みなさん、こんにちは。シェア東京の海外事業担当の巣内です。日本では新型コロナウイルスの新規感染者が、ふたたび増えてきている状況です。私たちの活動する東ティモールでは、6月27日に非常事態宣言が解除されました。今回はこの3ヶ月間、現地に残り、対応に奮闘してきた現地代表の吉森から、東ティモールの中の新型コロナウイルスの状況やシェアの対応について、3つのポイントで、インタビューをしていきます。



<<感染状況や暮らし編>>

Q1. 東ティモールはこれまで24症例のみで、全て輸入症例で市中感染は起きていませんでしたよね。新規感染も2ヶ月以上出ていないようですが、東ティモール政府はどのように対応されてきましたか?

政府は3月半ばから入国規制し、国境管理を強化しました。非常事態宣言は6月末まで3カ月間発令され、6月末にようやく解除されました。最初のうちはPCR検査も国内でできずオーストラリアに送っていましたが、やがて国内で一日100件以上の検査が可能になりました。隔離と検疫施設の設置と、医療従事者の感染予防能力の強化で、感染疑いの追跡調査などのケースマネジメントもできるようになりました。

経済対策としては、1世帯に給付金200ドル、電気代の補助15ドル×2回、税の優遇、雇用を守る補助金など提供された他、コロナ対策に従事する医療者への手当増額なども行われました。


Q2. 非常事態宣言が3ヶ月あったのですね。日本でも人々の暮らしや経済面で大きな影響が出たというニュースがありましたが、現地の住民の方の暮らしにはどのような影響が出ましたか?


非常事態宣言の特に最初の2カ月は外出規制で、市場や商店、漁業など多くの経済活動ができなくなり、多くの人たちが野菜売りなどの日銭で暮らしているため困窮しました。もともと人口の3分の一は国際的な貧困ラインを下回るため、暮らしが厳しくなったことは間違いありません。近所では、家の敷地を道路まで広げて畑を作って食料を確保する家も多く見かけました。

現在、どのくらい栄養不良などの影響が出ているか、国連を中心に調査が実施されています。学校は3カ月休校し、人々の楽しみのひとつである、多くの家族親戚が集まる冠婚葬祭も禁止されました。


Q3. 東ティモールの方の暮らしにも大きなダメージがあったんですね。その中で、東ティモール人特有の反応などありましたか?


新規感染者が出ていた時も、批判の標的になるのではないかと警戒する外国人もいたが、目立ったケースは聞いていません。疑心暗鬼にならず、連帯して危機を乗り越えていこうという雰囲気が感じられたのは、度重なる危機を乗り越えてきた国民だからなのでしょうか。

ほっこりしたのが、新規感染増加中の最中に、聖なる山に全国の長老が集まり、動物の内臓を使って東ティモールがコロナから守られる未来を予言し、精霊にコロナ退散を祈願したことです。3密の集会で一瞬心配しましたが、このあと多くの人たちが「お祈りされたからきっと大丈夫だね」と励ましあって心の支えにしていました。カトリック国でもありながら、森羅万象に宿る精霊を敬う、昔ながらの伝統信仰が息づいているこの国ならではのみんなの反応に、私も帰国せずにこの国でコロナに立ち向かう勇気をもらいました。


Q4. シェアは健康や保健医療サービスに関する活動をしていますが、サービスへの影響はありましたか?

病院や保健センターは閉鎖せずにサービス提供を続けていましたが、外出を控えた住民が医療機関の受診を控えたため、全国的に、特に4月には予防接種や妊産婦検診などの受診率も低下しました。自宅出産も増えているようです。一方でシェアの活動地では、必須保健サービス、特に予防接種を強化したので、他の地域よりも影響が少ないと保健省やWHOから報告を受けています。


市場を消毒する保健省の職員
市場を消毒する保健省の職員

手洗いをするディリの住民
手洗いをするディリの住民



<<シェアによる新型コロナウイルスへの対応編>>

Q1. 新型コロナウイルスへの対策は、まさにシェアのフィールドだと思いますが、シェア東ティモールはどんな活動をしていますか?

