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『プロデューサーズ』
 I Wanna Be a Producer〜♪
 劇中でマシュー・ブロデリック扮する会計士はこのような歌を歌います。
 では僕は幼い頃に一体何になる事を夢見ていたのか?これが自分のことにも関わらずなかなか思い出せず、前に一度親に尋ねてみた事があります。
 で、その返ってきた答えが・・・なんとサラリーマン!
 普通、子供が思い描く夢ってもっと色々あるでしょ。男の子だったら野球選手とか女の子だったらケーキ屋さんとか。それなのに幼い頃からリーマンを夢見てしまうなんて・・・子供の頃から夢の無い人間だったんだなぁ〜。
 現在リーマンをやってますので幼い頃の夢は実現できたと言えなくもありません。ですがこの虚しさは一体何処から来るのでしょう?

 でも今は僕にだって少なからず夢があります。
 例えば不動産収入だけで喰っていけるような状態にした上でその日の気分次第で休業日が決めてしまう古本屋を開店。店を開ければひねもす本ばかりを読みダラダラと毎日を過ごす。まさに理想の生活です。
 まぁ、これも希望に満ち溢れた夢だとは言えないけどね。年を取ると夢ではなく現実しか見えなくなってしまうようです。全く嫌ですね。

 ってことで『オペラ座の怪人』『シカゴ』など最近ブロードウェイのミュージカルを映画化したものが定期的に上映されるようになりましたが、今回の映画もその流れの一つ。
 しかも舞台版で演出・振付を担当していたスーザン・ストローマンが初メガホンを取り、製作・脚本・作詞・作曲もまた舞台版同様にメル・ブルックスが担当。そして舞台版で主演を勤めたネイサン・レインとマシュー・ブロデリックを迎えるなど舞台版のスタッフが勢揃いして製作されたのがこの『プロデューサーズ』という映画になります。
 始まりは会計士レオ(マシュー・ブロデリック)の「舞台がコケれば逆に儲かる事だってあるんだ」という何気無い一言だった。
 これを聞いた落ち目のプロデューサー・マックス(ネイサン・レイン)はレオと共にダメな脚本、ダメな出演者、ダメな演出家を結集させて史上最低のミュージカルを作り上げようと計画する。
 二人は準備を着々と進め、ついに「春の日のヒトラー」は完成した。あとは初日を待つだけという状態になったのだが・・・。

 史上最低のものが思わぬヒットを遂げる。
 そう聞いて真っ先に思い浮かんだのが我が映画人生を捻じ曲げてしまった一本の映画。そう、水野晴郎の『シベリア超特急』(略して『シベ超』)です!
 この映画をバカ映画として最初に持ち上げたのはみうらじゅんだったと思いますが、一部の好事家の間で徐々に人気に火がつき始めるや今や映画作品が4本、舞台版が2本も作られるほどの大ヒットシリーズへと変貌を遂げました。
 最初に1作目がビデオ化された際にビデオ販売会社の「つまらないから」って一言で驚愕の二段大どんでん返しが強制カットされてしまったのですが、これが一部の好事家(僕含む。)の間で「完全版を観たい!」という思いをより一層強いものにさせてしまうなど意外なトラブルが人気を加速させてしまう結果にもなったのです。
 僕なんか「完全版」を観ることが出来ると聞いて東京まで観に行ったからね。完全にアホです。
 
 『シベ超』について長々と書きましたが結局何が書きたいのかというと、今回の『プロデューサーズ』の中に出てくる「春の日のヒトラー」という最低ミュージカルと『シベ超』が置かれていた状況がダブって見えて仕方が無かったのです。
 「春の日のヒトラー」は最低の脚本、最低の演出、最低の出演陣それに輪をかけて上演開始前に主演俳優が降板という予期せぬトラブルが発生する。
 このような誰がどう考えても負の要素にしかならない物が組み合わさった時、それが何故か意外なヒットを招いてしまう事だってあるのです。

 ここで中学校の頃の数学の授業を思い出して下さい。
 マイナスとマイナスを掛け合わせると何故かプラスになってしまうって習いましたよね。つまり『シベ超』にしろ『春の日のヒトラー』にしろ上手い具合にマイナスの要素が組み合わさってプラスのものへと突然変異してしまったのです。
 意識調査などをして綿密な計画を立ててヒット商品を作っていくことも良いですが、このように負の要素をかき集めて一つの作品を作ってみる。ヒット商品の生み出し方の一つとしてこういった方法を取り入れてみるのも面白いんじゃないかなって思いました。

 出演者はもちろん全員素晴らしいのですが、中でもナチスオタクのウィル・フェレルが最高!何処からどう見てもキチ○イにしか見えない怪演を披露しております。ユマ・サーマンもエロくてちょっと頭の弱そうな感じの女性を愛嬌たっぷりに好演していました。あの開脚は本人がやっているんだよね?
 
 唄って、踊って、サイテーでサイコーなゲイ(「陽気な」って意味です)な映画。しょーも無いギャグも連発され、誰が観ても理屈抜きで楽しめ映画に仕上がっているんじゃないかなと思います。
 「春の日のヒトラー」はもし舞台でやるのなら本気で観たいぞ!

 そして映画はエンドクレジットが終わるまでちゃんと椅子に座って観ていましょう。最後の最後におまけが付いています。メル・ブルックス御大が「とっとと帰りやがれ!」と暖かくお客様を送り出してくれますよ!
 
 ★★★★

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