こんにちは、東ティモール現地スタッフのロジーニャです。
秋山と参加した研修について私からも、皆さまへ報告させて頂きます!


東ティモール学校保健活動の強み

今回の研修では普段取り組んでいる活動を客観的に振り返ることができ、とても貴重な機会になりました。東ティモールでは学校保健に対する政府の優先度も低く、活動はなかなか進みませんが、他国と比較しての強みを発見できたことは励みになりました。

例えば、学校給食の提供を国連機関に頼っている国が多い中、東ティモールでは教育省が自立して実施しています。学校菜園も世界的には新しい取り組みでありながら、東ティモールでは既に普及に向けた取り組みが始まっています。

そして東ティモールでは、シェアの働きかけによって、多様な機関による連携が強化されつつあります。こういった関係者間の協力関係向上に向けた取り組みは、他国参加者の話を聞く限り、あまり進んでいないようでした。


発表するロジーニャ
英語で発表するロジーニャ


今後の強化ポイント

この研修では同時に、今後特に強化しなくてはいけないことも明確化しました。

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学校保健活動には幅広い視点が重要です。そのためには、関係者間の協力関係をもっと強めていかなくてはいけません。学校レベルでの活動にも、地域との連携を推奨していきます

県教育局による学校モニタリングを改善
学校での活動に大きな影響を与えるのは、学校を巡回する指導員によるモニタリングです。改善点のみならず、優れている点も積極的にフィードバックするなど、もっと学校のやる気を引き出すような工夫を取り入れます。

新しい保健トピックの導入検討
生活習慣病、思春期の性教育、メンタルヘルス、災害教育など、東ティモールではまだあまり馴染みのないトピックも今後少しずつ導入していきます。

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東ティモールでは今、学校健診の仕組みづくりに取り組んでいます。今回の研修では、学校健診の実施現場の視察もできたので、東ティモールでも参考にできるアイディアを参考に、マニュアル作りに取り組みます。


保健ノート
タイの学校では児童生徒一人ひとりに「健康ノート」が配布され、健診結果は児童自身で記入します


歯科治療
学校で歯科治療も行っていることにびっくりしました

今回の研修には、普段ほとんど使わない英語で参加しました。講義やディルカッションを理解するのは難しく、ついていくのに毎日必死でした。

でも、英語での発表や、他の国の参加者との研修内外での交流を通し、自信も少しつきました。これからは活動だけではなく、英語の勉強ももっと頑張っていきたいと思います。


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〜以下、秋山からのコメント〜

研修でたくさんの学びを得た私とロジーニャには、これから、研修で学んだことを関係者と共有するという大きな役割があります。政府が学校保健プログラムを効果的かつ持続的に運営してけるよう、研修で得たツールや他国の経験を紹介していきます。

また、他国と比較した東ティモールの強みも積極的に紹介して、関係者のモチベーション向上にも力を入れ、関係者が自分の役割にやりがいを感じられるようになることも目指したいと思います。


約20ヵ国からの講師・参加者
マヒドン大学での研修 約20ヵ国からの講師・参加者らと



ロジーニャ
現地スタッフ ロジーニャ


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東ティモールのプロジェクト・コーディネーター、秋山です。
今回のブログでは、タイで参加した研修や「HSF」への訪問の様子をお伝えします!


マヒドン大学での学校保健・栄養研修

外務省主催の「NGO海外スタディ・プログラム」の研修生として、2月にタイのマヒドン大学での学校保健・栄養研修に参加してきました。研修内容は学校保健・栄養に対する世界的な動向や、今後重視していくべき保健トピック、効果的な活動実施方法など多岐にわたりました。参加者はアジア、アフリカの14ヵ国から、講師陣もタイ、イギリス、日本、カナダからと、とても多国籍なメンバーでした。

講義の様子
講義の様子


参加者や講師らと
様々なバックグラウンドをもった参加者や講師らと


参加者は省庁、国連、NGO職員など、学校保健・栄養プログラムの政策や実施に関わっている人たち。そのため、参加者間の経験交換はこの研修の大きな醍醐味でした。学校のやる気を引き出す工夫、地域の巻き込み方など、多くのアイディアをもらいました。

