映画感想「頭文字D」
【評価】★★★
【爆走】★★★★★
【違和感】★★★
【エロ】
【青春】★★★
【笑い】★★★★
試写会に行ってきました。
とりあえず、原作はしげの秀一「頭文字D」(「頭文字」と書いて「イニシャル」と読ませるみたい)というマンガ。
ちなみに、このマンガ、俺、読んだことない。
このマンガは日本のものなのですが、しかしこの映画は香港映画で、中国人の役者が出まくりですわ。
クレジットなんかも全部あっちの言葉。
「しげの秀一」って、中国語では「重野秀一」なのね。
日本人は、役者として鈴木杏くらいしか出てないと思う。

んで、主人公の藤原拓海役のジェイ・チョウって役者なんだけど、やたらと反抗的な目つきなんですよ。
なんというか、「何が不満なの?」って思わず聞きたくなるくらいの諸事に不満げな目つき。
夜の校舎窓ガラス壊して回りそうな目つき。盗んだバイクで走り出す的な目つき。
お前の車、盗んだもんじゃないよな、と突っ込みたくなる目つきなんですよ。
俺ね、この役者さんのこと、全然知らないんだけど、人気とかあんのかね?
中国とかでは、こういう役者さんがウケんのかね?
ところで、その藤原拓海の恋人・茂木なつき役の鈴木杏タンなんですが、女子高生の役でむちゃくちゃ短いスカートですわ。
サザエさんのワカメばりの短さ。パンツ見えんじゃねえの?ってくらい短い。
いいですね。いいんですよ。萌え、ですわ。
んで、さらに役柄が援助交際していながらも、主人公と恋に落ちるというもの。
援助交際なんて最高じゃない。萌え、ですわ。
もう、めくるめくおセクスのシーンとかすごい期待しちゃうじゃないですか。
そういう濡れ場みたいなのをすごく期待していたんだけど、そういうエロは一切なし。チッ。残念。
でもさ、援助交際とか平気でする女なわけですから、おセクスなんて挨拶がわりにしてくれそうじゃない。
だけど、二人は純情派の付き合いしかしてないの。なんじゃい、そりゃ。
ちなみに、水着とかのシーンはあるのですが、なんというか、私服姿はすごく趣味が微妙な服装だったような気が。
なんというか、この映画の役者さんの服装って、微妙なんだよね。
きっと中国では流行しているのかもしれないけど、日本では「?」という感じのものが多いような気がするファッションだったような。
まあ、俺はそもそもファッションとかに興味ないから、全然わかんないんだけどさ。
でも、なんというか、一昔前のファッションのような気がする。
というか、笑ったのが、主人公のライバル、須藤京一ってドライバー。
このドライバー、プロのレーサーなんですが、もうタチの悪いパンクロッカーみたいな格好してんのよ。
鋲とかうってある革ジャンなんですよ。一応、季節は夏のはずなんですが、革ジャン。暑くないのか?
そいで、その背中に「秩序」って白く書いてあんの。
いえね、「秩序」て…。すごくファンキーな革ジャンですやん。


そもそも、この映画の舞台は日本なんですよ。
ですけど、みんなあっちの言葉で、役者さんもみんな中国人で、すごく違和感がありました。
一応、試写会で見たのは吹き替え版なのですが、なんか言葉(日本語)と口パク(中国語)が合っていない(当たり前)ので、すごくムズムズとしてしまいました。
すごく違和感があったんですけど。
例えると、「三國志」とかを、日本人が演じて、日本語で会話。だけど、中国でロケ、という感じですわ。
日本人の諸葛孔明なんて、プッて感じじゃないですか。違和感ありまくりじゃない。
同じように、日本が舞台のドラマを、中国人が演じて中国語で会話、だけど、「日本の出来事」として語っているという違和感。
そういう違和感でした。
まあ、でも、慣れちゃえば問題ないんだろうけどね。
でもさ、こういうのが、今後は増えていくんだろうと思う。
というのも、中国経済って、右肩上がりじゃないですか。
経済的にウハウハじゃない。まあ、あれだけ巨大な国ですからな。
で、経済が潤えば、当然、文化的なものにお金が回るじゃない。
だから、映画なんかも、日本のアニメが原作で、それを実写版にするさいに、中国の監督で中国の役者、ということが増えていくと思う。でも、日本のアニメで、日本が舞台だから、とりあえずロケ等は日本でする、と。
一昔前の、日本経済イケイケドンドンの時だったら、日本のアニメは日本人の監督、日本人の役者、日本人のスタッフで、ということができたんだろうけど、日本経済ってじり貧だから、今後は日本のアニメを中国人とか韓国人とかのスタッフによって実写化する流れになるのかもしれない。

