1般的に言われるギックリ腰(いわゆるギックリ腰)と腰痛ヘルニアはどう違うの良く聞かれることがあります。このヘルニアを起こす部位は椎間板になります。椎間板の構造は繊維輪に囲まれて中にゼリー状の粘性のある髄核が入っている構造になっていて、椎間板は椎骨の、骨と骨の間にあって、クッションの役目を果たしています。腰部ヘルニアとは椎間板を構成する繊維輪(せんいりん)を突き破って、髄核(ずいかく)が突出することにより神経の前根や後根を圧迫した状態なっていることで、神経が炎症を起こして激しい痛みを発症しています。外科的な処置も必要になってくるほど、重症になっている場合もあります。この状態ですと痛みも普通ではないことが多く、本人もその痛みの異常さはいうまでもなく認識できます。神経に触れていない場合は鈍痛や麻痺として感じることが多いようです。激しい痛み(激痛)を伴う場合は髄核が神経に触れたり神経に圧迫がかかることで神経が炎症を起こしている場合になります。椎間板ヘルニアを起こす部位は頚部と腰部が多く、発症は男性に多く表れています。
いわゆるギックリ腰の場合は、その他の原因で、関節周辺や関節周囲の筋肉や靭帯が炎症を起こすなどになりますが、痛みはまちまちになることが多いようです。個人的な感覚から、腰の周辺が重く痛みを感じる、動かすと痛い、動作の変わり目に力が入らない、電気のようなシビレが走りそう、または軽くピリピリと傷む、などの症状を含めてギックリ腰のようだと認識しているようです。電気の走るような痛みを伴う場合は、医師の診断を受けていなくても痛みの度合いから、1般的に言われているヘルニア(腰痛ヘルニア)をやったようだと認識されるようです。(この場合、詳しい検査をしていないので、あくまで個人的な認識での話になります)ギックリ腰の場合、安静や筋肉のバランスを整えることで症状は軽減されることがありますが、本当のヘルニアの場合は炎症が進んでしまうので、取り合えづは安静にして医師の診断を仰ぐことが普通になります。腰痛ヘルニアの医学的処置は保存療法と観血的療法(手術)になります。観血的療法の場合は激しい痛み(激痛)や麻痺などを起こしている重症な症状になります。
その他、腰痛の痛みの程度に関係なく、検査の結果、腰椎分離症、腰椎すべり症、変形性腰痛症などが発見されることがあります。近年では腰部脊柱管狭窄症も多くなっているようです。高齢になると椎骨の圧迫骨折も多くなってきます。椎骨に負担のかかる部位の胸腰椎移行部辺りでの発症が多くなります。綺麗につぶれると痛みが少なく、発見が遅れることがあります。普通は痛くて動けなくなります。斜めにつぶれたりすると痛みはより激しくなるようです。骨密度が薄くなる年齢になると起こしやすいので、骨密度の検査で数値が下がっている方は圧迫骨折のリスクを考えて行動することも予防につながっていきます。
腰椎ヘルニアの場合は、普段の生活の中で突然発症することもあるようですが、重いものを持った時、外力が加わることで発症する場合が多く、そのため若い人でも腰痛ヘルニアを発症してしまいます。年齢的には20~40才台が多いようです。筋肉に柔軟性や筋肉のバランスが悪いと、より発症のリスクは高くなるので、普段から筋肉のバランスや柔軟な筋肉にしておくことが、腰痛の予防には1番良いと思います。慢性的な筋肉の疲労も原因になっています。筋肉のバランスの崩れから骨盤や椎骨に負担がかかり、結果として腰痛の発症のリスクを高めることになっていくと思います。自分で崩れた筋肉等のバランスをリセットすることは難しいので、自分でできる予防としては、普段から軽く体を動かすなど、年齢に合った適度な運動は必要になって来るところです。筋肉や骨のためには、適度な運動の刺激を受けることが1番良いのです。そのことが腰痛の予防につながっていくことになります。骨密度を上げるための方法としても、例え十分なカルシウムの摂取があったとしても、運動などの刺激(散歩でも骨には重力等がかかるので有効です)は必要です。散歩も日中行うと効果はさらに上がります。運動不足を感じていたら、予防のため散歩など簡単な運動も取り入れていくと良いと思います。