sugaramurudhi


 魔女というと過去の存在といったイメージありますが、今でも稀に話題として取り上げられることが有ります。実際、アフリカのタンザニアでは性的能力を喪失する呪いを魔女にかけられたと信じた男が、女性2人を惨殺。こんな前時代的なニュースがヤフーニュースのトップを時々飾るわけです。
 魔女狩りなんて言うと「いつの時代の話だよ」って気がしますが、世界を見回してみるとそれが未だに平然と行われている地域が存在する事に驚かされます。
 ただこれらのニュースを読むと、何らかの腹いせに相手女性に対して「魔女」というレッテルを張り、それを大義名分として暴力を正当化している。そんな気もしますが・・・。

 因みにもし「魔女」が「魔法少女」の略称であったとするならば、世界は平和なのかもしれない。だって「魔法少女」というと、日本では可愛い女の子が多く登場するアニメなどのイメージに直結しますし。
 映画化もされている『魔法少女まどかマギカ 』などが絶大な支持を受けているという事は、「魔女」ならぬ「魔法少女」という存在には何らか魅力があるのでしょう。観た事は無いので内容は解りませんが・・・でも話によると、このアニメって残酷なストーリーでしたっけ?

 ってことで、アレックス・デ・ラ・イグレシア監督作品『スガラムルディの魔女』です。

 ホセ(ウーゴ・シルバ)は失業中の身であり、嫁さんからは愛想を尽かされていた。彼は妻と暮らす子供との面会日に仲間と共に大道芸人の振りをして質屋を襲撃。見事に金を盗み出すのだが、警察にバレて銃撃戦に。警察の追撃をかわして訪れたのはスガラムルディという魔女の町。ここを抜けて国境を越えれば大金持ちになれるはずだったのだが・・・。

 それなりにオカルトテイストのある映画かと思ったら、正真正銘のコメディ映画だった!
 オープニングから繰り広げられる質屋襲撃シーンからからして何処かおかしい。だってグリーンアーミーメンやスポンジボブ、そして果てはキリストのコスプレをして襲撃をする訳ですから。おまけにミッキーマウスっぽい存在まで登場!ただ流石にディズニーに恐れをなしたのか、原形を少し崩した形での登場でしたけれど・・・でも、アメリカを象徴するようなキャラクターを使っての質屋襲撃。
 監督がスペイン人という事でアメリカを一寸面白おかしく揶揄してみた感じなのかな?

 映画は『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のように前半と後半でガラリと印象の違った仕上がりになっておりまして、前半は先ほども書いたように質屋を襲撃して金を盗むという犯罪映画のテイスト。警察とカーチェイスや銃撃戦を繰り広げたりします。でも随所に主人公とその奥さんとの電話での内輪もめが挿入されたり、野郎ども全員が実は恐妻家だったことが明らかになるなど、そこにコメディのテイストも充填。
 でもこれが映画後半への伏線にもなっていくのです。彼らが近を奪い国境を追越えようと訪れた街・スガラムルディ。この地は魔女の町として知られている事が明らかになるわけですが、ここから展開されるのは彼らと魔女とのバトル。いや、このスガラムルディを起点に完全に男性対女性のバトルへと切り替わっていきます。

 これを観ていると、兎に角女性が強いと感じます。男性が不利な立場に立たされ続けるのには、相手が魔女であり、特殊な力を持っているという点もあるでしょう。見た目はお婆さんでも、入れ歯代わりにトラバサミの様なものを装着して噛みついてくるのですから・・・お前はかみつきばあちゃんかっ!
 って事で、「かみつきばあちゃん」って知ってます?僕が小学生の頃だったかに流行った消しゴムでして、入れ歯の部分に鉛筆を挟んで使えるといった代物なのですが・・・「解からない」という新世代の方はこちらを参照に。僕の子供の頃には、これが何故か流行ったんだよ!閑話休題。

 何はともあれ、このスガラムルディの地に入ってしまえば、男性であれば犯罪者も警察も一緒。全てが生贄(つまり捕食)の対象なわけです。主人公の嫁さんも旦那とその子供を追ってこの地に辿り着く訳ですが、この地で才能を開花。男性を切って捨てる立派な魔女へと変身を遂げる。
 おまけに巨大な垂れ乳クリーチャーまで登場し、男性は絶体絶命。男と男の友情を超えた非常時で燃え上がる恋も描かれてますが、女性陣の猛攻の前には風前の灯。圧倒的に女性有利に話は展開していきます。

 ただね、女の武器と呼ばれるものがあるのなら、男だって武器はあります!
 別に股間を屹立させて、その剣によって魔女どもに立ち向かう。そういった展開ではありませんが、やはり男の魅力で魔女を籠絡する。そんな展開も用意されています。男だって負けてはいません。
 この主人公に恋する魔女が、ちょっと可愛らしい。でもスタイルは阿婆擦れっぽいし、「男を誘惑して落とし込んだ」なんて台詞もありましたが、意外な事に内面は純情。ラスト付近で惚れた男に見限られたとしても、彼のために命を懸けて大活躍する姿に胸を打たれる。また好きな人に接吻をされて咆哮を上げる姿も怖いが、可愛らしい。 「魔法少女で萌え!」ってノリとはまた違うけれど、胸が一寸キュンとした。
 不良だと思っていた少女が実は純なところもあって・・・って設定の漫画なんかがあるじゃないですか。あんなノリですな。

 ある意味では女性上位の映画だと思う。奥さんが魔女以上に怖いというのも分からなくはない。でも男あっての女ですし、女あっての男。お互いの補完しあって生きているのですから、仲良くしましょう!
 という事で、上手く纏められないからテキトーに纏めてしまった・・・。

 ★★★★

 2015 #29

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