映画大陸

映画の感想を思うがままにつらつらと書いたPG-12指定ブログ。
ネタバレしている場合があるので映画を観てから感想を読んで下さいな
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変な映画見つけた

『ホーリー・マウンテン』

Holymountain


 名古屋駅からJRに乗って10分20分行ったところに刈谷駅が有ります。デンソーの本社があるなど自動車産業の集積地でもあるわけですが、そこに刈谷日劇という映画館がある。今まで刈谷に行く事なぞ無かったので完全にノーマークでしたが、ここが愛知県では数少ない名画座だったのです!
 劇場は2つあり、一つは昔で言う二番館(上映が終了した新作を上映している映画館)。そしてもう一つのスクリーンでは二本立て上映で過去作が流されています。しかも入場料も800円!
 基本的にフィルム上映ではなくDVD上映となっていますが、それでも映画館で過去の名作や怪作を拝める環境というのは、僕にとってはとても貴重!愛知には東京のシネマヴェーラやラピュタ阿佐ヶ谷のような映画館はありませんから!いいな、東京は映画を観る環境が整っていて・・・でも刈谷日劇ならきっと面白い事をやってくれそうな気もするのです。

 何はともあれ、初めて刈谷日劇に乗り込んできました。だって上映作品が『ホーリー・マウンテン』と『エル・トポ』の二本立てですよ!頭がおかしくなるほど濃すぎるラインナップだっ!

 ってことで、まずはアレハンドロ・ホドロフスキー監督作品『ホーリー・マウンテン』です。続きを読む

『狂わせたいの』

狂わせたいの

 おそらく僕が初めてレイトショー上映で観た映画が、これじゃないかなと思う。名古屋シネマテークという今池の雑居ビル内にある50人程度しか収容できない劇場に出かけ、恐る恐る観た思い出が懐かしい。
 それでもエロと昭和歌謡曲のコラボレーションにまだ若かった僕は衝撃を受け、当時ブログではなくHTMLをメモ帳に書き書きしながら作成していた「映画大陸」時代において、その年のベスト10に選出しさせて頂いた(はずの)一本。

 「また観たいなぁ〜」とは常々思いつつも、なかなかレンタルビデオで見かける事もないまま時だけが経過していったわけですが、この映画を作った石橋義正監督の新作『ミクローゼ』がこの年末に公開されると知り、何となくツ〇ヤで検索。すると、いとも呆気なく発見できてしまった。恐るべし、ネット宅配レンタル!

 って事で、石橋義正監督の『狂わせたいの』です。続きを読む

『ゾンビアス』

ゾンビアス

 ボヨヨン ボヨヨン ボヨヨン ボヨヨン
 ボヨヨン ボヨヨン ロックンロール
 俺はおならで空を飛べるぜ 俺のおしりはマッハ5千だ
 あの街 この街 空を見ろ 俺が描いた飛行機雲よ〜♪

 何故にこの映画の主題歌は、まんが道の『ボヨヨンロック』じゃないのだろう?
 この部分の歌詞だけ取り上げれば、これ以上の選曲はあり得ないような気がするのですが・・・って事で、もう映画の内容は大体お分かりいただけた事でしょう。だって、この歌詞通りの出来事が起こりますから!

 そう、これはもしかしたらかなり危険な映画かも知れない。
 家族みんながお茶の間に集まって、仲良く観るタイプの映画ではない。一緒に観た嫁さんは笑いつつも「汚い」「バッチい」「キモい」を繰り返していましたから。
 トイレから糞まみれのゾンビ(ウンデッドというらしい)が這い出てきて、ウ〇コを投げつけてくる映画なんて、この映画以外ではあり得ないでしょうしね。

 以下、あまりウ〇コを連発すると当ブログの品位を貶めることになりかねないので(まぁ、品位なんて元からないけどね)、敢えてSM小説などで使われる「黄金」と記すことにします。
 って事で、井口昇監督の『ゾンビアス』です。続きを読む

『ラバー』

ラバー

 「タイヤトークしませんか?」
 このような無茶なお誘いをしてくるブリ〇ストンのCMを一度は見かけたことがあるのではないでしょうか?
 僕は車を運転しますが、車自体にそれほど関心や拘りがあるわけではありません。タイヤに関してもほとんど知りませんし、語るべきことも特にありません。
 一度社用車を運転している際にパンクしたことがありますが、タイヤ交換の方法がわからずにロードサービスを呼んだくらいですから。教習所でタイヤ交換を習った記憶はありますが、ほとんど見ていただけだったような気がします。

