日本の皆さん、D‘iak ka lae (お元気ですか)?

東ティモールの事務所のライムンドです。東ティモールでは蒸し暑い雨季が終わり、一年で一番涼しい時期が近づいてきました。とはいえ、ディリでは日中は30度以上になります。そんな中、エアコンも扇風機も無い暑い学校で実施した「教員対象学校保健研修」について報告します。


200名の教員集合
県内全小中学校から200人近くの教員が集合

より大きなインパクトを目指して

今回のプロジェクトで3回目になる教員研修。目的は以前と同じ、「小中学校教員が保健教育や活動に必要な知識や実践力を身に付けること」ですが、今回は対象者が少し異なりました。東ティモールには「拠点校」という大規模な学校と、「分校」という小規模な学校があり、個々の拠点校は2〜4校の分校を管轄しています。

シェアは、国の研修制度に従って、教員研修機関→拠点校教員→分校教員という研修の流れを整えてきました。しかし、教育省が作った拠点校・分校の仕組みが始動したのは2015年で、研修を受けた拠点校教員から分校教員への情報共有が未だ十分にできていないことが分りました。

そこで、分校の教員にも直接情報を届けるため、拠点校34校に加え、今年は思い切って分校54校も対象に加えました。郡ごとの各グループに4日ずつ実施し、合計195人の教員が参加しました。内容は教育省の指導要領に基づいて決め、子どもが罹りやすい病気、栄養、思春期の性と生殖に関する健康、健診の実施方法などの計16科目でした。


教材の使用演習
シェアが新たに開発した教材の使い方も練習


紙芝居の演習
さすが学校の先生、紙芝居も面白おかしく読んでみせます


食品ピラミッド型教材
初めて取り入れた、食品ピラミッド型教材


水の交換ゲーム
HIVエイズの授業では、HIV感染の広がりを知る「水の交換ゲーム」もしました


チームで一丸となって研修を運営

講師を務めたのは、教育省の教員研修機関の職員。学校保健研修の講師を務めるのも3年目になり、安心して任せることができました。


身体測定の方法説明
教員研修機関のドミンガさん。身長体重測定の方法を説明しています。


また、学校との調整や研修中の司会は、日々学校を巡回して指導や助言をしている「インスペクター」が担いました。教員から一目置かれているインスペクター達は、研修を計画通りに進行させ、その後教員が学んだことを学校で実践するように働きかける、という大きな役割を担っています。

また、保健研修機関や県保健局のスタッフも毎日研修会場に来て、参加者からの難しい質問に答えるなど、講師のサポート役として活躍しました。私はこの研修を担当しましたが、あまり大変だと感じなかったのは、それぞれの関係者が協力し合い、自分の役割を果たしていたからだと思います。


歯科医のジルダさんとライムンド
研修の実施をサポートした郡保健センターの歯科医のジルダさん(右)と、スタッフのライムンド(左)


今回はチームワークの良さを発揮できましたが、これは以前の研修の反省点を活かした結果です。以前は多様な機関からの関係者を上手くまとめることができなかったり、講師と保健スタッフの人間関係がこじれてしまったりと、頭を抱えることが多かったです。そのため今年は、事前の打ち合わせの際にそれぞれの関係者の役割をはっきりさせるようにしました。


学んだことの発表
学んだことを発表することで知識の定着を目指します


研修に参加するのが3年目のクリスタル中学校の教頭先生は、「毎年の学校保健研修への参加を通して、生徒に教える自信がつきました」と話してくれました。


重要なのは研修後のフォローアップ

研修は終わりましたが、私達にはさらに大きな仕事が待っています。これまでの経験から学んだのは、研修を受けただけで十分な保健教育や活動をできる教員は多くないということ。これから私達はインスペクターや郡保健センターのスタッフと一緒に学校を訪問し、それぞれの学校の状況に合わせた助言をしていきます。


今後の研修の持続的な実施を目指して

私たちが最終的に目指しているのは、東ティモール全13県の教員がこの様な研修を受けることができるようになることです。そのために、教育省自身がディリ県以外での研修を実施できるよう、今後は予算確保に向けた働きかけを行います。また、教育省自身が研修の予算を出せるようになるまでは、他のNGOや国連機関が支援できるよう、シェアは他の団体とも連携していきます。


ライムンド顔写真
東ティモール事務所 学校保健プロジェクト担当 ライムンド

このエントリーをはてなブックマークに追加
雨季が少しずつ明けつつある東ティモールの事務所から、新しい国ならではの近況を吉森がお伝えします。


実は東ティモール、住所がありません・・・

日本では当たり前の「〇〇番地〇丁目」といった、場所を示す住所。
東ティモールではつい最近まで、首都でさえ数本の主要な通り以外はほとんど名前がついておらず、住所らしい住所がありませんでした。どうやって初めて訪ねる友人の家や会社の場所を知り、どうやって郵便物を運ぶのか?

