読書感想「魔術師決定版 三原脩と西鉄ライオンズ」


【評価】★★★
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いやあ、ぶ厚い本でしたねー。
立石泰則さんの本です。この人の本ははじめてかな。
なんか「まえがき」によると、この本は、そもそも文藝春秋で出されたんだけど、それには編集部の改ざんがおこなわれていたので、著者としては不本意だから、裁判したら、絶版になったんだけど、小学館から「決定版」で新しく出すことになった…と、めんどくさい出版経緯が語られていて、読む前から波乱の予感がしましたが、なんとなくこうした「波乱」が三原脩の人生とも重なるような気がしました。

とりあえず、名監督三原脩が、西鉄ライオンズで打倒ジャイアンツを遂げる、ということがメインでして、その後の三原についても語っています。
ただ、後半部になると三原の抜けた西鉄ラインズの駄目っぷりが語られたり、
三原が監督したところの、親会社の無理解ぶりだとか、
八百長事件やら、三原の娘婿中西の駄目監督ぶりだとか、
最後は江川卓の「空白の一日」問題だとか、そういうことが語られていきます。
なんか、後ろの方は、ジャイアンツ頼みの野球人気を憂う、という趣の本になってました。
頭脳明晰な監督の成功譚なのですが、後半になると落ち目になるといいますか、
西鉄ライオンズがピークだったんだな、すべての歯車が噛み合った、良い時代だったんだな、と感じました。

三原は選手の長所をうまく見いだし使っていくタイプだった。逆にいえば、才能がないと見れば、プロの選手のレベルじゃないと判断すれば、容赦なく切り捨てた。見切りの速さが三原の長所であり、短所でもあった。(316蓮

選手個人の自由を担保するものとして、選手各自に厳しい自己管理を求めていたのである。見方を変えるなら、自己管理できない選手は不要である、つまり三原は選手に「自由」という名のもっとも厳しい「規律」を与えていたのである。(363蓮


また、プロ野球についての姿勢が、なかなかおもしろいですね。
見せ場が必要というか、勝てばいいわけじゃなくて、
ファンあってのプロなんだから、
おもしろい野球をして、魅せなきゃあかん、というところが、現在の野球とは違っていて、なかなかおもしろい見方ではあります。
勝てばいい、というわけじゃないんだな、と思いました。

いろいろと勉強になりました。
特に、指導者をめざしている人は、いいんじゃないでしょうかね。



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