去る7月19日、浅草文化観光センターにおいて、カンボジア現地代表のモーガンより、カンボジア事業の報告をさせていただきました。都内での報告会開催となってしまい、離れた地域にお住まいの支援者のみなさまには大変失礼いたしました。

そこで当日の報告内容を、ブログの場を借りてお伝えしたいと思います。


モーガンからの事業報告

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報告会会場の様子


最初に、カンボジア現地代表のモーガンより、プレイベン事業の報告をさせていただきました。
カンボジアでは現在プレイベン州において、母子保健事業の現地へ引継ぐ為のプロジェクトを実施しています。プレイベンでの事業は9月に終了しますが、シェアがいなくなった後でも、プレイベンの人たちの手によって子どもの健康を守る活動が続けられていくよう、シェアは側面からサポートしています。

モーガンからは、この引継ぎ事業によってシェアと活動する人々にどのような変化があったかを中心に、みなさまにご報告しました。

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モーガンからの報告の様子


たとえば、これから子どもの健康を守る活動を中心となって担っていく郡保健行政局長からは、子どもの健康管理を重視した発言が見られるようになりました。同じく郡保健行政局の母子保健担当官からは、「(実際に人々に保健サービスを提供する)保健センタ―スタッフやボランティアが、活動を継続していくモチベーションをもちつづけられるようにしていきたい。その資金も探していきたい」といった発言が出るようになりました。

またモーガンは、このプロジェクトの大きな成果として、それぞれのポジションや位置づけにこだわらず、他セクターと協働で作業をするようになったことをあげました。

具体的には、保健省の管轄にある郡保健局と、女性省の管轄にある女性子ども委員会との協働です。女性子ども委員会は自治体から予算を確保しているのですが、彼女たちを協働することにより、離乳食教室にその予算を充てられることとなりました。郡の女性子ども委員会のメンバーからは、「もっと自治体と協議を継続し、来年は各地域が最低7村の離乳食教室の予算を確保することを目標にしています」と、心強い言葉をもらったと、モーガンから報告がありました。

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モーガンへの質問も参集者の方から多くあがっていました。


スペシャル対談

第二部は、モーガンと元シェアカンボジアスタッフのチャンパによるスペシャル対談でした。モーガンはカンボジアで子育てをする日本人のお母さん、一方のチャンパは日本で子育てをするカンボジア人のお母さんです。この少し不思議な二人の組み合わせで、それぞれの国の子育て事情について、対談形式でみなさんにお話をしました。

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スペシャル対談の様子


二人のお母さんからの話は面白く、意外なこともたくさんありました。

たとえば、子どもの健康を祈るおまじないとして、カンボジアでは赤ちゃんが生まれたら、お母さんは赤ちゃんのそばにハサミを置いておきます。これは悪い魔物から赤ちゃんを守るためだそうです。
日本では七五三などがありますが、モーガンはこれをカンボジアで(しかもアンコール・ワットで)したとのこと。スケールの大きいエピソードに、会場は大盛り上がりでした。

他にも、二人がそれぞれの国に来て驚いたこと、医療事情の違いなど、様々な話題で盛り上がりました。

ただ二つの国で違うところはたくさんありますが、どこの国のお母さんでも、自分の子どもに健康に育って欲しいと願う気持ちは一緒なのだということが、二人の話からよくわかりました。

モーガンからの報告、そしてスペシャル対談で報告会は終了しました。
当日会場にお越しくださったみなさま、ありがとうございました。


シェアでは天の川募金キャンペーンを行っております。
みなさまのご支援、よろしくお願いします。


海外事業担当
末永 明日香
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こんにちは。海外事業アシスタントの末永です。
5月の末から2週間、カンボジアへ出張に行ってきましたので、今回はそのご報告をしたいと思います。


今回の出張の目的は、現行のプロジェクト質的評価を実施すること

現行のプロジェクト「プレイベン州スバイアントー郡保健行政区における子どもの健康増進プロジェクト第三フェーズ(ハンドオーバー事業)」の質的評価を実施をしました。
質的評価とは、「数字では表せないことを評価する」ということです。

たとえば、あるプロジェクトを実施した結果、「人々がご飯を食べる回数が1日2回から3回に増加した」とします。この、「2回から3回へ増加した」というのは、数的な評価です。数字だけを見ると、暮らしが改善したように思えます。

しかしプロジェクトの結果、「栄養たっぷりのご飯を美味しそうに食べていたのに、栄養の偏ったご飯をまずそうに食べるようになった」場合、このプロジェクトは成功したと言えるのでしょうか?
こうした、数次では表せない部分を評価することが、質的評価の目的です。

今回の出張では、地域保健専門家である工藤芙美子さんに、カンボジアに来ていただき、プレイベンでのハンドオーバー(引継ぎ)事業の、数字では表せない部分の評価に取り組みました。