 そんな僕にタイヤトークを薦めてくるのなら、やってやろうじゃないですか。
 おい、石原さとみ!タイヤ好きが集まるタイヤカフェに通っているのなら、当然この映画の話題でさぞかし盛り上がっているのだろうな?
 まさか殺人タイヤ映画『ラバー』をチェックしていないなんて事はないよな、タイヤが大好きなくせに!…なんて理由もなく絡んでみた。だって’No Reason’を公言する映画だもん!

 ストーリーは、タイヤが勝手に動いて人を殺す。以上。

 映画の冒頭から「『悪魔のいけにえ』は人を殺した後になぜ手を洗わないのか?理由はない」などと名作と呼ばれる映画を例にあげ、御託を並べ立てる。
 つまり、人生も常に意味があることばかりではないので、理由がない出来事をちゃんと描ける映画こそ、名作と呼ばれるに値する映画なのだ!
 これがこの映画の主張らしい。

 そのせいなのか、不可解な描写が永遠と続きます。
 なぜタイヤが念力を使って人を殺すのか、なぜタイヤはシャワーを浴びるのか、なぜタイヤはテレビを観るのが好きなのか・・・多くの「なぜ」が観る者の頭に去来するものの、その答えは全く提示されません。
 そもそもタイヤが勝手に動き始めたきっかけすら最後までわからない。

 今までに観たことがないタイプの映画だと断言はできます。
 映画の冒頭で「この映画で起きる出来事すべて理由はない」と宣言しているものだから、意味不明な描写の羅列でも反論はできないところが口惜しい。
 やり方として最初に声高々と「理由はない」と宣言して逃げを打つ卑怯な手法の映画だと思いつつ、「もしかしたら現代アートの観点からすれば相当に凄い映画なのかもしれない」という錯覚にも陥りかねない、まさに何だか分からない映画。

 タイヤが念力で人間を殺害する際に体をプルプルと震わせるのですが、そういった仕草がちょっと可愛かったりもします。女性のシャワーを覗き見たりする姿もちょっとだけ愛おしい(タイヤのくせに勃つのか?)。
 おそらくタイヤに対して「かわいい」「愛おしい」という感情が湧く映画は、他にはないでしょう。そういった意味においては映画界における無二の存在だと言い切れる面はありますが・・・これを評価すべきなのかどうかは、わかりません。
 途中何度かウトウトと眠りに落ちかけましたが、ストーリーの把握などに関しては問題がなかったと確信しています。理由はないけど。

 ただ、一つだけこの映画を好きになれない絶対的な理由があります。
 それはウサギを念力で木端微塵にしてしまうシーンがあること。
 馬鹿野郎!ウサギが人間の友達であることは、世界の真理!理由なぞない!
 口をモゴモゴとさせていた可愛いうさちゃんを肉塊に変えてしまうなんて、いくらウサギを食す習慣があるフランスの映画だからと言って、絶対に許せません。

 動物を木端微塵にしたいのであれば、ブリ〇ストンの大株主のアホボンで、毎月何千万もの贈与を受けていたにもかかわらず、一部は時効の加減で租税回避。「友愛」などと意味不明な鳴き方をして国政を昏迷に陥れた鳩ぽっぽにしておけばギャグとして通用したのではないかなと思う。
 政治的な含蓄もある発言で多少問題もあるのかもしれませんが、これを書いた理由は特にありません。だって僕はノンポリだもん。

 そうそう、因みにタイヤの名前はロバートだそうです。なんじゃそりゃ。

 ★☆

 2012 #43

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『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』

ブログネタ
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女獄門帖 引き裂かれた尼僧


 ※ この記事は2006年9月に書いたものに多少の加筆修正をしたものです。

 色々な映画関連の本や雑誌に目を通していると映画好きの方ならきっと「死ぬまでにこれだけは観ておきたい!」という作品に遭遇することもあるかと思います。
 実は牧口雄二監督の『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』は僕にとって「死ぬまでに観たい」作品の中の一本だったわけでして、映画秘宝(ムック版のほうね)で知って以来ずっと気になる存在だったのです。

