当事者はどのような表情でそれを受け止めたのだろう、全ての情報が伝わった上での決断だったのだろうか、そして、果たしてその決断は当事者自身のものだったのだろうか、と。

相談対応のスタイルはいろいろですが、基本姿勢は「問題解決のプロセスを共に歩み、当事者の自己決定を支援する」ことと考えています。間接的な関わりではありますが、医療相談はその現状のもとで、当事者が正確な情報をもとに自己決定をすることができるよう、これからも真摯に相談に向き合っていきたいと思います。


hirono

在日外国人支援事業担当
廣野 富美子



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東ティモール事務所の昼食事情

シェア東ティモール事務所では、毎日昼食は事務所で作って食べています。野菜や肉を買ってきてスタッフが毎日交代で作っています。しばらく前までは、事務所の庭に自生している野菜をおかずにして食べたりもしていましたが、ほぼ毎日、野菜と鶏肉の日が続いていたので、飽きてこないといったら嘘になるかもしれません・・・。

しかし、ここであるスタッフから提案があがりました。
「学校保健活動の一環として、学校菜園を取り入れているのだから、我々も庭で野菜を育てて、今後の活動に活かしていこう!」

幸いなことに、シェア東ティモール事務所には庭があります。
ということで、金曜日の午後に畑を作りたいから、仕事を少し中断して良いかとのリクエストがありました。スタッフの仕事のモチベーションがそれによって上がり、おかずも増えるならと思いスタッフからのリクエストを了承しました。


菜園活動開始

そうなると、行動が早いローカルスタッフ。
一つしかない鍬を交代で使い、暑い中せっせと畑を耕していきます。オフィスでの仕事の時とは目つきが違うのは気のせいか?嬉しそうに、どんどん耕して行きます。

畑を耕すスタッフ
オフィス裏の畑を耕すスタッフ


出来てきた畑
できてきた畑


「この畑で、本当に野菜が育つのか?」半信半疑の私でしたが、
2時間くらいで簡単な菜園が出来上がりました。

そして、待つこと2週間。

スタッフ自らが畑を耕し、育て上げた野菜が昼食に出てきました。畑を見ると空心菜が青々としっかりと育っていました。スタッフのアイデアや実行力には頭が下がります。

取れた野菜
畑でとれた野菜

昼食
畑で取れた野菜を使った豪華な昼食


学校保健活動の一環として取り入れている学校菜園。
実際にスタッフ達が身を持って体験することによって感じることがあると思います。

この経験をスタッフが今後の学校保健活動に生かしてくれることを願っています。


東ティモール現地代表 
福山 修次





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1.プレイベン州での活動

2008年からスタートしたプレイベン州での活動も、今年で10年目を迎えました。

シェア・カンボジアでは、乳幼児健診や離乳食教室といった「コミュニティにおける子どもの健康増進プログラム」が、カンボジアの人々によって自立的に実施されるよう、シェアが担ってきた役割を郡保健局に引き継ぐための事業を昨年から実施しています。

この引継事業を完了させ、プレイベン州での活動は2017年に終了。そして新たにプレアビヒア州での活動をスタートさせます。


2.プレアビヒア州とは

プレアビヒア州は、カンボジアの北部に位置する州です。タイおよびラオスと国境を接しています。首都プノンペンからの距離は約350kmで、車でおよそ5時間かかります。2008年にユネスコ世界遺産に登録された「プレアビヒア寺院」があるのも、この州です。

人口はおよそ21万人ですが、多くの人が出稼ぎに出ています。カンボジアの経済が急成長する中、貧困ラインぎりぎりの農村生活者が多数を占める地域の一つでもあります。

慢性的な栄養不良を示す発育阻害(Stunting:年齢に対して身長が低いこと)の状態にある子どもの割合は4割を超え、栄養状態の悪さが伺えます。


プレイビヒア州聞き取り
プレアビヒア州保健局での聞き取り調査の様子


3.プレアビヒア州でのプロジェクト

シェアは2017年の夏から、プレイベン州での10年間のプロジェクトで考案した「コミュニティにおける子どもの健康増進プログラム」を、このプレアビヒア州において開始します。みなさまにご支援いただきながらプロジェクトを実施したプレイベン州での学びを、さらに健康状態の悪い別の地域で、活かし・発展させていきます。


