ジャズ、来るべきもの 名盤紹介ブログ

興味があっても敷居が高く、どれから聴けばいいのかわからないJazz。そんなJazzをわかりやすく解説するブログです。ファースト・ジャズにうってつけの作品を選りすぐってご紹介。アルバム紹介のみならず、様々な角度からの分析、ジャズの歴史、ジャズ関連情報もお届けします。

Live Recording:ライヴ盤列伝

ライヴ盤列伝【20】Thelonious Monk "Misterioso"【1958】







ずいぶんと時間が経ってしまいましたが、2019年最初の記事になります。簡単に2018年を振り返りますと、”古き良きジャズ”に関してましては、John Coltraneの未発表音源のリリースというそれなりのビッグニュース【過去記事】はありました。当然レコード会社は世紀の大発見のようなおおげさな宣伝文句を連発しますし、提灯記事も数多く見られました。が、これはあくまでも埋もれていた歴史の一部が明らかになったということ。充実期を迎えていたコルトレーンのディスコグラフィに一枚追加になったということで、貴重な音源であることはたしかですが、それ以上でもそれ以下でもありません。「歴史が変わった」訳ではなく、一部修正された程度と考えるべきではないでしょうか。私個人は楽しく聴きましたし意義のあるリリースではありますが、「ジャズの歴史を変えた!」というわけはないという印象です。


オン・タイムのジャズ・シーンを詳細まで追っている訳ではありませんが、ここ数年続いているHIp-Hopカルチャーとの融合を目指した潮流は続いているようです。それほど多くはありませんが、昨年もオン・タイム・ジャズ作品を取り寄せて聴いてみましたし、Kamashi Washington作品を紹介してみたりもしました。それなりに盛り上がっていると感じておりますが、内外を問わず商業音楽シーンが停滞しつつある現在、ジャズに限らず、これからの展開が難しいのかなぁと少々悲観的に感じてもみたり。現在進行形のムーヴメントに注目し、新作を楽しみに待つというのも音楽の醍醐味ですので期待はしておりますが。


とは言え、未だ「ジャズを聴く」ということは、半世紀以上前のモダン・ジャズ黄金時代に録音された音源を引っ張り出して聴く作業を意味している、と個人的には思っております。何よりも黄金時代の作品群は刺激的ですし、系統立てて聴くことができます。聴いている作品が、どのジャズメンのどの時代の作品で、どういった意図を持ち、どのような歴史的価値があるのかが把握できるという意味です。現在進行形で活躍するアーティストを”発見”し、自分だけが知っているという密かな歓びを感じるみたいな楽しみ方はできないかもしれませんが。


今回取り上げるのは、モダン・ジャズ黄金時代のど真ん中に録音されたThelonious Monkの"Misterioso"【1958】というライヴ録音盤です。大変著名な作品です。セロニアス・モンクについては過去に何作か紹介しております・


天才の系譜【4】Thelonious Monk/セロニアス・モンク


Jazz探究【10】Thelonious Monk "Brilliant Corners"【1958】


ジャズメン御一行様、来日ス【5】Thelonious Monk In Tokyo"【1963】


モンクは作曲家としてもスタンダード化した曲を多数残しております。


名曲列伝【32】"'Round Midnight"【1944】


名曲列伝【39】"Straight ,No Chaser"【1951】


セロニアス・モンクというジャズ演奏家については、これまでの記事中で繰り返し私見を述べて参りましたが、念押しを兼ねて少しだけ。モンクはピアニストですが、通常のピアニストとは異なります。流麗ですとか、いわゆる「技巧」とは無縁。時に、ふざけているのではないか、酔っぱらっているのではないか、ミスタッチだらけじゃないかと思わせるような際どい演奏もあります。ですが、もちろん、ふざけている訳ではありませんし、ミスタッチに聴こえてもそれはミスから生じたものではなく、敢えてミスを犯していると考えるべき。ちなみに酔っぱらっていないのかどうかはわかりません。もしかすると酔っぱらっている可能性は否定できません。


モンクは誰かに合わせることもありません。モンクはいつもモンク。だからマイルスとは合いませんでした【喧嘩セッション】。当然です。モンクが悪い訳では全くなく、マイルスが悪い訳でもありません。敢えて言えばモンクをセッションに呼んだマイルスの落ち度というべき。ジミー大西に流暢な漫談を期待するようなものです。