 そんなある日、『女獄門帖〜』が久々にスクリーンで復活するとの情報が舞い込んできたのです!しかし東京でのみでの上映。
 名古屋からの移動を考えるとと「お金もかかるしなぁ〜」と飲み代による支出でメッキリ薄くなってしまった財布を眺めながら「行くべきか、行くべきでないか」と少し悩んでしまったのですが・・・やっぱり行かにゃならんでしょ!
 これを逃したらもう観る機会が無いかもしれないですしね(平成24年になってDVDが発売するなんて、当時の僕は想像すらしてなかった)。

 ってことでシネマヴェーラ渋谷で行なわれている「妄執、異形の人々 Mondo Cinemaverique!」という特集上映に出かけてきました!無論、シネマヴェーラ渋谷と言う映画館には初上陸であります。

 このシネマヴェーラと言う映画館。過去には「笑うポルノ、ヌケるコメディ」と題された特集上映で牧口監督の『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』(これも死ぬまでに観たい映画の一本でしたが、これに関してもDVD発売!購入して観ることができました。でもこれでヌケるとは思えないけど・・・)や黒沢清監督の『神田川淫乱戦争』を上映するなどなかなか分かっている感じの映画館なのです。
 古い映画ばかり上映しているわけですから掘っ立て小屋のようなボロボロの劇場だと勝手に思っていたのですが・・・滅茶苦茶きれいで驚いた!モギリやっている人だって愛想の欠片も無い婆さんじゃないぞ!若いお姉ちゃんだっ!
 座り心地の良い椅子に腰を下ろし、「東京に住んでいたら間違いなくこの映画館に通うだろうなぁ〜」などと思っていると劇場が闇に包まれる。
 ついに、ついに念願の『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』との初対面!
 そしてスクリーンに映し出された映画は噂に違わぬ怪作だったのです。

 女郎生活が嫌になり、女衒の隙をついて上手く逃亡したおみの(田島はるか)。彼女は客から「三年間修行すれば俗世と縁を切る事が出来る」と教えてもらった愁月院という名前の尼寺を探して身も心もボロボロになりつつ旅に出るのだが・・・。

 いやぁ〜なんと言いますか。
 1時間ちょっとの映画にも関わらずこの濃さは一体何なのでしょう?

 俗世との縁を断ち切るために訪れた人里離れた尼寺には秘密が隠されていたといった至極単純な話なんですが、凄いなこれ!確か「映画秘宝」ではこの映画を“日本の『悪魔のいけにえ』”と評していたように記憶しておりますが、う〜ん、確かにそうかも(今回DVDで観たところ、ちょっと『悪魔のいけにえ』とは違うタイプかなって気がしました)。
 もう何処からどう見てもキ○ガイにしか見えない志賀勝が傍らに置いている肉片を手に取り、その骨にむしゃぶりつく姿なんて一生のトラウマになってしまいそうなほどのインパクトを持って観る者に迫ってくる!
 あの気味の悪い喋り方といい、笑い方といい「狂ってる」としか形容出来ません。

 で、この尼寺がまたブッ飛んでおりまして、ここで暮らす尼さんは肉を食べる(もしかしたら人肉かも)は、アヘンを吸うは、レズレズな世界が繰り広げられるは・・・と、誰がどう見ても仏門に帰依するつもりなど毛頭ありません。
 それもそのはず。この尼寺の真の目的とは自分達を粗末に扱った男に対する復讐なのです。つまり寺にやってきた男を無残に殺害するためにこの寺は存在するのです。
 寺を訪れた男が善人であろうが悪人であろうが関係なし。チ○ポ付いてりゃ皆平等って感じで、寺の門を潜った男は決してその門を再び潜ることは無いのです。

 そしてやってきた男は狂った尼僧達に甚振られ、次々と殺害されていく。 
 ある者は口から泡を吹くまで痛めつけられ、ある者は無残にも首をブチッと引き千切られてしまう(あんな汚い切り口の首チョンパは初めて観たよ!)。
 そして佐藤蛾次郎は・・・う〜ん、これは流石に書けないなぁ〜。あんな酷い殺され方は今まで観た事が無いです。
 でもちょっとだけヒントを書いておくと『ビジターQ』『極道大恐怖劇場 牛頭』などの三池作品で飛びまくっていたあの白い液体を使って・・・って感じなんですけど。あんな死に方だけは絶対にしたくないですね。
 涙は女の最大の武器なんて言いますが、実はあの白い液体こそが最凶の武器なのかも!