プレイビヒアの様子
プレアビヒア州の様子


カンボジアの子どもたちが、健康に大きく成長できるようみなさまの応援をよろしくお願いいたします。


海外事業担当
末永 明日香





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みなさん、こんにちは。
お天気も春めいてきましたが、みなさまは、どうお過ごしでしょうか。

2017 インターン修了式
2016年度インターン修了


2016年度シェアインターン修了式

2016年度シェアインターンは、3月24日、インターン修了式を迎えました。
今回のブログでは、1年間のNGOシェアでのインターンを通し、感じたこと、学んだことを報告させていただこうと思います!よろしくお願いします!


<普及啓発インターン 野瀬 友望>

国際保健での活動への興味を抱きつつ、進路に悩んでいた私が門を叩いたのがシェアでした。事務所で行われた”Dr本田徹の健康居酒屋”に参加した際、あるスタッフの方より”インターン”という選択肢を教えて頂いたのがきっかけで現在に至ります。

活動中特に印象に残っていることは、グローバルフェスタで他のインターンと協力してシェアブースの企画・運営をリーダーとして行ったことです。体験型の展示等の工夫を取り入れ、お客さんからの良い反応を得ることが出来ました。この経験を通して企画を運営する苦労や楽しさ、仲間と協力して物事を成し遂げるやり甲斐を実感することが出来ました。

他にも普及啓発インターンとして様々なイベントに参加したり、時にはその企画や運営にも携わらせて頂き、国際協力だけでなく社会に対する視野が広がり、将来の進路だけでなく自分の価値観も磨かれたように感じています。

インターンは交通費のみの支給で基本的には無給です。正直大変なこともありました。
でも1年間のインターンを終える今、それでもこの経験が出来て良かったと心から思っています。
今後はシェアで主体的に物事に取り組んだ経験を糧に頑張っていきたいと思います。貴重な経験をありがとうございました!

野瀬 修了式
インターン 野瀬



<支援者サービスインターン 吉岡 光子>

インターンを通して学んだことをすべて挙げることが不可能なぐらい、実り多い1年を送らせていただきました。

私は元々NGOの運営に興味があり、支援者サービスに応募しました。実際にインターンとして事務所で働かせていただく中で、NGOで働く姿勢や責任を身近に見させていただきました。態度もそうですが、そこにはやはり思いに伴う知識、専門性が必要だと感じました。

特に印象的だった出来事は、火曜ボランティアさんのコーディネーション補佐です。毎週火曜日、人生の大先輩が集い、シェアのお手伝いをしてくださっています。大変積極的に活動してくださっており、毎回彼らのエネルギーに圧倒されていました(笑)私のような若輩者にも優しく接してくださり、そのような姿勢からも学ばせていただくことは多かったです。

この1年を通して、多くの方と出会わせていただきました。自分自身が直接的に国際協力に関わるのか、または間接的なのか、どのようなことをしたいのか、と今後を考える機会となりました。ご迷惑をお掛けするばかりでしたが、このような機会をいただけたことに感謝でいっぱいです。国際協力に
どのように関わればよいか考えている方は、書籍やはがき等の身近で出来る物品寄付などもあります。私も少しずつでも関わり続けていこうと思っています。お世話になった方々、誠にありがとうございました!

