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「共生主義宣言 − 経済成長なき時代をどう生きるか」(コモンズ)を読んで

西川潤 共生主義宣言 本カバー
共生主義宣言 表紙


1.はじめに

先日、尊敬する開発経済学者で、早大名誉教授の西川潤先生(ここから先は、親愛をこめて「西川さん)と呼ばせていただきます)から、フランスの経済学者マルク・アンベールさんとの共同編著「共生主義宣言 − 経済成長なき時代をどう生きるか」(コモンズ)をお贈りいただきました。

文章は平易ですが、少し横文字の用語もありますし、内容は必ずしも簡単に頭に入るものではありません。一つには、東京のような大都会に暮らして、「外」から与えられた食物や消費財に頼っているだけの私のような人間には、ほんとうの意味で「共に生きる暮らし」をしている自信がなく、実感として「共生主義」を受け入れ、実践することが、まだむずかしいのかもしれません。

しかし、この本に盛られているマニフェスト(宣言)とそれを支える考え方、そして豊富な国内外の事例は、たぶん人類や地球の未来と運命に深くつながる重要なものなのだ、という確信はもてました。ですので、一知半解な知識だし、まちがった理解に基づいたデタラメを言うリスクが大いにあると、思いつつ、この一文を草し、皆さんにも一緒に考えていただければ、嬉しいです。

まず、「共生主義」とは何かについて、フランス発のこの運動のホームページに掲げられた宣言をお読みになってください。原語はフランス語ですし、全体を知るには仏語の理解が必要ですが、要約版は日本語を含むいくつかの言語でも読むことができます。

共生主義宣言(要約版)


ずばり「共生主義」(Convivialisme:仏語)とは何か? アンベ−ルさんは第2章の「共生主義宣言―相互依存宣言」の中で、こう語っています。
「共生主義は、『自然資源が有限であることを十分認識し、この世界を大切にする気持ちを分かち合いつつ、競い合ったり協力し合ったりして人類が生きていくには、どのような原則が必要か』を考える。もちろん、われわれはみなこの世界に等しく属しているということを念頭に置く」
なるほど。得心の行く、考え方ではあります。


2.「いのちの思想」の滔々たる系譜

さて、先日アーユスのNGO大賞を、ありがたく、また慎んでお受けしたときのスピーチで私は、青い地球に生命が宿って38億年くらいの時が経ち、宇宙船地球号は、膨大な<いのち>とそのゲノムを乗せてどこへ向かおうとしているのか、と言った意味のことをお話させていただきました。

核戦争や過度な経済・産業活動によって地球環境自体を滅ぼしてしまう、破壊的な能力を人類が獲得してしまった今、私たちが生命界全体に対して負っている責任の重大さは一層ぬきさしならないものになっています。

アーユス(サンスクリット語の「いのち」)の名を冠するNGOの賞を授与されるという栄誉をいただく以上、そのことにはぜひ触れさせていただきたいと思った次第です。
 

 私の乏しい読書や学習の経験からは、アンベールさんや西川さんの「共生主義」は、古くて新しい、人類共通の生命哲学の系譜を受け継ぎ、危機にある現代にもう一度実践的な知恵として位置づけし直そうという、模索の中で生まれてきたもののようにも見えます。
 
 釈迦、老子に始まり、近現代で人類に大きな知恵を残してくれた、ソロー、トルストイ、チェーホフ、ガンジー、宮沢賢治、南方熊楠、レイチェル・カーソン(「沈黙の春」の著者)、シューマッハ(「スモール・イズ・ビューティフル」の著者)などの人びと。そして、共生主義という言葉の直接の生みの親は、イヴァン・イリッチのConviviality(自立共生)にあることを、私は西川さんの筆になる本書の第1章を読んで初めて知りました。

そう言えば、イリイチの「コンヴィヴィアリティのための道具」(ちくま学芸文庫)の訳者・渡辺京二さんは、「逝きし日の面影」の著者でもあり、「苦海浄土」の石牟礼道子さんの同志とも言える人です。このお二人がどんなに深く人のいのちを見つめ、慈しみ、語って来たかを、すこしだけ、学んできた者として、共生主義の広い裾野を感じることができます。


3.プライマリ・ヘルス・ケアから皆生農園まで − 実践を通して学ぶ

 プライマリ・ヘルス・ケア(PHC)は、共生主義を保健・医療の分野で展開したものと考えることもできるな、と私は本書を読んで、改めて感じました。西川さんはかつて、鶴見和子さんらと共に「内発的発展論」を唱えた先駆者でもあります。

