先日、代々木公園で開催されたタイフェスで念願のドリアンを丸ごと1個購入し、3日かけて完食しました。ドリアンのお蔭で幸せいっぱいの在日外国人支援事業担当の横川です。


シェアの外国人医療電話相談

 シェアにおける外国人医療電話相談は在日外国人支援事業が始まった、1990年初めに活動を開始しました。統計を取り始めた2006年、シェアにおける医療談話相談の相談対応回数は67回でした。その後、うなぎ昇りに相談対応回数は増加し、2010年は541回の相談に応じています。東日本大震災後は300回前後で推移し、昨年の2016年は347回となっています。相談者は外国人の方よりも病院に勤めているソーシャルワーカーや保健師さんなど保健医療従事者が多くを占め、相談内容は出身国の医療情報、健康保険、在留資格や外国人の療養支援のことなどで、特に多い相談は医療通訳派遣や言語の障壁に関することです。


医療通訳の大変な側面:重病で難しいケースの通訳が求められる

医療通訳を派遣することは、大変な側面があります。
「患者さんは末期がんです。告知とこれからの話をお願いしたい。」
「患者さんの意識がなく、今後意識がもどる可能性はありません。家族はもどると思っているようです。ちゃんと説明を入れたい。」
「移植をしないと助からない。移植について説明をするので通訳をして欲しい。」
このように、シェアに寄せられる医療通訳派遣の相談は、重病なケースが多くを占めます。結核やHIVなど感染症を中心に派遣されているシェアの医療通訳者にとっては、負担が増えます。しかし一方で、このような相談者からの悲痛な声を聴くと、通訳を通して、外国人の患者や家族の方にきちんとした説明が入り、安心して治療や療養に取り組んでほしいと願うばかりです。現状では、上記のような通訳依頼がくると、東京都の結核患者に対する医療通訳として活躍している人でかつシェアの医療通訳としてもお願いをしたことがある人に個別に声をかけて派遣しています。初めて聞くような病名の時には、通訳内容の詳細や、病気についての説明をすることで事前準備をしてもらい通訳派遣にのぞんでもらっています。


最低限の医療通訳派遣体制を整えるために、今できることを

シェアとしては、シェアの医療通訳派遣システムを整え、通訳者の方々にもっと様々な疾患に関する勉強の機会を増やし、医療用語や医療知識に対する不安を軽減したい、きちんと謝礼を払いたい、傷害保険をかけてあげたいと思う気持ちが常々ありました。そんな折、平成29年度日本郵便の年賀寄付金配分助成の支援を得ることができることになったため、医療通訳者に研修を開く機会と通訳への謝礼や傷害保険にかけることが可能になりました。そこで、2017年5月14日に第一回シェア医療通訳研修を開催しました。参加者は今までにシェアの通訳派遣に協力して下さった方々15名。また、講師にはシェアの理事やシェア支援者の医師、3名にお願いをし「がんについて」「AIDSの基礎知識」「難病」の話をして頂き、和気あいあいとした、楽しく学べる機会となりました。

IMG_0212シェアの理事である仁科さんが「がんについて」講義をしているところ

私たちが目指すこと

 私たちシェアは、医療通訳者が少しでも不安なく派遣先に行けるように知識向上の研修を組んだり、医療知識を共有したり通訳への補償を整えていくことも大切と考えていますし、それをサポートしてくれる医療者を巻き込んでいく事も、非常に大切だと考えています。シェアが現在通訳派遣をしている理由のひとつは、医療通訳の意義を保健・医療従事者に知ってもらい、医療通訳の活用の道を開くことにもあります。1本の相談電話から、困っている外国人の方や保健・医療従事者の声が聞こえてきて、私たちシェアとせっかくつながったのですから。私たちシェアにも、通訳派遣を行うにあたり制約があり、今後どこまでできるのかわかりませんが、
「私は日本のお金で大学に行かせてもらいました。だから、日本のために恩返しになることをしたい。」
「お金は関係ありません。」
などと言ってくれる、シェアの医療通訳者の熱い情熱に支えられながら、在日外国人の健康に関するサポートを今後も一緒に頑張っていきたいと思います。




在日外国人支援事業部
横川 峰子