当疾患は下腿内側に位置する脛骨の下方3分の1に発生する疼痛を指し、正式名称は「脛骨過労性骨膜炎」といいます。
脛骨に沿って疼く様な鈍痛で始まり、多くの場合は運動開始時に現れ、その後消えて運動が終了すると再発することも有ります。 症状が進行すると疼痛感は増し、運動の最中に持続する様になります。そして最終的には、起床時や日常生活の他の動作の最中にも痛みが伴う様にもなります。

「足底腱膜炎」の項目でも触れましたが、足関節の背屈動作の過多による前脛骨筋酷使が引き金となっています。足底腱膜炎と発痛原因は基本的には同一(アーチ部)と言っても過言では有りませんが、前者はウイルス感染が要因となっていることも少なくない為、時に原因鑑別は困難となります。

従って、当疾患の治療も「足底腱膜炎」の場合と概ね同一ですが、前脛骨筋ということを加味して、陽明経及び少陽経の疎通を改善することにキーポイントが有ります。
使用する経穴は以下の通りです:
三里
上/下巨虚
懸鐘(絶骨)
解谿
陽陵泉
外丘
丘墟

罹患後放置すると歩行への障害にもなり得ますので、早期治療及び日頃からの予防線張りが肝要と言えます。