ムーンライズ・キングダム

 最近のガキンチョは、大分ませているのかもしれない。ラジオでネタにされていたことですが、幼稚園児のくせにバレンタインデーには男子にチョコレートをあげたりするらしい。しかも本命一人に上げる子の割合も意外と多いのだとか。
 大体、そのチョコを買うお金はどこから出ているのだと。「そういった色恋沙汰は、股に毛が生えるようになってからやりなさい!第一、僕がガキンチョの頃は云々・・・」と説教してみたくもなる。もうオッサンだね。

 しかし、もしその一枚のチョコレートはいつも頑張っているパパの為というのならば、すべて許そう!例え自分の財布から出たお金で買ったチョコレートであったとしても、子供らしいその発想が嬉しいではないか!

 うちのチビもきっとくれるはず・・・と、親バカ発言をさせて頂いたところで、ウェス・アンダーソン監督作品『ムーンライズ・キングダム』です。
 カーキスカウトを脱走したサム・シャカスキー(ジャレッド・ギルマン)は、一年前に知り合って文通を続けていたスージー・ビショップ(カーラ・ヘイワード)と落ち合い、ある入り江を目指して歩き続ける。
 サムの脱走を知ったウォード隊長(エドワード・ノートン)や、スージーの父親(ビル・マーレイ)・母親(フランシス・マクドーマンド)、そこに警察官(ブルース・ウィリス)も加わって、二人の後を追うが・・・。

 まだ小さい子供が親元を離れ、駆け落ちをする。初めての恋の物語。
 ということで、僕が意外と好きなジャンルの映画なので、公開を楽しみにしていました。でも不安材料もありまして、それは監督がウェス・アンダーソンだというところ。僕はこの監督、正直苦手なんですよね。
 『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』を劇場公開時に観に行った程度なんですが、何だか気に入らなかった。理由は分からないけれど、兎に角、気に入らなかったのです。よく出来た映画なのかもしれないけれど、何故か受け付けない。

 こんな事から期待半分、不安半分の状態で劇場に足を運びましたが、どちらかというと不安的中といった感じでしょうか。
 僕はこの映画に出てくるガキンチョは、あまり可愛げがない気がします。まだ小学生くらいの分際で、渚で抱きあった挙句、舌を絡めたキスだと!馬鹿もん!
 そういった事はチン毛が生えてからやりなさい!
 僕が小学生の頃なんて女性と抱き合うどころか、手を繋いだことすらほとんどなかった。面と向かって話したことも・・・って書いているうちに、だんだん侘しくなってきた。

 こんな調子で僕が想像していた初恋物語とは大分印象が異なります。
 僕はもっと青臭い恋物語が観たい。『檸檬のころ』という映画で、柄本佑が想いを寄せる女の子の髪を触って、「これが今の僕が出来る精一杯の事だ」というシーンがありました。こういった格好悪かったり、淡い恋物語を期待していたのです。
 しかし、この映画は小学生くらいの分際で舌を絡めたキスなのですから、次元が全然違いすぎる。この二人には、感情移入すらできません。

 こうなってくるとダメでして、色んなところで腹が立ってくる。
 オープニングのカメラが縦横に平行移動して行くと、その先に双眼鏡を構えた女の子が構えているというシーンの連続なんかは、狙いすぎなあざとい演出にしか思えなくなってしまう。
 また、原色を使った街並みや、ちょっと変わった登場人物同士で奏であうアンサンブル演技なんかからは「こんな世界観、人物の描き方が出来る俺って、凄くない?」という監督のナルシストっぷりが炸裂しているようで、僕は好きじゃない。

 ウェス・アンダーソン監督とは、やはり相性は良くないのだと思う。上手いと思う部分はあるけれど、好きにはなれない。小憎たらしいガキンチョを使って作り上げた、本当に可愛げのない映画って印象でした、僕にとっては。

 ★★

 2013 #16 伏見ミリオン座にて鑑賞

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