平日のお昼。
スパイは母校の門をくぐった。

スパイの秘密基地っぽい外観をもつ100年記念館。
その横には、デザインの素晴らしいチーズケーキっぽい東工大付属図書館。

奥には、長い歴史に相応しい本館がたたずむ。
本館は関東大震災による官立大学震災復興事業によって建設された当時の最新式コンクリート建築物だ。

ついに帰ってきたのだ。
日本の技術研究調査の総本山。東京工業大学へ。

スパイはにやりと笑った。
「ふふふ。これで俺も先輩づらが出来るぜ。」

「づら」ではない。
屈辱的なMM事務局生活を思い出したのか、逃げるように、彼は歩みを進めた。
広いキャンパスの奥の奥にその本拠地はあった。

「東工大学生支援GP 写真洗浄プロジェクト」

グランプリレースに出るかのようなスピード感のあるネーミングだ。

早速ドアを開けて挨拶をする。
「こんにちは。よろしくお願いします。」
「あ、これ、お土産の横浜ハーバーです。」
「エプロンは自分で持ってきました。」
ふふふ。下手に出るように見せかけ、「実を言うと僕、先輩なんです。」で驚かせようという作戦だ。

「あ、てらもっちさんよろしく。東工大出身だったんですよね。」

情報戦は失敗だ。
地下には情報ネットワークが張り巡らされ、
どこかに、学生が自由に使えるスピーディなスーパーコンピュータTSUBAMEを隠し持つ東工大。
やはり手強い。

というわけで。。。。

いや、それはともかく。。。。

東工大の学生さんの洗浄ボランティアに参加させていただきました。
私達と同じく閖上の写真を洗浄されています。
その前は山田町の写真を洗浄されていたそうで、山田町での学習支援に関わったり、写真展示会場を見学したりはあったそうです。
あと、山田町で写真を受け取った方からお礼メールをいただいたこともあるとか。
 
いやー。それにしてもみなさん若いです。
洗浄中も講義の話とかサークルの話とか。いろいろと元気にお話しされる。

ついつい、おじさん、浮いちゃいましたね。
たまに、質問とかして話に割り込もうとしましたが、
浮いちゃう。浮いちゃう。

デジタル世代にはかないませんわーー。わっはっは。

画像1

それでもみなさん、現地の皆様に写真を洗って返すことには真剣です。
みなとみらいの作業の様子や道具など、いろいろと質問されてしまいました。
一つ一つ丁寧に答えようとしましたが、うまく説明できなかったところもあったかもしれません。

スパイのはずが情報漏洩。
もちろん、思い出返し隊の最大の秘密である隊長が誕生日を迎えた回数については話していませんよ。

......多分。

そして最後は全員写真と掃除で終わり。
これもうちと同じですね。

あんまりカッコいい事言えなかったのでここで言っておこう。
「後輩達よ!大使を目指せ。」
あ、漢字間違えましたね。

そう。こういう活動をしたことは自分の経験になるだけでありません。
社会はこのような経験をした貴方達のことを認めます。
どこかで見ている人、感じてくれる人はいます。

少なくとも先輩としては鼻が高い。

学生時代に思う存分、いろいろな事に興味を持ち、勉強し、遊び、その中でボランティアもしっかりやってください。

そして、東工大の皆様。
是非、みなとみらいにもお越し下さい。
お菓子と、皆様と同じ思いを持つ仲間が待っています。 

以上、最後まで先輩づらできずに消化不良のてらもっちでした。


20121024 toukoudai
工太郎:東工大キャラ。謎が多いらしい。
    名言「小説と恋愛と論文は終わり方が難しい。」


*東工大学生支援GP室 写真洗浄プロジェクト
 http://siengp.exblog.jp/ 

*すいません。ちょっとだけウソつきました。
 最後に後輩達の前で「MM来たらランドマークタワーの最上階でコーラおごってやる。」とか言って先輩づらしてしまいました。