読書感想「車谷長吉の人生相談 人生の救い」


【評価】★★★
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ご存知、私小説家の車谷長吉先生の人生相談でございます。
いやぁ、あいかわらずの車谷節が全開で、おもしろく読みました。
基本的に、人生相談って、「ボクって、こんなに苦労してるんですよ」「ワタシって、こんなに大変な目にあっているんですよ」ときてから、
「どうすればいいでしょうか?」
みたいな展開なわけですが、
車谷先生にかかれば、「苦労しているとか、大変な目にあってると言ってるが、
オレ様の方が、苦労している。大変な目にあっている」
と切りかえされるわけですよ。
そこから、もう車谷先生の独壇場で、自分がどんなに苦労して生きているかが語られていって、
それからすると、相談者の相談って、大したことねーじゃん、というところで落着するパターンが基本です。
実際に、車谷先生の人生は壮絶ですからねぇ。
重い蓄膿症(しかも遺伝性)ですし、弟さんも大変そうだし。
ただ、出来た嫁さんがいるらしく、そこはうらやまけしからんですな。

とにかく、車谷先生が自己語りをするので、これ一冊を読めば、車谷先生の人生がほぼわかる、という本ではあります。
ただ、ちょっとおかしいところがあって、
三三頁に、「五十五歳の秋、私が勤めていた会社は、他の会社に乗っ取られ、私は馘首になりました」とあるのですが、
これ、誤植ですかね?
車谷先生が会社勤めしていた時期って、二〇代から三〇代はじめまでじゃなかったっけ?
ただ、この直後「貸家の家賃が払えなくなり、他のより安い貸家に引っ越ししました。嫁はんは黙って内職を始めました」という文章があるので、結婚後に会社勤めしてたってこと?
車谷先生の結婚は、この本の一七頁に「四十八歳の秋、四十九歳の女と所帯を持ちました」とあるわけですから、
とすると、四〇代の後半から五五歳までは会社勤めしてたってことでしょうか?
これ、ちょっとおかしいような気がするのですが…。
できたら、詳細な「車谷長吉年譜」を付けて欲しかったです。
ここのところが、かなり気になってしまいました。

まあでも、車谷先生の切り返しがなかなか面白い人生相談です。



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