吉岡 修了式
インターン吉岡



<在日外国人支援インターン 若尾 彰子>

私の前職は病院の看護師です。病院に入院している患者さんを看護するのが仕事です。大学を卒業してから病院以外で働いたことがなく、違う仕事も経験したいと思い、以前から興味のあったシェアでインターンに参加したいと思いました。そして、運よくインターンとして採用していただき、それも第一希望の在日外国人支援事業に配属されました。

インターンを経験して、多くの人達と出会うことができました。病院で看護師をしているだけでは出会えなかっただろう人達です。知識としては在日外国人の置かれている状況や問題など知っているつもりでしたが、実際に健康相談会にいらっしゃる人達や支援している人達から直接お話を聞くと、自分の認識と現実は異なっているのだと気付かされました。在日外国人に関わる法律や自治体の対応など、まだまだ勉強不足な部分がたくさんあります。また、健康上の問題だけでなく、在留資格の問題や外国にルーツを持つ子供の教育に関する問題についても興味を持つようになりました。

インターンの活動中以外にも発見がありました。私は山梨に住んでいたことがあります。インターンをしている間は東京・上野の事務所に通いましたが、山梨とは違い東京には多くの外国人がいます。観光客や生活している人、働いている人など様々です。そこで感じたのは、東京で効果的な支援のモデルをそのまま地方に持っていっても、おそらく効果的ではないし、支援の継続が困難になると思いました。今後はそれぞれの地域の状況を調査し、地域の状況にあった支援を提案、提供できるような仕事をしたいと考えています。

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右端:インターン若尾



<海外事業インターン 山影 美和>

 こんにちは。海外事業インターンの山影美和です。インターンとして多くの経験と学びを得た1年間でした。その中で悪戦苦闘したPC業務では、すぐに覚えられない私にスタッフの方やインターンの皆から繰り返し教えて頂いたお陰で少しは人並みに近づいた、と勝手に思っています。

そして苦手と避けていた「人前で話すこと」の経験は大きな学びの機会になりました。それはインターン企画での東ティモールの紹介やぬいぐるみWSでは参加者への作り方の説明です。準備して話す練習もしましたがいざ始まると、説明はしどろもどろで参加者に質問するも反応がない。ぬいぐるみWSでは間違えやすいポイントを参加者に伝えられず、案の定間違って縫っていた、という状況でした。

この経験はどのように問いかけたら答えやすいか、わかり易い説明とはなにか、と考えるきっかけとなり、苦手と感じるよりも次はこう話そう、と思うようになりました。避けていたら得られなかったことだと思っています。このようなインターンを通して私の意識の変化は今後の国際保健協力に携わる上で大切な力となると思います。スタッフ、インターンの皆さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

山影 修了式
インターン山影



<海外事業インターン 乗上 美沙>

大学3年生、ちょうど進路に悩んでいた時期に自分のキャリアを考えるためにシェアのインターンとなりました。最初は右も左もわからなかったのですが、スタッフやボランティアの方々にたくさんのことを教えていただくことができました。

この一年間を振り返ると、海外事業関連のイベント、スタディツアーの準備、ぬいぐるみワークショップの準備、各ミーティングへの参加等幅広い範囲の活動に主体的に関われました。その中でも最も印象に残っているのは12月末に開催したインターン企画です。企画、準備の段階からほぼインターンで実施したこの企画は、世間の需要・自分自身の思いやシェアとして発信できるものを考えることができ、団体としてイベントを開催する視点が身につきました。

また、事務局会議に参加したことも印象的で、インターンとして関わらないと知ることができなかったNGOの現場を見ることができました。

シェアでの一年、様々な経歴を持つ人と出会い、今後のために自分を見つめなおすことができました。そして、将来の夢への道のりがこの経験により具体化し、夢に向かって踏み出す勇気と自信を得ることができました。一年間ありがとうございました!これからも頑張ります!

イの
右端:インターン乗上


シェア支援者・関係者のみなさまへ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
インターン生一人ひとりが、2017年からそれぞれの進路に向かいます。

シェアでのインターンを通して学んだことを、今後活かしていけるように精進してまいります。
お世話になった方々、この場をお借りしてになりますが、感謝申し上げます。
ありがとうございました!