感染者が出た当日に隔離施設の準備が始まったのですが、まずそれを手伝いました。最も人口が多い首都の市街地や、インドネシアに隣接するアタウロ島で、感染予防を行うスタッフや車、船を提供し、住民への啓発や消毒を行うサポートをしました。

また、集会が禁止されて母子健診を開催できなくなったので、助産師が家庭訪問をして予防接種をする活動も支援しました。感染状況が少し落ち着いてからは、シェアスタッフも一緒に訪問し、予防接種の記録などのサポートを行いました。


Q2. かなり保健行政と共に行動していたようですね。そんな中で、シェアだからこそできたなと感じる活動はありますか?

はい。シェアはアタウロ島に唯一常駐している保健NGOなんです。そして日頃から感染症の予防啓発活動をしています。そのため、今回もアタウロ郡の保健センター長など関係者から「いますぐ手伝ってほしい、シェアしかいない」という電話が何度もかかってきて、そうした要望にいち早く対応することができました。

アタウロ島はほぼ電気供給がないので、テレビがない家も多いです。住民には世界で起きている状況の深刻さが伝わっていませんでした。だからシェアは保健省や警察と一緒に島中を回って、コロナことを伝え、隣接するインドネシアの島民との交流を控えるように啓発活動を続けました。

この時、車で行けない沿岸の村に行くのに、保健の船が大活躍しました。保健サービスを届けるための船で、今年1月に日本から到着して3月に始動したばかりのヤマハ製の船です。ディリ市内から島をつなぐフェリーも停止だった期間は保健省の要請で予防接種のワクチンや医薬品も運ぶことができました。

これまで20年に渡り、東ティモールで保健行政とともに活動してきたこと、そして、現地の人々のニーズをしっかりと見極められ対応したことが、シェアだからこそできた部分だと思います。


Q3. 自分たちも感染する可能性がある中での活動は、不安もあったでしょうか?

感染が広がっている中で、県保健局長や対象地域の長などから電話がたびたびかかってきて、保健の団体として必要とされ続けることに、スタッフの安全管理や迅速な実施の判断には気が張る場面も多かったです。

ちょうど同時期にデング熱のアウトブレイクもあり、NGOとして地域に赴いて、保健スタッフや住民に直接声を聴き、必要とされている支援や活動を丁寧に実施していくことを心掛けました。

感染対策としては、東京の本部ともよく情報を共有し、感染の段階に応じて、できる活動の範囲を取り決めた指針を用意しました。保健局にも共有して、組織としてどこまでできるのかを理解してもらいました。


Q4. 新型コロナへの対応をする中で、これまでの活動の成果を感じられたことはありますか?

シェア東ティモールでは、長年、感染症を予防するための保健教育や資源が限られた中でできる衛生対策などを進めてきました。学校再開に向けて行った衛生環境の調査からは、これまでの学校保健活動で普及活動をしていたTippy Tapを村の中で見ることができました。聞くと、学校で生徒や教員が作っているのが、地域にも伝わっていたようです。

また、事務所の近所では、シェアが昔に作った「手洗いの歌」を歌っている子どももいて、どこで覚えんだろうと感心しました。


家庭を訪問して予防接種を行う保健スタッフ
家庭を訪問して予防接種を行う保健スタッフ

村で見つけたTippy Tap
村で見つけたTippy Tap



<<日本の皆さまへのメッセージ>>

Q1. 最後に、新型コロナウイルスのように全世界が共通に直面する課題が起きている時代に、日本の皆さまにメッセージはありますか?

日本国内でも、各地で今までにない苦労や苦しさがありますよね。そんな時に、海外はどうなんだろうかと、気にかけている人たちも多くいるということも、また事実だと思います。

日本も、国や国民が経済的に厳しくなる中で、日本の皆さんからいただくお金を使い、NGOがわざわざ海外で支援を続ける必要があるのか、という批判的な見方もあるでしょう。でも世界中がつながっているからこそ、ここまで爆発的な感染となりました。今回のように、このコロナ対策だけでなく、世界各地で起きている紛争や環境問題、農業、保健などいろいろな分野でお互い協力していかないと、日本だけの問題では済まない世界になっています。

ぜひ皆さんも世界で起きていること、シェア東ティモールの活動のことを、回りの方にも広げていただいて、みんなで協力し合って、一緒により良い世界を作っていけたらと思います。

現地で実施している活動は、皆さまからのご寄付、外務省のNGO連携無償資金や民間の助成金などに支えられ、継続をしています。私もここ東ティモールで、日本の皆さんからいただいた募金や皆さんの税金を大事に使い、必要な医療サービスから誰も取り残されないように、しっかりと届けていきます。シェア東ティモール事業をこれからも応援していただけますよう、どうぞよろしくお願いします。


