読書感想「「心の傷」は言ったもん勝ち」


【評価】★★★★
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精神科医の中嶋聡先生の本です。
「傷ついた傷つけられたと騒いでは憂さ晴らし」という橘いずみの歌詞にもありますように、昨今はやれハラスメントだの何だのと言い立てる風潮がありまして、
「相手が不快だと思ったんだ!」と苦情を言えば、それで勝ち、みたいなことは、何度も見てきたし体験してきたわけですよ。
そういう私からしますと、「よくぞ言ってくれた」「そうだよな、そうだよな」と頷くことしきりでした。
特に、「鬱だ」だとか言って長期休暇かましてくる、無断欠席連発する昨今の連中ときたらですね、
許しがたいものがあるわけですよ。
しかも、ちゃっかり休暇中に海外旅行に行ったりしてて、「それ、鬱じゃねーじゃん」というね。

いえね、かく言うこの私も職場では「くさい」「きたない」「きもい」の3Kとして蔑まれ、
何もしていないのに、「いるだけで不愉快になる」「職場環境の悪化につながる」「存在がハラスメント」などと言われ続けてきたわけじゃないですか。
なぜか社長からは「会社の業績悪化もリスケのせい」とか言われたことありますからね。
すげえな、俺の一挙手一投足で会社の業績左右してたんだ。
ぼーっとしているだけでも、「視線を感じた」「痴漢だ」とか女子社員にいちゃもんつけられますからね。
そこから「セクハラ騒動」になったり、「セクハラ」を言い立てられたりするわけですよ。

最近の日本は、被害者の立場を極端化し、訴えさえすれば、加害者とされる人間の言い分を聞くことなく、断罪される構造を、
この本では「被害者帝国主義」と規定し、その弊害が説かれているわけです。
後になって、「同意はしたが、望んだものではなかった」とひっくり返される理不尽さなんかが語られていきます。
いやー、この中嶋先生の本、読んでて「わかる、わかるよ」と何度も膝を打ちました。
膝を打ちすぎて、ジーンズが色あせしたくらいですよ。

とはいっても、なんか全般的に「愚痴」といいますか、正論なんですけど、
でも、「被害者帝国主義」へのカウンターパンチへの妙案はなし、ではあるわけで、
どうしようもないんだな、ということがわかりました。
うーん、どうすれば、自分を防衛できるんだろう、そこいらへんの知恵を、中嶋先生には語って欲しかったですねー。



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