日本のアニメとか漫画とかって、今まで日本の文化侵略の道具、とか一部で批判されてきたけど、
実は日本のアニメや漫画によって、逆に日本が侵略されてしまう、ということもあるのかもな。
まあ、結局は経済的に豊かでないと、こういう映画なんて娯楽は作れないわけで、そういう経済の動きと娯楽は連動しますからな。
俺個人としては、まあとりあえず面白いものが出来るなら、国境なんて関係ないじゃん、という立場ですから、面白けりゃ、どうでもいいんだけどね。
ただ、ちょっとした微妙な表現の違和感というか、そういうのが、どうしても出てきてしまうんですよね。
やっぱり、違った国、違った民族、違った風習ですから。
なんというか、「ブラックレイン」に描かれた日本を見ているような感じが拭えないんですわ。
まあ、あの映画ほど勘違いは甚だしくはないのですけどね。


というわけで、映画の話。
目つきの悪い主人公・藤原拓海は、実家の豆腐屋の配達のため、ハチロク(犬の名前みたいだけど、車の車種な)を乗り回していました。
配達の途中に、秋名山などを通るので、いつの間にかドライビングテクが上達。
そんな中、GT−Rを乗り回す走り屋の中里と秋名山でバトルし、勝ってしまいます。
あと、「走り屋」というのは、別に商売をしているわけじゃなく、車で走るのが好きな人たちのことで、暴走族とは違います。
また、「バトル」とは、喧嘩とかじゃなくて、車の走りを競争することな。
それまでは、主人公は配達のためだけに運転していたのですが、
中里たちのような走り屋さんたちと交流することから、速く走るということに目覚めていきます。
さらに、主人公の前に高橋涼介というフレンドリーな走り屋が登場。バトルを約束します。
ですが、そんな中、主人公はひょんなことからプロレーサーの須藤京一とバトル。
須藤京一は圧倒的な差をつけて勝ってしまいます。
主人公の車は、あまり良い車でないらしく、マシンが限界だったようなんです。
主人公の父親・文太は、それを聞き、なんとハチロクにすごい改造を加え、信じられない性能の車を作りあげます。
ちなみに、主人公の父親・文太は、昔、伝説的なドライバーだったんですが、今は豆腐屋でうだつのあがらない生活をしています。
父親からドライビングテクを伝授された主人公は、最後に高橋涼介、須藤京一とガチの対決。
果たして三人のうち、勝つのは誰だ?
って話です。


主人公の父親の文太が、なかなか良い味出しています。
いつもは酒浸りで、ダメダメなエロ親爺なんです。
なんというか、人間のクズ的な感じなの。まるで俺自身を見ているようでした。
だけど、こと車に関しては、すごい知識と経験を持っていた、というわけです。
真剣な親父の姿が、とても頼もしくて良かった。

で、見所は車でしょうか。
カースタントは、日本の高橋レーシングが担当しており、かなり迫力のある走りを見せてくれます。
CGとか全く使ってないみたい。
すごいな。

また、主人公の友人に、自称「世界チャンプ」という駄目駄目なキャラも登場。
笑いを提供してくれます。
俺はこいつの駄目っぷりにはほれぼれしましたよ。
髪型も変だし、やることなすこと駄目駄目で、すごく笑えた。

なんというか、この映画の駄目キャラって、父親の文太にしろ、主人公の友人にしろ、とても笑わしてくれるので、面白かったですね。
笑いあり、派手なカースタントありの青春群像物語でした。エロがないのが惜しまれます。
まあですが、中国ってそういうエロとかにはすごく厳しそうだから、なくて当然かな。

多分、原作を読んでいると、もっと楽しめただろうと思います。