マスクを付けて、手洗いをするディリの子ども
マスクを付けて、手洗いをするディリの子ども


東ティモール現地代表の吉森から、最新の現地の状況や、新型コロナウイルスの時代に私たちが向かっていく先についてもお話してもらいました。現地の活動は続きます。そこに暮らす住民も、新型コロナウイルスをはじめ、様々な感染症の課題に日々直面しています。現地の社会に入り込み、保健行政と共に歩む、シェアの活動スタイルもよく伝わってきました。私たちは日本と海外で活動する組織だからこそ、世界に目を向ける大切さをもっと日本の社会に伝えていく必要があるのだと考えさせられました。吉森さんありがとうございました!

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皆さんは、「新しい船の出航」と聞くと、どんな景色を想像するでしょうか。

船と岸をつなぐ色とりどりの紙テープが風になびく様子?

シャンパンを船べりにぶつけて祝杯をあげる船員たち?

シェア東ティモール事業では今年、離島の保健活動に使うボートを輸入しました。電気や道路が未整備のアタウロ島で、医薬品や冷蔵保存が必要な予防接種ワクチンなどを運ぶ船です。


アタウロ島に到着したボート
アタウロ島に到着したボート

現地で初めて新型コロナウイルスの輸入感染例が報告されたのが、3月半ばでした。実はその直前のギリギリのタイミングで、取り扱い研修や航海の安全を祈願する進水式を終えて、ボートを本格始動することができました。

今回、進水式は2回実施することになりました。1回目は本島の首都ディリで保健省や海上保安警察など、省庁関係者を招き、スピーチが中心となるお披露目会のような式典と、2回目が船の本拠地となるアタウロ島で島民と伝統行事も含めて一緒に行う式典でした。


関連ブログ:日本から保健の船が無事に到着!難しい業務を担当したスタッフに話を聞きました。


※この事業は、皆さまからのご寄付と、外務省日本NGO連携無償資金協力や民間助成金の資金をいただいて実施しています。


ヤマハさんによる、船の取り扱い導入研修

まず、首都ディリ港のコンテナから船を取り出し、取り扱い研修を実施してくれたのが、現地代理店を通じて購入した船の製造元である、ヤマハ発動機株式会社さんでした。これから船の操縦や維持管理を担当する当会の船頭に、船の装備の説明や船外機の正しい使い方などをひとつひとつ丁寧に研修していただきました。

ヤマハ製の船外機は、東ティモールでも多くの漁師が使っています。新しく船頭として雇用したアグストさんも、これまで使っていましたが、日本のヤマハの技術者に教わるのはもちろん初めてで、真剣なまなざしで実地研修を受けていました。


船外機の部品を一つ一つ確認しながら、定期点検のポイントなどを学びました
船外機の部品を一つ一つ確認しながら、定期点検のポイントなどを学びました


初航海のアタウロ島で迎えてくれたのは・・・

研修を終えた翌日には、エンジンの調子を確かめながら、アタウロ島へと向かいました。浜も見えてきて、もうすぐ着くとほっとした頃、突然たくさんの黒い影が辺り一面に現れました。

およそ50頭以上はいる、イルカの大群でした!!!

スピードを落とした船が浜に向かうところをイルカたちが先導するように、時々背中を見せながらゆっくりと泳いでいます。世界でも有数な海洋多様性豊かな東ティモールの海にはイルカやクジラもおり、私も何度も海でイルカは見ていますが、こんなにも大群のイルカが船に寄り添うように長い時間ゆっくりと泳ぐ姿は初めてでした。


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同乗していた島出身の船頭や看護師たちは「迎えに来たんだ、この船が島に来てくれるのを待っていたんだね」と言ってくれました。東ティモールには現地語で「Lulikルリック」という言葉があります。神聖な守り神や祖霊、精霊と訳せるでしょうか。

アタウロ島民の健康を守るために保健の船をぜひ支援してほしい、という強い要望を受けたのが2年前のことでした。岩石海岸や険しい地形のこの島で、船が傷つかないように維持管理を任せられる人材を見つけられるだろうか、部品供給や燃料の予算確保は。安全な航海が続けられるだろうか。

大概のことには楽観的な私も、この船については不安が尽きず、ディリ港の海に浮かぶ他の船を見るたびにさまざまな思いが頭をよぎり、ため息が続く日々もありました。この日たくさんのイルカに迎えられた時、きっとこの船はアタウロ島のルリックによって守られる。大丈夫。そう確信しました。