意見交換
他国の参加者との意見交換


同時に、「教育省と保健省の連携が難しい」、「学校のトイレや手洗い設備の管理が難しい」などといった悩みはどこの国も抱えていて、打開策も話し合うことができました。学校保健は国際保健業界では実はまだあまり注目されていないトピック。私たちも試行錯誤しながら取り組んでいるため、この研修で培ったネットワークは、今後の活動への心強い支えとなりそうです。


アクションプラン作成
アクションプラン作成。東ティモールチームは、学校健診のシステム作りの計画を立てました


最終日
マヒドン大学での最終日


シェアのタイ事務所が前身「Health and SHARE Foundation」へ

1週間のマヒドン大学での研修の後は、東北のウボンラチャタニー県に移動し、ラオスとの国境があるケマラート郡にあるNGO、Health and SHARE Foundation (以下、HSF)へ。HSFはシェアのタイ事務所が前身で、2016年に現地NGOとしての道を歩みだしました。


HSF事務所にて
HSF事務所で、お互いの活動について発表


HSF訪問最大の目的は、今後東ティモールの活動で取り入れていく予定の、性教育の手法を学ぶこと。HSFは長年様々なグループを対象に性教育を行ってきた経験があります。HSFスタッフによる小学校5・6年生の授業を見学してまず驚いたのは、その明るさとテンポの良さ!楽器や音楽を使ったり、児童の興味を引く面白い教材を使ったりと、楽しみながら学べる工夫に溢れていました。「自分の性を大切にしよう」というポジティブなメッセージが終始伝わってくる素晴らしい授業でした。また、一方的に知識を与えるのではなく、児童自身が学びを発見するプロセスになっていたのが印象的でした。


楽器や音楽を使用した授業
楽器や音楽を使って、楽しい雰囲気のなかで行われる授業


思春期の身体の変化
ゲーム感覚で学ぶ、思春期の身体の変化


身体のケアの方法を学ぶ
男女別に思春期の身体のケアの方法を学ぶ


生殖器の仕組み
生殖器の仕組みを学ぶ、エプロン型の教材

児童による発表
児童自身による、学んだことの発表


若年妊娠が問題になっている東ティモールでも今後性教育は強化する必要があります。しかし東ティモールでは性教育に対して抵抗を持つ教員や保護者が多いため、アプローチには工夫が必要です。HSFで学んだアイディアを、東ティモールの状況に合った形で少しずつ取り入れていきたいと思います。


給食の様子
給食の様子も見学させてもらいました。この日の献立は白飯とトムヤンガイ(鶏肉と野菜のスープ)

保健室
各学校には保健室が設置されています


今回の研修には東ティモール人の同僚、ロジーニャも一緒に参加しました。ロジーニャにとっては初めての海外経験、英語での研修参加、飛行機・・・と、初めてなこと尽くしでした。「何に驚いた?」と聞いてみると、タイの空港の大きさ、バンコクの都会さ、モノの豊富さと安さ、とても辛いイサーン(タイ東北)料理やカエルを食べる習慣などなど・・・全てが新鮮だったようです。

そして次回は、東ティモール事務所の現地スタッフ ロジーニャからの報告を紹介します!



東ティモール 学校保健プロジェクト・コーディネーター
秋山



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日本の皆さんお元気ですか?東ティモール事務所のオクタビオです。
いつも私たちの学校保健プロジェクトを応援してくださりありがとうございます。
今回は、東ティモールで始まったばかりの学校健診の活動を紹介します。


なぜ学校健診が必要?

東ティモールでは栄養不良の子どもが多く、学校に行くと年齢の割に小柄な子どもを多く見かけます。その一方、首都ディリ県では肥満気味の子どもも増えてきていると感じます。また、虫歯や皮膚の病気をそのまま放置している子も目立ちます。

このような状況を改善するには何ができるでしょうか?
まず大切なことは、子どもやその家族が自分たちの健康について知ることです。しかし東ティモールでは病気にならない限り、自分の身長や体重、歯や目の健康状態を知ることができる機会はほとんどありません。また、子どもの数が多い家庭では、親が一人一人の子どもの健康に目を配れない家庭も少なくありません。
そこで私たちは健診が学校の先生や保健スタッフの手によって行われる仕組みを作ろうとしています。


