読書感想「虐殺器官」


【評価】★★★★
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伊藤計劃さんの本です。
恥ずかしながら、伊藤計劃さんって、知らなかったのですが、SFマニアの会話を聞いていたら、
やたら「イトウケーカク、イトウケーカク」って出てきて、
最初は劇団「大人計画」みたいな、何かの団体なのかと思っていたら、どうやら人名らしい、ということで、
それで読んでみる気になりました。
そのSFマニアが言うには、伊藤計劃が出てからは、SFの歴史が変わった、というくらいインパクトがあったようで、
どんなもんかいな、という好奇心もありました。
近未来系の話なんですが、何となく、サイバーパンクっぽいというか、独特の世界観で、なかなかおもしろかったです。

911以降、テロが頻発する近未来、サラエボで核爆弾が炸裂してからは、遠慮のない核攻撃が頻発する世界になる。
先進諸国は、IT技術をフル活用し、厳格な認証管理体制をしき、個人を厳格に管理し、テロをおこさない世界を実現する。
それとは真逆に、最貧国では大量虐殺をおこなう国が後を絶たない。
大量虐殺をする国では、謎の米国人ジョン・ポールが暗躍しているという情報をキャッチした、主人公のシェパード大尉は、
ジョン・ポールを追って、世界各国に飛ぶ…。
人工筋肉を用いた飛行機や、それを作る貧民国という図式など、
現在の経済至上主義といいますか、資本主義帝国主義の姿を投影していて、おもしろいですね。
技術がいきすぎて、人間らしさを奪い取っていく理不尽さといいますか、
手段と目的を取り違えた人間の悲しさのようなものがあります。
SFって、未来のことを語るように見せながら、実は現在の我々の世界をカリカチュアしているという側面もあるんだなと思わせてくれます。

なかなか面白かったです。



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