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読書感想「和歌とは何か」
和歌とは何か (岩波新書)
和歌とは何か (岩波新書)
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【評価】★★★
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東京大学の渡部泰明さんの本です。
和歌って、どうしても苦手といいますか、和歌だけに「わかんない」わけですね。
ですから、読んでみたんですが、半分わかって、半分わからない、といった感じでした。
読む前と読んだ後に、やっぱり和歌ってわからんなぁ、という思いは変わりませんでした。

懸詞だとか縁語だとか和歌のレトリックがいろいろ解説されているんですが、
ある程度はわかるんですが、やっぱりどうしても「感性」ってのが要求されるらしくて、そこいらへんの「感性」がない僕としたら、
やっぱり「よーわからんがね」ということになってしまいます。
128頁から、先生と学生の問答形式のまとめがあるんですが、学生が厳しくツッコムのですが、
やはりちゃんとうまく答えられていないような気がしないでもなかったです。

ただ、面白く思ったのが、和歌というのは一つの演技みたいなもんだ、という見方です。
これは渡部さんのオリジナルなんでしょうか。

また、その「演技」にからめて、和歌と作者について後半に言及されていくのですが、
ここいらへんは要するに文学理論の「受容理論」を応用したものだと思いました。
あまりオリジナリティは感じなかったのですが、
ただ和歌文学の研究においては、こういう受容理論を応用して、「作者」は作者でも、実作者ではなく、作品の中で仮構された作者のイメージを喚起させる、という理論は興味深かったです。
和歌研究がどうしてもなじみづらいのは、和歌の研究者が保守頑迷で旧態然とした作家論をふりかざす印象が強いところにあると思っていたので、
こういう渡部さんのような「作者」や「和歌」のとらえ方は、なかなか新しいのではないかと感じました。

まあでも、やっぱり、和歌はレトリックがわかりづらいですねぇ。
ちゃんと定義しろって言っても、そんなに簡単にはいかないもんで、難しいですなぁ。



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