彼が同名の書(東大出版会 1989)の第1章「内発的発展論の起源と今日的意義」で紹介しているのは、1977年にダグ・ハマーショルド財団が提言し、当時世界的な反響を生んだ「もう一つの発展(Alternative Development)」論の基本原則でした。 

つまり、1)人間の基本的必要に志向(Needs-oriented)、2)内発的(Endogenous)、3)自立的であること(Self-reliant)、4)エコロジー的に健全であること(Ecologically sound)、5)経済社会構造の変化が必要であること(Based on Structural Transformation)。これは、途上国の主導で1970年代に、新国際経済秩序(New International Economic Order)が国連総会で採択され、それに呼応する形で1978年にPHCに関するアルマ・アタ宣言が発布されたのと、軌を一にする動きだったわけです。その意味では、PHCは、より公正で、普遍的な「もう一つの開発」を、保健・医療分野で実現しようとした、試みだったとも言えます。

この「ひとりごと」の45回(2013年6月)で私は、「草木国土悉皆成仏」という天台密教思想の根幹にある(梅原猛さんの説)ことばに触れながら、UNESCOの文化多様性宣言の中のある文章を紹介しました。以下、その部分を引用します。

草木国土悉皆成仏をめぐって


2001年にユネスコは、「文化多様性に関する世界宣言」(Universal Declaration on Cultural Diversity)を出しています。その第1条で、文化多様性は人類共通の遺産(the common heritage of humanity) だとして、「人類にとって文化多様性が必要なのは、自然にとって生物多様性が必要なのと同じだ」(Cultural diversity is as necessary for humankind as biodiversity is for nature) と強調しています。

そして、この宣言は、2005年にユネスコが出したもう一つの宣言「バイオエシックスと人権に関する世界宣言」(Universal Declaration on Bioethics and Human Rights)と「対」になっているものです。

生物多様性と文化多様性の両方を尊重していくことが、人類と地球の生存と発展のために不可欠だという価値観は、この共生主義を貫くものともなっているのです。
 
 本書では、理論的なことにとどまらず、フランスや日本で共生主義に基づく、環境に親和性の高い農業実践と、それを都市の消費者を直接つなぐ運動の成果事例が豊富に紹介されています。またアフリカ学の勝俣誠さんによる、現場と理論をつなぐ丁寧な解説も、たいへん参考になります。

 私自身は、元・JVCのスタッフで、ソマリアで「風の学校」の創設者・中田正一さんとの出会いが機縁となって、農業の道に進んだ鴇田三芳さんたちによる「皆生農園」の働きに共鳴し、小さな定期購入者になっています。毎月どんな新鮮野菜が届くのかなと、楽しみにしています。彼のところの農産品はほんとうにおいしく、解説付きできちんと送ってくれますので、皆さんにもお薦めしたいと思います。皆生農園のHPは下記の通りです。

皆生農園のHP


 昔、鴇田さんがまだ農園を始めたばかりのころ、小学校入学前の三男の耕(こう)を連れて、当時江戸川区小松川にあったシェアの事務局を支えてくれていた、大嶽さんの息子さんと一緒に彼の農園を訪れ、芋堀りをさせていただいたときの、子どもたちの喜びようはいまだに忘れられません。そういう土になじむ体験を通して、都会の子どもたちが、食べ物を作り、いただくことが、どんなに大変で、でも楽しい営みなのかを、学んでいく機会を増やすことはとても大切です。その意味でも、こうした、志ある農業実践家と、私たちはもっと結びつき、協力していく必要があるのでしょう。

おーい里山 ビッグイッシュ―
ビッグイッシュ―「おーい、里山」(#310、2017年5月1日号)


4.結びとして―里山資本主義とSDGs
 
 2011年3月11日の東日本大震災とその直後に発生した、福島第一原発事故は、今に続き、またいつ終息するとも言えないたいへんな試練を日本列島とその住民にもたらしました。その帰結はたぶん、22世紀になっても本当の意味では見えてこないのだろうと思います。

