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『ブロークバック・マウンテン』 2005年度のアカデミー賞は下馬評などからこの『ブロークバック・マウンテン』が総ナメするものとばかり思っていました。
 ところが蓋を開けてみると主要各賞は数々の作品に綺麗に分散され、最後の最後でこの大本命が作品賞を『クラッシュ』に奪われるというビックサプライズまで待ち受けている驚きの展開。
 ゲイを扱った事が一部の人から嫌われた点が大きな理由だったようですが、当然アカデミー賞を取るものとばかり思っていた映画関係者はこの結果にはさぞかし驚いた事でしょう。
 名古屋では現在二館で上映されていますが、これもアカデミー賞を取ると言う前提が有ったからこそ上映館数を増やしたのだと思います。普通なら1館で十分間に合うだろうしね。

 そのせいなのか劇場も予想以上に空いていました。
 「いくら作品賞を逃したとは言え、上映前からあれだけ話題になった映画なんだからこんなに客が少ないことはないだろう?」と不思議に思っていたのですが、家に帰ってその理由が明らかになりました。
 何のことはありません。僕がこの映画を観た日にちょうどWBCの決勝戦が行なわれていたせいだったようです。瞬間最高視聴率50%超・・・そりゃ〜映画の観客動員にも少なからず影響はあるわな。
 僕もWBCの決勝戦くらいは観ようと思っていたのですが、どうも日程を勘違いしていたようで。遅ればせながら日本代表、世界一おめでとう!・・・と書いたところで本題に戻ります。『ブロークバック・マウンテン』の感想です。
 イニス・デルマー(ヒース・レジャー)とジャック・ツイスト(ジェイク・ギレンホール)はブロークバック・マウンテンにある農牧場での季節労働者として雇われる。そこでの仕事はキャンプを張りながら羊が野生動物に襲われない様に見張る事。
 誰もいない農牧場で二人だけの生活が始まった。そして意気投合することによって築き上げられた二人の友情は次第に愛情へと形を変えていく。

 先ほども書きましたように残念ながら2005年度のアカデミー賞において作品賞こそ逃してしまいましたが、監督賞・脚色賞・作曲賞を受賞。ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞に輝いたアン・リー監督作品。

 まず初めに書いておきますが僕は良く出来た人間では有りませんので偏見で物事を見てしまう傾向があります。勿論ゲイに対しても別に悪いとは思いませんが、もし自分の友人から「実はゲイです」なんてカミングアウトをされたら暫く連絡を取るのを控えてしまうでしょう。

 最近では本屋に行けば俗に耽美系と言われる本(今は「やおい系」って言うみたいですが、ようは男と男が乳繰り合うような内容の本)がズラッと並べられ、ゲイをネタにした芸人まで登場しました。『メゾン・ド・ヒミコ』のような同性愛を扱った映画も少しづつ増えているように思います。
 このようにゲイに対する世間の認知度自体は少しづつ高まっているのかもしれません。しかし僕の中にはまだまだゲイに対する偏見や差別の念が残っているようです。

 『ブロークバック・マウンテン』もゲイを題材にした映画なので受け付けないかなと思っていたのですが、驚くべき事に嫌な感じは全くありませんでした。
 どっちかと言うと好きな映画でさえあります。

 確かに理解しがたい部分はあります。
 例えばあの友情が愛情へと変わるテントでのシーン。一方が急にキスを迫り、もう一方が唐突にズボンを脱いで関係を持ってしまうのですが、友情が愛情へと変貌するような伏線って何か有りましたっけ?
 目の演技だとかそういった細かい仕草が伏線だと言えばそう言えなくも無いでしょうけど・・・何か唐突な印象を受けました。
 やっぱり二人しか存在しない世間から隔絶された世界に長期間身を置くと性別とか世間の常識をも超越した関係になってしまうものなのかな?

 二人の関係の始まりはとても唐突だった気がします。
 でも、それから20年もの長い間相手のことをずっと想ってこられたことは素直に凄いと思う。
 ブロークバック・マウンテン下山後、お互いがそれぞれ別の道を歩き始める。結婚をして子供まで授かった。月日が流れていくに連れて周りの環境や自分の置かれている立場は随分と変わっていった。
 それにも関わらずイニスはジャックの事をジャックはイニスのことをずっと心の中で想い続ける。

 時間と共に社会は変容していきます。しかし自然に囲まれたブロークバック・マウンテンがいつまでもその姿を変える事が無く堂々と聳え立っているのと同じように彼らのお互いを想う気持ちは昔と何ら変わらない。ブロークバック・マウンテンで共に過したあの日以来、何ら変わっていないのです。
 例えそれが同性愛という社会から白眼視されるような関係であったとしても胸に秘めた想い自体はとても純粋に思える。そして自然は二人の道ならぬ関係をも暖かく包み込む。しかし社会はというとまた別の話なんですが・・・。

 この映画は本当に人を想う気持ちの最も純な部分を描いた作品であると思います。だからこそゲイに対して偏見の目を若干でも持っている僕が見てもスンナリと話に入っていけたのかもしれません。ラストカットは凄く良いしね。

 ただ二人が久々に再会した際にイニスの家の前で激しく抱擁&接吻をするシーンがありますが、嬉しい気持ちは分かるけどそれはやっちゃダメでしょ。案の定イニスの奥さん(ミシェル・ウィリアムズ)がその現場を目撃してしまい困惑してしまいます。
 イニスとジャックが逢瀬を重ねた長い年月はイニスの奥さんの立場からすると本当に耐え難い日々だったと思う。夫の不倫相手が男性なんてことを知った日には不倫相手が女性と知った時以上にショックが大きいだろうし。
 それに夫の稼ぎが少ないのでパートにも行かなきゃならないし、子育てもしなければならない。そして夫の不倫相手が別の男性なんて事は誰にも相談出来なかっただろうし・・・八方塞りの本当に辛い日々だったことでしょう。
 そんな鬱憤が爆発するシーンで見せたミシェル・ウィリアムズの演技は素晴らしかった!

 純愛の陰で泣く人もいる。
 あれっ?こんなメッセージの映画だったっけ?感想を書いているうちに意図していた事と違ってきたような気が・・・まぁ、いいか。

 ★★★★☆

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