恐怖女子高校 暴行リンチ教室

 この映画を観終わった後にフト気づいてしまったことがあります。それはうちの娘の顔が杉本美樹にどこか似ているってこと。
 ウンチングスタイルでこちらを見ていた時の顔が、そのまんま杉本美樹だったので驚いた。真ん丸な輪郭は似ていないけれど、目と口元がそっくり。
 一応嫁さんにも確認してみた(『暴走パニック 大激突』『恐怖女子高校 女暴力教室』あたりで杉本美樹をチェック済み)ところ、「まさか」と言いつつ「一瞬、似ていると思っちゃった」との言葉を貰いました。あながち間違いではないのでしょう。

 うちの娘はもう少しで2歳になる杉本美樹!!どうだっ!!

 果たして、これって自慢になるのか??
 パパは今回紹介する映画に出てくるような学校に行くのなら、絶対に学費は出しません。どうしても女番長になりたけりゃ、自分でバイトでもして稼いで行きなさい!あっ、「バイトで稼いで」と言っても、「売り」とかそういったことは絶対にやってはダメだよ。そんな事されるとパパ、本気で泣いちゃうから・・・って事で、何だか訳が分かりませんが、前作に引き続き鈴木則文監督で送る『恐怖女子高校 暴行リンチ教室』です。

 「女番長の墓場」と言われている希望学園。その学校は風紀委員によって支配され、学校に反抗的なものに対しては拷問、暴行などが平気で行われていた。警察もその実態については把握はしているが、見て見ぬふりをしている。
 そんな学校に三人の転校生がやってくる。その代表格が十字架典子こと風間典子(杉本美樹)で、彼女は復讐心を胸に秘めていた。そんな典子に風紀委員が襲い掛かる。

 前作に比べてエロとヴァイオレンスな描写は増えたような気がします。
 映画の冒頭からいきなり僕のトラウマ映画の一つ『箱の中の女 処女いけにえ』で描かれていた拷問と同じような描写で始まるのですから!

 その拷問とは被虐者の肉体に傷をつけ、そこにチューブを取り付けます。その目の前にフラスコを設置して、そこに傷口から流れた血が一滴一滴ポトリと落ち続けているのを確認させる。そして耳元で「フラスコがある一定量にまで達すると、出血多量で死ぬんだよ」と囁くといったものです。
 実はこの拷問、刃物で傷つけた後にジワジワと血を抜いて殺していく肉体的な拷問かと思いきや、精神的に甚振ることを目的としています。なぜなら、フラスコに溜まっていく血は被虐者のものではなく、実際は裏で赤い液体を少しづつ入れているだけだから。
 フラスコに溜まっていく赤い液体を目の当たりにさせることにより、死期が近づいている事を確認させる。そして死を見える形で表現して、発狂させる。
 こんなことを誰が考え付いたのかわかりませんが、それだけで恐ろしいですね。さすが、タイトルに「暴行リンチ教室」と付いているだけのことはある。

 一方、エロに関しても前作よりもねっとりとした感じと言いますか・・・情報を引き出すためにレズの風紀委員をトイレで襲うシーンなんて、妙に艶めかしい。
 前作はエロに関しては「どうしてこれで成人指定?」って感じでしたが、今回は納得。映画は大人になってから!
 嫁さんと一緒に観ていたら、少し気まずい雰囲気になったと思う。

 ただ、今回の映画と前作、どちらが好きかと問われれば即答で「前作!」と答えますね。

 学生運動などが盛んなころに作られたせいなのか、反体制・反権力色がちょっと強すぎ。ラストの女学生がゲバ棒片手に警官と抗争を繰り広げる姿とか、ちょっと僕が求めている娯楽色とはかけ離れている気がしました。
 前作も反権力の姿勢は垣間見えましたけど、制服を燃やして上半身裸で仁王立ちになる事によって権力からの解放を表現していたのに比べると、ちょっと露骨すぎやしない?言葉は悪いが、底が浅いと言いますか・・・。

 楽しみにしていた杉本美樹VS池玲子のタイマンバトルに関しても、結局試合順延。「続きは練鑑で」って、結局あのタイマン仁義(要は一騎打ちの申し込みのこと)は何だったんだよ!それはないでしょ。
 前作に出演していた由利徹、大泉滉、岡八郎といったお笑い担当面子もいないため、その辺も少しさびしかったかな。
 
 まぁ、僕にとって前作が傑作過ぎたって事かな。

 ★★★

 2012 #52

 ↓少しでも心に響くものがあるようでしたらクリックを↓
 人気blogランキングへ