こんにちは。在日外国人支援事業を担当しています、山本です。
私は、昨日まで地元の熊本に戻り、蜂楽饅頭といきなりだんごなど、熊本の名物を食べられて満喫気分です。熊本に行かれる際は是非お召し上がりください!
さて、今日はシェアの活動に長年通訳ボランティアとして協力してくださっている、長沼ニーダさんをご紹介します。今回は、インタビューの中から、シェアの活動に関わり始めたきっかけや、通訳ボランティアとしての想いなどについて、長沼さんとの会話に近い形でお伝えします。


来日されたきっかけ
もともとは、外交官っていうでっかい夢を持って日本に来ました。日本語学校で勉強して、日本語能力試験1級をとったらフィリピンに帰ろうと思っていましたが、夫と出会い、今に至っています。当初は、結婚までは考えていませんでした。日本とフィリピンの間でできる仕事をしたいと思っていました。


シェアのボランティアを始めたきっかけ
CTICちば(カトリック東京国際センターちば。現在は活動終了)とシェア、カトリック五井教会などとが協力して、五井で外国人を対象に無料健康相談会を開催しており、2004年3月、当時ボランティアをしていたCTICちばから勧められて、参加したのが最初です。
たまたま友人の通訳のボランティアとしてCTICに行っていたら、このようなことをやっているので一緒にやりませんか、という感じでした。その後は、毎回五井での健康相談会開催の際は参加させてもらっていました。
シェアの活動に深くかかわり始めたのは、2006年の結核支援員(通訳)育成研修・選考会(東京都の委託事業)に参加してからです。


日本でボランティア活動を始めた経緯
日本でのボランティア活動に関わり始めたのは1992年ぐらいからです。ちょこちょことプライベートでボランティア活動を始めていました。身近で困っているフィリピン人がいたら、市役所についていって欲しいとか、ビザ関係の書類とか、なぜかくちこみで、個人的に相談が来て、通訳をしていました。
また、結婚後住んでいた地域に、日本の伝統的な井戸掘りをフィリピンで役立てようと活動していたボランティアグループがあって、その団体のフィリピンと日本とのやり取りのお手伝いとかもしていました。お手紙や電話でのやり取りです。そのときは専業主婦でした。上の子どもが生まれてからも、そのグループを通じてフィリピンに通訳に行ったことがあります。子どもの初めてのフィリピンの里帰り先は、そのボランティア活動地でした(笑)。ボランティア先に行ってから実家に帰ったのを覚えています。
結婚してから、家のことをやりながら、自然と小さなところから、そういう風に繋がっていったりする。出会いって本当に不思議だなと思います。

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シェアのインタビューを受ける長沼さん


通訳は生きがいを感じさせてくれる
通訳ボランティアとしてかかわり始めた1990年代は、ちょうど時期的にも、個人的にも、主人が病気で亡くなったこともあり、いろいろありました。主人が亡くなったときは、3歳と1歳の子供がいましたからね、本当に大変でした。主人が亡くなって、働き続けました。主人の負債を相続したんです。だから、それを払わなきゃいけなかった。
でもね、不思議なんですけど、自分の身に起きていることもすごい大変、大変って思いながら、そうやって自分よりも困っている人とかに助けてっていわれると、あ、まだ自分は大丈夫なんだって。私はまだ言葉もできるし、伝えたいことも伝えられるし、何が起きても通訳がいなくても対応できるような自分がいるから。
自分はもう本当に大変だなって思いながらも、結局必要とされていることがあるから、すごい、やりがいとか生きがいとかもらえたような気がするんです。綺麗ごとかもしれないけど、結局救われるのは自分だったんだなって思っていました。だから、不思議。こんな私でも人の役に立てて。こんなすごい居心地が良くて、生きがいを感じさせてくれるのって、本当に、大変でも全然不幸ではない。


