映画感想「あらしのよるに」
【評価】★★
【展開】★
【感動】★★
【笑い】★
【原作】★★★★(読んでないけど)
【声優】
【エロ】
試写会に行ってきたんですけど、まあ子供向けのアニメでしたね。
子供向けのアニメとしては、ちょっと話が長すぎるような気もします。
なんか、話を必要以上にひねりすぎているような印象を受けました。

チラシに、石田衣良が「世界のあちこちでテロが頻発する現在、地球にも「あらし」が必要だと思ったのは、ぼくだけだろうか」と感想が書いてあったんですけど、全然意味がわかりません。
まあ、映画を見ていればわからなくもないですけど、この映画を見ていない人が、この文章を見たら、掲示板を荒らすことを奨励しているのかなって思ってしまいますよ。
「世界のあちこちでテロが頻発する現在、地球にも「あらし」が必要」なんて、テロを煽ることが必要だ、という危険思想と誤解されかねません。(笑)
破防法とか適用されないんでしょうか。
声優陣に、オオカミのガブに中村獅童、ヒツジのメイに成宮寛貴。
他にも、芸能人が数多く出演していました。
ただ、僕はこういうやり方はあまり好きじゃないんです。
餅は餅屋、声優は声優にやらせるべきじゃないんでしょうか。
声優さんたちの仕事を奪っているわけで、こんなんじゃあ声優さんが育ちませんよ。
こうした話題作に、俳優を使い、俳優のファンも取りこもう、という戦略がミエミエです。
さらに、こうした俳優さんを声優に使うと、どうしてもその俳優さんの顔を思い出してしまい、アニメのキャラに感情移入できないのです。
だって、中村獅童の声で、「秘密の友達でやんす」なんてハートウォーミングなことを言っていても、僕なんかは、「男たちの大和」で、「仰角45度、撃てぇぃ!」って米艦載機とバリバリ闘っている獅童のアニキを思い出してしまいましたよ。
コイツ、二重人格なのか?竹内結子も大変だなぁ、なんて感じてしまいます。


ある嵐の夜に、オオカミのガブとヤギのメイが、小屋の中で雨風をしのいでいました。
暗くてお互いがよく見えません。
2匹は話をするうちに、意気投合。次の日に、「あらしのよるに」を合い言葉にして、また会うことを約束します。
で、次の日に会います。
最初はオオカミはヤギを食べたくて食べたくてしょうがないのですが、無垢なヤギに心を開き始めるオオカミ。
やがて、2匹の間には、友情が生まれます。
しかし、やがてお互いの属する種族から、「あいつとは親しくするな」と言われてしまい、2匹の仲は引き裂かれてしまいます。
2匹は、お互いの属する種族から逃れ、山の向こうにある世界へと向かいます。
しかし、オオカミたちは承知しません。
白土三平の「カムイ伝」ばりに、追っ手を差し向け、裏切り者のガブを追いつめます。
雪山で、2匹は食料不足に悩まされます。
ヤギのメイは、「自分を食べて」と言いますが、オオカミのガブは、それを拒否。
最後に、追っ手の中に特攻をかけます。
おお、なんか、ここいらへんは、獅童のアニキが出演していた、沖縄へ特攻をかける戦艦大和の姿を彷彿とさせますね。
雪がやんで、メイは外へ出て、歩いていくと、なんと山の向こう側へ、新天地が開けていました。
弱ったメイが、よろよろと新天地へと歩いていくと、オオカミのガブと出会います。
ところが、オオカミのガブは、記憶喪失になっており、メイを思い出せず、「うまそうなヤギだぜ」と、食べようとします。
はたして、ガブはメイを思い出せるのか…?


話としては、僕はなかなかよかったと思います。
原作を読んでいませんが、きっと原作は折り紙付きの良い作品だろうことが推測できました。
こういうすぐれたお話を、子供のころからきちんと読ませておくということは、情操教育上よろしいのではないでしょうか。
まあ、僕に子供ができたら、四書五経と古事記日本書紀の他に、この「あらしのよるに」の絵本でもあてがっておこうかと思いました。(嘘)


ただ、おそらく原作としてはかなり良いんですが、アニメとしては冗長に感じました。
途中から、「長いなぁ」って感じてしまったんです。
もう少し、話の枝葉をかりとって、シンプルにして、60分くらいにしておけば良いんじゃないかなぁ。
例えば、ガブが記憶喪失になるなんてくだりは、そんな簡単に記憶喪失になるのかよ、と突っ込んでしまいました。ここは蛇足でしょう。
制作側としては、記憶喪失になって、んで、「あらしのよるに」というキーワードで…という展開になるわけで、話の最初と繋げていこう、という意図があったんでしょうけど、
別に記憶喪失じゃなくても、瀕死のガブって設定で、死にそうになり挫けそうになるガブに、「あらしのよるに」というキーワードによって、生きる希望を見出させる、という展開でも良かったような気がします。
ここを記憶喪失にするというのは、あまりにも工夫がなさすぎです。
反日教育を国家ぐるみでしているような差別主義国家の三流ドラマじゃないんですから、安易に記憶喪失なんて使ってほしくないですね。


僕が感心したのは、このアニメの道徳性です。
ガブとメイという、種族が違うものの、引かれあう2匹。
しかし、種族の掟によって、2匹は一緒になれない、というお決まりのパターンです。
このパターンの物語というのは、いじめだとか、そういうことを考えることへつながるので、陳腐な物語のパターンですが、やはり子供のころから、こういうことはきちんと考えておいてほしい、と思うんです。
ただ、大人から見ると、うんざりするくらい陳腐ですけどね。(苦笑)


ただ、ガブとメイの2匹の場合、これは「友情」とすべきなのか、あるいは「愛情」とすべきなのか、きわめて曖昧でした。
そもそも、ガブはオスであることはわかるとして、メイはメスなんでしょうか?
声優が男だから、オスなのかもしれないんですけど、「メイ」って名前はメスっぽいような…。
子供向けのアニメですから、あまりここで「ガブの男性自身が雄々しく屹立し〜」みたいな話になるのはアレですから、そういう要素は排除したんでしょうけど…。
いやいや、ひょっとして、「ハードゲイでーす!フォー」と、メイがカミングアウトするのかもしれません。
この2匹を結びつけている感情って、「友情」なんでしょうか?「愛情」なんでしょうか?


とりあえず、休日に子供と一緒に映画館で映画を見ようというサザエさん一家のような和気藹々の家族にはうってつけの映画でございます。
あと、紀宮さまと黒田さんのような、正常位オンリーのおセクスしかしてないような純情派カップルにもお勧めでございます。
ただし、僕みたいに、「やっぱエロとバイオレンスのてんこもり見てえぜ」っていう荒んだ方は、見ない方が良いです。