映画感想「サウンド・オブ・サンダー」
【評価】★★
【笑い】
【エロ】
【感動】★
【SF】★★★
【スリル】★★
【アクション】★★
【特撮】★★

なんかダルダルでしたねー。タイムマシンをネタにした、タイムパラドックスが主題なんですけどねぇ。
どうやら、原作がSF小説の巨匠レイ・ブラッドベリらしいです。
ブラッドベリの原作は未読なんですけど、割と古い原作だと思います。
原作が書かれた当時は、おそらくタイムマシンネタのSF自体が目新しく、かなり絶賛されたんだろうと思います。
ただ、タイムマシンネタは、基本的にタイムパラドックスをもとにしているわけで、それだけタイムパラドックスの論理が必要になってくるわけですね。
今のSFでのタイムマシンネタは、そのタイムパラドックスの論理を駆使しているわけですから、ちょっとこの原作自体が古いような気もします。
タイムマシンネタは、論理がしっかりしていないと、ダメダメになってしまう、という典型のような映画でした。ゆるーい、下痢気味みたいな映画です。
西暦2055年。タイムトラベルが可能になっています。
大手旅行店では、白亜紀にタイムトラベルし、恐竜狩りをするというツアーがおこなわれております。
もちろん、タイムトラベルした先の時代では、その時代のものをいじらない、余分なものを持ってきてはいけない、未来の物を置き忘れない、などなど、その時代のものへ変化をもたらすような行為をしてはいけない、というルールがありました。
というのも、未来の人間がタイムトラベルして、その時代に変化をもたらしてしまうと、未来にとってその影響は計り知れないからです。
いつものようにタイムトラベルして、恐竜狩りをするわけですが、ちょっとしたハプニングがあります。
で、その客が、気付かぬうちに「わずか1.3kgの何か」を未来へ持ち帰ってしまったのです。
未来へ帰ってくると、その「わずか1.3kgの何か」を未来へ持ち帰ってしまったために、未来に変化が生じています。
トラビス(エドワード・バーンズ)たちはその原因をさがします。
ですが、次々とタイム・ウェイブが襲いかかり、
異常気象→熱帯系巨大植物繁殖→凶暴な未知の巨大生物出現
と、変化が激しくなってきます。最後のタイム・ウェイブは、人類の絶滅。
未知の巨大生物に仲間を殺されながら、トラビスは原因を突きとめるのですが、果たして現在を元に戻すことはできるのか?人類の絶滅を食い止めることができるのか…?


とりあえず、未来の世界なのに、妙なところが時代遅れでした。
あるハプニングがおこるのですが、その原因が、機械の液漏れによるショートなんですよ。
タイムトラベルするくらい科学が発達している時代なのに、ショートってさあ…。
なんか、危機管理がダルダルなんですね。
まあ、これは原作があるからなんでしょうけど、もうちょっと考えて欲しかったですねぇ。


あと、個人的に理解不可能だったのが、「タイム・ウェイブ」という概念です。
津波みたいな「タイム・ウェイブ」というのが襲いかかって、その波みたいなのにのまれてしまうと、急速に進化が進むんです。
映画では、登場人物がこの波にはじき飛ばされたり、車が跳ね飛ばされたりしているんですけど、時間の波って、そんな物理的な力があるんでしょうか…?
時間には物理的な力はないような気もするんですが、どうなんでしょうねぇ。

さらに笑っちゃうのが、そのタイム・ウェイブの行儀の良さです。
というのも、時間の変化が、気候→植物→動物→人間、というふうに、きちんと順番通り、段階通りに変化するんです。
いきなり進化しちゃうのは気が引けるようで、最初は気候から変化して、次は植物、動物…と、きちんと段取りを踏むんです。
主人公たちは、それらの変化を見ながら、「やばいよ、やばいよ」と言っているんですねぇ。
人間は最後に進化するみたいで、ラストはキッチリとヨーダみたいな変な生き物に変化していました。
なんか、進化ってすごく行儀が良いんですねぇ…。いきなりみんな変化するんじゃないか、と思うんですけど…。


ネタバレすると、「わずか1.3kgの何か」というのは、蝶の死骸で、一匹の蝶が死んだために、未来の生態系が狂っていく、ということなんですけど…。
でも、火山に巻き込まれて、その蝶って死ぬ運命だったはずだろうから、別に蝶を殺したために未来の生態系が狂う、というのは考えすぎのような気もします…。どうなんでしょうか?
まあ、原作通りにしたのかもしれませんが、なんかかなり強引な気もしますねぇ。
そもそも、この映画の登場人物って、「過去を変えればみんな変わるんだよ」と言ってばかりいましたけど、パラレルワールドになるんじゃないかなぁ。


とりあえず、一言でこの映画を説明すれば「風が吹けば桶屋がもうかる」でしょうね。
蝶の羽ばたきが台風になる的な事を言いたいんでしょうけど、それにしては変化が激しすぎるような気もしました。
ちょっといまいち釈然としませんでした。

どうでもいいけど、「サウンド・オブ・サンダー」って、訳すと「雷の音」、「雷鳴」ですよね?
なんでなんでしょうかね?雷出てこなかったと思うんですけど…。

原作はきっと名作なのかもしれませんが、映画としては、正直、ドラえもんのタイムマシンネタの方が、出来は良いと思います。