それは、とりあえずその地域の名前と目印になるような建物を目安に行き、周辺にいるひとや近所のひとに聞いてたどり着くという、のんびりしたものでした。インドネシア時代にはある程度通りの名前があったそうですが、独立後その名称はほとんど使われなくなったそうです。

また郵便局には配達するサービスはなく、国でただ一つの中央郵便局に自分で受け取りに行くか、郵便物に書いてある電話番号にかかってくるか。永遠に受け取られていない郵便物も数多くあるはず・・・。

しかし最近、そんな首都のディリ市内でも、ほとんどの地域で大通りから通りの名前が付けられ、標識も設置されてきました。

一度付けたら変わることのない通りの名前。まさにいま、全国で通りの名づけが行われています。現在、全13県のうち残すところ、東部3県とディリ県の離島アタウロ島だけだとか。こうした、通りの名前を全国で設置している、日本でいうと総務省にあたるところで担当している東ティモール人の友人に、その近況を聞いてみました。


名前の決め方

通りの名前の決め方は、十数項目のいくつかの決まりごとがあるそうです。
キリスト教の聖人、歴史上の有名なヒーローやヒロインや大きな出来事があった場所、地元で語り継がれている昔話、土地や植生の特徴、などその場所にゆかりのある名前であること。地域住民と会議をして、住民が決めること。男性だけでなく女性も一緒に入って決めること。などなど。


1999年8月26日通り
「RUA 26 Agosto ’99 /  1999年8月26日通り」
インドネシアの占領に反対した3人の若者がこの地区で亡くなった日 と下に書いてある。


ジョゼ・リベイロ通り
「RUA D. JOSE RIBEIRO / ジョゼ・リベイロ通り」
司教が住んでいた地域。近年は通りの看板の他、交通標識や横断歩道も整備され、ぐっと首都の道路らしくなってきました。ヤシの木通りとかバナナ通り、といった和やかなものもあります。


「本当、命がけの仕事だよ」

全国各地でこの「通りの名前の決め」の普及と住民代表者会議を主催するその友人が「本当、命がけの仕事だよ」なんて言うのでそのわけを尋ねてみると、協議の際に意見がまとまらず、座っていたイスを投げ合ったりするような喧嘩に遭遇することもしばしばあるそうです。

特に若者と長老など、世代間の相違が大きいのだとか。こうなると「せっかく輪に入っている女性たちも黙り込んでしまうんだ!」と嘆いていました。たしかに、長く親しまれる通りの名前の決定は、みんなにとっても一大事に違いありません。どんな議論が交わされているのか、やじうま根性で見に行ってみたいような気もします。

さて、シェア東ティモール事務所も、以前は地区の名前だけでしたが、今では通りの名前が明確になりました。

「Avenida da Liberdade de Imprensa, Toko-baru, Kulu-hun, Dili」
「報道の自由大通り」です。なんだか頼もしい名前!この通りの由来、今度調べてみます。


DSCF2966
東ティモール現地代表 吉森 悠


このエントリーをはてなブックマークに追加
「〇〇小学校で〇〇日に学校健診をするので、見に来てください!」
2月の始め、こんなお知らせが、ディリ県教育局から東ティモール事務所に続々と届きました。

東ティモールではまだ、学校で健康診断をする公的な制度はありません。
では、なぜ急に学校健診を始める学校が増えたのでしょうか?
それは、その前の週に、ディリ県内の36校の114人の教員に対して、学校健診の実施方法に関する健診を行ったからです。

【前回の記事へのリンク】


まだ学校健診が行われていない東ティモール

一年前の記事でも書きましたが、東ティモールでは自分の身長や体重を知っている人はあまりいません。
視力検査や歯科健診を受ける機会も限られています。

東ティモールでは、病気になってから初めて病院に行く人が多いのです。しかし、病気になってからでは治療が難しいこともあります。そこで大切なのは、普段から自分の身体の状態を知り、健康的な習慣を身に付けること。そのための手段として学校健診は有効です。そこでシェアは、モデル校でのパイロット実施、そして様々な関係者との協議を重ね、1年以上かけて学校健診の実施手引きを完成させました。