 勿論登場する脱ぎっぷりの良い女優陣も素晴らしく、特に主演の田島はるか(再見したら、少し片平なぎさに似ているような気がした)は前半部分と後半部分で全く別人のようになってしまいます。
 あのような状況に置かれれば狂ってしまうのも無理の無いことかと思いますが、あの完全にイッちゃった目つきはとても演技だとは思えません。実際に女優さんを肉体的・精神的に苛み危険な状況にまで追い込んだとしか思えないのですが、当時の映画ならこれも有りうるのかな?

 ギャグや悪趣味といった次元を遥かに超越した世界観。意外と気合の入ったスプラッター描写。そして出番が少ない割りに美味しいところを掻っ攫っていく不気味すぎる志賀勝。
 スクリーンに映し出されているのは悲惨な描写の数々にも関わらず、寺に保存されていた即身仏が急にドーンと立ち上がる荒唐無稽な描写で何故か心が癒されてしまったりもする不思議な作品。
 ここまで突き抜けてしまえばある意味立派と言いますか・・・上映終了後に心から拍手を送りたい気分になった。こういった強引さは今の日本映画には欠けているかもしれませんね。

 ところで男なら必ず殺すことになっていた尼寺の中で何故にキ○ガイの志賀勝だけは受け入れられていたのだろう?まさかとは思うが彼の役柄は実は女性という設定だったとか・・・そういえば衣装が少し女性っぽかった気がする。
 無理がありすぎる気もするけれど、ルール無用のこの映画だったら有り得るかもなんて思ったり。そう考えると色んな意味での恐ろしさが倍増しますね。

 しかし、この映画のインパクトを遥かに超越する映画をこのすぐ後に観てしまったのです。その映画とは同時上映されていた江戸川乱歩原作、増村保造監督の『盲獣』なんですが・・・これについてはまた後日ってことで。
 これもガチで凄かった・・・(って、この組み合わせが今考えると凄すぎだわ)。


 ※ ネット宅配レンタルでツ〇ヤを利用されている方々で、この映画に興味を持った方へ

 アダルトコーナーで「尼僧」と検索すればこの映画が出てきます。
 アダルト以外のコーナーで検索しても、他の牧口作品は出てきてもこの映画だけは引っかかりません。
 ただし、アダルトコーナーで「尼僧」と検索すると、一緒に変な映画も出てきますので、ご注意を!

 ★★★★☆

 2012 #26

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『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』

徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑

 恐るべき事実が判明した。
 今回の映画で2012年になって取り上げた映画が25本目(僕にしては超ハイペース更新!)となりますが、本作を含めて内7本が成人指定映画なんです。
 な、な、なんと成人指定映画含有率は驚きの28%!
 これってなかなか凄い数字じゃないですか?まだこの含有率が高まる可能性もあるし。

 今年は日活100周年記念に便乗して日活ロマンポルノを観るようになった事が一番大きな原因なのは間違いありませんが、実はここには隠されたもう一つ理由があります。
 当ブログの検索キーワードランキングの上位にここ最近、常駐している映画があります。それが今回紹介する映画と密接な関連があって(それについてはDVD購入済み。いずれその感想文を加筆修正して再掲載する予定)と書くと勘の良い方は、どの映画かお気づきになったかもしれませんね。
 つまり危険なタイプの映画に当ブログの需要がある事が判明したのです。

 ということで、このような過疎ブログにわざわざ来ていただいた方々の希望に応えたいという一心で、今回は牧口雄二監督の『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』を取り上げます!

