忍岡小学校へようこそ
ようこそ忍岡小学校へ

1.忍岡小学校とは

台東区には、創立が明治8年で142年間という、都内でも指折りの長い歴史をもつ、忍岡(しのぶがおか)小学校があります。池之端に位置し、不忍通りを隔ててすぐ不忍池や上野公園に接するという、恵まれた環境に置かれた学校です。私は3年前からご縁があって、1年に1度、6年生の授業で1時間(正味45分)お話をさせていただいています。なぜ忍岡小学校について「恵まれた環境」というのか? それは今日の「ひとりごと」の主題であるSDGs (Sustainable Development Goals:持続可能な開発) にも関係が深いことです。この学校の子どもたちは、生物の観察や歴史の学習を、上野公園という豊かな自然と歴史が息づく場所で、実物に即して、行うことができるからです。

 校長の吉藤玲子先生は、明るく、エネルギッシュで、温かい配慮に満ちた方です。ご自身学生時代に、当時日本列島の住民や自然を苦しめていた公害や環境破壊の問題に強い関心をもち、水俣まで出かけ、故・原田正純先生の知遇や薫陶も得たという探究心旺盛な方でもあります。また大田区などでの教員経験もおありとのことで、さまざまに困難な家庭環境で育つ現代の子どもたちへの、共感や理解も深くもっておいでです。

 忍岡小学校は、平成28年、29年度の台東区教育委員会研究協力学校になっています。その研究テーマとは、「学ぶ意欲をもち、グローバル化する国際社会を生き抜く子供の育成 〜 『伝統・文化』、『国際理解』の学習を通して」ということだそうです。

伝統・文化とは、
「・長い年月を経て、日々の中で様々な形で伝わってきたもの。
 ・現代において評価され価値のあるもの。 
 ・新たな文化となって未来へ受け継がれるもの。」とされます。

そして国際社会で必要とされる能力・態度とは、
「・異文化や異なる文化をもつ人を受容し、共生することのできる態度・能力。
 ・自からの国の伝統・文化に根ざした自己の確立。
 ・自らの考えや意見を自ら発信し、具体的に行動することのできる態度・能力。」とされます。
(いずれも東京都教育委員会資料)
 
 なるほど、合点の行く考え方だと、私は思いました。そして、こうした研究テーマを子どもたちと父母、先生がたが共同で進めていく上で、忍岡小学校はとても恵まれた自然と歴史の環境下にあるということは、さきほど述べたことからも理解していただけると思います。


2.私の授業内容

 7月1日は父母の授業参観の日でもあり、各学年の授業は基本的に保護者にも開放された形で進められていました。私は、「つながりあう世界 〜 NGOとは?」といったところから始め、世界、とくに開発途上国の子どもたちが、日々どういう生活や学びをしているかを、タイや東ティモールなどの国を例にとってお話しました。

ET栄養ゲーム
エルメラ県の小学校での栄養ゲームの様子
 

 東ティモールでは、小中学校での学校保健活動に、いかに子供たち自身が主体的に参加し、手洗いや食・栄養やマラリアなどの病気の予防について学び、それらの知識や実践を、一種のChild-to-Childの活動としても、地域に伝えている、といったお話をしました。いつも定番となっている寄生虫(回虫)のところでは、回虫自体を見た子どもはもういませんので、写真を見せると、「スパゲッティ?」と声をあげたりする子がいたりで、それがおなかの中にいる虫だということを知るとみなびっくりした様子でした。

私自身が、遥か昔、回虫少年だったこと、チュニジアで青年海外協力隊の医師として働いていたとき、仲良くしてもらった村の校長先生が、息子のお尻から出てきたサナダムシ(条虫)をホルマリンの瓶に詰めて、大切なコレクションとして、授業に活用していたことなどを懐かしく思い出しました。

回虫のおなかの中での様子 エプロン
回虫についてのエプロン・シアター (東ティモール・エルメラ県)