夫の病気の経験が「医療通訳」に活きる
主人が病気になったことで、病院に行ったり来たり、一日に2回行ったりすることもありました。で、分からない医療用語にぶつかったりしてたから、自分なりに辞書を引いたりしていました。そして、どういう意味だとか、疑問だと思っていたことを、主治医からそういう説明があるときに、分からないことを聞いたりしていました。おかげさまでその時に、自分は通訳いらなくてもなんとか対応できました。自分もちゃんと聞くし、だから、不思議なんですけど、主人が病気になったおかげで、と言ったらおかしいけど、今があるのかなぁと思っています。
その当時、家に「家庭の医学書」とかあったじゃないですか。今みたいにネット検索とかはなかったから、私はそれをいろいろ読んだり、調べたり、調べた言葉を英語に書き換えてどういう意味なのかとか確認していました。そういうときの大変さとか、辛さなどが、まさか10年後にシェアの医療通訳に繋がるとは思っていませんでした。
でも、まだまだ奥が深いから、きちんと勉強しないといけない。病気だからこそ、きちんとどの分野のどの通訳もきちんと正確に伝えないといけない。病気の場合には命にも関わることがあるから、きちんと正確に、もっと伝えなきゃいけないから、その辺ももっと気を付けなきゃいけないと思っています。


インタビューを終えて−病気だけでなく言葉でも不安にならずに済むように−
長沼さんは、以下のような言葉もおっしゃっていました。
「例えば、健診でも、何をされるか分からないし、もし病気が発見されると思うと怖いでしょ。だから健診でいろいろ聞くこと自体躊躇する人もいるわけでしょ。病気だけで不安なのに、言葉でも不安になったりすると、ダブルじゃない。だから、分かってくれる言語できちんと伝える、説明できる、説明してもらえる、アドバイスできる。母国語でアプローチすると、相手を安心させられるようになれる気がする。親近感も沸いてくる。」
想像力を働かせることで、誰でもこのような外国人の立場に立って感じることができると思います。これは、医療通訳に限らず、手話通訳が必要な人々などにも通じる課題だと思います。長沼さんの想いを胸に、活動に一層力を入れていきたいと思います。




在日外国人支援事業担当
山本 裕子


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こんにちは、支援者サービス担当 アシスタントの足立です。

シェアに入職してはや5ヵ月がたとうとしております。以前は上野といえば息子と上野動物園に来たことしかなかった私ですが、上野事務所への通勤にもだいぶ慣れ、事務所周辺の多国籍な雰囲気も楽しんでおります。


企業からのボランティアのみなさんにご協力いただきました!

さて、少し前のことになりますが、企業にお勤めの方々にもご参加いただいた、「火曜(通う)ボランティアデー」の報告をさせていただこうと思います。今年の梅雨は関東地方では雨の少なかった印象ですが、珍しく時折強い雨の降る6月13日、11名のボランティアさんが上野の事務所に集まって下さいました!!


シェアでは「天の川募金」・「年末年始募金」と年2回、募金のお願いをお送りしています。

この日は、天の川募金のお願いチラシを封入する約3000通の封筒に、宛名ラベルを貼る作業を行っていただきました。シェアにこれまでご縁のあった方々や支援者の方々にお送りするものです。スタッフだけでこの作業を行うことを考えると、貴重な時間を使い作業をしてくださるボランティアさんには感謝の思いか尽きません・・・。

そして、この日と前週の6月6日の火曜(通う)ボランティアデーには、日本ロレアル株式会社 様より計6名の方にもご参加いただき、宛名ラベル貼りや使用済み切手の整理作業を行っていただきました。


宛名ラベル貼り
宛名ラベル貼り作業。一枚一枚丁寧に貼って頂いています!


切手整理
和気あいあい、使用切手の整理中!


支援者の方々から送っていただいた使用済み切手の整理作業も、シェアの活動資金につながる大切な作業です。使用済み切手をコレクターの方々に買っていただくことで、活動資金の一部となります。

また、使用済み切手として送っていただいたものの中には、未使用切手が混ざっていることがあります。未使用切手は、シェアからの郵送物などに利用させていただきます。

そんな仕分け作業の中、日本ロレアル株式会社 様からご参加いただいたボランティアさんの切手の山から、次々と未使用切手が見つかったようで…。歓喜の声と拍手が起こる寄る場面もみられました♪♪

作業後は、ボランティアさんからいただいた旅行土産やスタッフのカンボジア出張土産のお菓子を囲みながら、両日ともに和やかな雰囲気の中、火曜(通う)ボランティアデーを終えることが出来ました。ご参加いただいたボランティアの皆様、ご協力ありがとうございました!!そして、皆様のおかげもあり、6月下旬に無事発送を終えることが出来ました。