 物語は二部構成になってます。
 第一部  長崎奉行の与力・佐々木伊織(風戸佑介)は蛇に噛まれたところを登世(内村レナ)に救われる。それが縁となって二人は仲睦まじい関係となるが、登世が当時長崎で弾圧を加えられていたキリスト教徒である事が発覚。一族もろとも連れ去られてしまう。
 異教徒に対して拷問を嬉々として加え続ける長崎奉行・高坂主膳(汐路章)は登世と伊織の関係を知り、嗜虐性を剥き出しにする。

 第二部 捨蔵(川谷拓三)は遊郭で豪遊をした挙句、金が払えない事が分かったことにより下働きを命じられ、コキ使われる毎日。雑用に追われていたものの、ある日、足抜け(女郎を連れ出して逃げる事)を図った男の男根切除を命ぜられ、心根は優しい捨蔵は女郎小屋にいる事が怖くなってしまう。彼は気心の知れた女郎のおさと(橘麻紀)と共に足抜けする決意をするが・・・。

 おそらくは今回紹介する映画のタイトルを観ただけで「うわっ!」と嫌悪感しか抱かない方もいらっしゃるでしょう。確かに色々と視覚的に酷い描写が続く映画ではあるので、絶対にお勧めとは言いませんし、言えません。以下、酷い内容の文章が続くかもしれません。
 でも、川谷拓三と汐路章は素晴らしかった事だけは最初に記しておきたいと思います。劇場公開当時に観ていたならば、二人とも間違いなく助演男優賞候補でしょうね。

 石井輝男監督の『徳川女刑罰史』の感想でも書いているけれど、この手の映画を観ていると300年にも渡る太平の世とも言われた江戸時代って、実は拷問が一番凄惨を極めた時期なのではないかなという気がします。
 平和な世の中というと聞こえは良いのですが、この映画のオープニングにもあるように生き物の世界は基本的に弱肉強食。強きが弱きを駆逐する世界。この世界のどこかで常に争いがあるように、平和と暴力は常に表裏一体の関係にあるとも言えるでしょう。

 特に人間の負の発想というのは恐ろしいもの。
 前に拷問に関する本を読んだ事がありますが、そこに描かれている内容は「よくもまぁ、こんなことを考え付いたな」と思えるような事ばかり。「どうやって人を痛めつけ、苦しめてやろうか」と試行錯誤している姿を想像するだけで鳥肌が立ちそうです。
 日常では考えない様な事を考えている人がいるという事実は、受けとめておいた方が良いのでしょうね。

 勿論、この映画にも沢山の拷問が出てきます。磔、焼き鏝、蛇責め、水車廻しに鋸引き・・・と拷問描写のオンパレード!つるべ打ち!

 その中で一番驚いたのが蒸し焼きの刑ですね。読んで字の如くそのままな内容の拷問ですが、蒸し焼きにするために受刑者に被せる蓋がタヌキの形をしている事が怖かった。
 誰もがパッと頭に浮かぶであろう、あの徳利を持ったタヌキの置物。これを拷問器具として使おうという発想が一体どこから生まれてきたのか、僕には分かりません。
 まさかタヌキの置物を見て、これで自分が殺されるなんて誰も想像しないはず。そんな日常的に見かける物が、非日常的な拷問器具へと変容するという事実。これがこういった拷問を扱う映画の怖さでもあり、人間の怖さでもあるのだと思う。

 そしてタイトルにもなっている牛裂きの刑。
 この時に汐路章が語る「股がめりめりと裂ける」という表現があまりに不気味すぎて耳から離れませんが、以前読んだ拷問の本では馬裂きの刑が掲載されていました。
 そして今フト思いだしたのが『カランバ』(未見)という映画。映画秘宝のムック本で紹介されていた残酷ドキュメンタリー映画ですが、こちらでは車で腕を引っ張って千切る映像(でも、ヤラセ映像らしい)が話題となり、大ヒットしたとの事。
 馬にしろ、車にしろ瞬間的な勢いは牛よりはありそうなので、牛にめりめりと股を割かれるよりは苦痛を味わう時間は短いのかなと思ったのですが・・・どうなんでしょうね?

 それだけにジワジワと苦しみが訪れる牛裂き描写はなかなか強烈!かなり危険です!