一方で、タイの田舎では、今、Buddy Home Care(バディBuddyは仲間、友だちの意味)という、保健ボランティアのおばさん、おじさんと10−15歳くらいの子どもがペアを組んで、高齢者や障害者の家を訪ねて、話し相手になったり、マッサージや散歩の同行といった簡単な在宅ケアの担い手になっているといったお話もしました。台東区でも、近年学校レベルで、認知症サポーター制度というものが、試験的にスタートし、認知症当事者の方がたや病気そのものへの理解を、先生がたや父母、子供たち自身の間でも広げていこうという動きになっていると、吉藤先生はお話になっていました。

Smile Factor
Buddy Home Care: 自宅を訪ねてくれたBuddyの子どもをハグするおじいさん

 
 台東区内には山谷地域というところがあり、かつて日本の高度成長時代(昭和30−50年代)に、首都高速道や新幹線、東京タワー、高層ビル群などの建設に献身してくれたおじさん、お兄さんたちが、いまや高齢化し、住んでいる町があることや、その人たちの日々の生活や療養を支えているボランティアや看護師さん、ヘルパーさんたちが活動する様子なども伝え、彼らに隣人として接し、理解してもらうように努めました。

山谷路上での空き缶集め
山谷で空き缶集めをして生計を立てるおじさん


3.SDGsと緑のカーテン

最後に、私はまとめとして、「21世紀に地球市民として生きる君たちへ」という題で、2015年から世界全体の目標となったSDGs(持続可能な開発目標)のことをお話しました。考えてみれば、SDGsは単なるお題目ではなく、日々の生き方・暮らし方そのものであり、そこから出発して、地球の環境や生物多様性といった大切な課題に取り組んでいく活動そのものなのだ、という思いを、忍岡小学校の取り組みや、先生方や生徒、父兄の問題意識にも感じ取ることができました。
 
 7月1日の上野は梅雨の天気で、けむるような雨天の中、校舎の壁面を覆う、琉球朝顔の緑のカーテンの鮮やかな緑と藍のすずしげな美しさに、私は目を奪われました。

忍岡小学校写真1
忍岡小学校の校舎を覆う緑の美しいカーテン


日本でも指折りの夏の酷暑に悩む熊谷市などが、自治体をあげて、こうした蔦科の植物を上手に利用して、あちこちの公共の建物や個人宅に緑のカーテンを作ることを、奨励し、コンテストを行い、町の景観をよくするとともに、地球温暖化現象を少しでも和らげ、市民の意識を高めていこうとしているのも、SDGsの活動として有意義なものだと思われます。

忍岡小学校がいかに地域で愛され、住民の誇りとなっているかは、この日の保護者の方々の熱心な参観の様子からも知ることができました。こうした伝統と歴史のある学校で、あらたに国際理解や環境保全、生物多様性保護などの活動が進み、次代を担うすばらしい地球市民の子どもたちが育っていくことを祈って、私は学校をあとにしました。

SDGs シェーマ
SDGsのシェーマ


2017年7月7日
シェア代表 本田 徹
honda





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7月28日から8月5日までJICA青年海外協力隊事務局からSHAREに委託されている、エイズ対策技術補完研修を行いました。今回の平成22年3次隊の研修生は前回の半分の9名と少なく、全員女性!こじんまりと部屋の前半にまとまった研修生へはマイクも不必要なほどアットホームな雰囲気で研修を行いました。なんと9名中6人は看護師で、1名は薬剤師とほとんどが医療職で一般企業の方は2名だけだったので、実際にHIVの検査やケアをしていた方もいらっしゃって、私は逆に緊張しましたが、皆さんとても勉強熱心に取り組んでいました。
折りしも同じ7月にウィーンで第18回国際エイズ会議が開催された直後の為、講師の方々もエイズ会議で得た最新の情報なども講義内容に追加されていました。
エイズ修正

