日本の皆さん、お元気ですか?

東ティモール事務所のロジーニャから、今週実施したばかりの「学校保健ワーキング・グループ会議」の様子をお伝えします。


なぜ必要?「学校保健ワーキング・グループ会議」

学校保健ワーキング・グループとは、学校保健の政策や実施に関わる、教育省、保健省、国連機関、NGO、その他省庁機関の集まりです。学校保健の促進には、教育・保健セクター間や関係機関間の連携がとても大切なのですが、セクター間のコミュニケーションはまだまだ充分とは言えません。例えば、東ティモールでは数年前に全県の小中学校に身体測定の機材が配られましたが、教育省・保健省間の調整が不十分だったため、身体測定の実施方法の研修は行われませんでした。そのため、配布した機材が活用されているのは、ディリ県では3割程度の学校のみです。また、保健に関する活動は様々なNGOがそれぞれの県で実施していますが、省庁がその活動を把握していないことや、複数のNGOの活動や教材が重複してしまっていることもあります。この様なことが起きないようにするには、定期的な情報交換の機会を設けることが有効と考え、シェアは教育省と保健省による「学校保健ワーキング・グループ会議」の実施を支援しています。参加機関は行政機関、医療専門機関、NGO、国連機関など多岐に亘ります。


議題の一つ「学校保健国家戦略計画」

今回のワーキング・グループ会議の主な議題は二つ。そのうちの一つは「学校保健国家戦略計画」の案に関する意見交換です。国家戦略は今後5年間の指針となる非常に重要なもので、それに基づいて教育省と保健省が人材、予算、設備などの資源を投入します。今回の会議では、この戦略計画の案の最終化に向けて意見交換をしました。様々な機関からの参加者からは、それぞれ経験や知見に基づいたアイディアが多く出ました。

戦略計画について話し合う参加者

戦略計画について話し合う参加者_2
戦略計画について話し合う参加者


グループで出た意見を発表する参加者
グループで出た意見を発表する参加者


二つ目の議題「学校健診手引きの共有」

この会議のもう一つの目的は、シェアとディリ県学校保健委員会が中心となって作成した「学校保健手引き」を関係機関と共有することでした。日本の学校ではお馴染みの学校健診ですが、東ティモールではまだ一部の学校でしか実施されていません。子どもやその家族が、普段から自分たちの健康について知ることができるようになることを目指し、私たちは健診が学校教員や保健センターのスタッフによって定期的に実施される仕組みづくりに取り組んでいます。1年前から取り組み始め、一部の学校での試験的な実施や、様々な専門機関との協議を重ね、ようやく手引きの案が完成しました。この手引きでは、身長・体重測定、視力検査、歯科健診の実施方法を記載しています。

視力検査の手引きを発表する保健省の職員
視力検査の手引きを発表する保健省の職員


会議の参加者からは、「障がいのある子どもにも対応できるような手引きにした方が良い」、「今後は聴力検査の実施手引きも作ってはどうか」などといったアイディアをたくさんもらいました。手引きの作成に中心的な役割を担ってきたのは、ディリ県保健局の職員で、ディリ県学校保健委員会のメンバーでもあるアナクレートさん。東ティモールで初の学校健診実施手引きを作成したことは、今回の会議で省庁やその他関係機関から高く評価されました。この機会を通してアナクレートさんが学校保健活動へのやる気をより高め、今後さらにリーダーシップを発揮してくれることを信じています。


関係機関間のより強い連携を目指して

シェアを含めた個々の機関ができる活動や支援できる地域は限られているため、皆で力を合わせて役割を分担しないと充分なインパクトを生み出すことはできません。学校保健は関わる関係者がとても多く、関係者をまとめるのはとても大変ですが、シェアは引き続き教育省、保健省と協力し、関係者間の情報交換が活発に行われるように働きかけていきます。


多様な機関の職員が参加したワーキング・グループ会議
多様な機関の職員が参加したワーキング・グループ会議


ロジーニャ
現地スタッフ ロジーニャ



在日外国人支援事業部で外国人医療相談の担当をしている廣野です。シェアの事務所がある台東区の上野動物園で生まれた赤ちゃんパンダ香香(シャンシャン)は、無事に成長して来月公開とのこと。ぜひ観に行きたいなぁと思っています。

セミナー開催の背景と目的
さて、9月末から当会ホームページやfacebookでも告知させていただいた通り、11月4日(土)に、台東区立ふれあい環境館ひまわりにおいて、シェア・セミナー「医療通訳にできる20のこと~医療従事者にとって医療通訳とは何か?~」を開催しました。当日は看護師、保健師、医師などの医療従事者を始め、医療通訳も多く、約60名の参加者で会場は満席となりました。