現在、シェアでは「天の川募金」キャンペーン中です。テーマは「いっしょに守ってください。母と子の「はじめの1000日」です!皆様のご支援、ご協力よろしくお願いします。


シェアでのボランティアにご関心のある方はこちらをご覧ください。


支援者サービス担当
足立 千晃

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こんにちは。普及啓発インターンの須田です。

今回は7月15日にJICA地球ひろばで開催した、国際看護・保健のためのキャリアナビ講座についてレポートしたいと思います。

キャリアナビ講座とは?

自分が看護師で、国際看護・保健に携わりたいと想像してみてください。
どんなスキルや知識を身につけるべきか、どんなキャリアステップが必要かを明確にイメージできますか?

このような悩みを抱えている方が夢に向かってできることを見つけるために、
キャリアナビ講座を実施しました。


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キャリアナビ講座の様子


講座では、初めに国際保健の歴史的変容や潮流を学びました。
その後JICAや大学、NGOで活躍している看護師の先輩の講演では、
看護師としての経験、現在の仕事に至った経緯、実体験からの教訓を詳しく伺いました。


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講演の様子


そしてグループワークでは、講演で学んだことや経験、悩みをざっくばらんに共有して、
夢に向かって明日からできること、長期的な目標を話し合いました。


キャリアナビ講座を通して

稚拙な表現ですが、単純にイベントが成功して良かったと全体を通して思っています。
私がインターン業務で、広報文を考えたり様々な掲示板に拡散したりするのはこの講座が初めてでした。

どれだけ参加者さんが集まるか、参加者さんの期待に応えるべく柔軟に運営に貢献できるか、
不安はありました。

しかし当日には、参加者さんが自分の悩みと向き合いながら、一歩踏み出すためのヒントを見つけ出そうとする本気さが伺えました。

特にグループワークの中で、
「家族のこともあり、国際協力への一歩がなかなか踏み出せない」
「国内でも海外でも国際看護に関われる。だからこそ、どの道に進めば良いのか悩む」
「看護師の仕事で忙しくて、資格の勉強が進まない」
という意見が出たのが印象的でした。


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グループワーク


初対面の相手で、短い時間ではあったけれど、本気で自分の悩みや思いをぶつけ合う。
そしてコメントを交し合い、明日から一歩踏み出す術を共に見出す。
こうして等身大の自分にもできること、すべきことを持ち帰る。


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グループワーク後の発表

そのような学びの機会が提供できて、そしてその運営や準備に携われて良かったです。
参加者の皆さんも、スタッフの皆さんもありがとうございました。

次回は今回のキャリアナビ講座の応用編の実施も予定しています。
ご興味のある方は、ぜひご参加ください!

シェアでは天の川募金キャンペーンを行っております。
みなさまのご支援、よろしくお願いします。


シェア インターン
須田 拓実
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先週の7/11(火)Dr.本田徹の健康居酒屋2017夏を開催しました!

まだ梅雨明け宣言もされていないですが、東京はかなり暑く、みなさん暑い中平日の
お仕事終わりに足を運んでいただきました。参加者のみなさま、ありがとうございました!

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店主の本田徹より乾杯の挨拶


今回のゲストスピーカーは、シェア カンボジア現地代表のモーガンです。

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ゲストスピーカー モーガンの発表の様子


参加者のみなさんは、国際協力に関心がある方が多く、
シェアが活動地としているカンボジアの事業に関しても、
関心を寄せている方が多くいらっしゃいました。

モーガンからはカンボジア事業を含め、カンボジアの生活など様々なことをご紹介しました。

カンボジアで既に20年以上暮らし、生活をしているモーガンはカンボジアに精通しており
首都の状況や、地方の人たちの暮らしなどみなさんの知らないカンボジアを
知って頂けたのではないでしょうか。


