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本田です。「ひとりごと」も長く冬眠状態が続きすみませんでした。そろそろ啓蟄(けいちつ)しなければいけませんね。現在私は気仙沼のシェアのプロジェクトに参加していますので、ブログに書かせていただきます。私たちは、気仙沼市内の施設に作られた、市役所、市立病院、市医師会、日本プライマリケア連合学会などが協力して運営する、「巡回診療・健康相談本部」に属して活動させていただいています。巡回診療については、震災や津波のため在宅での療養に種々の困難をきたしてしまった患者さんのお宅に訪問して、現地の医師会の先生方が立ち直ってこられるまでのつなぎ役として、お手伝いさせていただいています。私も何人かのお宅を訪問させていただきましたが、震災・大津波でたいへんな目に遭いながら、ご家族の方々がすばらしい愛情と思いやりで、病気や障害でお体が不自由になられた患者さんを支えておられ、感動しました。そのことはまた別の機会に譲ります。

調査のための市内のマッピング巡回健康相談の活動の一環として、気仙沼市健康増進課が中心となって、市内の住宅地域をいくつかのブロックに分け、住民の健康状態や家屋の被害状況などを調査し、今後の健康増進・予防活動に生かす取り組みを行っています。実際の調査活動に当たっては、シェアから派遣された城川さんや大木さんが、公衆衛生や地域看護についての豊富な経験を生かして、すぐれた働きをしてくれました。
写真:調査のための市内のマッピング

大川の水で洗い物をされる住民の方私自身、4月7日、市南部の本郷、南郷、神山といった、市を流れる大川沿いの地域での調査活動に参加しました。この地域は大規模火災を免れたものの、多くの家庭が、床上浸水以上の津波被害を受け、かつ古い家屋は全壊状態となっていました。住宅がなんとか倒壊を免れた住民のかたがたは、夜は避難所で寝て、日中は後片付けに戻るといった生活を根気よく続けておられます。地域によっては、汲み取り便所を使っていて、し尿や下水が津波のため逆流して衛生上の問題を生じていたり、水道、電気、都市ガスなどのライフラインがまだ復旧していなくて、たいへんな不便をかかえながらがんばっておられます。
大川沿いの家庭では洗い物などをまだ川の水でせざるを得ない方もいらっしゃるようでした。


この地域の人びとは、避難場所となっている小学校に逃れられたのですが、2階まで津波は襲いかかり、生徒も先生がたも避難住民の方々も、からくも助かりました。ただ、地震直後の咄嗟の判断が生死を分けた場合が多くありました。ある子どもさんは地震のあと、保護者が引き取りに来てくれ、一緒に学校を去ったあとで、親子とも行方不明となっています。また、住民によっては車での避難を試み、渋滞に巻き込まれ、津波にのまれてしまったそうです。

そうしたことも含めて、今回の大震災が、どんなに多くの悲劇や試練をもたらしているかを、調査活動を通して知り、私たちがどのようにお役にたち、住民の方々に寄り添って行けるのか、深く深く思いをあらたにしました。

シェア代表理事 本田徹


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