 この残酷極まりない描写で映画が閉幕だったとすれば、さぞかし気分がどんよりと堕ち込んでいた事でしょう。「なんでこんな映画を観てしまったのだろう」と激しく後悔したかもしれません。DVDまで買っちゃってさ…。
 しかし、牛裂きの刑は第一部のクライマックスに用意されています。
 そして第二部のオープニングは川谷拓三の裸踊りから始まります。

 この構成が絶妙で、牛裂き描写で「なんか嫌な物を観ちゃったな」という気分を川谷拓三がどんちゃん騒ぎしている姿で一気に和ませるのです。
 川谷拓三のキャラクターのおかげもあるのでしょうが、この辺の精神的なケアが行き届いているあたりにこの映画を作った人たちの優しさや温もりを少し感じてみたり。

 映画雑誌の記事を読んだところ、牧口雄二監督って恐ろしい映画を撮るけれど、かなり温厚な人柄のようですね。業界の人たちからも、かなり慕われているらしいですし。もしかしたらその辺の人柄が、この映画の構成に表れているのかなと思いました。
 タイトルに「牛裂きの刑」とあれば、普通はそれを映画のクライマックスに持ってきたくなりますからね。本当にげんなりすると思うよ、牛裂きがクライマックスだと。

 ★★★★

 2012 #25

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『ムカデ人間』

ムカデ人間

 人間は一本の管で出来ている。

 これは確か三池崇史監督の『殺し屋1』の中にあった台詞だったと思うけど、この映画を観ていると本当にそうなのかもしれないと思えてきます。
 なぜなら掲載したDVDのジャケットに描かれている絵のように三人の人間を一本の管で繋げてみれば、あっという間に『ムカデ人間』の出来上がり!
 何故、こんなことをしたのかって?
 医療の進歩のため?医療技術の革新のため?
 そんなことこの映画を最初から最後まで観てもよく分かりません。単なるキ〇ガイの思いつきなんでしょうね。

 ヨーロッパ旅行をしているアメリカ人女性リンジー(アシュリー・C・ウィリアムズ)とジェニー(アシュリン・イェニー)は、ドイツの山間部にて車がパンクしてしまう。タイヤ交換の仕方も分からないし、携帯電話も圏外で繋がらない。
 そこで歩いて救いを求めることにするが、雨も降ってきた上に森の中で道に迷ってしまい、途方に暮れることとなる。そんな彼女たちに希望の光が差しこむ。目の前に一軒の家が現れたのだ。
 救いを求める二人の女性を外科医のハイター博士(ディーター・ラーザー)は自宅に招き入れるのだが・・・。

 まぁ、ムカデ人間という発想は確かに面白い。
 人間の口唇部と肛門部を接合して、新たな生命体を作る。僕の日常生活において生まれてこの方、こんな凄い事が頭に思い浮かんだ経験は、一度としてありません。
 まさに神の領域、キ〇ガイの所業!

 でも、三人が数珠繋ぎとなって這って歩きまわる姿は、まさに悪趣味の極み(足の腱を切断されているので、立って歩けないのです)。
 前から順番にABCの三人が繋がれるわけですが、Bは自分の口唇部がAの肛門部に接合され、Cは自分の口唇部がBの肛門部に接合される。つまり真中のBは自分の口唇部も肛門部も接合されているので、一番自由の利かない立場に置かれている訳です。
 もし自分がムカデ人間にされたとするならば、絶対にBだけは嫌ですね。「じゃあ、どの部分に繋がれたいのか?」と問われると困るのですが・・・でも敢えて言えば、やっぱ先頭のAが一番良いのかな。
 だって先頭以外は前の人のウ〇コを食べなきゃならないってのが嫌すぎます。まぁ、毎回「堪忍、堪忍な」と罪悪感を抱きながら排泄しなければならないというのも辛いですが・・・こちらはいずれ慣れるかもしれないし(って、鬼??)。

 まぁ、ここまで書いているのを読んでいただいて気持ち悪くなった方もいらっしゃるはず。
 本当申し訳なく思っております。ただ最後までこんな文章が続いていくと思いますので、嫌悪感を抱かれた方はこの先読む必要はないですし、この映画を無理に観る必要もないと思います。安心してお引き返しください。

 でも、本当にいけない人間はこんな映画を作ってしまった連中ですよね。
 こうなったら、こいつらをムカデ人間にしてやるべき。前からABCDEFG・・・と順番に繋げていって「こんな映画を作ってしまってすいません」と謝罪させるべき。
 おまけに映画が終わったら「特報 『ムカデ人間』は三部作です」なんて抜かしてやがるのですから、さらに罪深い!今度は12人だと!悪のりが過ぎるぞ!
 こうなったらAの口唇部を最後尾の人間の肛門部に接合して、環状線人間にしてやるべき。でも環状線人間にしてやると、ご飯を食べる人と最後に排泄する人がいなくなってしまいます。どこかで分岐路を作らなきゃならないですね。
 だとすると男性の陰茎部と肛門部を接合し、そこにバイパスを通して入口と出口の役割を担わせれば・・・なんか下品かつ猟奇的な文章になってしまい、返す返す本当に心苦しく思います。
 でも、こういう下劣な映画なのです!ネタとして観る分には良いのかもしれませんが、取扱いにそれなりの注意は必要でしょうね。