メディアの取材を受ける船頭のアグスト(中央)
メディアの取材を受ける船頭のアグスト(中央)


アタウロ島での進水式典

式典の朝「おはよう。本当に来たね。ありがとう。」と声をかけてくれたのは、ヤシの葉で作った冠をかぶったシプリアーノさんでした。島の語り部でもあり、前プロジェクトで一緒に学校保健活動を実施した、頼りになる教育局学校巡回指導員でもあります。会場には船を模した手作りのケーキが置かれていました。シェアが頼んだものではなく、住民が準備してくれたのでした。


学校巡回指導員でもあるシプリアーノさん
学校巡回指導員でもあるシプリアーノさん

住民による手作りケーキは船の形でとてもかわいい
住民による手作りケーキは船の形でとてもかわいい

航海の安全を願う儀式は浜辺で行われました。地元の言葉で「私たちの島に船がやってきた」と歌う地元の伝統グループの踊りに誘導されて、浜に向かいます。プロテスタントとカトリックの信者がいるため神父も同席し、海に浮かぶ船の近くで牧師が静かにお祈りを捧げてくれました。

ディリからは県知事や県保健局長、本事業を支援いただいた日本大使館の担当官の方などが参加してくださいました。15年間アタウロ島で助産師として勤務し、いまは約30万都市の首都の保健サービスを統括するアグスティーニャ県保健局長が、住民のためのこの船を大切に使ってくれるようにと心を込めて語りかけるスピーチがありました。保健スタッフやワクチンを運ぶ船をぜひ島にと要望した一人でもあり、輸入関税を負担してもらえるよう保健省との様々な調整役を買ってくれました。


タイスで歓迎を受ける県保健局長
タイスで歓迎を受ける県保健局長

式典の翌週にはさっそく、中心地の保健センターから医者や看護師を乗せて、船でしかいけない沿岸の村でのモバイルクリニックを行いました。岩石海岸に船が近づかなくても良いように、住民が木の小舟で迎えに来てくれました。アタウロ島の人々やルリックに守られて、長くいつまでもこの船が島民の健康を支えられることを願ってやみません。


YouTube動画でボートや式典の様子をご覧ください。



文責:東ティモール現地代表 吉森悠

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Boa tarde!みなさんこんにちは!東ティモール事務所フィールドオフィサーのライムンドです。今日は私の故郷である東部ビケケ県の伝統的なお葬式について紹介したいと思います。ビケケ県は首都ディリから公共交通手段のバスで行くと8時間くらいかかります。


1.別れは突然やってくる

5月3日、私の妻の祖母が亡くなりました。新型コロナウイルス非常事態宣言をうけて、実家のビケケ県に帰省中のことでした。ビケケ県では伝統に基づいて、人が亡くなると行う儀式(Seremonia Fetosan Umane セレモニア フェトサン ウマネ)があります。


自宅に安置された祖母(手前が棺桶)
自宅に安置された祖母(手前が棺桶)


2.お供え物を話し合う Fetosan Umane(フェトサン ウマネ)の儀式

簡単に言うと、故人の女性(娘)側一族と男性(息子、兄弟)側一族が、お葬式に必要なお供え物の品々を持ち寄る儀式です。しかし、何でもかんでもお供え物を持ってくるのではありません。何をどれだけ持っていくかは、伝統で決まっています。ビケケ県ワトゥラリ郡では女性側一族が牛、ヤギ、馬、お金を、男性側一族が米、酒、タイス、豚を持ち寄ります。

お供え物はたくさんありますが、しきたりを守らないと家族が病気や事故などの不幸にあうと言い伝えられているため、みんな精一杯持ってきます。


男性一族からのお供え物の米
男性一族からのお供え物の米


3.女性側一族からのお供え物が少ないと・・・

全ての親族とお供え物が揃うと儀式の始まりです。まずは親族で会議をします。会議というのは女性側が持ってきたお供え物を男性側に差し出し、内容を一つ一つ確認するのです。もしお供え物が少なすぎると、男性側は受け取りを拒否し、追加の要求をすることができます。大変なのは、この話し合いがこじれるとケンカに発展することがあるのです。話し合いがまとまらないとお葬式への出席が許されません。