リーダーシップを発揮する「ディリ県学校保健委員会」

この仕組みづくりに取り組むのは、県教育局と保健局の職員から成る「ディリ県学校保健委員会」です。私たちが最初に取り組んだのは、健診マニュアル作り。実は教育省が数年前に全ての学校に身長・体重測定器を配布したのです。

しかし研修やマニュアルが無いまま配布されたため、先生達もどう使えば良いか分からず、ほとんどの学校では機材が埃を被ったまま活用されていません・・・。

私たちが去年、全92校で実施した調査によると、独自の方法で健診を行っている学校は全体の2割程度でした。そこでまず必要なのは、分かりやすいマニュアル作り。シェアは以前にも一部の学校で試験的に身体測定を実施した経験があり、その時に作成したマニュアルを基に、県の学校保健委員会のメンバーと共に実施方法を改めて協議しました。

話し合いにリーダーシップを発揮しているのは、県保健局のスタッフ。栄養、歯科、眼科の専門家を巻き込んだり、各郡と調整したりと、様々な関係者を取りまとめています。学校との調整は、委員会のメンバーであり、普段から学校を巡回指導している「インスペクター」が担当。
このように、教育と保健セクターの枠を超えた関係者達が協力して準備を進めました。

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様々な専門家や関係者が実施方法について協議


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学校健診での自分たちの役割について話しあう学校教員達


追加
実施前の機材のチェックは欠かせません。


パイロット校3校で現在実施中!

いずれはディリ県の全学校で健診ができるようになることを目指していますが、まずはマニュアルに沿って一部の学校で試してみよう!というわけで、現在3校で実施中です。

では、実施の様子を紹介します。
まずは身体測定。児童生徒に靴を脱ぐように指示し、静かに整列するように促すのは先生の役目。


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「何するの?」とドキドキ、ソワソワした様子の児童たち。
測定は保健スタッフと先生がペアになって行います。


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初めての身体測定に緊張した面持ちの児童もいます


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「姿勢を正して!」「視線は真っすぐ!」と先生達も真剣な様子


続いて歯科検診。歯科専門の保健スタッフが、
虫歯だけではなくて虫歯になりかけの歯のチェックもします。


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一人は歯の状態を見て、もう一人は記録していきます


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健診と同時に正しい歯みがきの仕方も習います


そして最後は眼科健診。目の健康促進に取り組んでいるNGOのスタッフが担当しました。
先生でも簡単に使える視力検査ポスターを使って、お手本を見せてくれました。


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視力だけではなく、色覚テストもします。


学校健診は児童生徒だけではなく、先生や保健スタッフにとってもこれまで馴染みの無い取り組みでした。そのため、休み時間には自分たちの身長や体重を知ろうとする先生達が測定器に殺到する学校もありました。一方、保健スタッフが注射を打ちに来たと思って逃げてしまう児童がいたり、眼科健診の部屋が暗くてポスターが見えにくかったりと、アクシデントも尽きませんでした。反省点は関係者と共有し、マニュアルの改訂に活かしていきます。


自分の身体を知ることは健康への一歩

さて、集めたデータはどうするかというと、まずは成績表や保護者会を通し、児童生徒や保護者と結果を共有します。虫歯がある子や眼鏡が必要な子の保護者には、保健センターに行くようにとの通知がいきます。身体測定の結果は、栄養指導にも活かしていきます。

近い将来は国が児童生徒の発育状態や健康状態を把握できるようになれば良いですが、今はまず、子どもやその家族が結果を理解し、自身の健康への意識が高まることを目指します。健診を通し「大きくなるために好き嫌いなく食べよう」「虫歯ができないように寝る前は歯を磨かなきゃ」といった気付きが子ども達自身から生まれるようになること。
それが私たちの願いです。

東ティモール事務所スタッフ オクタビオ
オクト顔写真

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海外事業担当の吉森です。

冬晴れで一段と冷え込んだ1月15日(日)。
その寒さを忘れるほど、熱気に溢れたミュージカル「東ティモール2002〜君から届いたメッセージ〜」が
品川区で上演されました。昼と夜の2回の上演に、いずれも200人近い観客が集まりました。

毎年、ホットジェネレーションがシェアが行っている国内外での保健医療活動を
ミュージカルにして応援してくださっています。
※ホットジェネレーションは、健常児と障がい児が一体となったパフォーマンスとプロのアーティストとの共演が多くの共感と反響を呼んでいる団体です。

