はじめまして。1月に東ティモールの学校保健プロジェクト・コーディネーターとしてディリに着任しました、秋山真輝(あきやま まき)です。
これまでは日本で教育関係の仕事や、青年海外協力隊として中米、ベリーズ国でエイズ対策の活動などをしてきました。東ティモールに赴任して2ヶ月半。同僚たちに助けられながら、少しずつ仕事に慣れてきました。
業務で使う私のテトゥン語(東ティモールの公用語のひとつ)はまだまだ怪しいですが、結核、下痢、寄生虫など、病気用語に関しては着々と語彙力アップしています!

シェア東ティモール・チームメンバー↓
スタッフ集合写真


今回は、私と2人の新・現地人スタッフが加わった東ティモール事務所より、動き始めたばかりの学校保健プロジェクトのベース・ライン調査に関してご報告します。
首都があるディリ県を拠点とした本プロジェクトで取り組んでいるのは、学校保健教育システムの構築。このシステム作りの主役となるのは、国やディリ県の行政官から成る「学校保健委員会」です。
シェアはこれまでにエルメラ県で実施した学校保健プロジェクトで培った経験を活かしながら、裏方としてサポート役に徹します。
プロジェクトが終了する3年後には、教員向けの保健教育研修システムが出来上がり、学校保健委員会のメンバーが、そのシステムのモニタリングやフォローアップを十分に行えるようになることを目指しています。そして、子ども達が楽しく保健の知識を身に付け、元気に成長できる環境づくりに貢献したいと願っています。

前置きが長くなりましたが、現在実施中のベース・ライン調査の目的、それは一言で言うとプロジェクトの効果をはかるため。
この調査では保健教育の現状を把握し、3年後にはそれがプロジェクトの実施によってどう変わったかを調査します。調査は学校保健に携わる国・県・学校の保健/教育関係者対象に行うインタビューや、小中学生を対象に行う保健の知識、行動に関する小テスト、学校の衛生環境のチェックなど、幅広く行っています。現在はデータを収集中ですが、ここまでたどり着くにまでには長いプロセスがありました。

例えば小中学生対象の小テストができるまでは…

すでに学校で使われている教材やカリキュラムに関して教員から聞き取り→調査内容をスタッフで協議→テスト問題作成→専門家に意見をいただく→テスト問題修正→実施マニュアル作成→学校で実際に練習→反省会&テスト問題再修正→データ入力フォームの作成→本番!
といった感じで、試行錯誤の繰り返しでした。

テスト内容を話し合い中のスタッフ↓
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本番前の予行演習は欠かせません。生徒の前に立ったつもりで練習↓
予行演習


学校では予期せぬハプニングもたくさん。例えば、学校の施設が児童数に対して足りていないディリの中心部の学校では、一クラス60人以上のクラスもあり、テスト用紙が足りないという事態が発生!また、読書の機会が限られている東ティモールの子どもたちは、文章は声に出して読み、耳から頭に入れる傾向にあるため、テスト中は問題を読み上げる子ども達の声で賑やかに!お互いの答えが分かってしまうのではないかと、私は一人でハラハラしていました。

問題を読み上げる子どもたちの声で賑やかな教室↓
小テスト


「爪はちゃんと短く切っているかな?」子どもたちの衛生習慣もチェック。↓
爪の長さチェック


先生にも保健教育の実施状況をインタビューします↓
教員インタビュー


学校の衛生環境を観察中のスタッフ。トイレや水の状況、ゴミ箱の有無など、様々な項目をチェック。「ゴミ箱は一応あるから3点ね」「でもポイ捨てが多いから2点にすべきじゃない?」など、話し合って評価をつけます。↓
FRESHフォーマットを使った衛生環境チェック

プロジェクトの効果を図るのが一番の目的の調査ですが、それ以外にも様々な役割を果たしています。第一に、スタッフ自身が学校の現状や、保健教育関係者の役割を把握することができるという点。

今は100校近くあるディリ県内の全小中学校を訪問し始めたところですが、それから見えてきたのは、学校が抱える様々な課題。また、同じディリ県内でも、都市部と山間部では抱える問題も違うようです。
例えば、都市部の学校が生徒数の多さにより、限られた数のトイレを清潔に保つのに苦労をしている一方、山間部の学校は敷地内への動物の侵入に悩まされていたりと…。
この様に学校の実情を知ることは、多様な学校のニーズに合った活動を展開していく上でとても大切です。

さらにこの調査は、保健教育関係者のオーナーシップ向上にも貢献していると感じます。「学校保健委員会」のメンバーは学校訪問に同行し、自ら学校の現状把握に努めています。また、シェアのスタッフによるインタビューにおいて、自らの委員会での役割や抱負について語ってもらうことで、学校保健への意識が高まることを願っています。

プロジェクト終了後の3年後、同じ学校を訪問する時どの様な状況が目に入って来るのか、保健教育関係者にインタビューする時どの様な答えが返ってくるのかと想像すると、今からドキドキします。
調査で集めるデータはこれからの3年間の土台となる大事な情報。一件一件大切に集め、今後の活動に役立てていきます。


東ティモール 学校保健プロジェクト・コーディネーター
秋山

**応援よろしくお願いいたします**

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