2016年度シェアインターン一同



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最近は、ネパール人の方々とお話をする機会が多くなり、「ナマステ」とネパール語での挨拶にだんだんと慣れつつある、在日外国人支援事業部の横川です。


第1回医療通訳者会議に触発されて

 2016年8月に第1回医療通訳者セミナー(「医療通訳者セミナー」実行委員会主催)が東京で開催されました。このセミナーは医療通訳者自らが現場の視点を大切にプログラムされたもので、テーマに分かれて意見交換などを行われました。医療通訳者の地位が社会的にもっと向上するべきだと強く感じたと同時に、医療通訳者の意識や技術のさらなる向上の必要性を感じました。そして、シェアとしてできることは、現在、東京都外国人結核患者に対する治療・服薬支援員(以下、結核支援員)として活躍している結核支援員の「医療通訳者」としての意識や技術を高めていくことではないかと考えました。


医療通訳(支援員)の背景から考える、フォローアップ研修のテーマ

 東京都の結核支援員として登録している方の中には、コツコツと自分で勉強して難しい日本語試験をパスしている方や登録言語の国に留学や仕事で滞在し語学を習得した方もいます。そのため、通訳学校を卒業していない方もいますし、また、通訳をした経験はあるけれど、医療通訳が初めての方もいます。ですので、「医療通訳とは何か」ということを学ぶ機会がほとんどなかった方がいます。そこで、通訳者としての意識と技術の向上につなげたいと思い、2017年1月のフォローアップ研修で「医療通訳とは何か」というテーマを取りあげました(シェアでは結核支援員に対して、毎年2回、フォローアップ研修を開催しています)。


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講師の森田さんが講義をしている様子


医療通訳者としての専門職意識を考える>

 講師には、結核支援員の英語通訳者であり、第1回医療通訳者セミナーの実行委員会のメンバーでもある、森田直美さんにお願いをしました。研修の内容は「医療通訳とは」「行動規範とは」「専門職とは」といった幅広い内容をわかりやすく、また、情熱的に説明してくださいました。研修終了後のアンケートからは、

「通訳としてのプロ意識の重要性を学んだ。」
「通訳の技術面での疑問点などを明らかにすることができた。」
「医療通訳としての意識を改めることができ、良い時間になった。」

などの声が聴かれ、改めて結核支援員(医療通訳)は医療通訳の意味を考える時間となったようです。
さらに、

「友人などの付き添いで通訳するのとは異なる。患者の気持ちに寄り添うことは大事だが中立の姿勢を保つことが大事。」
「受けた仕事を完遂することはプロとしての第一歩。わかりません、できません、を言わない。しかし、自分の能力を明らかに上回る仕事や内容については明確な理由を告げて断わる。」
「自分の意見をはさまない。勉強・予習をして、医療用語をきちんと把握する。」

など、専門職として活躍している方々の意識の高さを聴く機会となり、私自身も医療者としての専門職意識を考えさせられました。


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結核支援員がグループワークをしている様子


本当に必要なのは医療関係者側の意識の変容?

 医療関係者の中には医療通訳の必要性を認識し、診療において医療通訳を同席できるように努力して下さっている方々が多くいます。一方、同じ医療関係者の方から以下のような言葉が聞かれます。

「通訳にお金は払えない。」
「日本語がわかる家族や友人で通訳は大丈夫。」
「通訳が何を話しているのか理解できないから、信用できない。」

実際には医療通訳が入らなかったことによって、薬の飲み間違い、検査の受け間違い、病名すら正確に伝わっていないケースについてシェアに相談がよせられています。医療通訳が診療場面に同行し、在日外国人患者自身が自分の病気を理解し、治療の選択肢を与えられることは基本的人権の一つであると思います。医療通訳の方々が意識や技術を高めると同時に、医療者側の意識も変わることを願い、私自身も在日外国人に対する医療の質が向上できるように今後も努力していきたいと思います。




在日外国人支援事業部
横川 峰子


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こんにちは、東ティモール現地スタッフのロジーニャです。
秋山と参加した研修について私からも、皆さまへ報告させて頂きます!