さまざまな方が今回の健康居酒屋に参加してくれました。

医療関係の方、金融関係の方、医学生の方、外資系関係の方、
地域活動に取り組んでいる方、会社経営の方、などなど。

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参加者みなさんの様子


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最後に集合写真を撮りました


シェアは国際保健のNGOですが、この健康居酒屋を通じて
様々なバックグラウンドの方に集まっていただき会話を交わす中で、
多くの方が繋がりあり、互いに支えあう社会にすることができればと思っております。

また、シェアの事業を理解して頂くことにより、ご支援して頂ければ幸いです。


最後に

カンボジア事業では今年度、カンボジア国内での貧困率が一番高いといわれる
プレアビヒアに活動地を移し、活動を開始します。

子どもがお母さんのお腹にいる頃から、生まれて2歳になる頃までは
「はじめの1000日」と言われています。

人間の脳は、一生の中でこの時期に最も発達します。
この時栄養が不足したり、暴力や虐待にさらされたりすると、こどもの脳は発達できません。

シェアは今年もカンボジアで乳幼児健診の活動を続け、
お母さんたちに「はじめの1000日」がいかに大切か、伝えていきます。

シェアといっしょに母と子の「はじめの1000日」守ってください。

この夏も「天の川募金」へのご協力宜しくお願いします。

天の川募金はこちら


広報担当
比田井 純也


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先日の6月17日(土)に東ティモール事業報告会が品川で開催をしました。
当日は19名の多くの方にご参加いただきました!参加者のみなさま、ありがとうございました。

東ティモールの音楽が流れる会場に一歩入ると、伝統織物の色とりどりのタイスや、
村人やこどもたちの笑顔あふれる パネル写真が展示しました。

東ティモール産プレミアムコーヒーを参加者のみなさまに飲んでいただきながら、
東ティモールの報告会をさせていただきました。


報告会のスピーカーはシェア 東ティモール事務所代表の福山修次とプロジェクトコーディネーターの秋山真輝が務めました。

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スピーカーの福山と秋山


報告会のはじめは、東ティモールに関するクイズに挑戦していただきました。
参加者は出会ったばかりの人たちですが、3人1チームで相談しながらクイズを問いていくうちに、笑顔がみえ始めます。 まるでクイズを通して、東ティモールへの関心の扉がぐんとひらいていくようです。

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クイズをグループごとに相談する様子

クイズの一部をご紹介すると、東ティモールで神聖な生き物といえば?
答えは、「わに」。

この国が「わに」からできたのだと人々は信じていることや、
「わに」に食べられても、「わに」を殺さない彼らの信じる気持ちなど
東ティモールの文化に触れながら、紹介されました。

その後、現地代表の福山は、彼自身の仕事は大変なことも多いけれどやりがいが大きいと語り、
駐在員の秋山も、できたばかりの国だからこそ、日本生まれの小さなNGOシェアが
東ティモールという国の「保健分野の政策作り」に関わることができ、 その責任と喜びは大きいと語りました。


シェアが東ティモールで活動を始めて今年で18年・・・。

事業開始当初も今も「すべての人に健康を」というシェアのモットーは変わらない軸となっています。

東ティモールがインドネシアからの独立15周年を迎えてもなお、5才未満の子どもたちの約半数が栄養不良児であり、下痢、肺炎、マラリアなど予防可能な病気が原因で亡くなる子どもの数は少なくありません。

シェアの小・中学校での保健教育活動を通して、子どもたちが「手洗いの歌」を家でも歌うようになり、家庭のなかでの感染症予防に繋がっています。加えて、手洗いの大切さを学んだ子たちの中には、水がでない学校に家から水をタンクにいれて運んでくるようにもなりました。

今までは、感染症をどのように予防するかを知らなかったために、命を亡くしてしまったり、病気になってしまったりする人たちの数を減らすためには、未来を担う子どもたちへの予防医学を学ぶ機会、そして学校保健での実践が大きな成果につながります。

報告会に参加された人たちからは、
「クイズが楽しかったです」「東ティモールに興味がわきました」、「コーヒーがおいしかったです」 「8月の東ティモールスタディツアーに参加します!」
などなど、嬉しいお声を頂いています。

ゆるやかな歩みですが、東ティモールの子どもたちの笑顔を、そして「すべての人に健康を」を叶えられるよう、今日もシェアは頑張ります。

そして、シェアスタディツアー東ティモール 「アジアで一番新しい国 東ティモールを知る旅」の
申込み締切りがいよいよ明日7/13(水)になっております!
ご興味のある方はこちらから詳細を確認下さい。