インドネシア軍による破壊や虐殺などを乗り越えて、21世紀初の独立国となった東ティモール。
今回は、インドネシア軍との闘いの歴史や今なお下痢や肺炎など予防可能な病気に苦しむ現状と
シェアの学校保健支援活動が題材でした。

子どもたちが全身で歌い踊り溢れるエネルギーに、元気なティモールの子どもたちの姿が重なり、
胸がいっぱいになりました。それは私がこのミュージカルを通して知ってほしいと思っていたことが
すべて盛り込まれていたからです。 

ホットジェネレーション
一時帰国中の駐在スタッフ秋山(手前)も舞台挨拶やコーヒー販売を行いました。


東ティモールを題材にしたミュージカル

脚本・演出を担当する鳥居さんが東京事務所にいらしたのは、たしか昨年10月頃でした。

「日本ではほとんど知られていない東ティモールのミュージカルってどんな風になるんだろう?」
正直なところ、とても想像はできませんでした。とにかく私にできることは、これまで東ティモールでの
駐在経験や出張で見聞きしたこと、厳しい保健医療の現状やシェアの学校保健活動を限られた時間でお伝えすることでした。

インドネシア軍から山に逃げ、食べられるものはなんでも食べたこと。
独立を問う選挙の投票箱を国連のヘリコプターに命がけで運んだこと。
銃を持った兵が授業中に押し入ってきたこと。今でも見つからない家族がいること。
シェアのスタッフや村の人たちが話してくれた、ほんの15年前の出来事です。

ひと通り説明を終えたとき「吉森さんが一番、伝えたいことは何ですか」と聞かれました。
多くの人に知ってもらいたいと思ったのは、東ティモールの人たちの明るさや前向きなエネルギーでした。


東ティモールの現状とイメージ

16世紀のポルトガルに始まり日本、インドネシアの支配が続き、多くの命が奪われただけでなく十分な教育を受けることもできず、人材の不足は独立後の国づくりに影響を及ぼしています。でも過去や他の国や他人を恨むより、なんとかやっていこうよ、と日々を生きている人々に、私自身たびたび励まされてきました。平均年齢が18歳と、たくさんの元気な子どもたちに会えるのも、毎回の出張の楽しみです。

「治安が悪そう、貧しい国」
そんなイメージを、日本ではニュースだけでは伝わらない東ティモールの魅力を短い期間で脚本に仕上げ、そしてたくさんのキャストが素晴らしい歌声とダンスで伝えてくださったことに、ホットジェネレーションの皆さんに心から感謝しています。直前にお伺いした稽古では、夜遅くまで多くのキャストの皆さんが真剣に稽古をされていました。


ミュージカル当日

会場では、学校保健活動の資金となる東ティモールコーヒーがこれまでの最多販売記録となり、たくさん募金も共に励ましの言葉と共にいただきました。「東ティモール、今回初めて知ったよ!」という声も。うれしかったです。またオーストラリア銀行の方が会場案内などのボランティアにも来てくださいました。学校保健プロジェクトは、こうした多くの方々に支えられています。困難もありますが、なんとかやっていこう、と前向きに、これからも学校保健プロジェクトを進めていきたいと思います。

当日のミュージカルや稽古の様子がホットジェネレーションのブログに掲載されています。

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本当に多くの方々がコーヒーを買ってくださいました。

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いつもシェアの活動を支えてくださるボランティアさんも!

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NGO-労働組合 国際協働フォーラム HIV/エイズ等 感染症グループ
こちらのNGO-労働組合にはミュージカルの開催費の一部を助成していただきました。


ミュージカルへお越し頂きましたみなさま、本当にありがとうございました!
また今回のホットジェネレーションが開催したミュージカルの収益費の一部は、
私たちシェアの活動へ寄付としていただいております。

これからも東ティモール学校保健プロジェクトの応援よろしくおねがいします。

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東ティモール事業担当 吉森悠



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日本の皆さん、お元気ですか?シェア東ティモールのロジーニャです。東ティモールの学校保健プロジェクトの最新情報をお伝えします。2016年12月14日と15日に、保健省と教育省がディリ県学校保健委員会と共に、「学校保健国レベルワークショップ」を実施しました。