東ティモール学校保健活動の強み

今回の研修では普段取り組んでいる活動を客観的に振り返ることができ、とても貴重な機会になりました。東ティモールでは学校保健に対する政府の優先度も低く、活動はなかなか進みませんが、他国と比較しての強みを発見できたことは励みになりました。

例えば、学校給食の提供を国連機関に頼っている国が多い中、東ティモールでは教育省が自立して実施しています。学校菜園も世界的には新しい取り組みでありながら、東ティモールでは既に普及に向けた取り組みが始まっています。

そして東ティモールでは、シェアの働きかけによって、多様な機関による連携が強化されつつあります。こういった関係者間の協力関係向上に向けた取り組みは、他国参加者の話を聞く限り、あまり進んでいないようでした。


発表するロジーニャ
英語で発表するロジーニャ


今後の強化ポイント

この研修では同時に、今後特に強化しなくてはいけないことも明確化しました。

ヾ愀玄坿屬力携強化
学校保健活動には幅広い視点が重要です。そのためには、関係者間の協力関係をもっと強めていかなくてはいけません。学校レベルでの活動にも、地域との連携を推奨していきます

県教育局による学校モニタリングを改善
学校での活動に大きな影響を与えるのは、学校を巡回する指導員によるモニタリングです。改善点のみならず、優れている点も積極的にフィードバックするなど、もっと学校のやる気を引き出すような工夫を取り入れます。

新しい保健トピックの導入検討
生活習慣病、思春期の性教育、メンタルヘルス、災害教育など、東ティモールではまだあまり馴染みのないトピックも今後少しずつ導入していきます。

こ惺桟鮨任了伝箸澆鼎り
東ティモールでは今、学校健診の仕組みづくりに取り組んでいます。今回の研修では、学校健診の実施現場の視察もできたので、東ティモールでも参考にできるアイディアを参考に、マニュアル作りに取り組みます。


保健ノート
タイの学校では児童生徒一人ひとりに「健康ノート」が配布され、健診結果は児童自身で記入します


歯科治療
学校で歯科治療も行っていることにびっくりしました

今回の研修には、普段ほとんど使わない英語で参加しました。講義やディルカッションを理解するのは難しく、ついていくのに毎日必死でした。

でも、英語での発表や、他の国の参加者との研修内外での交流を通し、自信も少しつきました。これからは活動だけではなく、英語の勉強ももっと頑張っていきたいと思います。


…………………………………………………………………………………………………………………………………

〜以下、秋山からのコメント〜

研修でたくさんの学びを得た私とロジーニャには、これから、研修で学んだことを関係者と共有するという大きな役割があります。政府が学校保健プログラムを効果的かつ持続的に運営してけるよう、研修で得たツールや他国の経験を紹介していきます。

また、他国と比較した東ティモールの強みも積極的に紹介して、関係者のモチベーション向上にも力を入れ、関係者が自分の役割にやりがいを感じられるようになることも目指したいと思います。


約20ヵ国からの講師・参加者
マヒドン大学での研修 約20ヵ国からの講師・参加者らと



ロジーニャ
現地スタッフ ロジーニャ


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東ティモールのプロジェクト・コーディネーター、秋山です。
今回のブログでは、タイで参加した研修や「HSF」への訪問の様子をお伝えします!