モンクは他のどのピアニストとも異なるスタイルを確立しました。天然です。変人を装っているタイプでもありません。素です。天然としかいいようがありません。「天然」という表現が一番しっくりくるように思えます。


何度も紹介している音源ですが、晩年のモンクが独奏した"Satin Doll"【1969】。「通常のサテン・ドール」の確認は、名曲列伝【3】Satin Doll 「サテン・ドール」で。

この時期のモンクは少し神経をやっちゃっていたとも言われますので、本人の意図せぬミスタッチが含まれている可能性はあります。ですが、ミスタッチに聴こえる音の多くは意図的なものであるはず。ですが、変人の装っている訳ではもちろんありません。


モンクを表現するのに「天才」という言葉はあまりにも平凡すぎるように思えます。別次元なんです。技術的に一段階上という意味ではなく、そもそも依って立つポジションが他のピアニストとは違うといいますか、目指す方向が全く異なるといいますか。アート・テイタムとオスカーを比べることは可能ですし、レッド・ガーランドとウイントン・ケリーのどちらかが好みかという議論であれば、結論は異なったとしても議論はかみ合うはず。ですが、モンクとテイタム、モンクとオスカー、モンクとケリーを比較しても意味がありません。シュガー・レイ・ロビンソンとヨハン・クライフを比較するようなものです。そもそも競技が異なります。いやいや、モンクとテイタムは同じジャズ・ピアニストじゃないか!というツッコミは入って当然です。ですが、モンクの特殊性をご理解頂くには、これくらいアクロバティックな論法が必要という意味です。モンクが通常のジャズ・ピアニストから孤立しているのか、他のジャズ・ピアニストがモンクから孤立しているのかはわかりませんが。とにかくモンクは特殊な存在だという前提に立って聴いて頂くと彼の特殊な素晴らしさがより理解できるはずです。


今回取り上げる"Misterioso"【1958】という作品はライヴ録音盤。1950年代のモンク・グループのサックス奏者はなかなか固定できませんでした。契約の問題か、モンクの好みの問題かは微妙なところ。Sonny RollinsやJohn Coltraneが彼のグループでサックスを吹いたこともありましたが、いずれも短期間のみに終わりました。1960年代に入るとモンクはCharlie Rouse【過去記事】という「同志」と幸福な出会い果たしますが、それまで彼のグループでフロントを務めたサックス奏者はコロコロ変わったという印象があります。


1958年にモンクが発表した2作"Thelonious Monk In Action"【wiki】および今回紹介する"Misterioso"でサックスを吹いたのはJohnny Griffin【wiki】でした。グリフィンというとどちらかと言うと吹いて吹いて吹き捲るブロウワーというイメージがありますので、モンクとは少し相性が良くなさそうな印象も抱きつつ聴いた記憶がありますが、面白いもので恐るべき化学反応が起こっております。印象としては、モンクがグリフィンに好き勝手に吹かせているといった感じ。モンク作品というよりも、モンクとグリフィンの共同名義作と言って良いのではないかと思うほどグリフィンが大活躍します。


71枚目:Johnny Griffin "A Blowing Session"【1957】


115枚目:Johnny Griffin/Eddie "Lockjaw" Davis "Tough Tenors"【1960】


151枚目:Johnny Griffin "The Kerry Dancers"【1962】









Thelonious Monk "Misterioso"【1958】
セロニアス・モンク 「ミステリオーソ」【1958年】


パーソネルは以下の通り【参照:wiki "Misterioso"】。

p:Thelonious Monk

ts:Johnny Griffin

b:Ahmed Abudl-Malik
ds:Roy Haynes



ジャズ・ピアノの常識を超越しつつあったモンクのピアノと気分よく吹き捲るグリフィンに注目して頂くと面白いはずです。


3曲目収録"Let's Cool One"。

モンクらしい風変わりなメロディの繰り返しでスタート。1:15過ぎでグリフィンが吹き始めますが、通常のソロ奏者がそうされるように、彼にスポットライトが浴びさせる気がモンクにはないのでしょうか。ゴチャゴチャしているというか、猥雑というのでしょうか。ヘインズもごちょごちょと絡んできます。ですが、4:10過ぎバンドが止まりグリフィンの独奏に。例え小さなジャズ・クラブ(Five Spot)であったとしても、これはプレッシャーであったはず。ですが、グリフィンは見事にモンク・グループの顔役を果たします。6:05過ぎ再びバンド・ミュージックへ。その後、モンクのソロになりますが、いわゆるアドリヴ・ソロではなく、強弱で同じメロディを繰り返すだけ。ですが、何でしょう、このグルーヴは。
   