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12県の県教育局、保健局関係者が集合

国レベルワークショップの目的
私たちのプロジェクトではディリ県の学校保健のシステムを確立することを目指し、この一年間は教員研修や学校長ワークショップ、学校モニタリングなどの仕組みづくりに、実践を通して取り組んできました。東ティモールではまだ学校保健のシステムが整っていないため、将来的には全国でも導入可能な分かりやすいプログラムをつくろうと、試行錯誤しています。

このワークショップには各県の教育局と保健局から学校保健担当官参加し、ディリ県の学校保健委員会の経験を伝えると同時に、それぞれの県での取り組みや困難を共有しました。同時に、全国の教育局長と保健局長も招待し、各県で学校保健への取り組を強化してもらえるように呼びかけました。

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全国の県の教育局長と保健局長、保健省、教育省担当者が、それぞれの県での学校保健委員会立ち上げを承認する文書に署名

シェア主体から、省庁・県担当者主体へ大きく前進
この様なワークショップはこれまでも毎年実施していましたが、今回のワークショップは従来のそれとは大きな違いがあります。それは、保健省と教育省のオーナーシップの高まりです。
前年まではシェアが事前準備から当日の発表まで取りまとめていましたが、今回は保健省と教育省の二省が主体となって開催しました。開催費も初めて保健省が半分以上負担したのです。これまで学校保健への政府予算がほとんど無かったことを考えると、これは大きな変化です。
内容や事前調整に関しては反省点が多く残り、私たちが取りまとめていた時の方がしっかり準備ができていた・・・と感じてしまう場面はありました。それでも、政府のコミットメントが高まったのは大きな前進です。

オーナーシップの高まりはディリ県の学校保健委員会からも感じられました。
ディリ県での実施経験から、他県の担当者へ提案する場面が多くありました。例えば、教育省側は依然として学校保健への予算が無いため、「予算無しに委員会活動を進めるのは難しい」という声が他県担当者から出ました。それに対し、ディリ県の学校保健委員会委員長のジュリオさんは、「学校保健に特化した予算がなくても、学校モニタリングなど、実行できる活動はある。実績を残せば予算も取りやすくなる」とアドバイスしていました。

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ディリ県学校保健委員会の活動成果を発表する委員長のジュリオさん

また、普段から学校を巡回することが仕事である学校インスペクターのセザリーナさんは、教育セクターと保健セクターの連携の重要性を強調しました。これは、ディリ県でも保健局スタッフが教育局と事前調整をせずに学校に行き、寄生虫薬を児童に飲ませようとしてとしてうまくいかないなどというケースが多々あったためです。この様な自らの経験に基づいたアドバイスは説得力に溢れていました。

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各学校の保健教育や活動の実施状況に関して発表する、学校インスペクターのセザリーナさん

秘訣も困難も共有して、全国に学校保健を広めたい
また、このワークショップではすでに自主的に学校保健活動を進めている学校の校長先生も大きな役割を果たしました。それぞれの学校ではどの様な問題があって、それをどう工夫して対処したのか、上手くいった秘訣は何なのかということを発表してもらいました。
どちらの校長先生も、保護者との連携、校長のリーダーシップ、地域で手に入る資源の活用、児童保健委員会の重要性などを強調していました。他県の担当者達も強い関心をもったようで、具体的な質問をたくさんしていました。

この様に、今回のワークショップでは、国、県、学校の全レベルの関係者から、学校保健への意欲が強く感じられるワークショップとなりました。まだディリほど活発に活動していない他県の担当者も意欲は決して負けていません。
印象的だったのは、ビケケ県の担当者からの、「ディリ県の担当者からは、達成できたことだけではなく、困難だったことももっと共有して欲しい」という一言。

ディリ県の学校保健委員会だって、まだ始動してたった半年。上手くいくことより、上手く行かないことの方が多いのです。大切なのは、改善策を練り、試行錯誤しながら困難を乗り越えるまでのプロセスを全国の関係者と共有することではないでしょうか。分かりやすい学校保健の運用システムを確立するため、ディリ県だけでなく全国の担当者とも連携を強め、お互いの取り組みを共有していきたいと思います。

ロジーニャ
スタッフロジーニャ

※2017年1月15日(日)東ティモールやシェア東ティモールの活動がテーマとなったミュージカルが上演されます。スタッフのロジーニャの幼少期の話も登場するかもしれません!?ぜひお越しください。

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