 路上生活者支援の週刊誌「ビッグイッシュ―」が2017年5月1日号で、「おーい、里山」という特集をしているのはとても時宜にかなったことでした。この雑誌は一貫して、福島からの避難民のためのメッセージを発信し、事故の被災当事者たちの声を伝え、専門家の意見や助言を掲載し、当事者たちを助ける働きをしてきたからです。同時に、危機に瀕する福島の美しい里山をどう蘇らせるかは、住民と「外からの」協力者や専門家が一致して考えていかねばならない、長期に及ぶ課題なのでしょう。このプロセスで、行政が果たさねばならない役割にも大きなものがあります。
 
 その意味で、私たちが学ばなければならないのは、「里山資本主義」という考え方なのかもしれません。提唱者の藻谷浩介さんと、NHK広島取材班の共著については、以前紹介したことがあります。

「里山資本主義」 藻谷浩介、NHK広島取材班(角川Oneテーマ21)

ひとりごと37:2011年3月
日本哲学会の場で聴く「持続可能性」の思想 − 原発事故と大震災の中で働く哲学者たちの危機意識


 「共生主義」は本当に可能なのか、そして、日本の社会で多数派と言わないまでも、きちんと影響力や発言力をもった考え方として、定着し、広まっていくことができるのか。
そんなことを思いながら、この有意義な本の最後のページを閉じたのでした。

 最後に、シェアの現場での仕事に関わりの深いSDGsについて。国連が2015−2030年の15年間にわたって世界全体の(途上国だけでなく先進国にも必要なものだから)開発目標として定めたSDGs(持続可能な開発目標)は、まさに共生主義にもとづく社会を創っていこうという野心的な企図でもあるわけです。

SDGsを通して、私たちの暮らしを成り立たせている、モノやカネや情報やサービスによる、世界的なつながりや構造的差別・搾取の関係を見直し、少数者や生態系に対してより配慮し権利尊重を旨とした、生き方が問われてきます。人びとの健康に関わるNGOとしては、シェアはやはりSDGsの中でもUHC(Universal Health Coverage:普遍的医療保健保障)に関する分野において、参加型で、インクルーシブ(包摂的)な活動を目指していきたいと願っています。

さて、今日からは東北タイにでかけ、デビッド・ワーナーさんや、HSF(Health SHARE Foundation)の仲間たち、工藤芙美子さん、広本充恵さんらと活動をともにしてきます。

また帰国したら、ぜひ、この「ひとりごと」で、タイからのつぶやきを皆さんと共有したいと思います。



2017年5月20日
シェア代表 本田 徹
honda




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ワニのぬいぐるみ&マラカス作りのワークショップ

先週、GW中になりますが5月3日(水・祝)にJICA市ヶ谷にて
幼児から小学生向きの東ティモールのコーヒーを使った、
ワニのぬいぐるみ&マラカス作りのワークショップを開催しました!

現在、小学校教諭として活躍されていて、青年海外協力隊としてタンザニアへ
赴任経験のある山中先生と、シェアからは海外事業部の吉森が講師として参加しました。


東ティモールイベント
JICA市ヶ谷 地球ひろばのスタッフの方々がイベントの説明をしてくれました。

東ティモールイベント
子どもたちへ東ティモールについて質問をしてみました。


イベントには、保育園や幼稚園児から小学校中学年くらいの
沢山の子ども達が参加してくれ、みんな事前に東ティモールについて勉強してきてくれたのか、
吉森からの東ティモールのクイズにも、正確な答えが沢山でていました。

まだまだ知名度が低い国の東ティモールですが、
東ティモールの正確な国の位置も答えられる小学生もいて、驚きました。

こういったイベントを通して、小さい子にも東ティモールという国を知ってもらう
ということは、とても嬉しく感じました。


東ティモールイベント
東ティモールの「タイス」といった伝統的な布で作られた民族衣装も着てみました。


クイズのあとは、いよいよワニのぬいぐるみづくりです。

なぜ「ワニ」のぬいぐるみかというと・・・
東ティモール人はワニに人間が食べられたとしてもワニを殺すことはしません。
ワニを神聖な動物として崇めているからです。ワニを形どったモニュメントやワニの絵、
ワニの柄が入った製品などを至る所で目にします。

お父さんやお母さんと一緒になって、消臭剤になる東ティモールの使用済みコーヒーかすがぬいぐるみの中に入るよう一生懸命、時間いっぱい使って、ぬいぐるみを作ってくれました。


東ティモールイベント
お母さんと楽しみながら、ぬいぐるみ作ってくれました。

東ティモールイベント
男の子も夢中になって、ぬいぐるみに綿やコーヒーを詰めてくれています。

東ティモールイベント
イベント中の全体の様子

ワニ人形
子ども達が作ったワニのぬいぐるみ


みんな、ワニのぬいぐるみを楽しく作ってくれ、
一人ひとり個性のある「ワニ」のぬいぐるみを作ってくれました。

これをきっかけで東ティモールを身近に感じてくれたら嬉しいです。

5/20(土)には上智大学で、東ティモールフェスタが開催されます。
詳細はこちら

東ティモールにご興味のある方も、ない方でも是非東ティモールを体感しに来て下さい!


