今朝いきなり

腰痛とは違い、左の鼠径部と太ももの内側が痛む
との訴えでした。

 
この症状は時々見られるもので、腸骨鼠径神経と
陰部大腿神経が関係しています。

これらの神経は、腰椎第1~2番に起こり、前者は鼠径部と陰部
に、後者は陰部と大腿内側に分布しています。

多くの場合、内臓下垂でこれらの神経が圧迫を受けた場合に
この患者さんのような症状が出ます。

従って治療は神経痛ではなく、内臓下垂が対象となります。

 そこで先ず内臓下垂の特効穴である患側の左気戸(キコ)
探ってみるとグリグリとした硬結が出来ていて、
押すと強い痛みがあります。

気戸は胃経のツボで、鎖骨の下縁で、乳線上にありますが、
その周辺も探って硬結を求めた方がより効果的です。

ここに置鍼しただけで7割方痛みが取れました。
更に補助穴として、同じく患側の大腿前面にある胃経の伏兎
(フクト)
と、外側にある胆経の風市(フウシ)に置鍼。

これで訴えの痛みは完全に消去しました。


内臓下垂は、背景に過労などによる免疫機能の低下があるので、

上記置鍼と同時に、扁桃機能改善を目的に、照海(ショウカイ)

天牖(テンヨウ)、曲池(キョクチ)にも置鍼しました。