東ティモール事務所から、Botardi!(こんにちは)
一年で一番涼しい季節に入りつつありますが、それでも日中は30℃を超える日差しが照り付けています。ただいま、扇風機は全開、小学校を会場に今週月曜日から土曜日までの1週間の日程で教員対象の学校保健研修の真っ最中です。3日間ずつ、2つのグループに分けてディリ県内の拠点学校34校80名ほどの教師が受講します。

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子供たちに教える「栄養の歌」を大きな声で練習したり、真剣に研修を受ける先生たち


学校保健研修ってどんなことをするの?

小中学校の先生たちが、保健の授業や保健活動に必要な知識や実践力を付けることを目的とした研修です。今回の研修の目玉は、今年初旬に改訂された「新学習指導要領」に沿った内容になっていること。3日間かけて、思春期保健や栄養やたばこの害など多岐にわたるトピックを学んだり、学校ごとに学校給食の課題解決に向けた討議や具体的な保健活動計画を立てたりと、実践に繋がる研修を目指しています。
シェアがこうした、教師への学校保健研修を本格的に始めたのは2009年です。毎年100人から200人の教師を対象に、山間部や首都で年1〜2回実施してきました。延べ人数では、2県約200校の1000人を有に超える教師が受講してきたことになります。

この研修、毎年同じことを繰り返しているわけではありません。シェアからの支援が終了したあとも、こうした研修実施経験が政府や関係者に残っていくことを目指して、毎年内容や運営方法を工夫しているのです。例えば年々、シェアのスタッフが直接研修を行うのではなく、講師や研修の運営は、国や県の担当者に任せるようにしています。研修を行うには研修内容や使用する教材、講師の調整や会場、昼食の手配など、様々なプロセスがありますが、それらがすべてスムーズにいくのは簡単なことではありません。まして、国の学校保健プログラムがまだ全国的な制度になっていない東ティモールで、誰が何をどう担っていくのかを決めて、実際うまくいくかどうかは、毎回試行錯誤して作っていくしかありません。

予定外のハプニングもよく起こります。開会挨拶をする人が大幅に遅刻して開始時間が予定より2時間押しになったり、突然の大雨に電源が落ちそうになったり、学校のトイレが詰まって使えなくなったり。研修前半にして、すでにいろいろあるものの、研修自体は、教員研修機関の講師たちの授業と、積極的な参加姿勢の先生たちとで、毎日教室は熱気に包まれています。

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3つの栄養素の働きやピラミッド型の教材を学ぶゲームをやる先生たち。
答え合わせはかなり盛り上がります。


女性たちも活躍しています。

実はこうした研修を実施する1週間ほど前に、講師や研修運営のメンバーで集まってリハーサルをします。わかりやすい研修かどうかをチェックしてから本番に臨んでいます。講師たちは、INFORDEPEと呼ばれる教員研修機関の職員が中心です。

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教員研修機関の職員たちと、県保健局の学校保健担当官(左から2番目)。

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講義内容や研修運営の準備から当日まで、多くの関係者とともに根気よく調整を続けてきたコーディネーターの秋山。

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講師はみな、ベテランばかり。各地の公立校での教師経験を経て、現職教員向けの研修機関の講師になっています。聞いている教師たちが眠くならないように、いろんなアクティビティも取り入れています。


研修後のカギを握るのは

研修には講師だけでなく、その後のフォローアップを担う「学校インスペクター」も全日参加します。日々学校を巡回して、研修で学んだことを学校で実施できているか、困ったことはないかなど、指導や助言にあたります。今回は県教育局に所属する4人の学校インスペクターが参加しています。その一人、ディリ県の離島、アタウロ郡から泊りがけで研修に参加しているセプリアーノさんに少し話を聞いてみました。


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懐が広そうな優しい笑顔が印象的です。秋山によると、アタウロ島では、地域事情に精通していて多くの住人に信頼されている人だとか。


Q.普段はどんな仕事をしていますか?

A.学校を訪問して、教室や校庭の掃除が行き届いているか、水は来ているか、給食が正しく提供されているかなどを見て回っています。アタウロ郡は離島なので特に水の問題が大きいです。自分の家にも2日に1回しか水が来ません。


Q.これまでの経歴を教えてください。

A.1970年代のインドネシア時代は公務員でした。2001年から教師をして、インスペクターになったのは2008年からです。シェアとは2013年から一緒に学校保健の活動をしています。


Q.あなたがこの研修や日々の仕事で、学校保健で目指していることはなんですか?

A.この研修に参加している教師だけでなく、すべての教師に学校保健についての理解を広めたいです。子供たちにとって、健康はとても大切です。この活動から学んだ、手作りで作れる手洗い装置tippy tapも学校に設置しましたが、はじめはみんな使っていたけれど今は使われていません。まだ手洗いの大切さが十分にわかっていないのでしょう。毎日学校で、教師が子供たちに働きかけることが大事なので、自分もそれをサポートしていきたいと思っています。

この研修を通して、学校での保健の授業や保健活動がもっと活発化しますように。私たちシェアも学校インスペクターと一緒に、研修後の学校の様子も見ていきたいと思います。

この夏実施するスタディツアーでは、今回最後に紹介した学校インスペクター、セプリアーノさんがアタウロ島を案内してくれます。
スタディツアーも残席わずかとなってきました!お早めにお申し込みください。

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東ティモール事業担当 吉森悠