広報担当
比田井 純也



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新プロジェクトの開始

プレアビヒア州はタイと国境を接するカンボジアの中でも特に大きな北部の州です。
シェア・カンボジアは、今年の夏から新しく「子どもの栄養改善1000日アプローチプロジェクト」
を、このプレアビヒア州にて開始します。

前回記事はこちら:
シェア・カンボジアの新しいチャレンジ「プレビヒア州でのプロジェクトがスタートします!」

プロジェクトの開始に先立ち、シェアではプレアビヒア州にて、
約1週間かけて事前調査を実施しました。その内容を本日はみなさまにご報告します。


プレアビヒア州での事前調査

まず訪問したのはプレアビヒア州の州保健局です。州保健局では、プレアビヒア州内の保健センターの地理的な配置や今後の活動のターゲットとすべき保健センターについて、副局長および栄養担当官と話し合いました。

翌日からは、プレアビヒア州の保健センターやコミューン(集合村)オフィス、プレアビヒア州ですでに活動している他のNGOを訪問したり、保健関係者会議に出席したりするなど、今後の活動に必要な情報を集めてまわりました。

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(プレビアヒア州での保健関係者会議に出席。参加率の高さが伺えます)


州保健局の副局長との話し合い、そして情報収集の結果、シェアではチャムロン保健センター、バリボー保健センター、そしてタコン保健センターという、3つの保健センターを今後の活動のターゲットにすることを決めました。

それぞれの保健センターに特徴があり、置かれている状況もバラバラです。たとえば、一番規模が大きいのはチャムロン保健センターです。管轄地域の人口は他の2つの保健センターが6千人程度であるのに対し、チャムロン保健センターは1万7千人近くあります。

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(規模の大きいチャムロン保健センター)


バリボー保健センターとタコン保健センターは、管轄地域の人口は同程度ですが、駐在しているスタッフのレベルや周囲の環境(道路状況や住環境など)が違います。

しかし、この事前調査を通じて言えることは、これらの保健センターは3箇所ともとても良い印象であり、シェアとしても活動しやすい部分があると言えるだろうということです。特にタコン保健センターのセンター長はスマートで、自分の保健センターをより良いものにするためのアイディアを歓迎し、外部からきたNGOとコラボレーションしていくことに意欲を見せていました。

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(タコン保健センターのスタッフと。左から2名はシェアのスタッフ)


これらの保健センターと共に、これから目標達成に向けてプロジェクトを進めていくことができると私たちは考えています。


カンボジアスタッフ
チェイ・セライ


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在日外国人支援事業で医療電話相談を担当している廣野です。
母子事業や医療相談でもご縁があるネパールに、この春休みに行ってまいりました。初めて訪れた28年前はゆったりと穏やかだった町並みが、インド製のバイクと車であふれかえっていたのには驚きました。


シェアの外国人医療電話相談と前職で経験した相談対応との違い
さて、私が外国人医療電話相談の担当になってから約1年がたちます。私は前職でも在日外国人(主に難民や難民申請者)からの相談に対応する仕事をしていましたが、シェアに寄せられる相談は医療関連に特化したもので、前職で得た知識だけでは対応しきれないことも少なくありません。ケースひとつひとつから学ぶ毎日です。

シェアの外国人医療電話相談は、月・水・金の週3日間、専用電話で受けています。昨年の2016年は142ケースの相談に対し、300回以上の電話対応を行っています。シェアの相談の特徴は、外国人から直接相談が寄せられることもありますが、多くは外国人患者に関わる医療従事者からの相談です。主な内容は通訳派遣の問合せ、出身国の医療事情、在留資格やそれに伴う社会保障についてなどです。

