当疾患は内頚動脈が頭蓋内に入り最初に血管を分岐する直前で左右共に急速に狭窄又は閉塞する疾患です。
脳は左右の内頸動脈と左右の椎骨動脈の計4本の血管によって栄養されており、これら4本の血管は脳底部で動脈輪を形成しています。当動脈輪は動脈が一本詰まっても他の血管から血液が流れこむ為のバイパス路として、安全装置として働いていますが、この動脈輪が機能せず脳血流が不足する事により、動脈輪近傍の本来は細い毛細血管が多数拡張して側副血行路(バイパス)を形成し、脳血流を維持しようとします。
当疾患では、脳血管の毛細血管が多数拡張していますので、脳血管を造影した際に脳血管がもやもやした様相を呈します。
従前の正式疾患名は「ウィリス動脈輪閉塞症」ですが、2001年に当疾患名が正式名称として変更されました。
当疾患は4つのケースが有り、脳虚血型の場合は数分で症状の治まる事が多いですが、稀に脳梗塞を併発します。
脳出血型は激しい頭痛や麻痺を併発し、場合により致命的となります。
癲癇型は僅かな痙攣発作を伴います。
不随意型は、四肢の不規則動作が主症状となります。
当疾患の治療に用いられる経穴は以下の通りです:
百会
前頂
懸顱
後頂
大椎
肩髃
曲池
三里
合谷
魚際
太淵
伏兎
風市
環跳
絶骨(懸鐘)
兎角、当疾患では脳関連の症状を併発しやすく、QOLの低下原因とされますので、早期の治療をお勧めします。