 ただ、あのマッドサイエンティスト・ハイター博士が長塚京三に観えて仕方がなかった点とムカデ人間の先頭が何故か日本人であることは最後にご報告申し上げておきます。もしかして日本の映画会社が出資してる?
 それと相手の尻に顔をつけるキス・マイ・アス状態で演技し続けなければならなかった女優二人には、「よく頑張ったね」と励ましの言葉をかけてあげたいです。

 返す返す下品な文章で失礼いたしました。
 でも実は悪く書いてばかりいる割に、それほど嫌いな映画じゃなかったりします。突飛な発想以外の点においては、割と普通に楽しめるホラー映画ですし。
 続編も観ちゃうかも。もし『3』の時点で25人連結して両手両足4本×25人で100本。ムカデは漢字で百足と書くから、「これぞムカデ人間の最終形態」となるのであれば、「なるほどね」と素直に思える日がいつか来るのかもしれないし、来ないのかもしれない。

 どうなんでしょう??

 2012 #17

 ★★☆

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『ザ・フィースト』

『ザ・フィースト』 さぁ〜、よいこのみんな!ついにみんなの大好きなあの「おしりかじり虫」が実写映画化されましたよぉ〜!
 実写映画化を記念して今日はお兄さんと一緒に仲良く歌いましょう!

 おしりかじり虫 おしりかじり虫〜♪
 かじり稼業は歯が命 虫歯になったら命取り♪
 おしりかじり虫 おしりかじり虫〜♪
 おしりとおしりでお知り合い♪ ヒップアタック 越中詩郎♪

 さぁ、元気に歌い終えたところでみんなに残念なお知らせだ。実はこの映画、R-15指定だったので〜す!という事でよい子のみんなは観る事が出来ません。おち○ちんに毛が生えてから観てくださいね!
 ってことで『ザ・フィースト』です。続きを読む

『悪魔のしたたり』

『悪魔のしたたり』 街はクリスマス気分一色ですね。町中がライトアップされればされるほど僕の気分はだんだんと暗くなっていく嫌な季節でありますが、どうやら最近それにも慣れてしまったようです。
 一人でいる期間が長引けば長引くほどクリスマスという恋人達にとっての一大イベントも僕にとっては一年365日のうちの一日って感じで大したことなくなってきました。
 やれプレゼントは何にするやら、やれ何処で食事するやらなんて面倒臭い事を考えなくっても良いですしね。心に余裕があることって素晴らしいです。

 そこで季節にあわせて映画大陸から日頃お世話になっている皆様へクリスマスプレゼント!って事でこの映画を紹介させていただきたいと思います。

 そう、あの悪名高きジョエル・M・リード監督の『悪魔のしたたり』ですよ!
 まさに聖夜にピッタリだ!ワッハッハッハッハ・・・はぁ〜。続きを読む

『エクスクロス 魔境伝説』

『エクスクロス 魔境伝説』 僕は花の甘い蜜に誘われる蜂のようなものである。

 このたびも僕は「魔境伝説」という如何にもなタイトル、よく知らない松下奈緒と今更感溢れる鈴木亜美のW主演、そして監督がベンタ深作(『キルビル Vol.1』のエンドクレジットより。)といった要素が複雑に絡まりあうことによって醸し出される香ばしさに誘われて、つい劇場へと足を踏み入れてしまった。
 『ヘアスプレー』とかまだ他に観るべき映画があるはずなのにも関わらず、何故かこの映画をチョイスしてしまう悲しい性。先ほど僕は自分を蜂に例えましたが、同じ蜂でもきっとウツボカズラなどの食虫植物の餌食にされてしまうようなタイプの蜂なんだろうなぁ〜。

 ってことで『エクスクロス 魔境伝説』です。続きを読む
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