4曲目収録"In Walked Bud"。

この曲も基本的には同じ構造。モンクらしい独特のメロディが執拗に繰り返され、グリフィンが飄々と吹き続けます。グリフィンはずーっと吹いているのですが、特に5:00過ぎ辺りからヒート・アップ。6:20からモンクのソロ。その後、マリク、ヘインズにもソロが割り当てられます。



このレヴェルの作品を聴くと改めて痛感します。モダン・ジャズ黄金時代がいかに充実したムーヴメントだったかということを。優秀な技術を持った演奏家が、その都度集められ、声ではなく楽器の演奏で才能をぶつけ合う。こんなスタイルの音楽はもう二度と出現しないのではないでしょうか。


最後に、もうひとつ例を挙げてモンクの特殊性、超越性を明らかにしてみたいと思います。"Lulu's Back In Town"というスタンダード曲のオスカー・ピーターソン版とモンク版を紹介します。


Oscar Peterson "Lulu's Back in Town"。

簡単に行っちゃえば、オスカーは「神」であり、「天才」。このウキウキ感。躍動感。ジャズ・ピアノを突き詰めた最高峰がオスカーです。


次にモンク版。

つまり、競技が違うんです。良し悪しの問題でも、善悪の問題でもなく、オスカーとモンクでは単純にピアノを弾く目的が異なると考えるべきなのでしょう。優劣などつきません。つくはずがありません。つける意味が全くありません。二人とも生まれてきてくれてありがとう、ピアニストになってくれてありがとうとしか言いようがない訳です。













ライヴ盤列伝【19】Shirley Scott "Queen of the Organ"【1964】








今回は、女性オルガン奏者Shirley Scottが1964年に録音したライヴ盤"Queen of the Organ" 【wiki】を紹介いたします。


変わり種Jazz【21】Shirley Scott "Shirley Scott and the Soul Saxes"【1968】


シャーリー・スコット作品のほとんどはノリ重視のソウル・ジャズ。明るく楽しいタイプのジャズです。インストR&Bですとか、インスト・ソウル・ミュージックと言っても良いかもしれません。小難しいタイプのジャズは苦手なんて方にはうってつけだと思います。


wikipedia:Shirley Scottの下部Discographyを参照して頂くと解るのですが、彼女は膨大な数のリーダー作を発表しております。現在の音楽ファンの間でのシャーリー・スコットの知名度は、それほど高くないのではないかと思いますが、1950年代末から1990年代までまんべんなくアルバムをリリースしています。ジャズのガイドブックなどでもそれほど彼女の作品が取り上げられている記憶はありませんし、せいぜいB級盤特集本にちらほら載っているくらいではないでしょうか。つまり、批評家の間ではいまいちの評価だったのかもしれませんが、市井の音楽ファンの人気は高かったと考えても良いのではないでしょうか。


実際、シャーリー・スコット作品は楽しく聴けるのはたしかなのですが、それほど吸引力があるとは言えず、基本的にはそれなりのレヴェルのものばかりという印象を個人的には持っております。以前紹介した"Shirley Scott and the Soul Saxes"【1968】にしても、ジャズの歴史的名盤と言うよりも、ソウル・ミュ−ジックやファンクと融合したごった煮的な面白さが理由で取り上げました。ジャズ作品というよりも、聴き心地の良いブラック・ミュージック作品としてといった感じです。


今回紹介いたします"Queen of the Organ"【1964】の魅力は少し異なります。通常のシャーリー・スコット作品とは異なり、ちゃんとジャズしております。もちろんソウル・ジャズですが。その最大の理由は、当時のご亭主であったStanley Turrentine【過去記事】の参加ではないかと個人的には思っております。更に個人的な評価になりますが、スタンリー・タレンタインはライヴでこそ輝く説を強く推しております。以前紹介した彼の"Up at Minton's"【1961】もライヴ盤でした。今作もまたライヴ録音盤。シャーリー・スコット名義の作品ですが、実はタレンタインこそが主役だったりします。