このセミナー開催の背景には、留学生や技能実習生の増加に伴い、外国人の受診機会がますます増えることが見込まれる中、医療現場でインフォームドコンセントを得るために、訓練された医療通訳の存在が不可欠であるという認識は未だ十分に行き渡っていないという現実があります。一方で、医療従事者が医療通訳の必要性を認識して医療通訳を手配したいと考えても、地域によって通訳確保が制度面、財政面でも十分に整備されていないという実態もあります。

そこで、シェアではまずは医療従事者の皆さんに医療通訳を活用する意義、メリットをお伝えし、医療現場で通訳活用の機会が創出される一助になること、そして、それがひいては医療通訳制度整備の充実に繋がることを目指し、医療通訳活用をテーマとしたセミナーを開催することにしました。

医療通訳にできる20のこと
今回は当会副代表で医師の沢田貴志、公益法人結核予防会総合健診推進センター呼吸器科医師高柳喜代子さん、当会医療通訳(ネパール語、ヒンディー語)のマラ・スミタ・マンジャリさんを講師として迎えました。沢田からは外国人診療に関わる課題や背景、言葉の問題の現状、通訳活用の技術などについて話しました。そして、高柳さんからは自身の外国人の結核治療において医療通訳を活用されている立場から、医療通訳が医療チームの一員として果たしている役割などについて、マラ・スミタ・マンジャリさんからは医療通訳としての経験から、医療通訳が入ることによってもたらされる患者さんの変化や、文化的な解釈の違いなどの話がありました。

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【ユーモアと示唆に富んだマラ・スミタ・マンジャリさんのお話に聴き入る参加者】


そして、それぞれのお話の中から、医療現場に通訳者が入ることの意義やメリットをとりまとめ、以下の通り、このセミナーにおける「医療通訳にできる20のこと」としました。20番目を「あなたにとって」でブランクとしたのは、参加者が講師の話の中から自分の視点で「医療通訳にできること」を見つけたり、医療従事者がこれから医療通訳と共に働く中で、新たな「医療通訳にできること」を見出すであろうという思いを込めてのことです。

20のこと


医療通訳の大変さを知ったロールプレイ
参加者は講義を聴くだけでなく、ペア(患者/医師役1名、通訳役1名)になって、がん治療を題材にした医師と患者のやりとりの台本をもとに、通訳の仕事を少しだけ体験できるロールプレイをしました。このロールプレイでは医師役が日本語で話した内容を、通訳役もそのままメモを取るなどして、日本語で話します。日本語話者にとっては、「日本語→日本語」ですから、それほど難しくないように思われるかもしれません。しかし、実際に取り組んでみると、その予想は覆ります。「耳で聞き取った日本語を、正確に日本語に訳すのがこんなに難しいとは!(ましてや外国語に訳すのであれば・・・)」「集中力が続かない。」「医療従事者が一息に長文で話すと、日本語であっても訳すのが大変だ。」などの声が聞かれ、医療通訳が現場で求められる集中力、知識と訓練などを伺い知ることができます。一方で、医療通訳を介して話す医療従事者にとっては、使う用語、話すスピードや文章の長さなど、どのようなことに気をつけながら医療通訳を活用すればよいのか、通訳の立場から考えることができたと思います。

おわりに
参加者から回収したアンケート結果をみると、医療従事者の方からは「医療通訳について理解を深めることができてよかった」、医療通訳者からは「医療通訳について医療従事者に知ってもらうことができてよかった」というものが多かったように思います。つまり、医療従事者と医療通訳が相互に理解を深める機会が普段あまりない、ということなのではと感じました。こうした参加者の声に、これからシェアがどのように関わっていけるのか、これからも考えて行きたいと思います。
最後に、今回のセミナーは2016年に多くの皆さまからお寄せいただいたクラウドファンドを活用して開催することが出来ました。ご支援下さった方々に深く感謝を申し上げます。





hirono

在日外国人支援事業担当
廣野 富美子
毎年恒例、シェアの看板お友だち担当のシェーちゃんアーちゃんより、
今年のインターンについて二回のブログに分けて紹介していきます!


