読書感想「不安を楽しめ!」


【評価】★★★
人気ブログランキングバーナーにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
鴻上尚史さんの「ドンキホーテのピアス」シリーズの16です。「週刊SPA!」の2010年6月29日号から2013年3月26日号の112のうち、72を選んで載せたものです。
「ドンキホーテのピアス」シリーズは、それまで本の表紙に「ドンキホーテのピアス15」とか書かれていたはずですが、この本では書かれてないですね。
だからシリーズ物というより、そういう単行本かな、なんて誤解してしまいます。
なんか、鴻上さんはツイッターにはまってるようで、ツイッターが、ツイッターが、とでてくるので、ちょっとうんざりしましたね。
ツイッター、しかも鴻上さんの周辺で話題になってることを取り上げる「身内感」が出ちゃうので、「なんだかなー」と思っちゃいます。
それだけネタがないってわけじゃないですよね、鴻上さんって有名人なんだし。
また、3・11の地震の後だけあって、政府・東電への不信感にあふれてますなぁ。
さらに、ツイッターだけでなく、ネットでどうだとか、そういう愚痴みたいなのが書かれていて、これもまた「なんだかなー」みたいに思っちゃいました。
鴻上さんは「「世間」と「空気」」という本を上梓されているわけですが、「その本でも書いた」というのがわりと多く出てきて、「本が売れてないのかなぁ」なんて感じちゃいました。
いえね、良い本なんですが、あんまり名前出されると、ちょっとなぁ。
また、日本の接客業の違和感が語られるところも多く、それへのいやごとが書かれているんですが、
そんなマニュアル通りにやることが、そんなに悪いことなのか、不愉快なのか、なんて反発しちゃいました。
そんなん、どーでもええやん。
というか、そんなに一人一人に心をこめた接客なんかされたら、逆にめんどいというか、うざったく感じちゃうよなぁ。バイトかて低賃金で働いているんだし、「一人一人に真心をこめて」なんてやってたら、コストかかってしゃーない。
チップくれるわけじゃないんでしょ?
人間には「距離をとりたい」と思う時もあるわけですから、そんな目くじらたてんでも…とは思いました。
まあ、鴻上さんの言う事は、ちゃんと根拠もあるし、理屈があるので、良いのですが、
「ただの自意識過剰なんちゃう?」と思わないでもないところがあります。

と、悪口を書いてしまいましたが、
この本はなかなか面白かったです。
「物語」についての鴻上さんの考えや、創作術も開陳されていて、勉強になりました。
ただ、鴻上さんは、演出は才能あるけど、ぶっちゃけ、映画と小説の才能はないですよね。
ですから、「オレはこうやってる」と言っても、「でも、ぶっちゃけ、成功してねーよな」と思わないではないです。
説得力はねーなー。
鴻上さんはちゃんと理屈づけてくれるので、とても面白く、合理的に理解できるのですが、
でも、創作は理論や理屈じゃないんだろうな、なんて感じちゃいました。

鴻上さんの良い面も悪い面も出ている本でした。



人気ブログランキングバーナーにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村