南半球の、真夏のクリスマスが近づいている東ティモールからこんにちは。

今年は2018年までの3年間のディリ県での学校保健プロジェクトの中間年です。
先週2日間にかけて、今年の成果や課題を全国の県保健局・県教育局の関係者や支援団体と共有する「学校保健国レベルワークショップ」を開催しました。


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人数が多かったので地域別に分けて記念撮影しました

国レベルワークショップの目的

シェア東ティモールが進めている学校保健プロジェクトは、首都のあるディリ県の98校の小中学校を対象にしていますが、プロジェクトの最終的な目標は「ディリ県での学校保健をもとに、行政によって全国で学校保健が実施される」ことです。

そのため全国13県から、学校保健を担当する保健局や教育局の関係者が一堂に会しました。すでに各県で実施している学校保健活動や、シェアがディリ県で省庁と共に進めている学校保健の政策づくりや保健活動の事例、学校保健モニタリングの様式などを共有し、今後各県で学校保健を進めていくために必要なことなどを話し合いました。

今年は、主に以下のような成果がありました。
ゞ軌蘊覆行う教師への学校保健研修体系の確立しつつあること 
県教育局による学校保健モニタリングの実施されるようになったこと
8修を受けた教師たちによって、ディリ県内の多くの学校で、学校保健活動が広まっていること

東ティモールの国土は東西に長細く、飛び地のオイクシ県を含めた13県が集まるのは大きなイベントです。私たちも日頃なかなか会うことのできない他県の担当者に学校保健への関心を高めてもらうために、県からの発表の場や掲示物などを工夫して準備してきました。


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教育省の職員へ、学校保健最新情報が詰まったニュースレターを説明するプロジェクトコーディネーターの秋山。今年2回発行し、ディリ県内98校の学校に配布したものを今回他県へ配布しました


10年近く、東ティモールの学校保健プログラム普及活動をしてきたシェア

近年、学校保健プログラムは教育省や保健省の間で、重要性への認識が高まっていると感じます。
例えば、今年改訂された小学校の教育カリキュラムではこれまでの「保健体育」ではなく「保健」として独立した教科になり、地域の保健センターの職務にも学校での保健教育が追加されるなど

「Saude Eskolar」(学校保健)という単語を見聞きする場面が増えています。
学校保健を進める政策として「学校保健戦略計画2018-2022」の策定も進んでいます。
こうした流れを後押しに、シェアが直接支援できない他県の学校でも積極的に取り組んでほしい。 そんな思いで、こうしたワークショップを開いています。


今回のワークショップでは印象に残ったことが3つ。

ひとつは、90名近い人数が集まったのにも関わらず、時間通りに開始したこと。2つめは、圧倒的に男性の参加者が多かったこと。3つめは、参加者のみんながアツすぎることでした。

ひとつめの「定刻の開始」。日本では当然のことですが、東ティモールでは極めて珍しいのです。開会の挨拶をする役職の高い方々が遅れて始められないことはしばしば。南国タイム?なのか、特に参加者が多い時には、予定の1時間後にようやく開始・・・ということも珍しくありません。

この日も私は「まだまだ始まらないだろうな」と他の仕事でもやろうかと思っていたところ、時間ぴったりに、しかも用意していたイスが足りないくらいの参加者が集まって開始したので、逆に慌ててしまいました。学校保健プログラムへの関心が高いのだろうと思うことにしました。(たまたまかもしれませんが!)


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ふたつめは、会場の9割近くが男性だったこと。母子保健に関する全国会議などでは女性が4割ほど占め、保健センターなどには多くの女性が働いています。しかし今回のような県の教育局・保健局の中核職員で学校保健を担当する職員には男性が多いことを実感しました。

学校現場では、地方でも女性の先生はたいてい3割から4割はいる印象で、各省の大臣や保健局長などの要職は日本よりも女性の比率が高いです。

学校保健では、女子生徒も使いやすいトイレの設置や学校での対応なども必要なため(生理期間中は学校を休む生徒も多い)各県で学校保健を推進していく際には女性の職員とも協力して進められるような配慮が必要と感じました。


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ディリ県を筆頭に進めている県学校保健委員会を、昨年から自主的に設立し活動内容を発表したビケケ県保健局の職員


みっつめは、時にはケンカしているのかな?と思うほど議論が白熱しました。特に教育関係の参加者は、長年学校教師として勤めてからこうした役職についている人も多いからか、発表や議論するときの声も非常に大きく、勢いがあったのが印象的でした。県からは国に対して学校保健関連の予算がなかったり遅配に対する意見や、学校保健モニタリング方法についてなど多くの意見が交わされました。

特に、独立運動も活発だったという東部地域の県は、活動家のように熱のこもった話しぶりの人も多く、学校保健もぜひ熱い闘志と勢いで進めてほしい!!と願わずにいられませんでした。


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保健省のヘルスプロモーション課長からも、多くの男性陣に負けじと、勢いのあるプレゼンが行われました


明日からいよいよ学校保健最終年次のスタートです。
東ティモール政府が学校保健プログラムを広めて行けるように、力を合わせて頑張ります。
これからもご支援よろしくお願いします。

※シェアの学校保健プロジェクトは、会員の皆様からのご寄付や、外務省NGO連携無償資金のご支援をいただき実施しています。


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東ティモール現地代表 吉森悠


シェアでは冬の募金キャンペーンを行っております。
この冬も、どうかあたたかいご支援をよろしくお願いします。