こんにちは。シェア・カンボジア事務所インターンの溝口です。

4月のカンボジア正月が明けてから、シェア・カンボジア事務所では離乳食のレシピ作成が始まりました。今回はおよそ2週間に亘って行われた栄養トレーニングの様子についてご紹介します。

このトレーニングの目的は、シェア・カンボジアのプロジェクト地であるプレアビヒア州で簡単に手に入り、日常的に食べられている食材を使った、妊婦さん及び乳幼児を対象とした料理のレシピを作成することです。前プロジェクト地であるプレイベン州で実施した離乳食のレシピ作りの活動を参考に、新たにプレアビヒアで食べられている食材に特化したレシピ作成を行いました。

さらに今回は、カウンターパートである州・郡保健局の栄養担当官をはじめ、日本から栄養専門家の木下ゆりさんにご協力を頂いて、レシピ作成に取り組みました。

どきどきの初日。はじめに、州・郡保健局の栄養担当官、女性子ども委員、木下さん、そしてシェアのスタッフの全員で顔合わせ、スケジュールの確認、そして木下さんによる栄養に関するレクチャーが行われました。木下さんからは、それぞれの食物にどのような栄養素が含まれているのか、根拠となる食品標準成分表を用いて、お話をして頂きました。

カンボジアでは栄養士や管理栄養士といった資格を持った専門職の整備がまだまだ十分ではありません。また、こうした成分表や、数字を元に食物の栄養価を示すことは、カンボジアでは珍しく、州・郡の栄養担当官もとても関心を持って、真剣にレクチャーを聞き入っていました。


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写真:左奥中央が州保健局栄養担当官のメン氏。その両脇は女性子ども委員さんたち。



翌日からは、2歳未満の子どもがいる家庭、妊婦さんがいる家庭を訪問し、その家庭での調理の様子や子どもの食事について、1日の中で食べる料理や食事回数について聞き取り調査を行いました。
料理の中で使われる食材の調達方法や、分量、作り方、調理器具に到るまで、細かく確認をして記録していきました。


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写真:村で訪問をしたあるご家庭の台所。使える食材や調理器具も限られています。



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写真:妊婦さんが昼食を準備している様子。



この調査の中で一つとても興味深かったことがあります。それは、村のお母さんたちがスマートフォンを使い、動画を見ることで離乳食の作り方を学んでいるということです。

これには、私たちも驚きです。カンボジアの農村地域でも、スマートフォンやインターネットの普及率は凄まじいものであることを実感しました。

ここから、私たちは大きなヒントを得ました。当初はレシピ作成のために必要な写真を撮ることを考えていましたが、写真に加えて、動画も入れてみてはどうだろう?ということになりました。

早速、事務所に戻って調査をした料理、食材の中から栄養価の高いもの、乳幼児でも食べられるものなどを考慮した上で、レシピ本に載せる料理を決定し、料理の試作です。思い立ったが吉日、動画撮影にもチャレンジです。


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写真:決定した料理とそれに含まれる食材、調理方法の確認。



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写真:シェア・カンボジア事務所内での試作の様子。
村での調査で分かった「スマホ・動画」のキーワードを参考に、一つひとつの調理の工程を動画に納めていきます。


ところで、シェアの離乳食レシピには、「プレアビヒアで手に入る・食べられている食材を使う」という特長の他に、もう一つ大切な工夫があります。それは「大人が食べる料理を調理している中から乳幼児用の離乳食を取り分けて作り、一度の調理で大人も子どもも食べられる料理が完成すること」です。ここから、シェアでは「とりわけ離乳食(Just one time cooking)」と呼んでいます。先ほどご紹介した写真にもあるように、電気・ガス・水道のないカンボジアの台所では、日本とは違って子どもの離乳食を個別に作ることは容易ではありません(電子レンジもありませんし!)。こうした現状を踏まえた離乳食作りをお母さんたちに伝えていることも、シェアの活動の特長です。

試作でも途中で取り分けを行い、大人用そして月齢ごとに理想とされる食事の形態になるように準備していきました。


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写真:月齢ごとの食形態の様子。
左から6ヶ月、7〜8ヶ月、9〜11ヶ月 、12ヶ月、大人用。



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写真:レシピ作成に初めて取り組む若いシェア・カンボジアスタッフ。
食材を真剣に吟味しています。徐々に慣れてきている様子です。



さて、試作した離乳食に対して、村の子どもたちやお母さんはどのような反応を見せたのでしょうか?その様子は次回のブログに続きます。