シェーちゃんアーちゃん
シェーちゃんアーちゃん

今年のインターンは全員で4名になりますが
本日は、須田拓実さん、中村美穂さんの2名のインターンさんにインタビューをしたいと思います。


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【プロフィール】
名前:須田拓実(すだ たくみ)
担当事業:普及啓発事業
所属:大学3年(国際教養学部)
趣味:読書、プログラミング


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【プロフィール】
名前:中村美穂(なかむら みほ)
担当事業:在日外国人支援事業
所属:大学3年(看護学部)
趣味:おいしいものを食べること



Q.シェアでインターンをしようと思ったきっかけはなんですか?

(須田)
私は大学で国際保健の勉強をしており、将来もこの分野に関わりたいと考えています。学生のうちから国際保健の活動に参加しながら、将来に向けた勉強ができると思い、インターンをしたいと思いました。

(中村)
以前ベトナムに留学していたことから、技能実習生の実情に強く関心があり、シェアで在日外国人について深く学びたいと思ったからです。


Q.インターンのお仕事はどんなことをしているんですか?

(須田)
国内のイベントの企画や運営準備、広報などをしています。例えば、9月末のグローバルフェスタというインターン中心で進めるイベントでは、私が主にインターン間の調整や運営準備などをしました。

(中村)
主にスタッフさんのお仕事のアシスタントです。具体的には医療通訳ボランティアの皆さんに向けたフォローアップ研修の準備や事後アンケートの集計、母子保健サービスに関する資料の作成など、多岐に渡ります。


Q.インターンが終わる3月、どんな自分になっていたいですか?

(須田)
インターン企画など、今後もインターン主導で企画・運営する機会もあります。これまでの反省を踏まえて取り組みつつ、そのような仕事に求められるマネージメント力や独自性を磨きたいです。

(中村)
在日外国人について理解を深めて、将来看護師として何が自分にはできるのか、そのために今すべきことは何かを明確にできるといいなぁと思います。(ですが、正直実習中なこともあり、毎日目の前のことに必死です。泣)


Q.最後に一言お願いします!

(須田)
インターンの考えや自主性を重視してくださると同時に、分からないことや悩んだことに真摯に耳を傾けてくださる良いインターン先だなと思います。普及啓発は色々な仕事を経験できることもあり、楽しく仕事をさせて頂いています。

(中村)シェアでの活動は毎回学びが沢山です。シェアとのご縁に感謝です!


すだ
インターンが企画運営をしたグローバルフェスタの様子


2人ともありがとうございました。
2月頃にインターン企画を考えています。シェアの活動、国際協力に興味を持ってくださる方に実りのある企画にしたいと思っています。Facebook等で情報を流すので、要チェックです★

第二弾のインターン紹介もお楽しみに!


シェーちゃんアーちゃん
お友だち担当
シェーちゃん&アーちゃん



こんにちは。シェア海外事業担当の末永です。

去る10月、カンボジアのプレアビヒア州にて、これから始まる事業開始の式典を開催しました。この事業では、プレイベン州での経験を活かし、プレアビヒア州で子どもの栄養改善を目指します。


今回のキックオフセレモニー式典

前事業地であるプレイベン州スバイアントー郡の郡保健行政局長トン・トール氏、JICAカンボジア事務所から水沢氏、新プロジェクトのカウンターパートである州保健行政局長のクン・ロー氏が国立栄養プログラムの副長であるチア・マリー氏がゲストで登壇してくださいました。


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前事業地であるプレイベン州スバイアントー郡の郡保健行政局長トン・トール氏


シェアとこれまでどのように働いてきたか、地域にどのような良い変化があったか、
自分たちはそれをどう続けるか、といった内容を話してくださいました


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JICAカンボジア事務所から水沢氏(写真左)、シェア事務局長の岩崎(写真右)


JICAカンボジアで最初のパートナーシッププログラムが、
なんとシェアのコンポンチャム州でのプログラム(1998年)だったそうです!


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プレアビヒア州保健行政局長のクン・ロー氏


栄養不良はその子の健康だけでなく、将来の教育・経済状況にも影響します。
プレアビヒア州の保健状況についてスピーチをいただきました。


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国立栄養プログラムの副長であるチア・マリー氏


カンボジアの健康指標は改善されつつあるものの、子どもの栄養状態はまだ目標に達成していません。
シェアの栄養プロジェクトに対する期待を話していただきました。


ゲストスピーチの後

シェアのプロジェクト・マネジャーのフンから、プロジェクトの内容について
参加者のみなさまにご説明を差し上げました。


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プロジェクト・マネジャーのフン(写真一番左)


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通訳として活躍したシェアスタッフのセレイ。かなりがんばりました。


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式典の様子


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最後の集合写真


これから4年間のプロジェクトです。どうぞよろしくお願いします。

海外事業部
末永 明日香