22
完成した手引き


2017年12月に、教育省の教員研修機関の講師や郡保健センターのスタッフら39人を対象に、手引きに基づいた研修を実施しました。そして2018年1月には、その研修を受けた講師が、ディリ県内の小中学校教員に対して研修。同時に、完成した手引きを配布しました。このような学校健診に関する活動は公益財団法人日本国際協力財団のご支援で実施しています。

教員対象の学校健診研修
教員対象の研修の目的は、小中学校教員が、自らの学校で学校健診(身長・体重測定、歯科健診、視力検査)を実践するための知識と技能を身に付けることです。午前中は歯や目の健康について講義をし、午後は近くの学校で演習を行いました。個々の学校の教師による、健診の実施計画作成の時間も設けました。


22
学校健診用の保健教材の説明をする、教員研修機関講師

22
視力検査の練習をする教員


この研修の良かった点は、参加した先生たちの、健診に関する関心がとても高かったことです。特に学校での演習には真剣に取り組んでいました。参加した学校の一つ、サンミゲル中学校の先生は、「健康でないと子ども達が元気に学校に通うことができないので、健診には優先的に取り組みたいと思います」と話していました。


22
自分の身長と体重を知らない教員たちは、身長・体重計に興味津々の様子

22
身体測定の演習

22
歯科健診の演習


一方、困難だったのは、教員研修機関の講師、歯科や眼科の専門家、郡保健センターのスタッフ、県教育局の学校巡回指導員などの多くの関係者を巻き込んでいたため、事前の調整や準備にとても長い時間がかかってしまったことです。また、一日という短い時間の中で必要な知識と技術を身に付けてもらうのは難しかったです。特に、演習の時間に十分な時間が取れなかったのが反省です。


研修の翌週から研修を実践する学校が続々!

たった1日の研修を受けた教員たちが、本当に学校が健診を実践するのか心配していました。
ですので、研修の翌週には早速3校が、そしてその後も他の学校が続々と健診を始めたことにはとても驚きました。これらの学校では、研修を受けた教員が他の教員とも情報を共有して、一緒に健診に取り組んでいました。健診の前には、児童生徒に対して栄養バランス、目、歯の健康の大切さ関してもきちんと説明する先生の姿が見られました。また、郡の保健センターや県保健局のスタッフも学校に来ていて、教員たちをサポートしていました。さらに驚いたのは、この3校のうち1校に後日訪問すると、歯の問題がある児童の保護者が学校に呼び出され、保健センターに行くように教員から指導されていたことです。教員たちのやる気と行動力を実感しました。


22
研修の翌週に早速健診を行う小学校

22
始めて健診を受ける児童たち


この様に学校が早速健診を実践できているのは、保健と教育セクターの枠を超えたサポート体制が、教員のやる気を後押しできているからだと感じます。また、分かりやすい手引きを作成できたことも、活動の広がりにつながったと思います。今後さらに多くの学校が健診を実施できるよう、シェアは多くの関係者と共に学校をサポートしていきます。東ティモール事務所から、マリナがお届けしました。


22
研修参加者たちと



DSC_0021
東ティモール事務所スタッフ マリナ





このエントリーをはてなブックマークに追加
「ピサンゴレン!おいしーい!」「こんな味だと思ってなかった!」「口のなかでとろける〜。」


ここは東京都 中央区立 中央小学校の家庭科室

きょうは東ティモール駐在スタッフの秋山真輝が、5年生の授業で東ティモールのおやつ「ピサンゴレン(バナナ揚げ)」作りを教えにきています。

ピサンゴレンは簡単に言えばバナナ揚げ。インドネシア料理の一つなのですが、東ティモールの家庭でも食べられているおやつです。今回は、一口サイズに切ったバナナをホットケーキミックスの衣にくぐらせ、カラッと油で揚げました。湯気のあがる出来たてピサンゴレンを口にいれた子どもたちがつい、口にしたのが冒頭のことばです。


27152826_1571588952937314_1182198409_n
ピサンゴレン(バナナ揚げ)を作るスタッフの秋山

27156903_1571577709605105_1222910071_n
中央小学校の生徒達も一生懸命ピサンゴレンを作ってくれました

27045227_1571578242938385_515597995_n
出来上がりのピサンゴレン


中央小学校は、ここ数年、国際理解教育に力をいれており、タンザニアや、パナマ共和国、アフガニスタン、東ティモールなどあわせて10か国近い国について学ぶ機会を、年間をとおして設けているそうです。

「わたし、東ティモールについてたくさん知っているよ!」
「Skype(テレビ通話)であっちの学校の子たちとしゃべったことある!」
「シェアの秋山さんに会うのも3回目くらい!」
多くの子どもたちが、ピサンゴレン作りのお手伝に出向いた私に、これまで東ティモールについて学んできたことを次々と教えてくれました。


