皆さま、こんにちは。在日外国人支援事業部で外国人医療相談の担当をしている廣野です。
西日本豪雨により被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

シェアは「移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」(http://migrants.jp/)に団体会員として関わっています。そして、6月9日(土)、10日(日)に、札幌市の北星学園大学で開催された「移住連ワークショップ2018 in 札幌 私達がつくる移民政策」に私が参加しましたので、ご報告します。

「医療・福祉・社会保障」分科会への参加
ワークショップ1日目は「排外主義を克服するために〜体験的アジア交流論〜」と題した植村隆さん(元朝日新聞記者・韓国カトリック大学客員教授)の特別講演に引き続き、参加者が「技能実習」、「移住女性・貧困」、「入管・難民・収容」等各関心分野に分かれての分科会が開催されました。私は昨年に引き続き、「医療・福祉・社会保障」分科会に参加をしました。参加者は9名と小規模だったものの、外国人支援団体や労働組合のスタッフ、医師、医療通訳、福祉関係者、そしてマスコミの方と、バラエティに富んだメンバーが顔を揃えました。

分科会での学び
分科会では、2017年11月、2018年3月に行われた移住連の「省庁交渉」(「省庁交渉」:移住連が在日外国人の支援現場における現状を関係各省庁に対して伝え、法制度改善等に向けて提案や情報の公開請求を分野別に行う場)の報告がなされました。取り上げられた事項としては、医療通訳費用負担に関する厚生労働省の通知をめぐる解釈や、公的な医療保険加入が難しい外国人の自立支援医療の適用について、などがありました。また、省庁交渉とは別に、国籍/在留資格が不安定な子どもの児童手当の適用をめぐる審査請求に関する報告などもありました。外国人住民のニーズに対する公的なサービス提供の適用や制約の実態に対し、法的根拠やその解釈、正当性をめぐる議論について正確に理解することはとても重要です。また、支援に携わるにあたっては、例えば「この人は在留資格がないので、支援が限られてしまうかも知れない」というようなバイアスを捨て、まず「この人にとって何が優先されるべきことなのか」という意識を明確に持つことが大切だということを改めて学びました。

移住連分科会
分科会のようす


政策提言に向けて
2日目は、国連のSGDs(持続可能な開発目標)などの国際的な動きも確認しつつ、2019年に移住連が発表を目指す政策提言の策定を念頭に、移民社会を支えるために必要なコンセプトを参加者全員がワークショップ形式で出していきました。また、国内については、6月に閣議決定された外国人労働者受け入れの拡大方針を含む「骨太の方針」に関する情報の共有がありました。政策提言の策定に向かっては、「骨太の方針」を含めた多くの課題に対して、労働、保健医療、母子、法的支援など専門性が異なる団体等が連携して、より有効な提言を創り出していくことが重要だと考えます。また、移住者など当事者の声の反映が十分になされるプロセスが必要になると思いました。

全国ワークショップを振り返って
全国から集まった移住者や移住者に関わる人たちと言葉を交わし、情報を交換する機会を得ることができたこの2日間は、私にとって貴重な時間となりました。また、政策提言を念頭に自分が大切だと考えていることを言語化するという作業も、自分がシェアでの活動を通じて得た価値観の再認識に繋がりました。この2日間に得た情報と参加者からもらったエネルギーを糧に、外国人医療相談に寄せられるさまざまな課題に向き合って参ります。

来年は、シェアの事務所がある東京で6月1日、2日の日程で移住連の「全国フォーラム」は開催されます。近隣県の方はぜひご注目ください。




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在日外国人支援事業担当
廣野 富美子