桑名柴田整骨院の日記

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カテゴリ:症状別対処 > 運動器系疾患

当疾患は過度の運動や負荷により膝関節に衝撃が加わって、屈伸や捻りなどの動作により、大腿骨外顆という骨の隆起に腸脛靭帯が擦られ、摩擦性の炎症が起きます。

腸脛靭帯は身体の中で一番長い靭帯で、骨盤の「腸骨稜」と膝外側の腓骨外側頭を結ぶ靭帯で、大腿部の外側に有ります。当靱帯は大腿筋膜張筋上に有り、上前腸骨棘に起始し、大腿の外側面を下方へと走行しながら脛骨粗面の外側のGerdy結節に停止し、股関節には屈曲, 外転, 内旋に作用し、膝関節では鋭角の膝屈曲で膝関節伸展運動に、鈍角の膝屈曲では膝関節屈曲運動に作用します。又、膝関節の屈曲角度と無関係に下腿の外旋にも作用します。

即ち、当靱帯の過度の緊張状態が継続されることにより、大腿筋膜張筋、或いは更に上方に位置する臀筋群、股関節、腸腰筋にも影響が及び、腰痛の引き金にもなります。

普段、歩行時の歩幅が小さい場合は(大腿骨骨頭骨折等を罹患している場合を除き)、必然的に股関節周囲の柔軟性が失われていることが想定できます。当靱帯の炎症も引き起こしやすくなることは明白です。

従って、当疾患の予防策として、大腿部内側に位置する内側広筋(大腿四頭筋の一部)の強化、並びに股関節外側部を主とした伸展運動を取り入れていくことが肝要です。

当疾患の治療で用いられる経穴は以下の通りです:
血海(膝蓋骨底内端の上方2.0寸、内側広筋上)
梁丘(膝蓋骨底外端の上方2.0寸、外側広筋上)
外膝眼
委中
三里
陽陵泉
風市(大腿骨外側上顆より上方7.0寸、中指を下ろしてその先端に当たる腸脛靭帯の後方)
環跳(大転子の頂点と仙骨裂孔を結ぶ線上で大転子頂点から3分の1)
髀関(ひかん、大腿直筋と縫工筋と大腿筋膜張筋の近位部間)

当疾患の長期化は、延いては頸肩部の倦怠感にも繋がっていきますので、早期の治療が鍵となります。

当疾患は比較的高濃度の尿酸塩により、それが関節に沈着する症状を指し、中年以降の男性に好発します(男女比9対1)。
拇趾の中手指節間関節(以降MPと略します)が腫れてくることが最大の特徴で、尿路結石や虚血性心疾患のリスク要因となり得ます。

そもそも尿酸塩自体がプリン体から派生されるものですので、ならばプリン体の摂取を止めよう、という訳にはいきません。細胞組成に必要不可欠な物質でもあり、過剰や不足がもたらすリスク要因としては、他の物質とさほど変わりはありません。
しかしながら、最近は栄養状態の改善により当疾患の罹患患者は増加傾向に有り、栄養過多に共通の糖尿病と動脈硬化症、高脂血症による循環器系合併症の要因ともなり得ます。

当疾患の予防策は、他でも存分に触れられていますのでここでは割愛します。

当疾患の治療で用いられる経穴は以下の通りです:
中枢
合谷
三里
天突
陽陵泉
曲池
地機
太白
公孫

放置すると痛風結節というものが他の部位に発生し、時に破れて皮膚潰瘍の原因を生じますので、早期の治療が肝心です。

当疾患は臀部に有る洋梨の形をした梨状筋が、何らかの原因で坐骨神経を圧迫し、坐骨神経障害を引き起こすもので、当筋の過剰収縮で坐骨神経を圧迫してしまうことで痺れや痛みの様相を呈します。梨状筋の過剰な収縮は、車を長時間運転する人に好発します。

下肢の運動により外旋筋群が疲労し、慢性的に柔軟性を欠いていることが引き金となることも多いとされます。ランニング等で股関節の屈伸を繰り返すスポーツでは、坐骨神経を摩擦し圧迫することが多く、当疾患に罹患しやすくなります。スポーツ選手は日頃から体を鍛えており、筋肉そのものが大きいことも圧迫の一因と言えるでしょう。 