22年3次隊の皆様と西山・花輪とJOCAの里見様

エイズ研修の担当になって3回目でしたが、HIV/AIDS対策の問題は本当に奥が深く、1つの病気としては片付けられないほどの社会的要因がからみあっていて、同じタイトルで同じ講師の方がお話していても、どんどん変わっていくこの状況や、それでも変わらない人間の価値観など、内容は聞く度に新しい事が心に残る為に、簡単な答えなんてなく、たった8日間の研修の中でもいろいろなお立場で意見も考え方ももちろん違う事もありますし、いつも興味深く勉強させていただいていました。
そんな私には、HIV陽性者団体の代表の方が「だからエイズっておもしろいよね」とおっしゃったのがとても印象的でした。「皆が、私は差別は「しない」ではなく「したくない」としか言えない」と、前にその方がおっしゃっていた通り、無意識のうちにどんな相手でも傷つけうる事を考えると何が差別偏見なのかわからなくなっていたのですが、長年この問題に携わりご苦労もされてきたであろう当事者からそんな言葉を聞いた瞬間、正直ほっとしたような感覚になりました。自分にできる事からできる形で考えていこうという前向きな気持ちにさせてもらえたような気がします。
エイズ2修正

ワークショップのひとコマ

今回の研修内容が赴任地のエイズ対策にどう生かせるは実際行ってみないと分からない部分も多いかと思いますが、現地で様々な経験をし感じた事を、また日本に帰ってきた時に終わりにせずに、2年間のおみやげとしていい影響を与えて続けてほしいなと期待しています。

国内保健事業アシスタント 花輪 静香
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5月12日から20日までJICA青年海外協力隊事務局からSHAREに委託されている、エイズ対策技術補完研修を行いました。

今回の平成22年2次隊の研修生は18名で、現役大学院生や新卒の方から、10年近くNGOや国際的な仕事に就いていた方、実際にプロジェクトを管理していた方、この研修の内容に重なるような仕事をしていた方まで幅広く参加されました。

いつも女性がほとんどのようですが、今回は男性が5名と多かったせいか、毎日の研修後の時間も皆さん活発にコミュニケーションをとっていたように見えました。研修で感じた事を自分の言葉にして自己認識したり、違う人の意見を聞いたりすることは、とても勉強になる事だと思います。

IMG_7164

コンドーム装着用バナナを持って

私は2月に続き2回目の担当となりました。
前回は初めてで、研修生と似た感想を感じる事も多かったですが、講師の方は前回と同じ講義内容とはいえ、やはり伝えたい事がたくさんある中でどこにスポットを当ててお話するかはその時によって違うので、受け取る側が印象に残る言葉もまた毎回違うところに、HIV/AIDS対策問題の深さや、この研修が8日間でもほんの一部であることを感じました。

研修内では当たり前のように使われる医療用語・エイズ関連用語・開発用語・NGOの略語などたくさんありますが、話し手側は違和感なく使っているものなので、初めて聞く研修生にしてみるとついていけないと感じてしまう事もあるようで、難しさを感想に書いた人も少なくありませんでした。

私もスタッフとしてわからない専門用語も多いですが、仕事上、個人的な無知に因ってSHAREとしての信用を傷つけてはいけないのでその場では聞けず、後で調べたり上司に聞いたりします。

JOCVのVはボランティアのVで、(Japan Overseas Cooperation Volunteers, JOCV)何でも積極的に聞ける立場を是非利用してもらいたいなと思いました。

私の2歳の子どもが「なーに?おしえて」と言えることが、大人になると恥ずかしさや見栄やプライドというのでしょうか、「教えて」と言いづらくなるものだなぁとよく実感します。聞かぬは一生の、とはいったものです。

研修生の皆さんはこれから訓練所に行ってますます大変な日々を送り、現地でも貴重な体験をすることと思いますが、何かに迷った時、今回の研修で得た引出しが役立つことを願っています。誰かの笑顔につながりますように!

