最近、昆虫を食べることに興味を持った方が増えているようです。今回は昆虫食について調べてみました。食糧難が今後予想されることから、世界では食糧難に対する手段としての昆虫食も考えられているようです。栄養価が高く、牛や豚よりも生産にコストがかからないからです。近所の本屋に寄ったら、食べられる昆虫を紹介した本がありました。バッタ科、イナゴ科の種類には食べられる種も多いようです。今回、アフリカで大発生したバッタ(サバクトビバッタ)の問題が発生して、なぜに海外では食している昆虫が多いのに、このバッタを食べないのかと思っていました。このサバクトビバッタは群生層で飛ぶ力が強く、風に乗れば100~200キロを移動してしまうそうです。この大発生するバッタの集団は数億匹~数千憶匹にもなりますが、年により発生する数が違うようです。今年はただでさえ膨大な数が集まった集団なのに、例年よりも遥かに多くの数が集まった大集団になったようです。ゆえに引き起こされる被害も大きなものなったようです。集団はインドやパキスタンの1部にまで到達したとのことでした。数に物を言わせたサバクトビバッタの食事量は半端なく、人間の食べる野菜等を食べつくしてしまうことから、深刻な食糧難を引き起こしてしまいます。このサバクトビバッタは食べようと思ったら食べられるそうですが、スカスカしていて美味しくないようです(個人差はあると思いますが、食べないバッタとして紹介されています)。1部食べる地域もあるようですが、大発生したサバクトビバッタは、途中で農薬の攻撃を受けたり、農薬で汚染した植物を食べていることなどが考えられるので、食べられるとしても(食べようとしても)食べない方が良いようです。例え食べる人がいたとしても、農薬等で死ぬ個体が多くいても、莫大な数の発生があるので、手の打ちようがないようです。バッタの被害だけではなく、環境の悪化を含めて世界では食糧事情が悪化していくことが考えられていますが、日本では昆虫を食べなくてはいけないというほどの食糧難にはならないと思います。海があり、川がある。養殖ができるうえ、食べていない食材、例えば外国では食べているウサギ、ハト、ナマズ、ザリガニなどがあるからです。養鶏場の鶏も十分に食べられます。鶏舎に入れ替えて廃鶏にするまで約1年半程なので、けして古い鶏ではないからです(卵を1日1個うまなくなったら入れ替えになります)。世界で昆虫食が広まっていけば日本人も興味と味の評判等から食べる習慣はついてくるとは思います。日本の場合は、どちらかというとこの興味から昆虫食が定着するかも知れませんね。
昆虫食を勧めるわけではないのですが、食べられる虫等を簡単に調べてみました。
日本でも長野県、岐阜県、愛知県では昆虫食の文化があることが知られています。日本人が思い浮かぶ食べられる昆虫は、イナゴとハチの子が有名です。特に長野県の昆虫食分化は有名です。イナゴ(コバネイナゴの成虫)、ハチの子(クロスズメバチの幼虫)、カイコ(蛹)、ザザムシ(ニンギョウトビケラの幼虫)が知られています。ザザムシは今では皮が汚れてきていて捕獲が難しくなったため、広くトビケラ類、カワゲラ類の幼虫を含めているようです。昆虫食の本を読んでみるとオオスズメバチ(成虫と幼虫)、モンクロシャチホコ(幼虫)、カミキリムシの幼虫なども食べられるようです。この3種は特に美味しいと書かれていました。「おや?」と思ったのが毒を持っているオオスズメバチで、高温の油で揚げる等で毒性が消えるようなので、食べても大丈夫になるようです。モンクロシャチホコは毒を持たないケムシで、主にサクラに寄生していてサクラケムシと呼ばれています。サクラの葉を食べて育っていることから、油で揚げて食べるときなど、サクラの良い香りがあり美味しいと言われるそうです。他の樹種に付くモンクロシャチホコの幼虫には良い香りはしないそうで、食べる場合にはサクラに発生した幼虫を食べるようです。カミキリムシは大抵どの種も幼虫は美味しいらしいです。カミキリムシも種類が大変多い昆虫なので、食べられる種類を確認した方が良いことは言うまでもありません。沖縄県ではセミの幼虫、成虫共に食べると聞いたことがあります。セミも美味しい昆虫だと言われていて、海外でも多く食べられています。
日本で食べることができるバッタはバッタ科でトノサマバッタ、クルマバッタ、クルマバッタモドキ。イナゴ科でイナゴ(コバネイナゴ)、ハネナガイナゴ、ツチイナゴ、オンブバッタ、ショウリョウバッタ等があります。ただツチイナゴは冬眠しないバッタで、冬季でも暖かい日に食事をしている所を見ることがあります。食性は広いようです。当方はキンモクセイの葉を食べているツチイナゴを見たことがあります。食性が広いので毒性のある植物も食べている可能性があるので、必ず生食は避けて糞出しをしなくてはいけません。バッタ類は糞出しをした方が良いです。昆虫食全般では生食を避けて、必ず火を十分に通すことが必要になるようです。雑菌や寄生虫がいることがあるからです。バッタ類に寄生する寄生虫にはハリガネムシが知られています。ハリガネムシは水辺の近くにいる昆虫に寄生します。大型のバッタやカマキリに多いようです。興味や昔食べたイナゴの味が忘れられない方は、もし食べようと思っても十分に加熱した方が良いです。バッタは加熱すると赤く変色します。エビやカニと同じですね。アレルギーのある方は避けた方が良いかも知れません。まだ十分に食材としての研究がされていない昆虫も多いので、やたらと食べない方が良いかもしれません。また昆虫は死後の腐敗が早いそうなので、食中毒の可能性も考慮した方が良いと思います。また、明らかに食べたら危険と思われるカミキリモドキの仲間、ジョウカイボンの仲間、ホタルの仲間、毒針毛を持ったケムシ類等も知っておいた方が良いでしょう。これらは食べてはいけない昆虫になります。害のある昆虫は他にも居ると思うので注意が必要です。食べなくても捕獲時にも危険な種類もいるうえ、さらに毒性があり、食べて深刻なダメージを受けたら大変です。何でもかんでも食べようとは思わない方が無難です。それでも食べようと思われたら、これら危険性を考慮して、自己責任で病院に行かなくて済むように楽しんでください。もし病院に行くはめになったら、何の昆虫を食べたのか昆虫の名前も把握しておいた方が良いです。外国の昆虫も食材として手に入る時代になったことから、昆虫食のハードルは低くなったと言えるでしょう。安全に食べたいのであれば、最初から外国で食べられている昆虫などが食材として買える様になったので、輸入食材としての昆虫を探すと良いかも知れません。ひと昔前には思いもしなかった、昆虫を食べる時代になったのですから驚きです。