連休はいかが過ごされましたか。私は伊豆大島の三原山に行ってきました。海外事業担当の巣内です。

前回のブログで、東ティモールの離島や僻地では、基礎的保健サービス(5歳未満児への予防接種、妊婦健診、施設での医療者介助による出産)の利用が低いことをお伝えしました。

東ティモールでは、住民にとって一番身近な場所にある「ヘルスポスト」と呼ばれる診療所があります。なぜ住民は保健サービスを利用しない、診療所に行かないのでしょうか。

もちろん、離島や僻地で保健施設への道のりが困難であることは見受けられました。しかし、それだけではない現状が見えてきました。


※本事業は外務省による日本NGO連携無償資金協力の助成の他、皆さまからのご寄附やご支援を受けて実施しています。


現地でインタビュー調査を実施

昨年、シェアでは新しい事業を開始するにあたり、現地で住民や保健スタッフに対するインタビューを行いました。その結果、保健サービス提供者側、住民側の双方に課題があることが分かりました。

インタビューに協力してくれた住民(アタウロ)
インタビューに協力してくれた家族(アタウロ島)


保健サービス提供者側の課題

保健スタッフは、首都での研修や会議のために診療所を離れることがあり、住民がヘルスポストを訪れても保健スタッフが不在のことがあるそうです。離島や僻地には若手の医療者が配置されることも多く、まだスタッフの中には技術に不安を持っている方もおられました。そのため、住民が診療所や保健スタッフを信頼していないことが報告されました。

また、東ティモールでは定期的な巡回診療が行われていますが、設備の不足等により、それ以外の施設外活動の機会が限定的です。まだ保健サービスにアクセスできていない住民に対する働きかけができていません。


訪問診療の様子(メティナロ)
訪問診療の様子(メティナロ)


住民側の課題

保健サービスにアクセスできていない住民の間では、伝統的療法に頼ることもあり、診療所に行くことなく症状が重症化することもあります。妊娠出産や子どもの栄養に関する知識、感染症の予防に関する知識も不足しているようです。

こうした背景から、住民が保健サービスを利用できていないことが分かりました。そのため症状が重症化したり、自宅で死亡するケースもあります。結核のフォローアップを受けずに完治しなかったり、再発したりすることもあります。


インタビューに協力してくれた住民(メティナロ)
インタビューに協力してくれた住民(メティナロ)


3年間の事業をスタートしました

そこで保健サービス提供側、住民側の両者に働きかける、新しい事業をスタートしました。保健サービス提供側に対しては、施設環境整備、診療スキルの改善、住民側には保健促進活動を通して意識や知識の向上を行います。これから3年間をかけて、離島のアタウロ(Atauro)と、ディリ県でも僻地にあるメティナロ(Metinaro)で活動を行っていきます。


これからブログやSNSで活動報告をしていきますので、楽しみにしてください。




文責:海外事業担当 巣内秀太郎