読書感想「歓喜の歌は響くのか 永大産業サッカー部創部3年目の天皇杯決勝」
歓喜の歌は響くのか 永大産業サッカー部 創部3年目の天皇杯決勝 (角川文庫)
斎藤 一九馬
角川書店(角川グループパブリッシング)
2011-08-25


【評価】★★★
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齋藤一九馬さんの本です。一九馬と書いて「いくま」です。
まだJリーグのできてない、日本リーグの時代。
ワンマン社長深尾の一声で、永大産業サッカー部が創部。三年で一部リーグ入りを目指すことを約束される、河口。
河口は山口県三部リーグからはじまり、だんだんと実績をつみ、やがて廃部になった名相銀から選手を入れ、ブラジル人も3人ゲット。
やがて日本リーグ1部にはいり、天皇杯も決勝まで進出。
さすがに天皇杯の決勝は敗退し、準優勝だったものの、これで永大産業サッカー部は栄花の絶頂に。
しかし、永大産業のワンマン社長深尾の急逝、会社は倒産寸前になり、銀行による立て直しにより、
永大産業サッカー部は廃部になる…。栄光からのめくるめく転落。
とはいえ、永大産業サッカー部出身者が、意外とサッカー界で活躍してますよ…というところでフィニッシュでした。

永大産業を築いた社長の深尾や、マネジメントを任された河口と、監督の大久保の対立やら、
サッカー部の躍進やら、なかなかおもしろく読みました。
次から次へと事件がおこり、読むのを飽きさせません。
あの辛口サッカー批評家のセルジオ越後もでてきたりします。

個人的には、サッカー部の廃部で、ブラジル人の3人はどうなったのか気になったのですが、
ブラジル人の後日譚は描かれておらず、すこし残念でした。

「企業チームずくりの鉄則」なんかは、なかなか勉強になりました。
「企業チームづくりには、鉄則とも言うべき三ヶ条があるんだな」
「チームづくりの鉄則、ですか?」
「そうだ。第一は、会社の理解。第二は、会社による設備づくり。第三は、チームの実績だ。この三つのどれかひとつだけが突出しても駄目だ。歩調をそろえて徐々にととのえていかなければならない」(93蓮

あたりまえっちゃ、あたりまえなんですけどね。
あと、永大産業の社訓、
頭をつかって知恵を出せ。
知恵の出せないものは汗を出せ。
知恵も汗も出ないものは静かに去れ。(140蓮

なんかもおもしろいですね。
永大産業の社長深尾茂という「伝説の経営者」のエピソードなども、これだけで一冊の本になるくらいおもしろいでした。

とりあえず、暇つぶしにはよい本だと思います。



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