中央小学校と東ティモールの繋がり

彼らは5年生に進級してから東ティモールについて調べはじめ、5月に東ティモールとSkype交流し、6月には一時帰国中の秋山が出前授業に行かせていただきました。秋には「書き損じはがき」や「使用済み切手」を集めてシェアの活動に寄付しようと、手作りの素敵な募金箱を、地域にあるお店や銭湯においてもらえるように依頼しにいくなど、その活動は継続的に行われており、着実に広がりをみせています。


手作りの募金箱
手作りの素敵な募金箱


シェアが東ティモールで学校保健活動をはじめてから9年がたち、今は支援する小中学校は98校に及びます。その中の1校、ビダマサウ小学校の児童たちが、おととしからSkypeを通して、東京の中央小学校と交流を持っています。


ヒガシティモールの学校から来たクリスマスカード
中央小学校あてに届いた東ティモールからのクリスマスカード

クリスマスカードのお返し
ヒガシティモールからのクリスマスカードのお返しを中央小学校から受け取りました


今回、中央小学校を訪問させていただき、子どもたちの声に耳を傾け、発表を聞いているうちに、中央小の子どもたちと「赤道近くにあるアジア最貧国の東ティモール」との距離は確かに縮まっているのを感じました。


在日東ティモール大使のフィロメノ氏も訪問

午後には、在日東ティモール大使のフィロメノ氏がお見えになり、全校集会と5年生との交流で「シェア(持っているものをわかちあうこと)」することが世界平和を生み出す」というお話を SHAREという団体名をもつ私たちの活動も触れてくださりながら、子どもたちに語られました。


はがき&切手 贈答式
在日東ティモール大使のフィロメノ氏のお話


また、5年生が地域の方のご協力をあおいで集めた「書き損じハガキ」「使用済み切手」がシェアに贈呈され、秋山が大切に受け取らせていただきました。


書き損じハガキ&使用済み切手
中央小学校の生徒が集めてくれた書き損じハガキ&使用済み切手

はがき&切手 贈呈式
贈呈式にて大切に秋山が受け取りました


今回のような国際理解を深める子どもたちへの出前授業は、シェアのめざす世界への種まきだと思います。種をまかれた子どもたちの心に、世界の広さや、不公平さ、そしてそれらを超えた友情をはぐくむ経験が、いつか、どこかで花をひらかせ実を結び、弱いものや、虐げられているもののない社会の実現につながるのではないかと思うのです。


中央小訪問 集合写真
集合写真

シェアでは東ティモールやカンボジアの子どもたち、日本にいる外国人の母子保健の支援を軸にして、「Health for ALL すべての人々に健康を」をミッションに活動を続け、2018年は誕生35年目を迎えています。

これまでもそうであったように、これからも活動を続けていくために、活動資金はもちろん、活動に興味をもってくれる人、共感してくれる人、ボランティア活動をしてくれる人、シェアという団体を広く知らせてくれる人など、様々な方々の力や知恵が、そして思いが必要です。

新しい年の始まり、あなたも、思いを繋ぐシェアの活動に参加しませんか。
これからも、私たちの活動への応援をよろしくお願いします!


海外事業部
東ティモール担当 坂下 有起


シェアでは冬の募金キャンペーンを行っております。
この冬も、どうかあたたかいご支援をよろしくお願いします。
このエントリーをはてなブックマークに追加
南半球の、真夏のクリスマスが近づいている東ティモールからこんにちは。

今年は2018年までの3年間のディリ県での学校保健プロジェクトの中間年です。
先週2日間にかけて、今年の成果や課題を全国の県保健局・県教育局の関係者や支援団体と共有する「学校保健国レベルワークショップ」を開催しました。


DSC_3225
人数が多かったので地域別に分けて記念撮影しました

国レベルワークショップの目的

シェア東ティモールが進めている学校保健プロジェクトは、首都のあるディリ県の98校の小中学校を対象にしていますが、プロジェクトの最終的な目標は「ディリ県での学校保健をもとに、行政によって全国で学校保健が実施される」ことです。

そのため全国13県から、学校保健を担当する保健局や教育局の関係者が一堂に会しました。すでに各県で実施している学校保健活動や、シェアがディリ県で省庁と共に進めている学校保健の政策づくりや保健活動の事例、学校保健モニタリングの様式などを共有し、今後各県で学校保健を進めていくために必要なことなどを話し合いました。