4.お供え物はみんなで頂きます

持ち寄ったお供え物は調理し、お葬式でふるまわれます。ここでも決まりごとがあり、女性側は牛肉、男性側は豚肉を食べることができません。故人が埋葬された後、残った品々は親族へ返礼品として渡されます。今度はお供えした物とは逆に女性一族が米、酒、豚肉を、男性一族が牛、ヤギ、お金をもらいます。


お墓へ埋葬に行く道中
お墓へ埋葬に行く道中


5.コロナの影響を受けて

私の祖母が亡くなったのは、新型コロナウイルス感染症の非常事態宣言中であったため、お供え物の話し合いは行わず、それぞれの親族が持ち寄れるものを持ち寄りました。私は祖母が亡くなった知らせを受け、翌日に祖母が眠る家に牛と馬1頭ずつと85ドルのお金を持って行きました。

今回持ち寄られた品々は、
・牛4頭
・馬2頭
・豚20頭
・ヤギ4頭
・米100袋
・お金2000ドル
でしたが、通常は牛15頭、馬30頭、ヤギ50頭以上にもなります(牛1頭US$200〜)。いつもよりもお供え物が少なくなりました。


お供え物の豚を運ぶ親族
お供え物の豚を運ぶ親族


6.儀式と一族の結びつき

いかがだったでしょうか?日本のお葬式では豚や牛はお供えされますか?このような儀式はビケケ県に限らず東ティモール全土で行われています。ビケケ県は全国的にも土地が肥沃で家畜が多いため、伝統的な儀式では特に多くの牛や豚などがやり取りされます。

お墓に埋葬され故人を偲ぶ家族たち(東ティモールは土葬)
お墓に埋葬され故人を偲ぶ家族たち(東ティモールは土葬)

お葬式の儀式の話を日本人スタッフにしたところ、「手間やお金がたくさんかかるみたいだけど、それに関してはどうですか」と聞かれました。確かにその通りです。1か月の給与の5倍以上の資金が必要になります。私たちの生活がいっこうに良くならないのは、こういった背景があるのかもしれませんね。

しかし家族が集まって故人を偲ぶことを、私はとても大切だと思います。たくさんお金を使うことが大事なのではありません。この儀式が故人を偲び、親族を敬うことを教え、より一層、一族の結びつきが強くなると考えています。伝統を大切にしつつも、現在の生活様式に合った変化が必要なのかもしれません。

余談ですが馬は基本的に食べません。交通手段として使用します。


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みなさんこんにちは!アタウロ事務所ヘルススタッフ(助産師)のリマです。やっとブログを書く順番が回ってきました!皆さんにお伝えしたいことはたくさんあるのですが、今回は世界中を大変な状況に陥らせている新型コロナウイルスの東ティモールの状況とシェアの活動をお話しします。

店舗前に設置された手洗い場
店舗前に設置された手洗い場


1.非常事態宣言でも止めることのできない保健医療サービス

東ティモールで最初の感染者が確認されたのは3月末のことでした。私たちは少しパニックになりましたが、政府がきちんと対応策を発表したことで大きな混乱は起きませんでした。3月19日に外国人の入国禁止措置、3月28日に非常事態宣言が発令され、私たちの生活も一変しました。

政府からは、
・店に入る際は手を洗い、マスクを着用
・5人以上の人が集まる行事の禁止(教会のミサなど)
・乗り合いバスなど公共交通機関の停止
・学校の休校
などが言い渡されました。

政府からの非常事態宣言による規制の説明パンフレット
政府からの非常事態宣言による規制の説明パンフレット

しかしこういった状況でも保健省や県保健局、病院や保健センターは閉じるわけにはいきません。彼らは一生懸命に国民をコロナウイルスから守るため、日々消毒作業や予防啓発の活動を町で行っています。シェアも県保健局から支援要請がありできる限りサポートを続けています。


2.接触を控えるよう呼びかけが大切(アタウロ)

離島アタウロ郡では保健スタッフ、警察、郡職員が各村へコロナウイルスの啓発活動に行くための車両と船を提供しています。すぐ近くにインドネシアの島があり、日ごろから魚の売り買いや家族・親戚などがいて頻繁に交流しています。いまは交流を控えることを住民に伝えることがとても大切で、郡長も呼びかけを行っていました。漁師たちには大人数のグループで漁をしないようにと呼び掛けていました。シェアスタッフは、ポスターを町中に掲示する作業も手伝っています。

