読書感想「戦国時代の終焉 「北条の夢」と秀吉の天下統一」


【評価】★★★
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齋藤慎一さんの本です。後北条氏がどのように滅亡したのかを書いた本です。
織田信長と良好な関係を持ち、関東制覇をめざす北条氏。
しかし、武田氏が滅亡し、徳川や滝川一益らと領土を接するようになる。
北条氏は、徳川や滝川一益らと友好関係を保ちつつ、北関東へ侵攻をすすめる。
ところが、織田信長が本能寺で倒れ、秀吉が覇権を握らんとする。
北条氏は、徳川と結び、秀吉vs徳川の戦いである、小牧・長久手の戦いと連動するかのように、
沼尻の戦いをおこす。
北条は徳川派として、秀吉派の関東豪族や真田などを侵攻していく。
ところが、小牧・長久手の戦いは、中途半端に終わり、やがて徳川は秀吉に取り込まれていく。
とすると、徳川派だった北条は梯子を外されたかたちになり、徐々に秀吉の包囲網により窮地に陥っていく。
関東制覇の「北条の夢」ははたして……。

ついつい、小牧・長久手の戦いやら、秀吉の派手な動きに目をやられてしまうのですが、
後北条氏の視点から見てみると、意外と別の見方も可能かもよ、というような本でした。

それにしても、関東は小豪族乱立ですから、わかりづらいのですが、
丹念に説明されていて、なかなか面白いですね。

筆者は、これまで地方の小合戦としてとらえられてきた沼尻の戦いを、実は後北条氏の転換点となる戦いで、もう一つの小牧・長久手の戦いだった、ということを全面に押し出したいという欲望があるといいますか、
というか、ここがこれまでの視点と違うといいますか、逆に言えば、これはたぶん、異論のある人もいるだろうな、という感じがしましたが、
ただ、筆者の丁寧な説明に、僕個人としては納得しました。

個人的には、どうして大勢が決まったのに、北条氏は上洛を拒んだのか、もっと知りたいと思ってしまいました。
齋藤さんは、北条側の不手際もあった(214頁)としているのですが、
北条氏政のキャラをもっと説明していてくれていれば、より理解がすすんだように思います。

まあ、後北条氏の滅亡&沼尻の戦いを知りたい人は必読の本でしょう。



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