Shirley Scott "Queen of the Organ"【1964】
シャーリー・スコット 「クイーン・オブ・ジ・オルガン」【1964年】


パーソネルは以下の通り【wiki:Queen of the Organ】。


org:Shirley Scott

ts:Stanley Turrentine

b:Bob Cranshaw
ds:Otis Finch


ベースはソニー・ロリンズのグループで活躍したボブ・クランショウ。彼は今作以外でもスコット、タレンタイン両氏の作品に多数参加しておりますので、気心の知れた関係と言ってしまって良いはずです。



3曲目収録"Mean,Nasty,Angry and Lowndown"。オリジナル・アルバムには未収録でCD化の際にボーナス・トラックとして追加された曲。

ねっとりとしたブルーズ・ナンバー。タレンタインが一番輝くタイプの曲です。2:05過ぎから4:20辺りまでのタレンタインが魅力的。次にスコットのソロがスタート。後半になるに従って魅力的に。




4曲目収録"Can't Buy Me Love"。ご存知The Beatlesナンバー。

こういったポップ・チューンをジャズメンが取り上げる場合、メロディ・ラインをなぞるだけにインスト・ポップになってしまい、ジャズ愛聴家としてはげんなりしてしまうケースも多々ありますが、この録音ではあの著名なメロディ・ラインもタレンタインの抑制的な音が魅力的で、0:50から始まる彼のソロはしっかりとジャズになっている点も重要です。シャーリーのオルガンが時折原曲のフレーズを挟みますが、タレンタインの魅力的なアドリヴ・ソロが聴けます。曲は素材にすぎず、ジャズメンがしっかりと料理するというジャズの基本的な魅力が堪能できるはずです。


他にも魅力的なブルーズが多数収録されており、タレンタインを聴くならライヴ録音のブルーズという点を強調させて頂きたいところです。
























ライヴ盤列伝【18】Sonny Rollins "The Cutting Edge"【1974】








今回は、Sonny Rollinsのライヴ盤"The Cutting Edge"【1974】を取り上げます。ソニーのライヴ録音盤は以前「ライヴ盤列伝【3】Sonny Rollins "A Night At Village Vanguard"【1957】」を紹介しておりますので、2作目ということになります。


これまで紹介したソニー関連作品は以下の通りです。


21枚目:Sonny ROLLINS "Saxophone Colossus"【1956】


51枚目:Sonny Rollins "Work Time"【1955】


127枚目:Sonny Rollins "The Contemporary Leaders"【1958】


148枚目:Sonny Rollins "Way Out West"【1957】


巨人、邂逅ス【6】Dizzy Gillespie "Sonny Side Up"【1957】


巨人、邂逅ス【12】Sonny Rollins/Coleman Hawkins "Sonny Meets Hawk"【1963】




ソニーがジャズの歴史を代表するテナー・サックス奏者であることはご存知の通りです。マニアを多く抱える他のジャンルと同様に、ジャズ愛好家はヘソ曲がりといいますか、天邪鬼的な方も多いので、敢えて人気者を腐してみる的なケースも当然あるにはありますが、人気・実力ともにソニーがジャズ・サックス界の頂点のひとりという認識に間違いはございません。


少し視点を変えますが、ジャズの全盛期は1920年代後半から1930年代にかけてのスウィング・ジャズ黄金時代がまずありました。世界中にジャズという新しい音楽が発信され、認知されたのがこの時期。次に1940年代から1960年代にかけてのモダン・ジャズ黄金時代。モダン・ジャズ黄金時代がいつからいつまでかに関しては若干争いがあるように思えます。できるだけ短く解するなら、1950年代中盤から1960年代中盤までの10年超。Be-Bop誕生からアヴァンギャルド/フリー・ジャズの完成までと考えるなら、40年代初頭から60年代後半までの約30年とすることも可能でしょう。70年代のFusion期も含める考え方もあるのかもしれません。これは個々のジャズ愛好家の判断によります。正解はあってないようなもの。


