当疾患は胃壁にある筋層が異常に緊張することから、あたかも胃が痙攣しているかの様に感じる状態です。
胃痙攣は、発作的に起こる上腹部の痙攣性の痛みを総称したもので、発作時間は数分から、長いものでは1~2時間続くことも有ります。鳩尾のあたりを中心に、激痛発作が起こります。
横隔膜の痙攣である「しゃっくり」と概ね同一部位に痛みが発生しますが、程度が異なります。
原因としては、喫煙・飲酒・外因・胃潰瘍、胃関連の疾患(急性胃炎、胃軸捻転、胃粘膜脱、十二指腸潰瘍、胆石症、胆管炎、急性膵炎)が挙げられますが、比較的対処は簡単です。
当疾患の治療で用いられる経穴は以下の通りです:
三里
中脘
内関
郄門
合谷
大腸兪
脾兪
地機(三里の反対側)
鳩尾
上巨虚(三里の下方3.0寸)
生活上の注意点として、禁煙(その他疾患での危険因子でもある)・外因除去(軽度の運動)・刺激物(コーヒー、飲酒、唐辛子等)を控えることにあります。
他、食事の際にはしっかり噛むことが肝要です(咀嚼筋の退行による偏頭痛や顎関節症、円背(猫背)の予防の意味合いからも)。