国内保健事業 花輪
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こんにちは。インターンの長沢です。

私イベントインターンでありますが、
本当はイベント・普及啓発担当という名前がついております。
つまり…普及活動もすべきなんですね。

昨年12月の空とぶバケツでおそらく初の普及活動的なイベントに参加し、
非常に貴重な楽しい体験でありましたので
残りわずかの期間でできるだけシェアのやっている研修などに
参加しようと思い、このタイトルにもあります、高校の授業に出てきました。

高校2年生の授業に先週と今週、2回参加してきました。

先週の授業では、ポストイットを使った感染リスクのグループワーク、コンドームの使い方についてを、男女別で実施しました。最近の小学生中学生はだいたいどんな感じなのかわかっていたんですが、ちょっと高校生とのふれあいは久々だったので、どんな感じなのかなぁと思っていたら、私の想像とはちょっと違いましたね。

高校生の考える感染のリスク
1 蚊に刺されるとうつる
2 母子感染の確率は高い
3 かみそりとかコップも危ないんじゃない??

という感じでしたね。
蚊に刺されるとうつると思っていた子が結構いたのに正直びっくりですね。。。しかも国や地域で蚊が違うから、感染のリスクがまた変わってくるなど、発想豊かな高校生の発言に驚きました。母子感染に関する知識も間違ってはいないようでしたが、クリアではないように思えました。

コンドームの使い方に関してやっているときは、みんななんだか消極的というかドン引き…?敏感なお年頃だからしょうがないのかと思いましたが、生徒の反応に関しては毎年悪くなっていくという傾向があるそうです。性が身近になりすぎてちょっと知っているところに、現実を見せつけられ、こうなってしまったのですかね〜よくわかりませんが。

先週の反応を見た印象のまま、本日の授業に参加したので、もっと反応が悪いと思ってたんですが、今日のHIV陽性者の手記を読むというグループワークでは、陽性者の人の手記を読みどう考えるかということに関してしっかりと議論をしていました。発表のときにも生徒それぞれの思いというか、エイズに対する考えを熱く述べているのを見て、先生を始め私たちも感動しました。

その後にやった、エイズに関するキャンペーンを作るとしたら?という題目で、再び話合いをやってもらいましたが、ここでも生徒達大盛り上がり!!霞ヶ関で座り込みをして議員達にアピールする、とか、若い人より差別意識の高そうな年配の人たちに呼びかけた方がいいのではないか、とか、健康診断のときに若者に呼びかけよう、とか本当にいろいろと斬新なアイディアを出していました。


私も中高と保健の授業でエイズに関してチラッと学習しましたが、ここまで深くは勉強しなかったので、こうして機会を与えられた生徒達はよかったのではないかなと思います。今回の授業が今後彼らにとって考える機会となればと願います。

インターン 長沢
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平楽中学校では10年前から国際学習を行っています。
異なる文化を認め合い、世界の平和を考えることを目的にしている学習です。
シェアではこの中学校に国際理解のために出張で講義にゆきました。
今回はカンボジアってどんな国?などクイズでカンボジアについて学んだあとに次のようなワークをしました。

 
カンボジアにある貧しい農村にペウという少年が住んでいました。貧しい国に生まれたペウ。下痢に対する正しい対処法を知らない両親、病院から遠い、貧しく十分な栄養が取れない、薬はなく民間療法で対応している・・・まだまだ原因があります。
そして、最後には下痢で命を落としてしまうという事例をよんでなぜそうなってしまったのかどうすればよかったのかを考えるワークをしました。


平楽中2

親が間違った知識しかしらなかったから、薬が飲めず、民間療法でトカゲを飲んだから・・・。など各グループから色々な答えがきかれました。
とある生徒さんの反応で「ス○ッパ(下痢止め)飲めればいいのに!」というものがありました。
そう、薬があれば改善するかもしれません。
でも、コンビニで薬が手に入ってしまう便利な日本とは違い、薬が簡単に手に入らない環境です。

多くの原因が重なり、死につながってしまったけれど、何を改善したらペウの命が救えたのかみなさん一生懸命考えてくれているようでした。


平楽中1

インターン 移川

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