読書感想「別海から来た女 木嶋佳苗悪魔祓いの百日裁判」


【評価】★★★
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佐野眞一さんの木嶋佳苗ネタの本です。
とりあえず、佐野眞一さんは木嶋佳苗が嫌いなんだなぁーってくらい、すんごくボロクソに言ってますね。
でもさ、佐野眞一さんにせよ、「毒婦。」の北原みのりさんにしても、
二人とも木嶋佳苗はサイコパスって点では一致しているかなぁ。
女性という視点から見たのが、北原さんの本で、
こちらの佐野眞一さんの本ってのは、完全に男性視点でして、マッチョなところがあります。
とりあえず、木嶋佳苗は理解できないし、理解すべきでない、という姿勢で一貫していますな。
北原さんの描く木嶋佳苗って、どこかしら私たちの中に「木嶋佳苗的なもの」ってあって、それを思い起こさせてしまい、ココロに波風をたててしまう存在としての「木嶋佳苗」って感じなんですが、
佐野眞一さんはもう理解できないモンスター、という描き方でして、
よく言えばばっさりと切ってる感じがしますなぁ。
また、ちょっと大げさというか、大げさすぎて笑っちゃうところがあります。
たとえば、
この法廷には、法の正義が顕現する場所にはまったくふさわしくない魔風、淫風が吹き荒んでいた。(117蓮

とか、いや、「魔風」「淫風」って…山田風太郎先生の本で見たことがあるような単語ですよね。
普通の小説とかには使わんだろ。
こういう「大げさ」というか「盛ってる」というか、
読者の興味を引きたくて引きたくてしょうがない、話を盛り上げたくてしょーがない、
という佐野眞一先生の荒ぶるココロが、とても香ばしい風味を醸し出しているのでございます。
とくに、76呂
私はこの女の恐ろしさを骨身に沁みて知っている。実は私は木嶋佳苗に“殺され”かかったことがあるからである。

なんていう書き出しは、とてもわくわくして読み進めるわけですよ。
えっ?佐野眞一先生、木嶋佳苗と会ってたの?事件前に?
なんて思って読み進めていきますと、木嶋佳苗の生まれ故郷に取材に行ったときに、狭心症の発作がおこって、
「これって、木嶋佳苗の呪いじゃねえ?」
と思い込んでいるという、ただの発作を大げさに誇張してるんですよ。
もう「がくっ」とずっこけちゃいましたもん。

この本のすごいところというか、「よく調べてんなぁ」と感心するところは、
「出自」にすんごいこだわっていまして、木嶋佳苗のおじいちゃんの出身とか、どうやって北海道の別海町に流れてきたか、
なんてのを丹念に調べてるのね。
それで、
木嶋佳苗の血のなかには父祖伝来のその怨念がこもっていたような気さえする。(41蓮

なーんて書かれているんですが、
うーん、お父さんお母さんの教育方針が間違ってたかもしらんけど、
祖父までその責任問われたらたまらんわなぁ。

というか、佐野眞一さんって「ハシシタ」でも「出自ネタ」を追及しすぎてアレだったわけですが、
今回でもその性質が遺憾なく発揮されていました。



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