読書感想「狼煙を見よ」


【評価】★★★
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松下竜一さんの本です。東アジア反日武装戦線ネタの本です。
門田隆将さんの「狼の牙を折れ」が、権力側、公安側、被害者側からの視点に貫かれているのに対して、
この本は加害者側、東アジア反日武装戦線側からの視点に立っています。
原田眞人の「突入せよ!あさま山荘事件」と、若松孝二の「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」という、同じ事件でありながら、対称的な視点で語っている映画がありますが、
この本は若松孝二側の視点ということになると思います。
しかも、加害者の家族ネタも書かれていて、
やはりゲバルト闘争をかましちゃうと、家族に飛び火するわなぁ、と思っちゃいました。
どちらかというと、加害者側、すなわち「狼」側に同情的といいますか、
なんか裁判記録での加害者の「反省」なんかが盛り込まれているのかな、なんてうがった見方さえしちゃうくらいのスタンスでしたね。
おそらく、そうした松下竜一さんのスタンスなんかが不満で、門田さんが「狼の牙を折れ」を書いたのかな、なんて想像してしまいました。

ただ、個人的には、やっぱり、こいつらは覚悟が足りないというか、
無策というか、甘いといいますか、無計画といいますか、
全般的な「甘さ」があるんですよねぇ。
一つの爆破事件をかました後に、後悔とかしてるんですもん。
そら、暴力闘争をすると決めたからには、んな後悔すんなや、と思わないではないんですよね。
しかも、公安にねっちょりつけ回されて、一網打尽に逮捕でしょ?
うーん、甘い、甘過ぎですわ。
一応は、「狼」「さそり」「大地の牙」だとか、そういう「部隊」があって、おのおの独立している、というふうになっているんですよ。
これは、制度設計としては、なかなかいい。
一つの「部隊」が捕まっても、他の「部隊」には被害が及ばない、というリスクヘッジなんだろうけど、
でも、アホだから、会合とかしていて、芋づる式に逮捕されてんのよ。
しかも、保秘のため、逮捕されるときには青酸カリ飲むということをするわけなんですが、これも阻止されてまして、
逮捕された後の醜態がねぇ…。
仲間同士で公判で仲間割れとか、完黙せえよ、と思わないではないんですが、まあ自殺に失敗するようなお粗末な連中ですからなぁ。
裁判では、もうボロボロにされてる感じがして、痛々しくて見ていられないんですよねー。
むしろ、逮捕後のことまでも計画せな。
なんつーか、すべてにおいて甘いというか、そら逮捕されんで、というレベルの話でしてね。
とりあえず、今後、ゲバルト闘争かます連中は、
逮捕後の行動、裁判での闘い方、くらいは考えてほしいもんです。
ツメが甘い、ツメが。



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