モダン・ジャズ黄金時代の終焉を1960年代中盤と考える向きは、丁度その頃に、ビッグ・ネームが次々とこの世を去っってしまったという理由がひとつ。The Beatlesを始めとするバンド系ロック・ミュージックが音楽産業のメインストリームになり、ジャズ界全体が斜陽期に入ったことも理由です。1965年のBluenote Recordsの売却などもその象徴です。


これまで紹介したソニー作品はいずれも1950年代録音("Sonny Meets Hawk"のみ1963年)。つまりはモダン・ジャズ黄金時代ど真ん中に録音されたものばかりです。モダン・ジャズ黄金時代の終焉と共にソニーの対抗者であったコルトレーンはこの世を辞しました。モダン・ジャズ黄金時代世代の名手たちと言えども、その後の時代に活動を継続していくのは難しかったそうです。ヨーロッパに移住する者(Dexter Gordon/Art Farmer/Duke Jordanなど)、故郷に帰ってひっそりと暮らす者(Red Garlandなど)、職を変える者などなど。そんな中、Bill EvansやOscar Peterson、Herbie Hancockらと並びソニーは生き残りました。もちろん、かつてのように人気作/名盤を連発したとまでは言えませんが、ジャズメンにとって受難期とも言える1970年代以降をソニーはたしかに生き抜きました。それを確認するために、今回は彼のディスコグラフィの中から少しマイナー作品と言うべき"The Cutting Edge"を紹介してみようと思いつきました。











Sonny Rollins "The Cutting Edge"【1974】
ソニー・ロリンズ 「カッテンング・エッジ」【1974年録音】


1974年に開催されたThe Montreux Jazz Festival【wikiウィキ】でのライヴを収録。パーソネルは以下の通り【参照:wiki "The Cutting Edge"】。


ts:Sonny Rollins


p:Stanley Cowell
g:増尾好秋【ウィキ
b:Bob Cranshaw【wiki
ds:David Lee

congs:Mtune
bagpipes:Rudus Harley【過去記事


ギターが入り、なおかつコンガ/バグパイプ(1曲目のみ/後に紹介)という変則的な構成。ボブ・クランショウは1960年代初頭から2000年までソニーのグループで活躍したベーシスト。時代の変化に対応しエレクトリック・ベース化でき、今作ではエレキを弾きます。




4曲目収録"A House is Not a Home"【wiki】。バカラック作の当時のポップ・ソングです。

スローで感傷的な曲。ソニーの泣きのサックスとクランショウのゴツゴツしたベースが印象的。





5曲目収録"Swing Law,Sweet Chariot"【wiki】。著名な黒人霊歌/ゴスペル楽曲。

不思議なバグパイプの旋律でスタート。この曲で世にも不思議なジャズとバグパイプの融合を聴くことができます。ハーレイのキャリアの中で最も彼が輝いたのは、自身のリーダー作ではなく、この客演ではないかと個人的には思います。


2:45からリズム・セクションが加わり若干ボッサ的な演奏が本格的にスタート。コンガ/ギターの音が絡み合います。エレキベースの導入も含め、これがソニーの考える1970年代のジャズの姿だったと考えられます。このリズムのみで4分近く演奏が続きますが、退屈どころか心が躍ると言ってしまって良いはずです。


6:30から漸くソニーのソロ。8:20から増尾好秋氏のソロ。日本人ギタリストがソニーのグループで長尺ソロを取っていたというのは何とも不思議な感覚。10:40からクランショウ。12:00からリー。




最後に。ソニーは1930年生まれで今年87歳になる訳ですが、肺の病気のため現在は演奏を差し控えているそうですが、なんと彼はtwitterをやっていたりします。

https://twitter.com/sonnyrollins



いくつかツイートを引用してみますと


imstillalivebecauseimstilllearning


「ワシがまだ”生きている”と言えるのは、未だに学び続けているからじゃ」




monk is my guru



「モンクはワシのお師匠じゃった」





rememberring my friend john coltrane


「友であるジョン・コルトレーンを忘れない」


rememberingmilesandroach


「マイルスとマックス・ローチとの思い出」


凄い3ショット!



ornettecoleman


オーネット・コールマンへの哀悼と葬儀へ出席したことの報告。





ripbobcranshaw



"The Cutting Edge"にも参加していたベーシスト、ボブ・クランショウが亡くなった際には惜別のツイートも。


youtubeリンクを張って御大自ら様々な音源を紹介してくれております。「どこのマウスピースを使っているんですか?」なんて質問にも答えてくれています。是非チェックしてみて頂きたいところです。質問するともしかしたらソニーが返事をくれる可能性だってあります。