沿岸部の村へ啓発活動へ行く様子

住民へコロナ予防や緊急事態宣言の説明を行う郡長

村の中心にある掲示板にポスターを張るシェアスタッフ

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3.地域に息づいた保健予防の取り組みに遭遇して(アタウロ)

村に同行した際に、村人が自分たちで作った簡易手洗い場を見つけました。なんとこれは以前、シェアが学校保健プロジェクトで教員たちに教えて学校で使っていた手洗い方法でした!この手洗い場は特別な資材は必要なく、村でも手に入る木や糸、プラスチック容器があれば誰でも作れます。

村人が作った簡易手洗い場

手で蛇口をひねるのではなく下に吊るされた木を足で踏むことで、水が上からこぼれ出る仕組みになっています。そのため、蛇口に菌が付くことを防げます。村人によると学校の先生や子ども達に教えてもらって作ったそうです。

シェアが大切にしているプライマリヘルスケアの原則である、地域資源の活用、適正技術、住民参加が、実際にこのような形で村人の生活に根付いたことはうれしい限りです。

写真β漆佑作った手洗い場 - コピー


4.コロナだけでないデング熱の感染予防も喫緊の課題(ディリ)

ディリ事務所では、県保健局職員が町中の消毒作業や手洗い場の設置確認へ行くための車両を、4月半ばから継続して提供しています。

マーケット内の消毒

保健局職員は、住民に人との距離をあけるように説明したり、手を洗うように促したりしていました。マーケットの入り口では政府が設置した簡易手洗い場に、距離を取って並ぶ住民の姿も見られました。今年はコロナウィルスだけでなく、デング熱が流行していて8名の死者も出ているので、デング熱予防啓発も一緒に行っています。

マーケット入り口

メティナロ郡ではシェアスタッフのオクトが、県保健局職員と一緒に簡易手洗い場を郡庁前に設置しました。オクトは学校保健プロジェクトで身につけた手洗い場を作る技術を、県保健局や郡の職員に指導しました。今回は郡の中心にある役場に設置しましたが、今後コミュニティ内に簡易手洗い場の設置を進めるのと、作り方のポスターを作成していきます。

オクトが簡易手洗い場の設置を説明


5.シェアのスタッフの働き方も一変しました

現在、私たちの生活に大きな混乱は起きていません。しかし離島アタウロ郡では、物資の定期船も停止するとの噂が流れ、一時食料の買い占めが起こりました。ディリへの魚の販売が禁止されたことにより、住民からは収入がなくなってどうやって生活していけばいいのかという声も聴かれました。

私たちスタッフは、在宅勤務と事務所勤務を調整しながら行っています。アタウロ駐在の日本人スタッフMana Aya(柿本彩)は、日本への一時帰国中に東ティモールの国境が閉鎖されてしまい、帰ってくることができなくなりました。今は日本で在宅勤務をしていますが、ビデオ電話やメールを使って毎日連絡を取り合っています。

現地代表のMana Yuu(吉森悠)は、東ティモールに残り私たちスタッフの指揮をとっています。先日、ディリ、アタウロ、ビケケ(スタッフ1名地方に帰省)、日本の4か所を繋いでスタッフ会議を行いました。久しぶりにみんなの顔が見れて安心しました。

※「Mana」は日本語で言う「〜さん」にあたります。男性にはMaunを使います。


遠隔スタッフ会議


6.住民の健康を守る活動を継続します

当初4月末までの予定であった非常事態宣言は、30日間延長されることが決まりました。少し規制は緩和され、公共交通機関の再開(運転手と乗客はマスク着用)や、東ティモール人の入国許可(入国後2週間隔離)などが含まれました。

東ティモールの新型コロナウイルス陽性者は、4月30日現在、20名強です。治癒した患者さんも少しずつ増えてきています。私たちスタッフも感染予防対策をしっかり行いながら、住民の健康を守る活動を継続していきます。

皆さんも不便な生活を送られていると思いますが、一緒に頑張りましょう。



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こんにちは、東京で海外事業担当をしている巣内です。首都圏では週末の外出や移動自粛が各知事より要請され、満開の桜を窓越しに見ることしかできませんでした。

さて、東ティモールでは、3月半ばに首都ディリで豪雨による河川の増水で洪水が起こりました。幸いにも、当会のスタッフは全員無事であることをご報告します。


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また、新型コロナウイルス感染者は3月27日現在1名に留まっていますが、3月21日には全国の学校施設の休校、感染予防のための自宅待機や教会でのミサの自粛要請が発表されました。一緒に活動している保健センターのスタッフの不安の声もあり、フィールド活動を縮小せざるを得ない状況です。

