関節の負担と関節周辺の組織に与える負担、筋膜などのゆるみ等が、背が縮んでくると体調に現れてくると考えられます。例えば、膝関節症や腰痛、慢性的なだるさ、首や肩周辺のコリや痛みなどの症状を感じる様になった、今までよリも歩行がつらくなった、疲れやすくなった、今までできていた日常の運動(今まで行ってきていた行動)や筋肉を使う運動に対して、動きにくくなってきた、今までと同じようにできなくなってきたなどの変化として、今まで気になっていなかった日常の動作や運動能力の違いを体調の変化として感じてくると思います。
人は自分の体と長く付き合っていると、徐々に背が縮んでいることなどには気が付かないものです。測ってみたら「いつの間にか数センチも背が低くなってしまった」と驚かれた経験のある人も多いと思います。背が縮む原因は、年齢的に自然と関節の間隔が狭くなることや、伸筋と屈筋のアンバランスが狂い猫背等になること、あるいは疼痛性の姿勢から背を縮めていたり、足首の捻挫や下肢の骨折等により体をねじったり、左右さが生じた場合など原因は幾つか考えることができます。年齢的に自然と関節の間隔が狭くなることにより、関節が関与して痛みが出たり、長年のうちに変形していった軟骨が柔らかさを失って関節周辺に強い圧迫を与える結果になることなどもあると思います。重力や背の高さに関係が無くても、肩関節などは関節の幅が減ることで(隙間が狭くなること)球関節の構造から、関節周囲の組織を挟み込んでしまうこともあります。足首の捻挫、過去に起こした捻挫の古傷、足首の外反、内反の癖がもとで背筋を伸ばす姿勢が取りにくい、骨折の後からバランスが崩れて背筋が伸びない状態を感じるなどの場合は、補正器具を使うなどで姿勢が伸びる様にすると、不調に感じている症状、例えば原因不明のだるさや疲れ、姿勢にねじれや偏りを感じるという違和感、腰や下肢に感じる違和感等を改善することができる場合も多くなるのではないのかと思います。逆に症状が悪い方に悪化(進行)していくと下肢のだるさや腰痛を引き起こす可能性、膝関節の変形、下肢のアンバランスを補うためにできた上半身や頭部、首に生じるねじれを引き起こす可能性が出てきます。
背が年齢とともに低くなること(縮むこと)は避けることはできません。しかし、アンバランスが生じて、不調を感じたまま生活を続けると、さらなる関節の変形を助長しかねません。背が低くなったことを感じていて、不調を感じている場合には筋肉のバランスを整え、関節を伸ばすことが必要になってくると思います。伸ばすと言っても、驚嘆な進展はかえって関節にダメージを与えてしまいます。マッサージや軽いストレッチ、入浴の後に、軽く伸ばす程度でも効果は出てくると思います。運動不足や弱っている筋肉が強くなって不調の原因ガ軽減されることはあると思いますが、バランスが崩れているままでの、負担のある運動はマイナス効果になるので注意が必要です。不調を感じる場合、マッサージなどで体のバランスを取り直すことには効果があると思います。そのあとに軽いウォーキングや簡単なラジオ体操的な運動をするとより効果があると思います。体のバランス、特に筋肉のバランスは、例えば右が弱いから右を多めにすればよいというものではなく、別ものと考えた方が良いです。マッサージ等により脳に刺激が伝わり、古い感覚(不調を感じていた体の状態)からバランスのそろってきた状態を認識させていくことが必要になってきます。姿勢は無意識に補正されているので、新しい基準となる姿勢を覚えさせてあげることと、そのための筋肉のバランスを取ってあげることが、背が縮み始めてからの不調を取り除く良い方法だと思います。ゆがんだ状態で背が縮んでいくと関節に負担をかけたり、関節の癖(変形)などから更なるアンバランスを生じたり、崩れていたバランスをさらに悪化させてしまうこともあるからです。自分でできる予防としては無理のない運動が効果があります。背が縮んで起こってくる体の変調の場合には、筋肉が伸のびる方向に手足を動かす運動が有効だと思います。万歳など普段は使わない腕を上げる運動や、肩を回す運動などが簡単で効果があると思います。つまりは普段使わない方向に筋肉を伸ばしてあげれば良いのです。
運動等の負荷をかけるのはバランスが取れてからでも遅くはありません。それも大きな負荷は必要ありません。軽い運動を続けることで、運動神経などの衰えの予防にもなります。もちろん、背が縮む年齢になる前から、軽い運動等をする習慣をつけておくことが長い目で見た場合に1番良い予防方になることは言うまでもありません。肉体的な変化を感じる前に姿勢の確認をしてみると良いと思います。姿勢のチェックには体を映せる鏡があれば分かりやすいかもしれませんが、体のバランスの崩れは靴底の減り方や、ズボン、スカートの裾の位置などを見ることでも、自分の体の状態を簡単にチェックをすることはできます。背が縮む、背が低くなるということは、関節の隙間が狭くなるということなので、背が縮む事で関節を由来とした姿勢の変化や違和感も現れてきます。背が縮んできたと思ったら、今後起こりうる体長の不調にかかわる予防のために体のバランス、筋肉のバランスなど体もいたわる意識が必要になってくるという事です。