カンボジアに到着してから1週間は、プロジェクト内容の見直しと、評価に必要なデータの抽出を行いました。毎日朝の7時半から夜遅くまで、作業が続きました。


次の週は、まずカウンターパートに対するインタビューとアンケートを作成

前の週に出したデータやスタッフの観察記録、そこから考えられるプロジェクトの効果などを踏まえたうえで、質問によって明らかにすべき項目を考えます。


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カンボジア事務所にてミーティングの様子


考えた質問をもとに、インタビューやアンケートを実施しました。
対象となったのは、郡保健行政局のチーフと母子保健担当官、保健センタースタッフ、村の保健ボランティア、女性子ども委員会のメンバーです。
みなさん、コミューン選挙の忙しい合間をぬって協力してくれました。


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インタビューの様子


インタビュー結果やアンケートの結果から、今度はキーワードを抜き出しました。その結果、現場から聞こえてきた声をご紹介します。


郡保健行政局長 トン・トール氏
郡保健行政局長 トン・トール氏
質問「以前、「保健ボランティアはキーパーソンで、健康へのアドバイザーだ」とおっしゃっていましたが、それについてどう思いますか?」
回答「それは今でもそう思っています。なぜなら、保健ボランティアはコミュニティによって選ばれた代表者であるし、保健センターとコミュニティの間で、必要な全ての情報を伝達・交換するメッセンジャーだからです」

郡保健行政局 母子保健担当官 ミエン・ムーン氏
質問「乳幼児健診、離乳食教室の重要性は何だと思いますか」
回答「これらの活動によって、養育者が子どもの健康に興味を持ち、さらに活動に参加するようになります。そうすることで、養育者が学んだことを家庭でも活かすようになり、村の低体重の子どもが減り、子どもの健康状態の改善につながります」


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アンケートに回答する保健センタースタッフや保健ボランティア、女性子ども委員会のメンバー


全てはご紹介できませんが、このほかにも、離乳食教室を一緒に開催している女性子ども委員会のメンバーから「乳幼児健診のやり方を学びたい」という声もあがりました。

今後はカンボジアで、抜き出したキーワードをもとにレポートを作成し、数字ではわからないカウンターパートの成長や変化を評価していきます。
夏から始まる新事業に活かすため、カンボジア事務所で全力で取り組みます!


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休憩のときに食べた揚げバナナ。


つぶしたバナナに、ココナッツミルク・やし砂糖・黒ゴマを混ぜて作った衣をつけてカリッと揚げます。美味しいですよ!


〜お知らせ〜
カンボジアの活動報告会を開催します!
報告に加え、今回はゲストを迎えてスペシャル対談も実施!!
なんと元シェアカンボジアスタッフのチャンパが登壇します。

現在日本で子育て中、カンボジア人のお母さんチャンパと、カンボジアで子育て中、日本人のお母さんモーガンが、日本とカンボジアの子育てについて、それぞれの目線でお話をします

おもしろい報告会になることは間違いありません。みなさま奮ってご参加ください!!

お申し込みはこちら

イベントの詳細はこちら


海外事業部
末永 明日香


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こんにちは!三度の飯も好きだけど甘いモノも大好きな、海外事業担当の末永です。
今回は出張先のカンボジアからお送りします。

私は本当に甘いモノが好きで、小さい頃は冷蔵庫にある練乳チューブをこっそり吸って中身を食べ尽くし、母親にバレて怒られたのを思い出します。カンボジアでは、毎日「カフェー・タック・ダッコー・タッコー(練乳たっぷりアイスコーヒー)」を飲めるので幸せです!


地方選挙

さて、カンボジアではこの週末の日曜日、6月4日にコミューン(=村の集合体、1つのコミューンに80〜100の村が含まれます)選挙が実施されます。この選挙では、コミューン長とコミューン議会のメンバーが選ばれます。コミューン議会は、地方の予算割を決める権限を持っているため、重要な選挙です。

そのため、カンボジアではいま選挙キャンペーンの真っ最中です。与党・野党が総力を挙げて、有権者に対してアピール活動を実施しています。キャンペーン最終日の今日は、そこかしこでパレードが繰り広げられていました。

シェアの活動地のプレイベンでも、あちこちから人が駆り出され、大キャンペーンが実施されています。シェアのカウンターパートである郡保険行政局のスタッフも、今日は地方のパレードに参加するため、不在です。


パレードの様子

活動地のプレイベンから、首都のプノンペンへ帰る途中、与党(Cambodia People’s Party)の長〜いパレードに会いました。突然道路を封鎖されたため、しばらく彼らが通り過ぎるのを待たなければいけませんでした。

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バイクパレード

選挙パレード2
バイクパレード

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パレードで使用されているバイク


トラックの上に乗って旗を降る人々、バイクでパレードに参加する人々、巨大スピーカーからは音楽が響きます。


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トラックの上で旗を振るパレードの参加者の人たち

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パレードで使用されている選挙カー

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パレードで使用されている選挙カー


それにしても、このパレードにかかる費用(お揃いのシャツ、帽子、パレード参加者に支払われる日当やガソリン代、昼食代などなど…)は、一体いくらかかっているのでしょうか。