前職では、外国人当事者からの相談が主で、電話や対面相談の両方のスタイルで直接相談対応をしてきました。一方で、シェアの相談は、当事者である外国人の直接的な支援者は、シェアに相談を寄せる“相談者”で、例えば医療従事者、ということになります。シェアは、“相談者”を通して、間接的に当事者である外国人患者をサポートする、というスタイルになります。このような、前職との経験の違いから、当事者と直接的な関わりが無いまま相談に対応するのは戸惑うことがあります。

相談電話
廣野が相談を受けている様子


“間接的支援”で感じる限界と葛藤
シェアに寄せられる相談の中には、外国人患者が抱える疾患に対する特定の治療について、出身国での事情に関する問合せも少なくありません。国内外の関係者から情報を集め、結果として、出身国では、日本で受けられるレベルの治療は経済的に恵まれた一部の人しか受けられない、という状況があります。一方で、日本では、その外国人患者が不安定な在留資格で、健康保険加入が現在できていても長期的に継続可能かが不明な場合、日本で治療を開始したとしても、将来多額の自己負担で生活を大きく圧迫することが見込まれる、というようなケースがあります。帰国、在留のどちらを選択しても厳しい現実が待ち受け、難しい選択を当事者は迫られることになります。
このような相談の場合も、外国人当事者の直接的な支援者は“相談者”である医療従事者です。できる限り、アドバイス等を行いますが、外国人患者である“当事者”の最終的な決断を後日知ることができることもあれば、できないこともあります。特にこうしたケースでは、会うことの無い当事者に、思いをめぐらせる事があります。
当事者にはどのような形で情報が伝わったのだろう、当事者はどのような表情でそれを受け止めたのだろう、全ての情報が伝わった上での決断だったのだろうか、そして、果たしてその決断は当事者自身のものだったのだろうか、と。

相談対応のスタイルはいろいろですが、基本姿勢は「問題解決のプロセスを共に歩み、当事者の自己決定を支援する」ことと考えています。間接的な関わりではありますが、医療相談はその現状のもとで、当事者が正確な情報をもとに自己決定をすることができるよう、これからも真摯に相談に向き合っていきたいと思います。


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在日外国人支援事業担当
廣野 富美子



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東ティモール事務所の昼食事情

シェア東ティモール事務所では、毎日昼食は事務所で作って食べています。野菜や肉を買ってきてスタッフが毎日交代で作っています。しばらく前までは、事務所の庭に自生している野菜をおかずにして食べたりもしていましたが、ほぼ毎日、野菜と鶏肉の日が続いていたので、飽きてこないといったら嘘になるかもしれません・・・。

しかし、ここであるスタッフから提案があがりました。
「学校保健活動の一環として、学校菜園を取り入れているのだから、我々も庭で野菜を育てて、今後の活動に活かしていこう!」

幸いなことに、シェア東ティモール事務所には庭があります。
ということで、金曜日の午後に畑を作りたいから、仕事を少し中断して良いかとのリクエストがありました。スタッフの仕事のモチベーションがそれによって上がり、おかずも増えるならと思いスタッフからのリクエストを了承しました。


菜園活動開始

そうなると、行動が早いローカルスタッフ。
一つしかない鍬を交代で使い、暑い中せっせと畑を耕していきます。オフィスでの仕事の時とは目つきが違うのは気のせいか?嬉しそうに、どんどん耕して行きます。

畑を耕すスタッフ
オフィス裏の畑を耕すスタッフ


出来てきた畑
できてきた畑


「この畑で、本当に野菜が育つのか?」半信半疑の私でしたが、
2時間くらいで簡単な菜園が出来上がりました。

そして、待つこと2週間。

スタッフ自らが畑を耕し、育て上げた野菜が昼食に出てきました。畑を見ると空心菜が青々としっかりと育っていました。スタッフのアイデアや実行力には頭が下がります。

取れた野菜
畑でとれた野菜

昼食
畑で取れた野菜を使った豪華な昼食


学校保健活動の一環として取り入れている学校菜園。
実際にスタッフ達が身を持って体験することによって感じることがあると思います。

この経験をスタッフが今後の学校保健活動に生かしてくれることを願っています。


東ティモール現地代表 
福山 修次





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1.プレイベン州での活動

2008年からスタートしたプレイベン州での活動も、今年で10年目を迎えました。

シェア・カンボジアでは、乳幼児健診や離乳食教室といった「コミュニティにおける子どもの健康増進プログラム」が、カンボジアの人々によって自立的に実施されるよう、シェアが担ってきた役割を郡保健局に引き継ぐための事業を昨年から実施しています。