プロフィール
【お知らせ】この欄の下部にアンケート・ボックスを設置いたしました。紹介する作品選びの参考にさせていただきたいと考えておりますので、ご協力お願いいたします。(2014/04/05)


<祝>東京オリンピック2020開催決定!<願望>開会式に上原ひろみをネジ込もう!(2013/09/08)


【自己紹介】JazzとFilmをこよなく愛す半分中年のおっさんです。死ぬまでに1枚でも多くのJazzを聴き、1本でも多くの映画を観ることを生き甲斐にしています。

特に好んで聴くのは、Miles Davis、Oscar Peterson、Jimmy Smith、Lalo Schifrin、Charles Mingus、Eric Dolphy、Sonny Rollins、John Coltrane、Ben Webster、Wynton Kelly、Earl Hines、James p.Johnson。Jazz以外では、Blues、Soul/R&B、Funk、Techno/Electronica、Soundtrack、守備範囲はかなり狭いですがJ-Popも聴きます。

ときどき過去記事をチェックし、デッドリンク等があれば新しいものに更新しております。

週に1回ほどしか更新できませんがよろしくお願いします。毎週土曜日21:00に更新する予定です。


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クリント・イーストウッドによる辛辣なチャーリー・パーカー伝記映画



デクスター・ゴードンが俳優として主演し、バド・パウエルのパリ滞在記を映画化。



"天才"セロニアス・モンクを追ったドキュメンタリー。



黒人映画監督スパイク・リーが描く、現代に生きる若手ジャズメンの苦悩を描いたドラマ。



『死刑台のエレベーター』【1957】。マイルスが即興でサントラを担当。



『大運河』【1959】。ジョン・ルイス(MJQ)がサントラを担当。



『拳銃の報酬』【1959】。ジョン・ルイス(MJQ)がサントラ。



デューク・エリントンがサントラを担当。



『危険な関係』【1960】。アート・ブレイキーがサントラを担当。



『アルフィー』【1966】。ソニー・ロリンズがサントラを担当。



1958年ニューポート・ジャズ・フェスの記録映画。サッチモ、モンク出演。



ジャズ/ブルーズ系名ピアニストたちに関する記録映画



アーリー・ジャズ期のギタリストが主演のビターなラヴストーリー



空港に籠城する男の目的はジャズでした



ジャズの拠点として隆盛を誇った1930年代のカンザス・シティが舞台。



『キャビン・イン・ザ・スカイ』【1943】。サッチモ出演。



『ニューオリンズ』【1947】。サッチモ、ビリー・ホリデイらが出演。



『110番街交差点』。J.J.ジョンソン音楽。



レイ・チャールズ出演



ジャズの聖地コットンクラブを舞台にしたギャング映画



ブラスバンド参加者たちの悲喜こもごもを描いた良質なドラマ



ラロ・シフリンによる驚愕のサントラ。ベースがブリブリ。



オーネット・コールマンがサントラを担当。



ジャズ・ヴォーカルの名演がサントラ/劇中歌として多数使用



サントラにジャズがふんだんに使われています



アントニオーニ美学炸裂。サントラ:ハービー・ハンコック



基地で起こった軍曹殺人事件の謎解きサスペンス。秀作。サントラ:ハービー・ハンコック




サントラにジャズ/ゴスペル満載



サントラ:マイルス/オーネット・コールマンなど



サントラ:ジョシュア・レッドマン/ブラッド・メルドーなど



「ジャズ・エイジ」的なレトロ感あふれる田舎のジャズ・クラブを舞台にしたB級音楽映画。


ジャズ以外の音楽映画



片田舎に暮らすブルーズメンが巻き込まれる騒動を描いたオフビート系作品。



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ブルーズの名門レーベル:チェス・レコードの勃興を描いた実話映画。またもやビヨンセっ!



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ドラッグ・ディラーからHip-Hopのスターへとのしあがる青年の青春サクセス物語。



敵対するグループに射殺されてしまったラッパーNotrious B.I.G.の伝記映画



ニューオリンズが舞台。ブルーズメン登場。コートニー・パイン参加。





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