海外事業部
坂下 有起




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忍岡小学校へようこそ
ようこそ忍岡小学校へ

1.忍岡小学校とは

台東区には、創立が明治8年で142年間という、都内でも指折りの長い歴史をもつ、忍岡(しのぶがおか)小学校があります。池之端に位置し、不忍通りを隔ててすぐ不忍池や上野公園に接するという、恵まれた環境に置かれた学校です。私は3年前からご縁があって、1年に1度、6年生の授業で1時間(正味45分)お話をさせていただいています。なぜ忍岡小学校について「恵まれた環境」というのか? それは今日の「ひとりごと」の主題であるSDGs (Sustainable Development Goals:持続可能な開発) にも関係が深いことです。この学校の子どもたちは、生物の観察や歴史の学習を、上野公園という豊かな自然と歴史が息づく場所で、実物に即して、行うことができるからです。

 校長の吉藤玲子先生は、明るく、エネルギッシュで、温かい配慮に満ちた方です。ご自身学生時代に、当時日本列島の住民や自然を苦しめていた公害や環境破壊の問題に強い関心をもち、水俣まで出かけ、故・原田正純先生の知遇や薫陶も得たという探究心旺盛な方でもあります。また大田区などでの教員経験もおありとのことで、さまざまに困難な家庭環境で育つ現代の子どもたちへの、共感や理解も深くもっておいでです。

 忍岡小学校は、平成28年、29年度の台東区教育委員会研究協力学校になっています。その研究テーマとは、「学ぶ意欲をもち、グローバル化する国際社会を生き抜く子供の育成 〜 『伝統・文化』、『国際理解』の学習を通して」ということだそうです。

伝統・文化とは、
「・長い年月を経て、日々の中で様々な形で伝わってきたもの。
 ・現代において評価され価値のあるもの。 
 ・新たな文化となって未来へ受け継がれるもの。」とされます。

そして国際社会で必要とされる能力・態度とは、
「・異文化や異なる文化をもつ人を受容し、共生することのできる態度・能力。
 ・自からの国の伝統・文化に根ざした自己の確立。
 ・自らの考えや意見を自ら発信し、具体的に行動することのできる態度・能力。」とされます。
(いずれも東京都教育委員会資料)
 
 なるほど、合点の行く考え方だと、私は思いました。そして、こうした研究テーマを子どもたちと父母、先生がたが共同で進めていく上で、忍岡小学校はとても恵まれた自然と歴史の環境下にあるということは、さきほど述べたことからも理解していただけると思います。


2.私の授業内容

 7月1日は父母の授業参観の日でもあり、各学年の授業は基本的に保護者にも開放された形で進められていました。私は、「つながりあう世界 〜 NGOとは?」といったところから始め、世界、とくに開発途上国の子どもたちが、日々どういう生活や学びをしているかを、タイや東ティモールなどの国を例にとってお話しました。

ET栄養ゲーム
エルメラ県の小学校での栄養ゲームの様子
 

 東ティモールでは、小中学校での学校保健活動に、いかに子供たち自身が主体的に参加し、手洗いや食・栄養やマラリアなどの病気の予防について学び、それらの知識や実践を、一種のChild-to-Childの活動としても、地域に伝えている、といったお話をしました。いつも定番となっている寄生虫(回虫)のところでは、回虫自体を見た子どもはもういませんので、写真を見せると、「スパゲッティ?」と声をあげたりする子がいたりで、それがおなかの中にいる虫だということを知るとみなびっくりした様子でした。

私自身が、遥か昔、回虫少年だったこと、チュニジアで青年海外協力隊の医師として働いていたとき、仲良くしてもらった村の校長先生が、息子のお尻から出てきたサナダムシ(条虫)をホルマリンの瓶に詰めて、大切なコレクションとして、授業に活用していたことなどを懐かしく思い出しました。

回虫のおなかの中での様子 エプロン
回虫についてのエプロン・シアター (東ティモール・エルメラ県)


