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■複利計算とは何か?
住宅ローンの返済は、一般的に元利金等返済(がんりきんとうへんさい)と呼ばれる、毎月の返済額が一定になる方法が最もポピュラーです。ローンの計算方法のポイントは複利計算であることです。複利計算とは、元本に利息を組み込むことです。この計算方法の意味が分かればなぜ繰り上げ返済をすると利息負担が減るのかも分かります。

例えば3000万円を3%で30年間借りた場合、3000万円×3%×30年=2700万円、と利息を計算していいのなら、銀行は大喜びですが、これは間違いです。

■実際の計算方法
実際にどうやって計算するか、簡単に説明しましょう。3000万円を3%で借りて毎月10万円返す例を考えます。

※通常は借入額・返済期間・金利の3つの要素で毎月の返済額が決まります。ここでは複利計算を説明するために、毎月の返済額をキリの良い数字にして計算しています。

1ヶ月目
返済額 100,000
返済額のうち利息 75,000
返済額のうち元本 25,000
借入残高 29,975,000

返済額は10万円で一定ですが、利息の計算がキモです。ここでは3000万円に1ヶ月分の利息が付きます。年利3%の1ヶ月分ですから、1/12で0.25%です。3000万円の0.25%で、7.5万円です。

実際は1/12ではなく、30/365など、日にちで計算します。2月は28日しかありませんが、31日まである月もありますので、月によって利息の発生する日数が異なります。(ここでは簡易的に1/12で計算します)。

さて、利息が分かったので、返済する元本が2.5万円である事もわかりました。これを3000万円から差し引いて2997.5万円が1ヶ月後の借入残高になります。

2ヶ月目
返済額 100,000
返済額のうち利息 74,937
返済額のうち元本 25,063
借入残高 29,949,937

2ヶ月目は3000万円ではなく、先月末の借入残高2997.5万円に0.25%を掛けますので、1ヶ月目より利息が少し減ってます。その分返済元本も増えています。1か月目の借入残高2997.5万円から当月の返済元本の25,063円を差し引くと、月末の借入残高になります。このような計算をしていますので、返済当初の利息負担は大きく、返済が進んでいくほど利息の割合は減り、元本返済にあてる学が増えます。

・・・といった具合で、返済が終わるまで計算をしていきます。これはクレジットカードのリボ払いでも同じ計算方法です。住宅ローンの計算というと難しく感じられるかもしれませんが、やっている事は電卓でも計算できるレベルの足し算・引き算・掛け算だけです。

■利息を減らすには?
利息を減らす一番簡単な方法は頭金を増やす、借入額を減らす、返済期間を短くする、のいずれかです。返済がスタートしてからは、、繰上げ返済を出来るだけ早く行う事です。

上の例ならば、極端に言えば2ヶ月目に100万円の繰上げ返済を行えば、返済元本がそのまま100万円減りますので、翌月以降の利息負担を大幅に減ります。返済期間が長く残っている時に繰り上げた方がより効果が出ます。頭金を増やす事は借り入れを開始する前に繰り上げ返済をする事と同じ、とも考えられます。ただし、これらの方法で利息を減らすと手元の現金が減りますので、その分だけ日々の資金繰りが苦しくなります(手元の預金が減って支払いが大変になる事)。返済期間を短くしても毎月の返済額は増えますので、資金繰りは苦しくなります。

そう、資金繰りと利息軽減はトレードオフ=両立できない関係にある、というのがポイントです。持ち家は資産か?」の一連の記事でも書いたとおり、優先するのは資金繰りです。

したがって、手元にある程度必要な資金を残しつつ、頭金を増やしたり、繰上げ返済をする、という事でバランスをとらないといけません。ここら辺は自分で計算できる人はそれで問題ないのですが、住宅ローンだけではなく将来の教育費なども考慮しないといけないので、結構面倒です。

そのあたりの具体的な考え方については以下の記事を参考にして下さい。日経DUALという、共働き子育て夫婦向けのウェブマガジンの連載です。当店のレッスン・相談風景をリアルに再現しています。

■共働きなら6500万円の一軒家は買えるのか? 日経DUAL
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2027
■山手線駅近に6500万円の家を買いたいワケ 日経DUAL
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2165
■8000万円の家、買えるけど買わない方が良い理由 日経DUAL
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2490
■8000万円の家と引き換えに失うもの 日経DUAL
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2599
■年収2200万円でも、繰り上げ返済で破綻リスク 日経DUAL
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2791
■年収2200万円夫婦でも資産運用は必要ない? 日経DUAL
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2917

【住宅関連書籍】


●マネーリテラシーの本を書きました。 ●住宅購入の本を書きました。




シェアーズカフェからのお知らせ
 ■シェアーズカフェでは住宅・保険・投資・家計管理など、お金に関するレッスンを提供しています。中嶋が直接指導します。
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著者プロフィール


シェアーズカフェ店長 ファイナンシャルプランナー
中嶋よしふみ。現在、34歳(FPとしては多分若手)。

2011年4月にファイナンシャルプランナーのお店・シェアーズカフェを開業。

2012年2月に開設した「シェアーズカフェのブログ」は5ヶ月で月間アクセス14万件を突破。2013年は総アクセス500万件超(配信先も含む)、ヤフーのトップニュースに4回掲載される。ファイナンシャルプランナーとしてブログのアクセス数はダントツの日本一を誇る。

2013年4月にはアゴラ研究所主催の連続金融セミナーに登壇。山崎元氏、ライフネット生命現会長・出口治明氏、元マネックスユニバーシティ代表取締役・内藤忍氏など、金融業界を代表するメンバーと共にセミナー講師として参加(担当は住宅購入)。

2014年は住宅金融支援機構(フラット35)でセミナーを2回行う他、日本FP協会・長野支部にてFP向けセミナー(継続教育研修)に登壇。

現在、シェアーズカフェのブログのほか、日経マネー、日経DUAL、言論プラットフォーム・アゴラ、ブロゴス、ヤフーニュース個人、ハフィントンポスト等で執筆中。老舗情報サイト・オールアバウトでは住宅カテゴリでガイドを務める。

その他、日経新聞でコメントが掲載されるなど、多数の媒体で情報発信を行う。

対面では新婚カップルやファミリー世帯向けにプライベートレッスン・セミナー・相談等のサービスを行う。生命保険の販売や住宅ローンの仲介等を一切行わず、FP本来のスタイルで営業を行っている。

プライベートレッスンでは、お客様ごとに最適化したレッスンと適切なアドバイスを組み合わせて高度なコンサルティングを提供中。他に無い独自のサービスがお客様の支持を得ている。

現在は専門家が書き手として多数参加するウェブメディア、シェアーズカフェ・オンラインを編集長として運営するほか、ブログ執筆による集客の経験とノウハウを生かして士業・企業向けにウェブコンサルティングも提供する。

お金よりも料理が好きなFP。パティシエも兼任。

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