当疾患は帯状疱疹ウイルスに感染した神経が支配する皮膚領域に起こる慢性疼痛です。帯状疱疹に罹って後暫しの期間継続するとされていますが、何故痛みとして継続するのかは明確ではありません。一説には帯状疱疹ウイルス(VZV)によるアレルゲン反応(一次アレルギー)とも言われているのですが、ともすれば花粉症や他の過敏反応にも非特異的であることから、引き金となっていることの十分な説明には至りません。
しかし、帯状疱疹ウイルスは片頭痛及び群発頭痛のリスク要因としても挙げられていることから、先の説明には至らないのが実情です。
(参考文献→http://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/topics/83.html)
当疾患は比較的高齢者に好発し、通常は短期間(1〜3ヶ月程度)で治癒するとされていますが、稀に長期(10年以上)を要する場合も有ります。但し、当疾患の特徴として、神経の変成によるものであってウイルスそのものでないことに注意する必要が有り、しかも、極稀に脳炎・髄膜炎・直腸の障害を併発して致命的なケースに至る場合も有ります。
当疾患の治療で用いられる経穴は以下の通りです:
合谷
曲泉
曲池
血海(膝蓋骨内上角の上方2.0寸、内側広筋上:膝関節系統の疾患に応用される)
地機
三里
並びに、患部及び患部を支配する神経領域(デルマトームとも言います)
眼を支配する顔面神経に症状を発する場合は、視力に影響を及ぼす場合も有りますので、早期治療が肝要です。
外的要因が引き金ともなっていますので、併せて手厥陰経の要穴を用いて心身の緩和を計ります。