一方で、タイの田舎では、今、Buddy Home Care(バディBuddyは仲間、友だちの意味)という、保健ボランティアのおばさん、おじさんと10−15歳くらいの子どもがペアを組んで、高齢者や障害者の家を訪ねて、話し相手になったり、マッサージや散歩の同行といった簡単な在宅ケアの担い手になっているといったお話もしました。台東区でも、近年学校レベルで、認知症サポーター制度というものが、試験的にスタートし、認知症当事者の方がたや病気そのものへの理解を、先生がたや父母、子供たち自身の間でも広げていこうという動きになっていると、吉藤先生はお話になっていました。

Smile Factor
Buddy Home Care: 自宅を訪ねてくれたBuddyの子どもをハグするおじいさん

 
 台東区内には山谷地域というところがあり、かつて日本の高度成長時代(昭和30−50年代)に、首都高速道や新幹線、東京タワー、高層ビル群などの建設に献身してくれたおじさん、お兄さんたちが、いまや高齢化し、住んでいる町があることや、その人たちの日々の生活や療養を支えているボランティアや看護師さん、ヘルパーさんたちが活動する様子なども伝え、彼らに隣人として接し、理解してもらうように努めました。

山谷路上での空き缶集め
山谷で空き缶集めをして生計を立てるおじさん


3.SDGsと緑のカーテン

最後に、私はまとめとして、「21世紀に地球市民として生きる君たちへ」という題で、2015年から世界全体の目標となったSDGs(持続可能な開発目標)のことをお話しました。考えてみれば、SDGsは単なるお題目ではなく、日々の生き方・暮らし方そのものであり、そこから出発して、地球の環境や生物多様性といった大切な課題に取り組んでいく活動そのものなのだ、という思いを、忍岡小学校の取り組みや、先生方や生徒、父兄の問題意識にも感じ取ることができました。
 
 7月1日の上野は梅雨の天気で、けむるような雨天の中、校舎の壁面を覆う、琉球朝顔の緑のカーテンの鮮やかな緑と藍のすずしげな美しさに、私は目を奪われました。

忍岡小学校写真1
忍岡小学校の校舎を覆う緑の美しいカーテン


日本でも指折りの夏の酷暑に悩む熊谷市などが、自治体をあげて、こうした蔦科の植物を上手に利用して、あちこちの公共の建物や個人宅に緑のカーテンを作ることを、奨励し、コンテストを行い、町の景観をよくするとともに、地球温暖化現象を少しでも和らげ、市民の意識を高めていこうとしているのも、SDGsの活動として有意義なものだと思われます。

忍岡小学校がいかに地域で愛され、住民の誇りとなっているかは、この日の保護者の方々の熱心な参観の様子からも知ることができました。こうした伝統と歴史のある学校で、あらたに国際理解や環境保全、生物多様性保護などの活動が進み、次代を担うすばらしい地球市民の子どもたちが育っていくことを祈って、私は学校をあとにしました。

SDGs シェーマ
SDGsのシェーマ


2017年7月7日
シェア代表 本田 徹
honda





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東ティモール事務所から、Botardi!(こんにちは)
一年で一番涼しい季節に入りつつありますが、それでも日中は30℃を超える日差しが照り付けています。ただいま、扇風機は全開、小学校を会場に今週月曜日から土曜日までの1週間の日程で教員対象の学校保健研修の真っ最中です。3日間ずつ、2つのグループに分けてディリ県内の拠点学校34校80名ほどの教師が受講します。

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子供たちに教える「栄養の歌」を大きな声で練習したり、真剣に研修を受ける先生たち


学校保健研修ってどんなことをするの?

小中学校の先生たちが、保健の授業や保健活動に必要な知識や実践力を付けることを目的とした研修です。今回の研修の目玉は、今年初旬に改訂された「新学習指導要領」に沿った内容になっていること。3日間かけて、思春期保健や栄養やたばこの害など多岐にわたるトピックを学んだり、学校ごとに学校給食の課題解決に向けた討議や具体的な保健活動計画を立てたりと、実践に繋がる研修を目指しています。
シェアがこうした、教師への学校保健研修を本格的に始めたのは2009年です。毎年100人から200人の教師を対象に、山間部や首都で年1〜2回実施してきました。延べ人数では、2県約200校の1000人を有に超える教師が受講してきたことになります。