この費用を、カンボジアの子どもたちが元気に成長していくのを支えるため、もっと保健の分野に(もちろん教育や農業などにも)使ってくれればいいのになぁと、思わず願ってしまうのでした。


海外事業部
末永 明日香


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新プロジェクトの開始

プレアビヒア州はタイと国境を接するカンボジアの中でも特に大きな北部の州です。
シェア・カンボジアは、今年の夏から新しく「子どもの栄養改善1000日アプローチプロジェクト」
を、このプレアビヒア州にて開始します。

前回記事はこちら:
シェア・カンボジアの新しいチャレンジ「プレビヒア州でのプロジェクトがスタートします!」

プロジェクトの開始に先立ち、シェアではプレアビヒア州にて、
約1週間かけて事前調査を実施しました。その内容を本日はみなさまにご報告します。


プレアビヒア州での事前調査

まず訪問したのはプレアビヒア州の州保健局です。州保健局では、プレアビヒア州内の保健センターの地理的な配置や今後の活動のターゲットとすべき保健センターについて、副局長および栄養担当官と話し合いました。

翌日からは、プレアビヒア州の保健センターやコミューン(集合村)オフィス、プレアビヒア州ですでに活動している他のNGOを訪問したり、保健関係者会議に出席したりするなど、今後の活動に必要な情報を集めてまわりました。

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(プレビアヒア州での保健関係者会議に出席。参加率の高さが伺えます)


州保健局の副局長との話し合い、そして情報収集の結果、シェアではチャムロン保健センター、バリボー保健センター、そしてタコン保健センターという、3つの保健センターを今後の活動のターゲットにすることを決めました。

それぞれの保健センターに特徴があり、置かれている状況もバラバラです。たとえば、一番規模が大きいのはチャムロン保健センターです。管轄地域の人口は他の2つの保健センターが6千人程度であるのに対し、チャムロン保健センターは1万7千人近くあります。

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(規模の大きいチャムロン保健センター)


バリボー保健センターとタコン保健センターは、管轄地域の人口は同程度ですが、駐在しているスタッフのレベルや周囲の環境(道路状況や住環境など)が違います。

しかし、この事前調査を通じて言えることは、これらの保健センターは3箇所ともとても良い印象であり、シェアとしても活動しやすい部分があると言えるだろうということです。特にタコン保健センターのセンター長はスマートで、自分の保健センターをより良いものにするためのアイディアを歓迎し、外部からきたNGOとコラボレーションしていくことに意欲を見せていました。

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(タコン保健センターのスタッフと。左から2名はシェアのスタッフ)


これらの保健センターと共に、これから目標達成に向けてプロジェクトを進めていくことができると私たちは考えています。


カンボジアスタッフ
チェイ・セライ


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1.プレイベン州での活動

2008年からスタートしたプレイベン州での活動も、今年で10年目を迎えました。

シェア・カンボジアでは、乳幼児健診や離乳食教室といった「コミュニティにおける子どもの健康増進プログラム」が、カンボジアの人々によって自立的に実施されるよう、シェアが担ってきた役割を郡保健局に引き継ぐための事業を昨年から実施しています。

この引継事業を完了させ、プレイベン州での活動は2017年に終了。そして新たにプレアビヒア州での活動をスタートさせます。


2.プレアビヒア州とは

プレアビヒア州は、カンボジアの北部に位置する州です。タイおよびラオスと国境を接しています。首都プノンペンからの距離は約350kmで、車でおよそ5時間かかります。2008年にユネスコ世界遺産に登録された「プレアビヒア寺院」があるのも、この州です。

人口はおよそ21万人ですが、多くの人が出稼ぎに出ています。カンボジアの経済が急成長する中、貧困ラインぎりぎりの農村生活者が多数を占める地域の一つでもあります。

慢性的な栄養不良を示す発育阻害(Stunting:年齢に対して身長が低いこと)の状態にある子どもの割合は4割を超え、栄養状態の悪さが伺えます。


プレイビヒア州聞き取り
プレアビヒア州保健局での聞き取り調査の様子


3.プレアビヒア州でのプロジェクト

シェアは2017年の夏から、プレイベン州での10年間のプロジェクトで考案した「コミュニティにおける子どもの健康増進プログラム」を、このプレアビヒア州において開始します。みなさまにご支援いただきながらプロジェクトを実施したプレイベン州での学びを、さらに健康状態の悪い別の地域で、活かし・発展させていきます。


プレイビヒアの様子
プレアビヒア州の様子


カンボジアの子どもたちが、健康に大きく成長できるようみなさまの応援をよろしくお願いいたします。


海外事業担当
末永 明日香





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