又、坐骨の形状が障害の原因となっている事も有ります。坐骨神経は通常、骨盤内から後方臀部に出るとき梨状筋の下を通りますが、中には坐骨神経の一部が梨状筋の間を貫いていたり、上と下を挟んで通っている人もいます。この様な場合は、筋緊張や損傷後の炎症によって神経がより圧迫されやすくなります。

梨状筋は仙骨に起始し、大腿骨骨頭に停止し、股関節を外旋させる作用を持ちます。この筋が炎症もしくは過度の緊張状態になると、その下を通る坐骨神経を圧迫して神経の走行に沿った症状を呈します。

当疾患の治療で用いられる経穴は以下の通りです:
髀関(ひかん:上前腸骨棘と膝蓋骨底外端を結ぶ線上の大転子頂点の高さ)
委中
腎兪
上・次・中・下髎(八髎穴とも称します)
環跳
陽陵泉
丘虚
崑崙
地機

此処の過緊張は他にも円背や慢性腰痛の引き金にもなりますので早期の治療が肝要です。

当疾患は足底に過多の負担を掛けることにより、足底を構成する腱膜に炎症を生じ、激しい焼灼感を生じます。
ことさらアーチ部に生じやすく、扁平足の場合はそれだけリスクも高まります。

跳躍運動の反復練習や長距離マラソンランナーに好発しやすい傾向が有りますが、足関節の可動域が狭い方は特に起き易いとされています。
当関節は、走歩行や跳躍動作の時に、衝撃を吸収する作用が有り、且つ、足底のアーチにも衝撃を吸収する作用が有るのですが、両方に十分な柔軟性が有れば、各々への衝撃を分散できますが、足首の関節が固くなってしまうと足首で衝撃を吸収できず、全て足底に衝撃が伝わる為に足底に過大な負荷が掛かってしまい、結果として足底部に激痛を伴います。

即ち、足関節の運動で大きな役割を果たしているのは前脛骨筋と腓腹筋(鮃筋も)なのですが、当筋群の拘縮によっても足関節への負担が過多になる為、その柔軟性を取り戻すことが肝要になります。

又、長時間立位姿勢を続けると、足底で体重を支え続けなければならず、負荷が過多になります。元来、人間には解剖学的構造上、二本足で長時間立ち続ける能力は備わっていない為、長時間の立位姿勢状態は、足底への負荷が増し、当疾患への引き金となります。腓腹筋の異常な緊張による浮腫感も併発します。

足底腱膜は踵骨の内側底面に起始し、足趾の基節骨に停止します。下半身は股関節・膝関節・足首・足底アーチの4関節で、運動時の衝撃を緩和しています。この四つの関節のうち、一つでも柔軟性を失うことで、他関節へ掛かる負荷はより一層増します。

アーチが高過ぎても低過ぎても、当疾患に罹りやすくなりますので、適度な高さに調整する必要が有ります。

当疾患はむしろ、足底腱膜を構成するアーチ、特に内側に位置する筋群へ刺鍼していきます(電気鍼)。
同時に、足関節の運動を為す前脛骨筋及び腓腹筋の緊張を解いていきます。

RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)との判断が難しいことも有り、尚且つ、当疾患では歩行障害も伴う為、早期の治療が肝心です。

当疾患は下腿内側に位置する脛骨の下方3分の1に発生する疼痛を指し、正式名称は「脛骨過労性骨膜炎」といいます。
脛骨に沿って疼く様な鈍痛で始まり、多くの場合は運動開始時に現れ、その後消えて運動が終了すると再発することも有ります。 症状が進行すると疼痛感は増し、運動の最中に持続する様になります。そして最終的には、起床時や日常生活の他の動作の最中にも痛みが伴う様にもなります。

「足底腱膜炎」の項目でも触れましたが、足関節の背屈動作の過多による前脛骨筋酷使が引き金となっています。足底腱膜炎と発痛原因は基本的には同一(アーチ部)と言っても過言では有りませんが、前者はウイルス感染が要因となっていることも少なくない為、時に原因鑑別は困難となります。

従って、当疾患の治療も「足底腱膜炎」の場合と概ね同一ですが、前脛骨筋ということを加味して、陽明経及び少陽経の疎通を改善することにキーポイントが有ります。
使用する経穴は以下の通りです:
三里
上/下巨虚
懸鐘(絶骨)
解谿
陽陵泉
外丘
丘墟

罹患後放置すると歩行への障害にもなり得ますので、早期治療及び日頃からの予防線張りが肝要と言えます。

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