この引継事業を完了させ、プレイベン州での活動は2017年に終了。そして新たにプレアビヒア州での活動をスタートさせます。


2.プレアビヒア州とは

プレアビヒア州は、カンボジアの北部に位置する州です。タイおよびラオスと国境を接しています。首都プノンペンからの距離は約350kmで、車でおよそ5時間かかります。2008年にユネスコ世界遺産に登録された「プレアビヒア寺院」があるのも、この州です。

人口はおよそ21万人ですが、多くの人が出稼ぎに出ています。カンボジアの経済が急成長する中、貧困ラインぎりぎりの農村生活者が多数を占める地域の一つでもあります。

慢性的な栄養不良を示す発育阻害(Stunting:年齢に対して身長が低いこと)の状態にある子どもの割合は4割を超え、栄養状態の悪さが伺えます。


プレイビヒア州聞き取り
プレアビヒア州保健局での聞き取り調査の様子


3.プレアビヒア州でのプロジェクト

シェアは2017年の夏から、プレイベン州での10年間のプロジェクトで考案した「コミュニティにおける子どもの健康増進プログラム」を、このプレアビヒア州において開始します。みなさまにご支援いただきながらプロジェクトを実施したプレイベン州での学びを、さらに健康状態の悪い別の地域で、活かし・発展させていきます。


プレイビヒアの様子
プレアビヒア州の様子


カンボジアの子どもたちが、健康に大きく成長できるようみなさまの応援をよろしくお願いいたします。


海外事業担当
末永 明日香





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みなさん、こんにちは。
お天気も春めいてきましたが、みなさまは、どうお過ごしでしょうか。

2017 インターン修了式
2016年度インターン修了


2016年度シェアインターン修了式

2016年度シェアインターンは、3月24日、インターン修了式を迎えました。
今回のブログでは、1年間のNGOシェアでのインターンを通し、感じたこと、学んだことを報告させていただこうと思います!よろしくお願いします!


<普及啓発インターン 野瀬 友望>

国際保健での活動への興味を抱きつつ、進路に悩んでいた私が門を叩いたのがシェアでした。事務所で行われた”Dr本田徹の健康居酒屋”に参加した際、あるスタッフの方より”インターン”という選択肢を教えて頂いたのがきっかけで現在に至ります。

活動中特に印象に残っていることは、グローバルフェスタで他のインターンと協力してシェアブースの企画・運営をリーダーとして行ったことです。体験型の展示等の工夫を取り入れ、お客さんからの良い反応を得ることが出来ました。この経験を通して企画を運営する苦労や楽しさ、仲間と協力して物事を成し遂げるやり甲斐を実感することが出来ました。

他にも普及啓発インターンとして様々なイベントに参加したり、時にはその企画や運営にも携わらせて頂き、国際協力だけでなく社会に対する視野が広がり、将来の進路だけでなく自分の価値観も磨かれたように感じています。

インターンは交通費のみの支給で基本的には無給です。正直大変なこともありました。
でも1年間のインターンを終える今、それでもこの経験が出来て良かったと心から思っています。
今後はシェアで主体的に物事に取り組んだ経験を糧に頑張っていきたいと思います。貴重な経験をありがとうございました!

野瀬 修了式
インターン 野瀬



<支援者サービスインターン 吉岡 光子>

インターンを通して学んだことをすべて挙げることが不可能なぐらい、実り多い1年を送らせていただきました。

私は元々NGOの運営に興味があり、支援者サービスに応募しました。実際にインターンとして事務所で働かせていただく中で、NGOで働く姿勢や責任を身近に見させていただきました。態度もそうですが、そこにはやはり思いに伴う知識、専門性が必要だと感じました。

特に印象的だった出来事は、火曜ボランティアさんのコーディネーション補佐です。毎週火曜日、人生の大先輩が集い、シェアのお手伝いをしてくださっています。大変積極的に活動してくださっており、毎回彼らのエネルギーに圧倒されていました(笑)私のような若輩者にも優しく接してくださり、そのような姿勢からも学ばせていただくことは多かったです。

この1年を通して、多くの方と出会わせていただきました。自分自身が直接的に国際協力に関わるのか、または間接的なのか、どのようなことをしたいのか、と今後を考える機会となりました。ご迷惑をお掛けするばかりでしたが、このような機会をいただけたことに感謝でいっぱいです。国際協力に
どのように関わればよいか考えている方は、書籍やはがき等の身近で出来る物品寄付などもあります。私も少しずつでも関わり続けていこうと思っています。お世話になった方々、誠にありがとうございました!