今年は、主に以下のような成果がありました。
ゞ軌蘊覆行う教師への学校保健研修体系の確立しつつあること 
県教育局による学校保健モニタリングの実施されるようになったこと
8修を受けた教師たちによって、ディリ県内の多くの学校で、学校保健活動が広まっていること

東ティモールの国土は東西に長細く、飛び地のオイクシ県を含めた13県が集まるのは大きなイベントです。私たちも日頃なかなか会うことのできない他県の担当者に学校保健への関心を高めてもらうために、県からの発表の場や掲示物などを工夫して準備してきました。


DSC_3198

DSC_3347
教育省の職員へ、学校保健最新情報が詰まったニュースレターを説明するプロジェクトコーディネーターの秋山。今年2回発行し、ディリ県内98校の学校に配布したものを今回他県へ配布しました


10年近く、東ティモールの学校保健プログラム普及活動をしてきたシェア

近年、学校保健プログラムは教育省や保健省の間で、重要性への認識が高まっていると感じます。
例えば、今年改訂された小学校の教育カリキュラムではこれまでの「保健体育」ではなく「保健」として独立した教科になり、地域の保健センターの職務にも学校での保健教育が追加されるなど

「Saude Eskolar」(学校保健)という単語を見聞きする場面が増えています。
学校保健を進める政策として「学校保健戦略計画2018-2022」の策定も進んでいます。
こうした流れを後押しに、シェアが直接支援できない他県の学校でも積極的に取り組んでほしい。 そんな思いで、こうしたワークショップを開いています。


今回のワークショップでは印象に残ったことが3つ。

ひとつは、90名近い人数が集まったのにも関わらず、時間通りに開始したこと。2つめは、圧倒的に男性の参加者が多かったこと。3つめは、参加者のみんながアツすぎることでした。

ひとつめの「定刻の開始」。日本では当然のことですが、東ティモールでは極めて珍しいのです。開会の挨拶をする役職の高い方々が遅れて始められないことはしばしば。南国タイム?なのか、特に参加者が多い時には、予定の1時間後にようやく開始・・・ということも珍しくありません。

この日も私は「まだまだ始まらないだろうな」と他の仕事でもやろうかと思っていたところ、時間ぴったりに、しかも用意していたイスが足りないくらいの参加者が集まって開始したので、逆に慌ててしまいました。学校保健プログラムへの関心が高いのだろうと思うことにしました。(たまたまかもしれませんが!)


DSC_3392


ふたつめは、会場の9割近くが男性だったこと。母子保健に関する全国会議などでは女性が4割ほど占め、保健センターなどには多くの女性が働いています。しかし今回のような県の教育局・保健局の中核職員で学校保健を担当する職員には男性が多いことを実感しました。

学校現場では、地方でも女性の先生はたいてい3割から4割はいる印象で、各省の大臣や保健局長などの要職は日本よりも女性の比率が高いです。

学校保健では、女子生徒も使いやすいトイレの設置や学校での対応なども必要なため(生理期間中は学校を休む生徒も多い)各県で学校保健を推進していく際には女性の職員とも協力して進められるような配慮が必要と感じました。


DSC_3371
ディリ県を筆頭に進めている県学校保健委員会を、昨年から自主的に設立し活動内容を発表したビケケ県保健局の職員


みっつめは、時にはケンカしているのかな?と思うほど議論が白熱しました。特に教育関係の参加者は、長年学校教師として勤めてからこうした役職についている人も多いからか、発表や議論するときの声も非常に大きく、勢いがあったのが印象的でした。県からは国に対して学校保健関連の予算がなかったり遅配に対する意見や、学校保健モニタリング方法についてなど多くの意見が交わされました。

特に、独立運動も活発だったという東部地域の県は、活動家のように熱のこもった話しぶりの人も多く、学校保健もぜひ熱い闘志と勢いで進めてほしい!!と願わずにいられませんでした。


DSC_3304
保健省のヘルスプロモーション課長からも、多くの男性陣に負けじと、勢いのあるプレゼンが行われました


明日からいよいよ学校保健最終年次のスタートです。
東ティモール政府が学校保健プログラムを広めて行けるように、力を合わせて頑張ります。
これからもご支援よろしくお願いします。

※シェアの学校保健プロジェクトは、会員の皆様からのご寄付や、外務省NGO連携無償資金のご支援をいただき実施しています。


DSCF2966
東ティモール現地代表 吉森悠


シェアでは冬の募金キャンペーンを行っております。
この冬も、どうかあたたかいご支援をよろしくお願いします。

このエントリーをはてなブックマークに追加