洪水と新型コロナウイルス、それぞれの状況をお伝えします。


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1.1973年以来のディリでの大洪水の被害、シェアも支援活動に協力しました

洪水の状況は現地代表の吉森より報告を受けました。3月13日(金)16時頃、豪雨が降り始め、事務所は雨漏りを確認。事務所隣りの家屋に大量の水が流れ込むのが見え、近くの川が増水して溢れたとの情報が入ります。18時頃には事務所1階の基礎部分まで増水し、駐車場に停めていた車両のドアが開かなくなる前に脱出することを決定しました。

駐車場部分は吉森の足の付け根まである水深のなか、警護スタッフが手を貸してくれ、事務所に残っていた吉森と他3名の女性スタッフは車に乗り込みました。市内はいたるところで増水し、交通の混乱があり大渋滞でした。1973年以来のディリ洪水と言われているそうです。

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死者3名、1,664家庭の 9,126人が被災したと東ティモール政府より報告がありました。被害が大きかったのはディリの中でも市内東部の地区です。家屋の倒壊・浸水、複数の河川が増水・決壊し溢れて、市中の道路が冠水して泥やゴミが堆積、水の汚染が確認されています。洪水後、市内は泥が乾き、土埃として舞っていて視界不良で不衛生です。

ディリ県保健局では仮設診療所を設置し、被災した患者の診療を開始。週明けの月曜日3月16日には保健局長とNGOの緊急招集会議が開かれ、被害地域での保健支援を協議しました。また汚泥や水たまりによる蚊の発生でデング熱の流行が予想され、保健省の医薬品倉庫にあった蚊帳の配布を行いました。

仮設診療所を手伝うシェア看護師スタッフ(左から2番目)
仮設診療所を手伝うシェア看護師スタッフ(左から2番目)

シェアも3月16日から約1週間、ヘルスポストを建設したメティナロ郡の隣のヘラ地域で、支援活動を行いました。看護師スタッフを派遣し、仮設診療所の設置や運営に協力し、また運転手は蚊帳の配布を行いました。仮設診療所では、豪雨の洪水で流れてきた流木でけがをした人や、風邪症状が出ている人などが来ていたそうです。

後述する新型コロナウイルス感染症への対応のために、シェアとしては、これ以降の洪水被害への支援協力は予定しておりません。


保健局による蚊帳の配布を手伝うシェア車両
保健局による蚊帳の配布を手伝うシェア車両


2.新型コロナウイルスの感染は少ないが移動や集会の制限が発表されました

東ティモールでは3月後半まで国内の感染者は出ていませんでしたが、政府は3月18日に閣議決定し、新型コロナウイルス感染患者がいる国からの外国人の入国を禁止しました。

3月21日に国内で初の感染者(海外研修に参加し帰国後に発症)が報告され、急遽、隔離施設の開設が決定しました。当会は県保健局からの要請を受けて、ディリ市内の隔離施設設置に向けた物品の運搬などの支援を行いました。確認された感染者以外にも、インドネシアなどから帰国した留学生79名が(3月23日現在)市内のホテルで隔離されています。

同日、教育省からは、3月23日から28日まで全国の学校施設の休校の通達が、保健省からは、国民に向けて初の感染者のお知らせと自宅待機推奨の通達がありました。教会でのミサも当面禁止されます。

3月23日には大統領に非常事態宣言の発出を求める書簡の内容を閣議決定しました。この宣言には、移動、不要不急の公的・私的な屋外活動、集会、宗教行事又は慶事行事の制限、及び強制的自宅隔離が含まれます。

この間、当会が現在実施しているプロジェクト内の活動として、保健センターによる移動診療への活動協力を3月16日から19日まで行いました。

3月23日の閣議決定を受けて、シェア事務所では3月24日からスタッフの在宅勤務を開始しました。こうした状況の中で、当初予定していたフィールド活動を一時的に縮小せざるを得ない状況です。

皆様には東ティモールで起きた洪水や新型コロナウイルス感染症への対応で、ご心配をおかけし大変申し訳ありません。当会のスタッフやその家族、保健スタッフや地域住民の健康や安全を優先して、臨機応変に対応するように心がけていきます。また現地の状況はできるだけタイムリーにお伝えするように努めます。



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