この研修、毎年同じことを繰り返しているわけではありません。シェアからの支援が終了したあとも、こうした研修実施経験が政府や関係者に残っていくことを目指して、毎年内容や運営方法を工夫しているのです。例えば年々、シェアのスタッフが直接研修を行うのではなく、講師や研修の運営は、国や県の担当者に任せるようにしています。研修を行うには研修内容や使用する教材、講師の調整や会場、昼食の手配など、様々なプロセスがありますが、それらがすべてスムーズにいくのは簡単なことではありません。まして、国の学校保健プログラムがまだ全国的な制度になっていない東ティモールで、誰が何をどう担っていくのかを決めて、実際うまくいくかどうかは、毎回試行錯誤して作っていくしかありません。

予定外のハプニングもよく起こります。開会挨拶をする人が大幅に遅刻して開始時間が予定より2時間押しになったり、突然の大雨に電源が落ちそうになったり、学校のトイレが詰まって使えなくなったり。研修前半にして、すでにいろいろあるものの、研修自体は、教員研修機関の講師たちの授業と、積極的な参加姿勢の先生たちとで、毎日教室は熱気に包まれています。

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3つの栄養素の働きやピラミッド型の教材を学ぶゲームをやる先生たち。
答え合わせはかなり盛り上がります。


女性たちも活躍しています。

実はこうした研修を実施する1週間ほど前に、講師や研修運営のメンバーで集まってリハーサルをします。わかりやすい研修かどうかをチェックしてから本番に臨んでいます。講師たちは、INFORDEPEと呼ばれる教員研修機関の職員が中心です。

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教員研修機関の職員たちと、県保健局の学校保健担当官(左から2番目)。

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講義内容や研修運営の準備から当日まで、多くの関係者とともに根気よく調整を続けてきたコーディネーターの秋山。

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講師はみな、ベテランばかり。各地の公立校での教師経験を経て、現職教員向けの研修機関の講師になっています。聞いている教師たちが眠くならないように、いろんなアクティビティも取り入れています。


研修後のカギを握るのは

研修には講師だけでなく、その後のフォローアップを担う「学校インスペクター」も全日参加します。日々学校を巡回して、研修で学んだことを学校で実施できているか、困ったことはないかなど、指導や助言にあたります。今回は県教育局に所属する4人の学校インスペクターが参加しています。その一人、ディリ県の離島、アタウロ郡から泊りがけで研修に参加しているセプリアーノさんに少し話を聞いてみました。


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懐が広そうな優しい笑顔が印象的です。秋山によると、アタウロ島では、地域事情に精通していて多くの住人に信頼されている人だとか。


Q.普段はどんな仕事をしていますか?

A.学校を訪問して、教室や校庭の掃除が行き届いているか、水は来ているか、給食が正しく提供されているかなどを見て回っています。アタウロ郡は離島なので特に水の問題が大きいです。自分の家にも2日に1回しか水が来ません。


Q.これまでの経歴を教えてください。

A.1970年代のインドネシア時代は公務員でした。2001年から教師をして、インスペクターになったのは2008年からです。シェアとは2013年から一緒に学校保健の活動をしています。


Q.あなたがこの研修や日々の仕事で、学校保健で目指していることはなんですか?

A.この研修に参加している教師だけでなく、すべての教師に学校保健についての理解を広めたいです。子供たちにとって、健康はとても大切です。この活動から学んだ、手作りで作れる手洗い装置tippy tapも学校に設置しましたが、はじめはみんな使っていたけれど今は使われていません。まだ手洗いの大切さが十分にわかっていないのでしょう。毎日学校で、教師が子供たちに働きかけることが大事なので、自分もそれをサポートしていきたいと思っています。

この研修を通して、学校での保健の授業や保健活動がもっと活発化しますように。私たちシェアも学校インスペクターと一緒に、研修後の学校の様子も見ていきたいと思います。

この夏実施するスタディツアーでは、今回最後に紹介した学校インスペクター、セプリアーノさんがアタウロ島を案内してくれます。
スタディツアーも残席わずかとなってきました!お早めにお申し込みください。

スタディーツアーの申込・詳細はこちら


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東ティモール事業担当 吉森悠




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