マヒドン大学での学校保健・栄養研修

外務省主催の「NGO海外スタディ・プログラム」の研修生として、2月にタイのマヒドン大学での学校保健・栄養研修に参加してきました。研修内容は学校保健・栄養に対する世界的な動向や、今後重視していくべき保健トピック、効果的な活動実施方法など多岐にわたりました。参加者はアジア、アフリカの14ヵ国から、講師陣もタイ、イギリス、日本、カナダからと、とても多国籍なメンバーでした。

講義の様子
講義の様子


参加者や講師らと
様々なバックグラウンドをもった参加者や講師らと


参加者は省庁、国連、NGO職員など、学校保健・栄養プログラムの政策や実施に関わっている人たち。そのため、参加者間の経験交換はこの研修の大きな醍醐味でした。学校のやる気を引き出す工夫、地域の巻き込み方など、多くのアイディアをもらいました。

意見交換
他国の参加者との意見交換


同時に、「教育省と保健省の連携が難しい」、「学校のトイレや手洗い設備の管理が難しい」などといった悩みはどこの国も抱えていて、打開策も話し合うことができました。学校保健は国際保健業界では実はまだあまり注目されていないトピック。私たちも試行錯誤しながら取り組んでいるため、この研修で培ったネットワークは、今後の活動への心強い支えとなりそうです。


アクションプラン作成
アクションプラン作成。東ティモールチームは、学校健診のシステム作りの計画を立てました


最終日
マヒドン大学での最終日


シェアのタイ事務所が前身「Health and SHARE Foundation」へ

1週間のマヒドン大学での研修の後は、東北のウボンラチャタニー県に移動し、ラオスとの国境があるケマラート郡にあるNGO、Health and SHARE Foundation (以下、HSF)へ。HSFはシェアのタイ事務所が前身で、2016年に現地NGOとしての道を歩みだしました。


HSF事務所にて
HSF事務所で、お互いの活動について発表


HSF訪問最大の目的は、今後東ティモールの活動で取り入れていく予定の、性教育の手法を学ぶこと。HSFは長年様々なグループを対象に性教育を行ってきた経験があります。HSFスタッフによる小学校5・6年生の授業を見学してまず驚いたのは、その明るさとテンポの良さ!楽器や音楽を使ったり、児童の興味を引く面白い教材を使ったりと、楽しみながら学べる工夫に溢れていました。「自分の性を大切にしよう」というポジティブなメッセージが終始伝わってくる素晴らしい授業でした。また、一方的に知識を与えるのではなく、児童自身が学びを発見するプロセスになっていたのが印象的でした。


楽器や音楽を使用した授業
楽器や音楽を使って、楽しい雰囲気のなかで行われる授業


思春期の身体の変化
ゲーム感覚で学ぶ、思春期の身体の変化


身体のケアの方法を学ぶ
男女別に思春期の身体のケアの方法を学ぶ


生殖器の仕組み
生殖器の仕組みを学ぶ、エプロン型の教材

児童による発表
児童自身による、学んだことの発表


若年妊娠が問題になっている東ティモールでも今後性教育は強化する必要があります。しかし東ティモールでは性教育に対して抵抗を持つ教員や保護者が多いため、アプローチには工夫が必要です。HSFで学んだアイディアを、東ティモールの状況に合った形で少しずつ取り入れていきたいと思います。


給食の様子
給食の様子も見学させてもらいました。この日の献立は白飯とトムヤンガイ(鶏肉と野菜のスープ)

保健室
各学校には保健室が設置されています


今回の研修には東ティモール人の同僚、ロジーニャも一緒に参加しました。ロジーニャにとっては初めての海外経験、英語での研修参加、飛行機・・・と、初めてなこと尽くしでした。「何に驚いた?」と聞いてみると、タイの空港の大きさ、バンコクの都会さ、モノの豊富さと安さ、とても辛いイサーン(タイ東北)料理やカエルを食べる習慣などなど・・・全てが新鮮だったようです。

そして次回は、東ティモール事務所の現地スタッフ ロジーニャからの報告を紹介します!



東ティモール 学校保健プロジェクト・コーディネーター
秋山



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