アイアンフィスト
 そういえば『燃えよドラゴン』に出演していたジム・ケリーが亡くなったそうです。僕は『燃えよドラゴン』でしかこの人の演技を観た事がありません(だって『黒帯ドラゴン』とかソフト化されないし!)が、あの整ったアフロヘアーを初めて観た瞬間「僕もアフロにしたい!」と本気で考えました。そこに花くまゆうさくの漫画の影響も少なからず影響していたかもしれないけれど、一時あの髪型に本気で憧れた。

 ただ、アフロにはしなかった。だって髪の毛の手入れがすごく大変そうですし、洗髪するとあのモッコリと膨らんだアフロが萎むと聞いて、何だか嫌になりました。あまり髪の毛の手入れに時間をかけたくないですしね〜。忙しい朝にセットで時間をかけるくらいなら、その分寝ていたい方なので。

 アフロヘアーの話は横に置いておきまして、きっとこの映画で主役を演じたRZAもジム・ケリーは好きだったんじゃないかな?ジム・ケリー氏のご冥福をお祈りいたします。

 ってことで、クエンティン・タランティーノ提供で送るRZAの俺様功夫映画『アイアン・フィスト』です。
 僕はこの映画で監督・原案・脚本・主演・音楽と(『シベリア超特急』のマイク水野先生の如き)八面六臂の活躍を見せるRZAさんの事を初めて知りました。
 ヒップホップグループ・ウータンクランの総帥ということですけど、パッと見た印象ではそれほど喧嘩は強そうではありません。体はそれほどゴツくはないですし、「もしかしたら僕でも喧嘩で勝てるかも?」と思わせてしまうのは、あのつぶらな瞳のせいなのではないでしょうか?

 それでも熱烈なカンフー映画オタクらしく、そのオタク友達がきっとクエンティン・タランティーノって事だったのでしょう。『キル・ビル』『ジャンゴ 繋がれざる者』で楽曲提供したことが縁となったのか、本作をタランティーノが全面バックアップ!ということでルーシー・リュー、ゴードン・リュー、パム・グリアといったタランティーノ映画で観た顔ぶれが所々で顔を出します。
 そんな中、何故にラッセル・クロウがこの仕事を引き受けたのかが謎ではありますが・・・まぁ、本人も意外と楽しそうだったので良いのかな?

 愛する者を殺害され、腕を切り落とされてしまった男・ブラック・スミス(RZA)。復讐に燃える彼は鍛冶屋だった経験を活かし、金属製の腕を製造。それを失われた腕に装着し、復讐を誓う・・・。

 カンフー映画では腕が折られたり、切断されたりする事はままある事です。そんな僕のお気に入り片腕カンフー映画は、ツイ・ハーク監督作品『ブレード・刀』でしょうね。熊欣欣と主人公のあまりに早すぎるバトルには、劇場でかなりの衝撃を受けてしまったものです。
 さて、この映画でもオープニングのタイトルバックで腕を引きちぎるショットがちゃんと用意されていますし、ブラック・スミスは両腕を刀でぶった切られてしまいます。
 主人公の体にハンデキャップを与え、それを努力によって克服する姿を描き出す。それにより復讐を成し遂げた時に大きなカタルシスを生み出していく。そんな定番を押さえたストーリーを期待していたのですが、意外とそうはなっていない。なぜなら訓練のシーンがないから。

 普通は障害を克服するために不断の努力が必要となるわけですが、RZAさんの場合は単純に「最強の武器を手にしたのだから、俺最強!」ってノリ。強さの秘密を説明するような描写はあるものの、説得力はあまり無い。だってRZAさんの細腕じゃあ、あの鋼で出来た腕を持ち上げる事すらままならないような気がするので。

 でも「そんなの関係ないよ!」とばかり暴れまわり、WWEのプロレスラーでもあるバティスタ相手に大立ち回り!最後は北斗神拳における秘孔まで突いてしまうのだから驚いた。
 まぁ僕なんかも格闘ビデオなんかを観ると自分が強くなったような気がしてくる性質なので、それと似たような感じなのかな。カンフー映画の世界の中に飛び込むと自分が強くなったような気になる。おまけに自分が監督・脚本を担当しているわけですから、自分より強そうな連中をバッタバッタとなぎ倒すことだって映画の世界では可能なわけです。
 夢を叶えたRZAさんの姿。生き生きと大男相手にバトルを繰り広げる姿に男として少しばかり憧れを抱いてしまったのでした。ということで続編、求む!

 そうそう、この映画って功夫に目が行きがちですけど、マカロニウエスタンの要素も入っていましたよね?馬車に積み込まれた金塊を奪おうとするストーリーや、復讐の要素、そして最後に出てくるガトリング砲。ここら辺はマカロニウエスタンの定番要素であることを考えると、律儀に「タランティーノ親分の『ジャンゴ繋がれざる者』もヨロシク!」と仁義を切っているのかもしれません。

 だとしたらRZAさん、なかなか見上げた漢じゃん!

 ★★★☆

 2013 #79 ピカデリー2にて鑑賞

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