吉岡 修了式
インターン吉岡



<在日外国人支援インターン 若尾 彰子>

私の前職は病院の看護師です。病院に入院している患者さんを看護するのが仕事です。大学を卒業してから病院以外で働いたことがなく、違う仕事も経験したいと思い、以前から興味のあったシェアでインターンに参加したいと思いました。そして、運よくインターンとして採用していただき、それも第一希望の在日外国人支援事業に配属されました。

インターンを経験して、多くの人達と出会うことができました。病院で看護師をしているだけでは出会えなかっただろう人達です。知識としては在日外国人の置かれている状況や問題など知っているつもりでしたが、実際に健康相談会にいらっしゃる人達や支援している人達から直接お話を聞くと、自分の認識と現実は異なっているのだと気付かされました。在日外国人に関わる法律や自治体の対応など、まだまだ勉強不足な部分がたくさんあります。また、健康上の問題だけでなく、在留資格の問題や外国にルーツを持つ子供の教育に関する問題についても興味を持つようになりました。

インターンの活動中以外にも発見がありました。私は山梨に住んでいたことがあります。インターンをしている間は東京・上野の事務所に通いましたが、山梨とは違い東京には多くの外国人がいます。観光客や生活している人、働いている人など様々です。そこで感じたのは、東京で効果的な支援のモデルをそのまま地方に持っていっても、おそらく効果的ではないし、支援の継続が困難になると思いました。今後はそれぞれの地域の状況を調査し、地域の状況にあった支援を提案、提供できるような仕事をしたいと考えています。

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右端:インターン若尾



<海外事業インターン 山影 美和>

 こんにちは。海外事業インターンの山影美和です。インターンとして多くの経験と学びを得た1年間でした。その中で悪戦苦闘したPC業務では、すぐに覚えられない私にスタッフの方やインターンの皆から繰り返し教えて頂いたお陰で少しは人並みに近づいた、と勝手に思っています。

そして苦手と避けていた「人前で話すこと」の経験は大きな学びの機会になりました。それはインターン企画での東ティモールの紹介やぬいぐるみWSでは参加者への作り方の説明です。準備して話す練習もしましたがいざ始まると、説明はしどろもどろで参加者に質問するも反応がない。ぬいぐるみWSでは間違えやすいポイントを参加者に伝えられず、案の定間違って縫っていた、という状況でした。

この経験はどのように問いかけたら答えやすいか、わかり易い説明とはなにか、と考えるきっかけとなり、苦手と感じるよりも次はこう話そう、と思うようになりました。避けていたら得られなかったことだと思っています。このようなインターンを通して私の意識の変化は今後の国際保健協力に携わる上で大切な力となると思います。スタッフ、インターンの皆さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

山影 修了式
インターン山影



<海外事業インターン 乗上 美沙>

大学3年生、ちょうど進路に悩んでいた時期に自分のキャリアを考えるためにシェアのインターンとなりました。最初は右も左もわからなかったのですが、スタッフやボランティアの方々にたくさんのことを教えていただくことができました。

この一年間を振り返ると、海外事業関連のイベント、スタディツアーの準備、ぬいぐるみワークショップの準備、各ミーティングへの参加等幅広い範囲の活動に主体的に関われました。その中でも最も印象に残っているのは12月末に開催したインターン企画です。企画、準備の段階からほぼインターンで実施したこの企画は、世間の需要・自分自身の思いやシェアとして発信できるものを考えることができ、団体としてイベントを開催する視点が身につきました。

また、事務局会議に参加したことも印象的で、インターンとして関わらないと知ることができなかったNGOの現場を見ることができました。

シェアでの一年、様々な経歴を持つ人と出会い、今後のために自分を見つめなおすことができました。そして、将来の夢への道のりがこの経験により具体化し、夢に向かって踏み出す勇気と自信を得ることができました。一年間ありがとうございました!これからも頑張ります!

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右端:インターン乗上


シェア支援者・関係者のみなさまへ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
インターン生一人ひとりが、2017年からそれぞれの進路に向かいます。

シェアでのインターンを通して学んだことを、今後活かしていけるように精進してまいります。
お世話になった方々、この場をお借りしてになりますが、感謝申し上げます。
ありがとうございました!


2016年度シェアインターン一同



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